戦姫絶唱の世界で某錬金術師の成り代わりかと思ったら死神の世界って…   作:シヒイシレアサ

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やっと10話・・・

今回はリアルの都合で約二ヶ月前から少しずつ書き溜めてましたので長い上に若干意味不明かもしれないです。

今回は前半がちょっとしたコント?みたいにしてみました。


第10話:うっわ・・・

ガチャッ

 

リビングの扉が開いたのが聞こえたから重い頭を動かして音の方向に向けると、そこにいたのはそれぞれ整った顔立ちの男の人たち四人がこちらに顔を向けて硬直していた。

あ、この人たち凄く見覚えがあるけどこの状況は降谷さん的には拙いかも・・・。

傍から見れば兄妹みたいだけど多分この人たちは降谷さんに妹は疎か周りに金髪の子どもはいないことを知っている感じだからな・・・。

 

ふと頭の重みがなくなったから見上げると降谷さんも頭を上げて彼らの方を見て硬直していた。

再び首を戻して彼らを見ては降谷さんを見上げ、戻しては見上げを何回も繰り返すけどリビングに沈黙が続く。

首痛くなってきた。

 

「「「「「「・・・」」」」」」

 

気まずいから誰か何か喋って下さいよ・・・。

そう願ったらロン毛の人が動いた。

 

「・・・とりあえず、現行犯で逮捕?なぁ誰か手錠持ってる?」

 

「待て誤解だ!」

 

言われて我に返った降谷さんは私を元いた位置に戻して立ち上がった。

うん、確かにこれは現行犯逮捕の事案ですよねどこからどう見ても。

 

「まさか警察学校時代主席だったお前が幼女を誘拐するとはな・・・。現役のお巡りさんがまさかの幼女誘拐・・・世も末だな」

 

「だから誤解だ松田ッ!」

 

あ、降谷さん警察学校時代は主席だったんだ。

まぁ確かに頭も良いし強いし三つの顔があるから納得だな。友だちから設定とか聞いて正直二物じゃなくて四、いや五物も与えすぎだし弱点なさそうだなオイって思わずその場でツッコんだよ。

 

そう呑気に思いながらすっかり温くなってしまった残りの煎茶を飲み干す。

 

「俺嫌だよ?文武両道でイケメンでたまに脳筋なとこがある幼馴染みが実はロリコンで、目の前で現行犯逮捕されるのを見るのは」

 

「いやだから違うって言ってるだろ!」

 

たまに脳筋ってそれ褒めてないですよね?

 

「・・・まぁたまにいるよな、何もかも完璧な奴に限って変な嗜好を持つ奴って」

 

「班長・・・フォローになってないから」

 

せめて目を合わせて言ってあげて下さいよタフガイな感じの人。

あーあ、必死に否定し続けてるから降谷さんが疲れて項垂れたよ。

 

「だあぁもう!いい加減に人の話を聞けお前ら!

いいか!?この子はこう見えて中身は二十代だ!!」

 

降谷さんはビシィッと私に指差しながら言い切った。

ちょ、降谷さんその爆弾発言は物凄く拙いんじゃ・・・?

 

「「「「・・・は?」」」」

 

ほらやっぱり四人とも呆然としちゃったよ。

 

「あのなゼロ・・・嘘つくんならもうちょっとまともな嘘をつこうな?例えば妹とか遠縁の子とかならほんの少しは信じようとしたぞ。いつから嘘が一気に下手になったんだ?そんなんじゃ仕事に支障を来たすぞ?

あと人を指差すんじゃない」

 

「嘘じゃない!」

 

確かに嘘が下手になったら眼鏡の人にこれ公(これでよく公安が務まるな)が言えないよ。

 

「お嬢ちゃんカワイイね、お名前は?何歳?」

 

「えっ」

 

急にロン毛の人が降谷さんが座ってたところに座ってきて笑顔で首を傾げながら話しかけてきた。

こっちには来ないって完全に油断してたわ。あとこの人近くで見るとやっぱり顔がいいなオイ。

 

「おいハギあからさまにナンパするな!桜琴が怖がってるだろうが!

桜琴こんなチャラ男に答えなくていいからな!」

 

「そんな萩原に怒鳴ってる降谷に若干、いや充分怖がってる気が・・・。

あとお前が名前を言ってどうする」

 

「聞こえてるぞ班長」

 

「ミコトっつーのか。ミコトはあの褐色金髪ベビーフェイスゴリラに抱き着かれて頭に顔を埋められた事以外に何かされたか?」

 

今度は反対側に喪服っぽい服装にサングラスを片手に持った天パの人がドカッと座り込み、私の後ろの背もたれに肘をかけて降谷さんを親指で差してきた。

埋められた事と協力者の話以外は何もされていないから首を横に振っておく。

 

それより何で美形に挟まれてるの?行った事ないけどホスト?てかこの状況は女性は大歓喜するかもしれないけども私は歓喜よりもいろんな意味で怖いんだけど。

いつか後ろから刺されないかとか・・・。

 

「おい今さり気なく僕の悪口を言いやがったな松田。喧嘩なら買うぞ。

あと片仮名じゃなくて桜に琴って書いて桜琴だ!

てか桜琴を挟んで座るな爆処組!煙草も吸うんじゃないぞ?!」

 

「え~そんなにこの桜琴ちゃんに過剰に反応するだなんて益々怪し~」

 

「俺もう爆処じゃねぇんだがな。てかまさかの漢字かよ。

あとガキがここにいんのに吸えるかっての」

 

降谷さんの反応に私の肩に手を回してニヤつく萩原さんと呼ばれたロン毛の人に、頭に手を置く松田さんと呼ばれた天パの人。

前世で友だちから名前は教えられてたけど特徴は教えられてなかったかこの二人があの爆処組って事を今知ったよ。

あとさり気なくボディタッチしないでくれませんかお二方?

 

「さっきから気になってたんだがこの子、あの女の人に似てないか?」

 

「っ!」

 

そこでその話題にいきますか猫目の人?

私だとバレないように巧く誤魔化して下さい降谷さん。

 

「ひょっとしてこの子はあの人の妹かゼロ?」

 

「いや本人だ」

 

「・・・は?ほ、本人?」

 

「本人」

 

私の願いが全く届かず猫目の人の言葉にはっきりと言いながら頷く降谷さん。

 

何でそれもバラすんですか降谷さん?ただでさえ年齢も爆弾発言だったのに?

もしかしてあれですか?何日も徹夜続きで頭がおかしくなっちゃってますか?だからさっきあんな傍から見たら変質者紛いな行動をとったんですか?

 

「いやいやいや幾ら何でもそれはないだろ降谷。

確かにあの女神様に似てるが本当はこんな小さい女の子なわけないだろ」

 

「桜琴」

 

萩原さんの否定を無視して降谷さんは萩原さんたち二人の手を払い除けてから私を取り上げてスペースのある所に移動させた。

 

「手違いがあったがよくよく考えたらこいつらに教えておいた方が後々役に立つ。

大丈夫、ああ見えてあいつらは利y・・・信用できる。ここで正体を明かしても構わない。僕が許可する」

 

しゃがんで私に目を合わせて、両肩に手を置いて真顔で言う降谷さんにあ、これはやるしかないんだなと判断した私はゆっくり頷いた。

何か降谷さんが利用と言いかけたような気がするのは気のせいだ、うん。

 

 

――――――――――………――――――――――

 

 

頷いた桜琴を見た降谷は彼女から離れて四人のもとに行くと、何もないところからいきなり竪琴を出した彼女に降谷以外の同期組は目を見開いた。

 

「え、ど、どうやって出したんだ?マジック?てか何あれ竪琴?」

 

「黙れハギ。ここからだ」

 

降谷が萩原を黙らせると彼女は奥から手前に奏でる。

すると彼女と竪琴が紫色の光の球に包まれ、光が弾けると彼女の代わりに独特な恰好をした女性が土足厳禁を考慮してか着地せずに少し浮遊しながら立っていた。

 

その一部始終にあまりの衝撃で呆然とする降谷を除く四人。

 

「これでいいのだろ」

 

「え、そ、その姿にこの声、まさか本当にあの時の女神様・・・?」

 

「ア、アリアドネ?」

 

「こりゃ驚いた・・・」

 

「本当だったんだな・・・」

 

「・・・ん?ちょっと待て、ヒロは助けてくれたから分かるが、ハギたちは何で彼女の事を知ってるんだ?」

 

「ん?まぁちょっとな」

 

少し言葉を濁して誤魔化す松田をよそに彼女は目を閉じるとまた光に包まれ、女性から幼女に戻った。

 

「・・・で、僕はヒロを呼んだのに何でお前らも来たんだ?」

 

「気を取り直したな降谷。

実は珍しく俺ら三人とも同じ時間に上がったから飲みに行こうと歩いてたらこいつを見かけてな、これはもしかしたら降谷も会えるんじゃねって思って後を追ってこのマンションの下で話しかけた」

 

「で、色々カマをかけたら降谷に呼ばれたってことでここまでついて行ったって訳!」

 

「まぁ俺は二人を止めたかったがな」

 

「正直見た目と話し方でヤのつく職業の人に絡まれたのかと一瞬思った」

 

「(あ、うん、黒スーツにサングラスをかけてる松田さんを見たらそう思えるのは仕方ないですね)」

 

「どうしたんだい?」

 

「い、いえ、何でもありません、えっと・・・」

 

「あ、そっか。まだ自己紹介してなかったか。

俺は萩原研二、警視庁警備部機動隊の爆発物処理班にいるんだ」

 

「所属も言うのかよ。

松田陣平、前は萩原と同じとこに所属していたが今は警視庁捜査一課に配属」

 

「諸伏景光、警視庁公安部だ」

 

「所属先言っていいのかよ諸伏。

俺は伊達航、松田と同じ警視庁捜査一課だ!」

 

「念のためだが降谷零。警察庁警備局警備企画課、通称ゼロに所属している」

 

「み、桜琴です。れーくん以外のみなさんがおっしゃるアリアドネです」

 

一応此方も自己紹介をしないといけないと思ったのか自らもアリアドネだという桜琴。

 

「にしてもびっくりだわ。あの女神様が普段はこんな超絶カワイイ女の子だとは」

 

しゃがんで彼女の頭から左の頬にかけて撫でる萩原。

 

「犯罪臭がするから止めろ萩原。

だがこんな幼女が本当は二十代なのが信じらんねぇな」

 

「嘘じゃない。僕が初めに彼女に会ったのは十数年前だ」

 

あの時の桜琴は正に幻想のようだったな、と懐かしむ降谷。

 

「あのゼロが言うんだったら間違いないな」

 

その時、小さな音が彼らの耳に入った。音の方向を辿って下を向くと恥ずかしそうにお腹を押さえる桜琴。どうやら彼女のお腹の音のようだった。

 

忘れていたが今の時間は17:30。大人五人は兎も角として彼女は煎茶以外は病院食を少ししか今日は摂っていないため、彼女のお腹は限界だったようだ。

 

「・・・すまない桜琴、気付かなかった。これからご飯にするか」

 

「だな」

 

「賛せーい」

 

「何か作ってくれるのか」

 

「悪いな降谷」

 

「お前らな・・・」

 

ここで夕飯をもらう気満々の彼らに降谷は半ば諦め、彼女を頼む、と言い残してキッチンに向かった。




風見さんだと思った?残念!警察学校組でした!

実は書いてる途中で警察学校組じゃなく風見さんにしようかと思いましたが風見さんだとすぐに終わりになりそうだと判断した為こうなりました!

・・・何でこうなったんでしょうか・・・?
今まで以上に変に・・・何をしたかったのか自分でも分かりません・・・(-ω-;)

更新が遅くなってすみません・・・m(_ _)m

どうでもいい設定ですがファウストローブのあの二本の細いヒラヒラ(←)は本家と違って常に地面すれすれにユラユラと浮遊しています。
あと変身バンクは周りには見せてません。

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