ロクでなし魔術講師と東方魔術剣士と禁忌教典   作:KAMITHUNI

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ちと、短いかなぁ〜( ̄^ ̄)ゞ

ま、最後の所は多少のオリジナルですね〜。
それに、ちょびっとだけ原作を飛ばしているのですが、そこは目を瞑って頂けますと有り難いです!!


感想や評価をお願いしヤァス!!


給料三ヶ月分って、死活問題だよねぇ〜……(遠い目)

「……かったるい」

 

 

「と、唐突だね…… さっきまで頑張ってたんだから、もうちょっとだけ頑張ろ? ね?」

 

 

ティンジェルこと、ルミアは以前に比べて、俺との距離が俄然縮まった。

それもこれも、ハッチャケったらこうなっただけである。

……黒歴史以外に何でもないな。

そう、俺も物凄く羞恥に悶えているのだ。表面上では出来る限り冷静に努めているが、ルミアが語りかけてくるほど、俺は先の光景や言葉が脳裏を過って、どうしても魔術に集中できない。

そんな事を知ってか知らずか、ルミアは満面の笑みで俺に鍛錬を促す。

 

 

「ね? がんばろ!?」

 

 

「ウグッ……」

 

 

強烈な上目遣い!! 効果はバツグンだ!!

……じゃなくてッ!!

 

 

「はぁ、わぁーたよッ! やる。 やればいいんだろやれば!?」

 

 

「うんうん。 頑張ってね」

 

 

ルミアの応援を背に、新たに用意された南京錠が掛かった黒い箱に手を添えて、魔力を通して全体の把握を始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

「ケンヤ=サクライ、死すべし……ッ」

 

 

「「「「死すべし! 死すべしッ!!」」」」

 

 

その様子を影から見る、ルミア大天使様非公式ファンクラブの皆様がケンヤにむけて呪言を掛けていたのを知るものは、クラス内でもそれに同意しているカッシュだけだった。

 

 

(クソォッ……! ケンヤ死すべしッ!!」

 

 

「……何にも隠せてないわよ、カッシュ」

 

 

「全く、これだから無能は……」

 

 

カッシュの心の声がだだ漏れしており、其れに呆れた様子を見せたシスティーナとギイブルが深い溜息をついたのは言わずもがなであった。

 

 

 

 

 

「給料三ヶ月分だ! 俺は俺のクラスが優勝するのに、給料三ヶ月分を賭けるッ! あんたに、この賭けが受けられますか?」

 

 

“オォーッ!!”

 

 

クラス全員が涌き上がり、2組のグレン先生に対する株は鰻登りであり、ダラダラと冷や汗を垂らしまくるロクでもない講師。

 

 

 

「な、なら! 私も私のクラスが優勝するのに給料三か月分を賭けよう!」

 

 

 

“オォー!!”

 

 

そして、それに対抗するように、一組のクラス担任であるハ、ハー…………ハーレム? 先生が眼鏡を押し上げて隠せていない脂汗を垂らしながら、虚言を吐く。

 

 

「へぇ、流石は先輩。 いい度胸ですね (ヤバいッ! めちゃくちゃ怒ってんじゃん!! しかも負けたらシャレになんねぇ!! ここは俺の固有魔術の【ムーンサルト・フライング土下座】で誠心誠意謝るしかネェッ!)」

 

 

ある意味で覚悟を決めたグレン先生が、両手を前に出した。

それを間違った方へ解釈した、は、はー……ハーミー先生が更に顔を顰めて、軽い攻呪性魔術を放とうとその場が騒然となる。

 

 

しかし……

 

 

「そこまでです!!」

 

 

「え?」 「むっ!?」

 

 

2人の間に割って入る銀糸の少女……システィーナ=フィーベルが異議を唱えに入ったのだ。

 

 

これによって、2人の賭けは公式的に成立し、互いのクラスが負けた場合は、給料三ヶ月分がぶっ飛ぶといった事態に発展した。

 

 

そもそも、この事に発展した経緯を順を追って説明しよう……とは言っても、一身上の都合によって、セリフはない。 そこは割愛ということで目瞑ってくれるとありがたい……

……俺は一体、誰に言い訳をしているのだろうか?

 

 

 

 

 

時は数分前に遡る……

 

 

事の発端は、一組のクライスという生徒が俺たちの練習場所にいちゃもんを付けてきたことから始まった。

 

 

少し怠慢な口調で邪魔と揶揄し、俺たち2組を雑魚扱いで罵り、練習場所の確保の為に俺たち2組を退かせようとしてきたのだ。

 

 

これに、短気なカッシュが反論。

危うく殴り合いの喧嘩が始まりそうになり、その間に入ってきたのが、我らが担任で、只今絶賛金欠中のグレン先生である。

 

 

グレン先生は2人のイザコザを片手間で片付け、何とか事なきを得た…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……事はなく。 クライス君の後ろから、1組の生徒とその担任講師である……は、……はー…………ハーベスト? 先生がやって来たのだ。

ハーベスト? 先生がクライス君に場所を取っておけと言っただろうと、軽く窘めた後、グレン先生に物言いした。

 

 

そこはグレン先生である。 得意の飄々とした論戦で、見事に躱していく。

しかし、ハーベスト? 先生が言ったある言葉には耐えることが出来なかった。

それが……

 

 

“やる気のない貴様等に、練習する場を与える必要はない!! そのような成績下位者達……足手まとい共を使っているくらいなんだからな!”

 

 

 

これには、いくら温厚で有名な俺でもカチンとキタね。

普段は怠惰な生活を送っている俺は、幾らでも罵られても構わないし、実際馬鹿にされても仕方がない。

だが、普段から頑張っている奴らを冒涜したこの眼鏡に俺は危うく掴みかかりそうになったな。

ま、その時はグレン先生に抑制された訳で、そのグレン先生も我慢の限界というものが存在する。

そこで、ヤケになったのだろう……

グレン先生は勝ち目の薄いこのクラスで優勝できなければ、自身の給料三ヶ月を賭けると言い放った。

これが、最初の話だ。

 

 

そして、翌日…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………終わった……。 俺は餓死してこの世を去ることになるのか……ふ、短い人生だったぜ。 あぁ、いいぞ。 俺なんて外道はサッサと滅せられるべきだったんだーーーー」

 

 

 

勿論の事、やつれた様子を見せ、シロッテの枝を咥えながらベンチに横たわっていた。

……何してんだよ、あのバカ兄弟子。

 

 

 

「はぁ……」

 

 

俺は気概を落とした溜息を一つ溢してから、昼休憩なので食堂に向かう事にした……のだが。

 

 

「ん!? その溜息はッ!!? ケンヤかッ!!? ウォォオォォオッ!! ケンヤ! いや、ケンヤ様ァッ!! この貧困に喘ぐ私目に食事を奢ってーーー「奢らないです」最後まで聞いてから断わって!?」

 

 

「いや、俺は知りませんよ。 大体、生徒から飯を集る事に抵抗はないんですか?!」

 

 

「ある訳ねぇーだろ」

 

 

「即答か……ッ!!」

 

 

この人にプライドなんてあったもんじゃねぇッ!!

そのままずっと断っていたのだが如何しても桎梏肩につかまってくるせいで、他の生徒や教員からの冷たい視線に耐えられなくなって、俺が折れることにしたのだった。

 

 

序でに、承諾した時のグレン先生は、まるで俺を天使だと逝かれた様な発言をしたので、全力で右ストレートを見舞ってやった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カンッ! カンッ! カンッ!…………

 

 

耳に響いてくるのは金属同士が高い熱を保ったままぶつかる甲高い音。

錬鉄を焚べて、型に合わせて形状を整える。

剣は打ち込めば打ち込むほど脆くなるが、打ち込まなさすぎるのも柔らかすぎて使い物にならない。 その微調整によって剣が精製されていくのだ。

 

 

その工程を幾度と無く工房を渡り歩き、異なる製法や叩き込みの技術を見てきた。

あらゆる材質によって技法を変えて剣を作り上げる姿は正に職人だ。

 

 

そして、工房にある雰囲気や熱量は何処も変わらずに、心の芯から焼き切れると感潜る程のモノだ。

 

 

俺は其れ等に惚れ込み、彼らの技法や練度を修得するために触れ合った。 出来れば、この技法や歳月までもを再現出来るように、と……

 

 

そう、それがこの世界の始まりだった。

 

 

 

カンッ! カンッ! カンッ!……

 

 

鳴り響き続ける金属音。

赫く燃えうる煉獄の世界には歯車が存在する。

幾度と無く踏み入れたであろう丘に俺は感慨深く立ち尽くす。

視線を下ろせば、そこらに無限と突き刺さる剣。

それぞれが異なる形状を持ち、平行線までズラリと剣が突きたっていた。

 

 

熱を産み、錬鉄を焚べる匂いがこの世界を支配し、軈て血潮の匂いが混じって、軽い吐き気を催すのだ。

俺はコレを何度も経験した。

 

 

俺はグレン先生やフィーベル達に固有魔術の事を【投影魔術】なんて言っているが、あれは違う。

いや、そもそもの根底が違う。 俺は一から剣を生み出している訳ではない。そもそも、ケンヤ=サクライにそんな器用な真似が出来る道理がない。

俺ができるのは、あくまで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()事だ。

 

 

そう、それがケンヤ=サクライだけに許された固有魔術……

 

 

 

 

 

 

 

ーー【無限の剣製(アンリミテッド・ブレードワークス)】だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュン……

 

 

「…………俺、最近は変な夢ばっか見てるな……というか、思い出してんな」

 

鳥が鳴く平穏な朝。

ムクリと布団から起き上がり、朝露が出るほどの冷気が漂う部屋で凝り固まった体を伸ばす。

 

 

「……ウゥ〜ンッ! ッシ! さっき迄の世界とは大違いだな、と」

 

 

世界観が異なるから当然か、という自嘲気味の呟きを残して、学院指定の制服を着飾り、朝のトーストだけ咥え込む。

昼食は途中の総菜屋でサンドウィッチで補えれば十分だろうと判断して、時間を見遣る。

 

 

「午前7時42分、か……学院には遅刻せずに行けそうだな」

 

 

時刻を確認して、安堵の息を零し、顔を鏡に写し出して口角を釣り上げ笑みを作る。

 

 

「うし! 寝癖は無いし、夢の影響も無い! 何時もの黒髪黒目で問題なしッ! じゃあ、行きますかねッ!」

 

 

今日は魔術競技祭当日!! さぁ、今年こそは楽しもうぜッ!!

 

 

俺はそう意気込んでから、家を飛び出して行ったのだった。

 

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