ロクでなし魔術講師と東方魔術剣士と禁忌教典   作:KAMITHUNI

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なんか、段々と√が如実に……?!
と、とりあえず毎日投稿してるけど、他の作品も書くから明日はコッチは多分休稿します(^。^)
御迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします!

感想や評価をお願いしヤァスッ!!


怒りに任せては行けませんッ!

『そして、さしかかった最終コーナーッ! 二組のロッド君がぁ、ロッド君がぁああーーぬ、抜いたーーッ!? どういうことだッ!? まさかの二組が、まさかの二組がッ!!これは一体、どういうことだぁあああーーッ!?』

 

 

魔術による拡声を行っている解説の学生が思った以上のハイテンションで2組の追い上げを実況していた。

 

 

そして、その実況通り、現在、『飛行競争』でロッドが一位、二位に続く三位で直線を飛び切った。

 

 

『そのまま、ゴォオオオルッ!? なんとぉおおお!? 飛行競争は二組が三位! あの二組が三位だぁッ! 誰が、誰がこの結果を予想したァアアアアアーーッ!?』

 

 

ウワァアアアアアッーーッ!!

 

 

観客が湧き上がり、会場が激震したーーッ!!

てか、ちと盛り上がりすぎではないかッ!?

単純にそう思ったが、クラスも盛り上がり、ロッドとカイに全員が賞賛を送った。

おぉ! これがグレン先生が働いた結果か!? 流石に俺も驚き、を……か、くせ、ない?

 

 

「……ま、マジか?」

 

 

「おい、指揮官……」

 

 

ダメだ、この人…… 明らかに信じられないものを見た顔を浮かべている。 というか、1番惚けてる。

マジかとか言っちゃってるし、この人、半分どころか、八割ぐらい諦めてやがったなッ!?

 

 

「幸先良いですね、先生!」

 

 そんな中、フィーベルも顔を上気させ、興奮気味にグレン先生に話しかける。

 

 

「飛行速度の向上は無視してペース配分だけ練習しろって、どういうことかと思っていましたけど……ひょっとして、この展開、先生の計算済みですか?」

 

 

「……と、当然だな」

 

 

いつも、ここで憎ったらしいことありゃしない妬み節を言うグレン先生だが、今のご機嫌なフィーベルの前では無力同然、あと、クラスのムードを考えて虚言であってもさも当然のように振りまかなければ、タダの極悪人になり兼ねないと判断したのだろう。 毅然な態度でフィーベルの問いに頷いたのだ。

 

 

その言葉にクラスが再び盛り上がり、全員のグレン先生への信頼が絶対なものになりつつあったが、俺としては彼の心象が悪くなるばかりであった……

はぁ、ったく。 この人はどうしてこんな感じ何だろうか……と、貴賓席にいる我らが師匠に視線を向けると、王女陛下の前であるにも関わらず、大爆笑を浮かべている様だった。

 

 

……親がアレだと子もこれか。

と、一種の諦観を浮かべながら、今年の魔術競技祭が一味違うことに俺は内心からこぼれ出た笑みを隠すことなんて出来ない。

口元を緩めながら、クラスメイトの輪へ加わることにしたのだった。

 

 

 

 

 

その後も、2組の快進撃は続いた。

 

 

『せ、セシル選手が当てたァアアアアーーッ!! これでこの競技の四位以内が確定だァアアアッ! またしても、またしても2組が魅せたァアアアッ!!』

 

 

「やった! 先生の言った通りだーーッ!」

 

 

 

 

 

 

 

「『騎士は勇気を旨とし、真実のみを語る』ですわ! メイロスの詩の一節ですわね!」

 

 

『な、何とウェンディ選手ッ! 先程から絶好調ではありましたが、まさか、『竜言語』を解読し切りましたァアアアーーッ!! これで【リード・ランゲージ】は2組の圧倒で決着だァアアアッ!』

 

 

「ふふふ、当然ですわ! 癪ですけど、先生のアドバイス通りでしたわね」

 

 

と、頭角を現していく2組の奮闘劇に会場のボルテージは最高潮に達していき、なんと2組が一位の1組と二位の5組に次ぐ三位という最高な形で愈々ルミアが出てくる『精神防御』の種目へと移り変わっていく。

 

 

 

 

『さぁ! 午前の部も愈々最後の競技となりましたが、この結果を誰が予想だにしていたでしょうかッ!? この時点で なんと、没落クラスとも言われたあの2組が、成績上位者を使い回さずに3位につけている事態を一体誰が予見できたかーーッ!? 斯く言う、私も理解が追いつけていないッ!! しかし、グレン先生を指揮官として一丸となった2組は間違いなくダークホースッ! そして、この競技でもジャイアントキリングを見せてくれるのかァアアアッ!!? それでは、選手の入場ですッ!!』

 

 

 

「文原が長いなーーッ!」

 

 

「お前、解説に向かってツッコミとか悲しく何ねぇの? 少し引くわ……」

 

 

「昼飯「ゴメンナサイッ!」……はぇーよ」

 

 

さて、こんなグレン先生との茶番劇はどうでもいいのだ。

俺たち2組は、さっき解説に言われた通り、午前の部の最後まで来て3位に付けており、十分に逆転圏内に入っているのだ。

そして、このルミアが出場する『精神防御』の競技でルミアが一位になった場合、現在二位の5組と入れ替わり、順位が一つ上がる大切な一戦なのだが……ギイブルの一言でクラス全体が顔を青ざめた。

 

 

曰く、ルミアは捨て石。白魔術の腕は認めるが、去年の覇者である5組所属のジャイル相手に真面な対決ではなく、選手を温存するための捨て石と言い放ったのだ。

 

 

これには、フィーベルが嘘ですよね? とグレンに問いかけた。

流石に、俺もその言い方に腹が立ったので物申しに行こうと思ったが、グレン先生の顔を見て気が変わった。

 

 

「はぁ? ルミアが捨て石? そんな訳ねぇーだろ? 彼奴の肝の据わり方はお前が一番知ってるだろ、白猫」

 

 

「ぁ……はいッ!」

 

 

 

ーーそうだな。 ルミアなら必ず勝てる。 何せ、彼女は俺の存在を受け入れることの出来るほどの器量の持ち主だ。 そんな彼女が精神的に脆いはずが無いのだから……

 

 

「……?」

 

 

「ん? どうしたんだ、ケンヤ?」

 

 

「いえ……何でもありませんよ?」

 

 

そうか、とだけ言ってグレン先生は気にかけていた俺から視線を逸らし、会場の中心へ目をやった。

そして俺はクラスの誰も見ていないことを確認してから、視線を観客席の影へ僅かながらに向けて、一抹の警戒を残しながらルミアの応援を行うこととなった。

ったく、100%の応援をしてやりたがったが、仕方ねぇーな!

腹を割り切る事にした。

 

 

 

 

 

「……リィエル」

 

 

「ん。 わかってる」

 

 

鷹の目を想起させるオッドアイに、背中あたりまで伸ばした藍掛かった黒髪が特徴的と見る人を魅了する顔立ちを持つ長身男性と、その横に立つ、小柄で在り、可愛らしい顔立ち水色眠そうな目、目と同じ色の整えられていない髪がツインテールにされ、表情が頑なに変化しない様子から人形を思い立たせる少女が会場の影からグレンとそのクラスを一瞥していたのだが……

 

 

「グレンがいる」

 

 

「……あぁ、それもある。 だが、俺が言いたかったのは俺たちの視線に気づいた奴が生徒にいるという話だ」

 

 

「? それがどうかしたの?」

 

 

「…………」

 

 

“リィエル”と呼ばれた少女の言葉に相変わらずの無表情で睨む男性。 如何やら、彼女は事態の異常性に気が付いていないらしい。

 

 

「それより、私はグレンと決着をつけに行く」

 

 

「それは不可能だ。 忘れたのか? 俺たちに与えられた任務は最近不穏な動きを見せている王室親衛隊の監視と調査だ。 それを放棄してまでグレンに会いに行くことはできん」

 

 

「ん。 わかってる。 要するに私とグレンが決着を付ければ問題ない」

 

 

「…………」

 

 

もう、この人形のような少女の思考回路は多少逝かれていた。

 

 

 

 

(ルミアの奴。 ジャイル? に話しかけられてやがるな? ま、そのお陰で緊張は解けたみてぇだし。 その影響かどうか分からないが、あの変態男爵の精神魔術を凌てるな。 流石の精神力っつー事か。 だが、そのジャイル? がこれ又ヤベェ……流石の前年覇者、か。 そこいらの学生とは次元が違う。 何したらあんな精神力を保てるんだろか?)

 

 

現在、ルミアが出場する『精神防御』は凄まじい激戦で熱を孕んで…………いる訳ではない。

その原因が……

 

 

「ふん! 男は要らぬッ! 私は、ルミアたんを心の底から身悶える姿が見たいのだッ! ベロベロベローーッ!」

 

 

「「「「「へ、変態だァアアアッ!」」」」」

 

 

誰もが吐き気を催す光景を作り出す男。 黒いシルクハットを被った壮年のオッさん……あれでも第六階梯に至った『ツェスト=ル=ノワール男爵』である。

ま、そんな偉い奴でも、流石にやって良いことと悪い事がある事くらい見分けが付くはずなんだがなぁ〜……(プルプル……)

ついでに、クラスや観客が一喜一憂する中、俺は……

 

「オイッ! 誰かケンヤを止めてくれッ!! こ、コイツァ!! スゲェー馬鹿力で、あの男爵を嬲りに行こうとしてやがるぞぉオオオオッ!!」

 

 

「離せッ! カッシューーッ!! 俺は、彼奴をブチの召さなきゃ腹の底から湧き上がる怒りが治んねぇーだよーーッ!!」

 

 

俺は軽く激昂しており、投影した剣で軽く半殺しを死に行こうとしていた。

 

 

 

 

「先生……」

 

 

「白猫も気付いたか。 ま、意外といえば意外だが、あれは軽く末期だな。 幾ら何でも、ルミアに甘過ぎるだろ」

 

 

「えぇ。 それに最近、ルミアも機嫌が良くて……特に、ケンヤの話をしている時とか……」

 

 

「ほぉ? それは面白い事を聞いたなぁ? ま、彼奴らがどう想いあっていたとしても担任講師として言えることは何もないがな。 アレは放って置けないな」

 

 

「そ、そうですね。 アレは、ちょっとダメな気がします」

 

 

「んじゃまぁ止めますか〜。 メンドクセェー」

 

 

そんなグレンとシスティーナのやり取りは会場が湧き立つ歓声で掻き消され誰に届くことは無かったという……

 

 

 

 

「2組、棄権だ!」

 

 

『お、オォット!? なんと、ここで2組が棄権だァアアアッ!! これで今年の『精神防御』に漸く決着が付きましたァアアアーーッ!!』

 

 

ウワァアアアアアーーッ!!

 

 

いよいよ死闘に決着が付いたことで、会場中から熱気が溢れかえり、凄まじい轟音が鼓膜を刺激してくる。

……ッルセェ!! 俺は耳が良いから余計に五月蝿いわッ!

もっと、静かに応援や歓声を出しやがれコラァッ!!

 

 

「それよりも、アンノォ、エロ男爵ガァアアアッーー!!

ヨクモ、俺たちのルミアをあんな目に併せやがったなァアアアーーッ!!」

 

 

「おいッ!! ち、ちょっと、皆んな!! マジでッ!! マジで! こいつ抑えてッーー!? ヤバいからッ!!今のこいつ、 本気で人殺しかねないからねッ!!? だから、抑えんの手伝ってくれェエエッ!!」

 

 

クラス一同・((((マジで、末期じゃん……))))

 

 

とまぁ、俺が暴走? してる間に、ジャイルが気絶していた為、その前の【マインド・ブレイク】に意識を保っていたルミアが逆転勝利し、俺たちは午前の部を二位で会場を盛り上げることに成功したのだった。

 

 

 

 

あの後、怒り狂った俺が軽く暴れ回る事態が起こり、クラス内が騒然としたが、グレン先生のお陰で事無きを得ることとなった。 あの人、俺の頚椎に衝撃を与えて気絶させようとしてきたときは驚いたな。 明らかに手馴れてたし……

だが、勿論。 俺の耐久力は頚椎に衝撃を与えようとも意識を奪おうと思っても奪えないほどなので、体に違和感などは殆ど無かった。

ただ、冷静になって思い返してみると、俺はかなりの末期症状を見せたようで、暫くルミアやクラスに顔向けができないほどの羞恥が襲ってきたので、飯は一人で食うこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……なったのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーこの馬鹿ァアアアッ」

 

 

「ギャァァァアーーッ!!」

 

 

「…………」

 

 

どういう状況か、フィーベルが顔を赤くさせてグレン先生を【ゲイル・ブロウ】にて吹き飛ばす事態が起こっている場所に遭遇してしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……いや、何があったのッ!?

 




ヤバいな……
このままだと、完璧にルミア√ 一直線である。
如何にかして、他のヒロイン候補も目立たせなければ……!!
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