アルシナが本気で強くなるって思い始めてから、今日は模擬戦をすると決めていた。
僕は強いし、まぁ経験にはなるだろうし。
とはいっても、当然だが私が本気でやっても僕が圧勝するだけ。
当然、手加減しながら戦う予定だったのだが……。
一つ、問題があった。
『……うん、ごめん。私じゃ教えきれそうにない』
「まさかこんなことになるなんて……」
僕の戦闘経験があまりにも無さすぎて、教えるものがなかったのだ。
魔法ならいくらでも教えられる。
術式だって、何でも。
けど、僕はこれまで強い魔物とまともに戦ったことがなかった。
だから、戦闘経験が無い。
その結果、立ち回りとかを教えることができなかった。
まぁ考えてみれば当たり前の話だ。
僕はこの世界に来てから、一度たりとも立ち回りが必要になってくるような上位に位置する魔物と戦ったことがない。
当然、一撃で終わって、攻撃を受けてもダメージすらくらわないような相手に対して特別なことなどする意味もないし。
だから立ち回りが本当に駄目駄目だった。
実際、アルシナと同条件でやったらあっさり負けてしまったほど。
結局僕の強さはステータス上のものでしかなかったというわけだ。
それに、蜘蛛の魔物なわけだから蜘蛛らしく搦手ができるかと聞かれれば、否と言うしか無い。
なぜならなにかに罠にかけたことが一度もないからだ。
まぁ、そのような関係で僕は相当弱いことが発覚してしまった。
ということで。
「何故私が呼ばれたのだ……」
『だって私がまともに話してる人って、教師側だとミラクルムしか居ないし』
学園長を連れてきました。
「え、いや、え。……仕事大丈夫なんですか!?」
「ん、ああ。仕事は問題ない。大半は終わっているし、今は休校中だ。やることは意外と少ない」
まぁそういうわけだ。
そもそも立ち回りを教えるとか、それにはかなり適していると思っている。
なぜなら、ミラクルムはあんなに実力差があるのにも関わらずレオネと接戦だと見せかけていたのだから。
相手に接戦だと見せかけるのにも技量は必要だ。
それは相手に違和感なくそう見せるということなのだから。
違和感がないからこそわからない。
そして分からなければ相手が手札を隠して居た場合も警戒できない。
こんな風に立ち回りはかなり重要になる……はずだ。
これらは全部、ラノベとかで手に入れた知識。
正しいかどうかはわからない。
けど、そう大して間違っていることは無さそうだ。
「まぁそこの蜘蛛が立ち回りができないというのは予想していた」
『そんな馬鹿な』
僕だって知らなかったことを知っていたというのかこの女は。
しかも僕のことなのに。
「ステータスがそこまで極端に高い魔物で、君ほど人間臭い魔物はそう居ない。大半が仙人のように何かを悟っているからな。そういう魔物は戦闘経験もかなり積んでいる傾向がある」
ん?
なんか唐突にミラクルムの語りが始まった。
「逆に人間臭い、というより感情の隆起が激しい魔物は戦闘経験も積んでいないことが多い。ステータス9999×3などという魔物がそんなことになるということは、おそらく生まれた時からそのようなステータスだったのだろう」
はい、正解です。
生まれた時からこのステータスでした。
『凄いね、全部当たってる』
「経験から少し考えただけだ」
いやそれでも凄いと思う。
「しかし私も暇ではない。君たち二人共まとめて教えることは時間が進むにつれて難しくなっていくだろう。だから特に蜘蛛を重点的に教えていこうと思う」
『……え、私?』
なんか変な方向に話が進んでいる気がして冷や汗を書き始める。
え、いや僕は良いんだよ?
僕は鍛えてくれなくても。
『いや、私は』
「貴様に教えておけば私が居なくても教えられるだろうが。アルシナにはこちらの教師を付けておくから安心しろ」
『いや全然安心できないんですけど!?』
ギャーギャー言ってる間に、いつの間にかミラクルムが近くに寄ってきていた。
『え、なに、何するつもり?』
「強制連行だ」
『え、ちょ、ま』
僕は慌てて逃げ出そうとする。
しかし遅かった。
「やっと眠れると思ったところを貴様に邪魔された仕返しだ」
『思いっきり私怨じゃないですかヤダー!』
僕とミラクルムの足元に魔法陣が展開される。
この効果は……転移!?
「行くぞ蜘蛛」
『いやまじでまっ』
そしてアルシナを残して私達はその場から消え去った。
「……なにいまの」
残されたアルシナの目は少しだけ死んでいた。
主人公の種族を変えて、オリジナル化すべき?
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すべき
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どちらでも良い
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すべきではない
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どうでも良いから更新しろ