魔帝国ルツエニア第12皇子、本名オーネ=ログ=ルツエニア。
光歴195年の春に生まれた彼は、愛妻から生まれた関係上、継承権はないに等しかった。
その関係もあってか、皇族に連なるものとしては教育をあまり受けさせてもらえなかったりするなど、不遇の扱いを受けていた。
第9皇子など一部の者には例外も居たが、基本は煙たがられ、時には居ないように扱われることもあった。
だから、継承権を持つ者の中でオーネの言葉をまともに聞くのは第9皇子一人だけ。
オーネは必然的に第9皇子の所へ向かっていた。
いつの間にか起きていた少女もオーネに付いていく。
「質問。何故ルーシェルム様のところへ向かう?」
「オレだけでは使える兵が足りないの。まぁ戦争中だから兵は使ってもらえないだろうけど、報告しておくことくらいは悪くないだろうし、きっと戦争後からでも遅くはない」
そう言って、少女の問に答える。
が。
「否定。ルーシェルム様は今回の戦争の総指揮官。明白。魔族の案件に思考を割く余力は無い。」
「それはっ……」
少女のその言葉によってオーネは自分が言った事の問題点に気付く。
第9皇子たるルーシェルムは、この戦争の総指揮官を任されている。
仮にも皇族たる彼に戦争の総指揮官を任されている理由は偏にオーネに良くしているから、などというくだらない理由。
が、その原因となってしまったオーネにとっては大きな理由。
「そっか、ルーシェルム兄様の足を引っ張ってしまう……」
「肯定。ルーシェルム様にそれを言うのは戦争後が良い」
けれど、オーネは少しだけ嫌な予感がした。
それに、今回の戦争が魔族に引き起こされたものである以上、魔族を警戒しなければいけない可能性がとても高いわけであって──。
「疑問。そもそも魔族がこの戦争を仕組んだという証拠は?」
「それ、は……」
しかし、そもそも魔族がこの戦争を仕組んだという証拠もなかった。
魔族がこの戦争を仕組んだというのはあくまでオーネの妄想。
その可能性もあるのだ。
そんな風には思えないが、しかしその可能性程度で戦争の作戦を崩すわけにもいかない。
「……分かった。魔族が居た、という報告だけして、あとはオレの兵でどうにかする」
「了承。それがいい」
二人の意見はある程度合致した。
そしてもう一度止めた足を動かして、第9皇子ルーシェルムの下へと向かった。
***
「どうしたんだ? オーネ」
「報告だよ。魔族が居たってだけ」
軍用テントの中、オーネはルーシェルムに報告していた。
そしてその報告にルーシェルムは露骨に顔をしかめる。
「……最近帝国内でも魔族を見たっていう報告は相次いでいたが、まさか戦場でも……。分かった。警戒しておく」
そう言うと、何かを考え込もうとしたのでオーネはすぐさま次のことを言う。
「できる限り対処はオレたちがするから、ルーシェルム兄様は戦争に集中して。魔族のことは戦争が終わってから対処しよう」
そのオーネの発言に対し、ルーシェルムは一瞬ぽかんとした後笑う。
「ああ。くれぐれも気をつけてな」
「ルーシェルム兄様も、負けないでね」
「分かってる」
兄弟は笑い合い、その後オーネはテントから出ていった。
王族など、一部の人々は貴族とはまた違う名前の付け方がされています。
主人公の種族を変えて、オリジナル化すべき?
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すべき
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どちらでも良い
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どうでも良いから更新しろ