正義の仮面   作:マスクオブジャスティス

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 遅くなった。


8話

 「オールマイト、まだ時間に余裕がありますが……?」

 

 本日は雄英高校の1年A組の副担任となって授業二日目、今回は生徒達がそれぞれヒーローとヴィランのチームに分かれての模擬戦を行った。生徒達は初めてのヒーロー科らしい授業ということで気分も上がっていた中でそれぞれが自分の全力を出してよく頑張っていたと思う。ただ細かい点を上げればまだまだいくらでも改善の余地がある、その辺りの事は授業担当のオールマイトがしっかりと伝えてくれていたと思う。

 しかし全チームの模擬戦が終わった今、授業の時間はまだ余っていた。

 

 「当然、それも計算の内さ。アルファ、ここは一つ我々で生徒達の模範となろうじゃあないか」

 

 「というと?」

 

 「私と君で生徒達と同じルールで戦おうじゃあないか。一対一では戦略性が少ない、それぞれ一人生徒を付けてでどうだ?」

 

 余った時間も計画の内であったようで、教師陣による模擬戦がオールマイトにより提案された。ここは是非行っておくべきだろう、私も平和の象徴であるオールマイトにどこまで通用するか確かめてみたい気持ちもある。それになによりプロ同士の戦闘は生徒達にとって良い勉強となるだろう。

 

 「成程……、チーム分けはどうしますか?」

 

 「君さえよければだが、ヴィラン側を頼む」

 

 この模擬戦のルールではヴィランは建物内で時間まで核兵器を模したオブジェクトを守り切れば勝利、対してヒーローはヴィランの確保、または核兵器の確保が勝利目標だ。オールマイトの実力はある程度把握している、私も決して負けるつもりがあるわけではないが、やはりオールマイトに対して防衛側に周るというのは困難であるように感じる。ただ勝利だけを目指すならばヒーロー側で上手くオールマイトを出し抜いて核兵器を確保することが確実だろう。しかしそれではいけない、私はヒーローなのだ。

 

 「いいでしょう、私はヴィラン側に」

 

 困難であるならば、そこに壁があるならば乗り越えていかなければいけない、それがヒーローだ。実際の現場では悠長に壁を乗り越えている暇はないかもしれないが、これは模擬戦だ、存分に乗り越えさせてもらおう。

 

 「決まりだな、それで付ける生徒だが指名式にしよう。本当は公平にランダムにするべきなのだろうが、生憎と既に戦闘不能になっている者もいる。ここは彼らに不満が出ないようにあえて私たちが選ぼうじゃあないか」

 

 「いいでしょう、私から指名させてもらって?」

 

 「勿論、チーム決めでは譲ってもらったからね」

 

 さて、そうと決まれば私が指名する人物は自身の相性などを考慮して選ぶことが最善なのだろうが、はっきりいって未だヒーローの卵である生徒ならばこちらが合わせることで誰とでも上手くやれる自信がある。ならばここは自身の直観を信じてみよう。

 

 「では峰田実君、私と一緒に戦って貰えるかい?」

 

 「え!? おいら!?」

 

 誰が選ばれるかと緊張した面持ちでいた生徒達の中から頭がブドウのようになっている生徒を指名する。肝心の本人は自分が選ばれるとは思っていなかったようで随分と驚いているようだ。

 

 「ああ実君、ダメかい?」

 

 「そ、そんなとんでもない! でも本当においらでいいんですか?」

 

 「ああ、自信を持ちたまえ。君は少し自己評価が低いように感じるぞ」

 

 どうにも彼はあまり自分が凄いとは感じていないようだが、雄英高校に入学出来ている時点で他のヒーローの卵達とはちょっぴりだが先を行っている、それは十分に凄いことだ。それに彼の個性は単体ではそれほど強力な物とは言えないにも関わらず上手く使いこなすことにより、かなり有用な物にしている。個性を上手く扱うことに掛けてはクラス内でもかなりの物であると感じている。それが私が彼を指名した一番の理由だ。

 ただそれだけでなく彼はどうにも女好きのようで、時折セクハラ紛いの行動を取っている。やり過ぎれば勿論ヒーローとして見過ごしておくわけにはいかないが、その好色ぶりを見ているとどうにも思い出すことがある。私の夢であるアクション仮面、そのアクション仮面のとびきりのファンだった嵐を呼ぶ少年の姿が実君を見ていると思い起されるのだ。それが彼を選んだもう一つの理由だ。

 

 「は、はい! おいら頑張ります!」

 

 「うむ、いい返事だ」

 

 好色な面を除けば素直で良い子であると思う。

 

 「決まったようだね?」

 

 「ええ、そちらは?」

 

 「私は彼と組むことにした」

 

 そう言ってオールマイトが指したのは、飯田天哉君だった。彼は入試の時にも見かけたが、真面目でヒーローにとても向いている少年だと思う。なによりもその個性、エンジンと呼ばれるそれにより彼は驚異的なスピードで移動することが出来る。素早いことは戦闘においてはかなりの優位性だろう。それになにより速いことはヒーローにとって最も重要であると言っても過言ではない。ヒーローはいつだって遅れてやってくる、そう言われるようにヒーローはいつだって事件が起きてからしか動けない、そんな時に一秒でも一瞬でも早く現場に駆け付けることがヒーローには求められる。天哉君本人はその重要性は未だ理解が薄いように感じるが、それは模擬戦の後でアドバイスをするとしようか。

 

 「それでは作戦タイムを設けて後にスタートしよう」

 

 さて、それではオールマイトに勝つために、壁を超えるために、しっかりと計画を立てるとしよう。

 

 




 遅くなったうえに短いとかいう無能は私です。
 言い訳をすると遅くなったのはdeltarunaをプレイしていたせいであり、短いのは次の戦闘シーンに向けての繋ぎだからです。これ言い訳になってねえな。
 すまねえすまねえ、次話から本気出す。きっと、たぶん、メイビー。
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