公安部総務課に所属する刑事・染井菊花(そめいきっか)は、違法行為の疑いがある宗教団体への潜入報告を終えた直後、原因不明の重傷を負ったまま意識を失い、目を覚ますと自分の知る時代より十二年後の日本にいた。

過去から来たことを信じてもらえないかもしれない不安を抱えつつも、阿笠博士と灰原哀に保護された彼女は、正体を隠すため「楠よしの」と名乗り、見知らぬ未来で静かに生き延びようとする。しかしその一方で、公安刑事として鍛えられた観察眼と反射は隠しきれず、米花町で起こる事件や異変に、否応なく巻き込まれていく。

やがて菊花は、阿笠邸での穏やかな生活や、灰原・コナン・沖矢たちとの出会い、喫茶ポアロや米花の街での何気ない日常を通じて、この時代に少しずつ居場所を得ていく。けれど、彼女の正体不明な来歴は周囲に違和感を与え、本人もまた、未来で出会った人々の中に“ただの一般人ではない気配”を感じ取っていく。

過去の自分が追っていた宗教団体の影、未来の米花町に満ちる事件の匂い、そして自分がなぜこの時代へ飛ばされたのかという謎が、ゆっくりとひとつの線でつながり始める。

時を越えてしまった公安刑事が、正体を隠したまま危うい日常と数々の事件の狭間を渡り、自分の帰るべき場所と真実を探していく。

「あいつを捕まえること、できるんですかね」

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