戦姫絶唱の世界で某錬金術師の成り代わりかと思ったら死神の世界って…   作:シヒイシレアサ

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ギリギリセーフ・・・


第9話:これからは・・・?

あの後降谷さんが呼びに行ってしばらくして医者と看護師さんが慌てて入ってきて、すぐさま体調についての質疑応答を始め、血圧やら何やら様々な検査とリハビリをできるだけ負担のかからないように配慮してくれて何日もかけて行われた。

病院食はあまり味気なかったけど、その分デザートとして降谷さんが持ってきてくれたフルーツが美味しかった。まぁ勿体ないけどメロンや桃など好みじゃないのは言ってもないのにその日に持って帰ってくれたけど表情に出てたのか?

それにしてもリンゴ美味しい。←

 

それからまた数日後、ようやく全部の検査とリハビリが終わった。

ほんの数分だったけど毎日来てくれた降谷さんが結果を聞いてきてくれている間、私は病衣から最初に着てたのに着替えた(ローブ?と帽子とあの長手袋は流石に着てない)。

本当は一緒に聞きに行きたかったけどさせてくれなかった。てかあの四人を助けた毎に自動で入手した衣類が病室の中を探しても見つからなかったけどまさか処分されたんじゃ・・・?

嫌な想像をしてしまい、探すのを諦めてベッドの上に座ってしばらくすると扉が開き、そこから医者と降谷さんが入ってきた。

 

「待たせてごめんね。じゃ、行こうか」

 

「え、うわっ!?」

 

降谷さんは笑顔で私をヒョイと抱き抱えて病室を出た。恥ずかしいけどもお姫様抱っこじゃないのが唯一の救いだ。

 

「お、降ろしてください!ボク一人で歩けます!重いんじゃないですか!?」

 

「全然。むしろ軽すぎるくらいだ」

 

「かっ!?て、手続きは!?あとあの服と帽子と長手袋は!?」

 

「そんなのはここに戻る前に済ませておいた。あれらは別の所にあるよ」

 

いいからこのまま抱き抱えられて、と降谷さんに言われて私は諦めてされるがままにした。あと処分されてないのか良かった。

 

周りの視線があまりにも痛くて申し訳ないが肩辺りに顔を埋めてしばらくすると、重そうな扉が開く音と同時に隙間の光がなくなって何だと頭を上げると地下の駐車場に着いた。

やっと立ち止まってくれた先には白いスポーツカー。

・・・ん?これ見たことあるぞ?まさか・・・

 

「れ、れーくん?まさかこの白い車、れーくんの・・・?」

 

「そうだよ、よくわかったね」

 

やっぱりかぁぁぁぁぁ!やっぱりあのRX-7=サンじゃないですか!!

最期に観た映画で大活躍してたのをまだ覚えてるよ!降谷さんのドライブテクニックが凄すぎてもうお疲れさんですってあの時心の中で合掌してたよ!!

 

内心荒ぶってたらいつの間にか助手席に座らせられて発進していた。

待って安全運転ですよね?あのドラテクは披露しませんよね?

 

「あ、あの・・・これからどこへ・・・?」

 

「内緒。着いてからのお楽しみ」

 

だからそんな不安にならないで、とはぐらかされてこれ以上は聞けないと判断した私は外の景色を眺めることにした。

 

「気分は悪くないかい?」

 

「悪くはないですが、少し眠、くなり、まし、た・・・」

 

「寝ててもいいよ。着いたら起こすから」

 

「では、お言葉に、甘え・・・て・・・」

 

少しの睡魔と降谷さんの厚意に負けて眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・?」

 

上下に揺れる感覚でゆっくり目を開けるとまたもや降谷さんにさっきと同じように抱き抱えられていた。どうやら感覚の正体はどこかの高そうなマンションの廊下を歩いている為のようだ。

 

「あ、起きた?まだ寝ててもいいんだよ?」

 

「・・・着いたら起こすって言ってませんでした・・・?」

 

「確かに言ったけどまだ中に着いていないから」

 

若干屁理屈だと思ってると扉の前で止まり、色々ロックを解除して開けた。

進むと中はまるでモデルルームを思わせる程の綺麗な部屋だった。

ここで待ってて、と私をソファに座らせた降谷さんはキッチンに向かい、数分経つと両手にマグカップを持って戻ってきた。

隣に座って片方のマグカップを前のローテーブルに置くとどうぞ、と彼は私にもう片方のマグカップを差し出す。

 

「だ、Danke schön・・・」

 

あ、しまった・・・。

 

「!ドイツ語が話せるのかい?」

 

「す、少しだけなら・・・」

 

いや仕方ないんですよ、前世の両親がドイツ好きで小さい頃からよく連れて行かれてたからその名残でたまに簡単なドイツ語が混ざるんですよ。

ちなみに現地で会った人たちは日本人好きみたいで良い人ばかりでした。現地の歌を歌ってくれたりことわざを教えてくれたり色々。あと今言ったのは訳すと「ありがとうございます」だ。Dankeって省略してもよかったけど。

 

閑話休題、受け取ったマグカップを鼻に近づけて匂いを嗅ぎ、それから息を吹きかけて熱を逃がしてから口に入れる。

いい匂いがする煎茶で美味しい。匂いと味からして高そう。

 

「ごめんね、生憎これしかなかったんだ」

 

「おいしいです。ボク、好きですよ」

 

「そう言ってくれると嬉しいよ」

 

横目で見ると降谷さんは背もたれによっかかりながら煎茶を飲む。

くっそぅ絵になるな、マグカップの中身が煎茶じゃなくて紅茶かコーヒーだったらなおさらだ。

 

「「・・・」」

 

リビングに沈黙が続く。

 

しばらくして降谷さんが空になったマグカップを前方のローテーブルに置き、まだ飲みかけの私のマグカップを取り上げてそれも私の前に置いた。

 

「れ、れーくん・・・?」

 

「・・・本題に入ろうか。僕は君と取り引きしたい」

 

「と、取り引き・・・ですか?」

 

「あぁ、この際はっきり言うが君がこの社会で生きるのは些か難しい。戸籍もないし容姿もそうだが通常ではあり得ない不思議な能力を持っているからそれを狙う輩もいる可能性がある。

そこでだ、君の安全と戸籍、衣食住を保障・確保する代わりに僕の協力者になってくれないか?」

 

「っ!」

 

協力者って最期に観た劇場版のあれ?え、もしかしてダウルダブラで降谷さんの盾となり矛となれと?

 

「勿論断ってもいいが、なるかどうかは君の意思に任せる」

 

「・・・」

 

断ってもいいって言われても断ったら断ったでどうなるか分からなくて怖い。ダウルダブラや錬金術が使えてもこんな世界で生き残れる自信がないんですけど。

それに本当は中立なポジションでいたかったけど降谷さんにあの時助けてくれたり入院費を払ってくれたりなどしてくれたから少しでも恩返しができるかもしれないのなら・・・

 

「協力者になったら、れーくんの役に立てますか・・・?」

 

「!・・・あぁ」

 

「ならボク、協力者になります。なってれーくんの役に立ってみせます」

 

「・・・っ!?い、いいのか?」

 

「はい、役に立てるのなられーくんの盾となり矛となります」

 

「っ!・・・分かった」

 

そう言って降谷さんは哀しそうな表情で私を持ち上げ、股の間に座らせ首に腕を回して頭に顔を埋めた。

 

「・・・ありがとう、そして、すまない」

 

向かい合う体勢じゃないから顔が見れないけど、声と身体が震えていることから悲しいか恐怖のどちらかになるが何でだろう?日頃のストレス?お疲れ?

理由は分からないがとりあえず落ち着くまでこのままにしておくかと覚悟し、頭を撫でようと手を伸ばしたその時・・・

 

ガチャッ




なんか・・・思っていたのと違う感じになってしまいました・・・(-ω-;)

さぁ次回はついに!?
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