ロクでなし魔術講師と東方魔術剣士と禁忌教典 作:KAMITHUNI
なんだかんだで、他の奴が進まないから、遊びで書いてます!(^○^)
どうか気長に見ていただければ幸いです(*^_^*)
かなり不定期。
プロローグ
ーー魔術は人殺しの道具である。
最初は興味本位だった。
美しい金糸に整った顔立ち、完璧なプロモーションを持ったゴスロリの黒ドレスを羽織った女性が村というど田舎に突然来訪してきた。
それは十年前程前の事だ……
『お前、いい魔術師になるよ。 どうだ? 私の弟子にならないか?』
女性は俺の顔を一瞥すると、一瞬だけ驚いた顔を浮かべたと思ったら、直ぐに笑みを向けて幼かった俺の頭をグシャグシャに撫でながらそんな事を言ってきた。
子供ながらに達観したところがあった俺は、突然の女性の言葉を一蹴する。
勿論、初対面の人間なので信頼など存在するはずがない。寧ろ、最初は不審者かと思った。
簡単にあしらってその日は家へ帰宅した。
しかし、美しい女性は諦めずにその日を境に、俺に付きまとってきた。
曰く、魔術の腕を見てやる。
曰く、剣術の指南をしてやる。
曰く、弟子にとってやる。
結局は俺を弟子にしたいだけなのでは? と思ったが、この女性に反応一つ見せれば、足上げを取られることは一週間ほどしか顔を見合わせていないが、それでもそう認識する程度には彼女と顔を付き合わせた。
当然、総てを断っていた俺だが、ある日、俺は見てしまったのだ。
幼い頃の記憶だが、今でもその時の光景は脳裏から離れない。
『ーー【回れ回れ・原初の命よ・理の円環にて・道を成せ!】』
『……うぁ……!』
感嘆の息が自然と漏れていた。
それは仕方ない。 同年代に比べたら達観していたかもしれないが、当初の俺はガキだ。 これ程綺麗な円環を魅せられたら興味が湧かないはずも無い。
この時から、俺は『セリカ=アルフォネア』から魔術の教えを請うことに決めた。
それからは光の速度と思う程に速く時が経つ。
先ず、魔力量には驚かれた。
第七階梯に至っていたセリカ師匠、そんな彼女は既に人外。 しかし、その彼女をして超えることが出来ない程の魔力を体内に宿していたらしい。
その時、俺は諸手を挙げて喜んだ。
何せ、魔術関連どころか、得意だった剣術関連でも怪物並の腕を持つ師匠に一度も勝ったことが無かったのだ、そんな彼女に一つでも勝てるものがあって嬉しかった。
だが、絶対的な魔力を持っていたとしても、それに伴った技量が無ければお話にならない。
最初に略式詠唱を練習させられた。
それはそれは、大変厳しい修行だった。
第七階梯に唯一至った彼女の修行は、常軌を逸しており、それについて行った俺を褒めて欲しいと思う程には地獄だった。
何がって? そりゃあ、一回ミスって、頭に血がのぼると……
『ーー【我は神を斬獲せし者・我は始原の祖と終を知る者・其は摂理の円環へと帰還せよ・五素より成りし物は五素に・象と理を紡ぐ縁は乖離すべし・いざ森羅の万象は須く此処に散滅せよ・遥かな虚無の果てに】!』
『ちぉ〜っとまてぇ!!』
と、驚異的に村一帯を滅ぼさんとする大魔術を顔に影を差した状態で平然と放とうとして来るぐらいには危険な修行だった。
お陰? で、【
そして、そこからも彼女の監修のもと、俺は一通りの魔術を学んだ。
特に、俺は基本三属のうち『炎熱』に適性を持っていた。
そこからは、『炎熱』系統の基本的なモノから軍用魔術まで幅広く覚えていくことになり、彼女の教えを終える頃には、『炎熱』の魔術で一泡吹かせる事が出来た。
そうして、セリカ師匠がアルザーノ帝国に帰国してから数ヶ月後…………
「…………はぁ、俺は、なにやってんだろうな」
多くの屍が斃れ伏す丘の上で、血濡れた刀身を突き立てて、蒼穹だった筈だが、いつの間にか灰色に染まった空を仰ぎ見てそう呟いたのだった。
ーーアルザーノ帝国 アルザーノ帝国魔術学院
「ふぁぁ〜……」
今日も今日とて、暖かな日差しが教室内に差し込み、平和な風が俺を眠りの堅牢へ誘って来る。
欠伸を嚙み殺す事もなく、ただ暇な平凡な日常を謳歌する為に机に頭を突っ伏しーー
「コラァッ!」
「イデッ……!」
突然、頭に感じた痛覚が、再び俺を現実へ引き戻す。
かなり鈍い痛みなので、鈍器のような物を誰かにぶつけられたのだと推察できた。
それに、そんな事をする奴に心当たりがありありありまくりなので、今更何を言っても無駄な事を悟る。
「……っつ。 そんで、何の用だ、フィーベル」
未だ引かぬ痛みを抑えるようにして頭を摩って、相手を睨みつける。
眼前にいたのは、キツめの目付きだが、きめ細やかな肌は白く、少し幼気であるもの美人と言っても差し支えのない少女が手袋のつけていない右手に持つ教科書を携えながら、睨みつけていた。
『説教女神』こと、システィーナ=フィーベル。
フィーベル家という、お偉いさんの所の一人娘であり、その生粋の真面目さとキツイ性格、それでいて美貌と言っても差し支えのない顔立ちをしているので、そんな呼称で呼ばれているのだ。
魔術関連でも優秀で、講師陣からも【講師泣かせ】で有名である。
そんな彼女の夢は、この天空に聳え立つ『メルガリウスの天空城』の謎を解き明かすことである。
……まぁ、程々に頑張って欲しいが、その熱意を熱意のない生徒達にまで向けるのはやめて頂きたい。
「何だじゃないでしょう! 貴方はいつもいつも寝てばかり! まだ、臨時の講師の方が来ていないからって、講義時間内なのだから自習ぐらいしなさいよ!」
「……暑苦しいなぁ。 別にいいだろう? 俺がお前に迷惑の一つでもかけたか? なぁ? どうなんだ? もう一度言おう。 俺がサボってる事にお前は何のデメリットを与えられたのか?」
「ぐっ! やっぱり貴方は魔術の崇高さに気付いてないのね! だから……」
「あぁ、そうだ。 俺にそんなモノはない。 魔術が崇高? は!笑わせないでくれよ。そんな理想でしか生きられないのなら、抱いたまま溺死しろ!」
「〜〜っ!!」
フワリと逆毛立つ銀髪が、彼女の憤慨度合いを表すかのようだが、俺はこの言葉を訂正する気は毛頭無い。
だって、それが俺の倫理思考で、経験談から割り出した事実だからだ。 彼女が幾ら魔術を崇高なものと押し上げようとも、俺にはそんな事は感じないし、また、恩恵なんて感じないのだ。
感じるのは…………
クラス全体に殺伐とした空気が流れるのと同時に、またか……という呆れの部分が含まれた呼気を感じた。
まぁ、実際、俺とフィーベルのこう言ったやり取りは日常茶飯事で起きている。
何せ、馬が合わない。
俺は魔術なんてロクでもない技術を嫌ってるし、彼女はその魔術は人を高次元にあげるのだ、などと好んでいる。
そんで、俺達が通っているアルザーノ魔術学院は、所謂、名門校で魔術に関していえば、帝国随一の権威を持った折紙付の学院。
そんな場所に、フィーベルほど熱意が溢れた者はいないと云えど、基本的に全員が魔術を学ぶために来ている。
だから、俺みたいな半端者を差別的に、軽蔑的に見るものが多いのだ。 実際、このクラスで俺に好んで話しかけてくる人物は誰一人として居ない。
あ、ただ一人だけ……
「落ち着いて、システィ。 ケンヤ君も、ね?」
はい! 此処に大天使様が御光臨成されました……!
皆さん! 捧げましょう! 天使の慈愛を受け賜わりましょう!
という、具合に熱狂的なファンが多く存在する女子生徒を『ルミア=ティンジェル』。通称・『大天使様』らしい。
まぁ、その金色の髪や大きくクリッとした目。 そして、可愛らしい微笑みと、均整の取れた身体付きは同年代の男子生徒には比較的、刺激的な存在とは言える。
更には、性格は素晴らしく優しい。 まるで『聖女』だと、思わず呟いてしまう程だ。
何より、ここの制服は女子生徒はヘソ出しだ。
大切なので、もう一度言おう。
ヘ・ソ・出・し・だ☆
うむ、入学当初に男子生徒が彼女の制服姿を見たとき、鼻からブチまけたケチャップで死屍累々な世界が作られていたことは、今でも記憶に鮮明に残されていた。
いやぁ、あん時は、激しく死体が盛り上がっているのかと、本気で焦ったわ。
クラスの扉を開けてみ? 急に男子生徒が血塗れでブッパされてんだぜ? 慌てないという選択肢が普通あるかね?
いや、無いね。
まぁ、当然だが、俺も鼻血ブッパしましたが……
さてさて、そんな事は一先ず置いておくとして、彼女……ルミア=ティンジェルの介入によって、ティーベルの剣幕を抑えることに成功し、俺も取り敢えず面倒事を避ける形で教科書を開き、自習を始めたフリをした。
とにかく、一幕を下ろした事によって、クラスには又、静かな空気が流れ始め、俺は