聖杯戦争。それは七人の魔術師が万能の願望機、「聖杯」を手にするために命を賭けて争う血塗られた儀式である。
 その儀式では「剣士《セイバー》」「弓兵《アーチャー》」「槍兵《ランサー》」「騎兵《ライダー》」「魔術師《キャスター》」「暗殺者《アサシン》」「狂戦士《バーサーカー》」と呼ばれるサーヴァントを魔術師たちは召喚し、魔術師たちはサーヴァントのマスターとして最後の一人になるまで戦い続けなければならない。
 そんな聖杯戦争であるが、その名を冠する儀式は数多の世界で星の数ほど行われてきた。日本の冬木と呼ばれる地では計五回。様々な世界に視線を変えれば数えきれないほどである。
 この物語はそんな莫大な回数行われてきた聖杯戦争の内の一つを描いたもの。世に蔓延るこの儀式の一つの側面だと思っていただきたい。
  序章~次元を超えた邂逅~()
  二章~緩やかな開幕~
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