ロクでなし魔術講師と東方魔術剣士と禁忌教典   作:KAMITHUNI

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最後、雑です( ;´Д`)
ネーミングセンスねぇーな!! (笑)
あ、勿論、僕が無いんですよ!!

感想や評価をお待ちしてイマァス!!


これが互いの存在を賭けた戦いだってんなら―――最後は、拳で決着をつけるのが男ってモンだろ 前編

『ーーーそうか、グレンもお前も無事なんだな?』

 

 

「あぁ、其れなりにマナを消費したが、依然としてマナ欠乏症になる気配はねぇーし、俺は特段問題ないな。 グレン先生も俺の固有魔術で大きな怪我は治ってるし、後はマナ欠乏症をどうするかなだけど、な」

 

 

俺は、未だ目を覚まさないグレン先生とフィーベルを横目で見る。

大分マナを消費したのだろう。 フィーベルもマナ欠乏症の前兆である、特有の肌の冷たさがあり、そのせいで眠りこけている。

グレン先生は、その症状を重症化させた物なので、中々目を覚まさなくて当然といえば当然だ。

 

 

『まぁ、とにかく分かった。 お前たちが無事で何よりだ。 それで、ティンジェルを連れて行った場所はわかったのか?』

 

 

あぁ、そういえばそうだった……

そうだ、今回はルミア=ティンジェルの誘拐を目的としたテロという事が頭から抜け落ちていた。

朝の奇襲時、あの時のチャラ男をボコって情報を吐かせたところ、如何やらルミア=ティンジェル……いや、病死と言われていたエルミアナ元第二王女の誘拐が真の目的らしい。

『感応増幅者』……所謂、異能力者と呼ばれる、摩訶不思議な能力を保有する類で、人々から嫌悪されていた。

それが外部から伝われば、王室の箔は地に堕ちる。 そこで、『感応増幅者』のエルミアナを病死ということにして、追外したのだ。

そして、『天の知慧研究会』は『第2団』〈地位〉クラスのテロリストを使って、有効活用できる彼女の捕縛を開始したという訳だ。

 

 

「……まぁ、大体の見当は付いている。レイクって野郎をぶっ潰した後に、“氣功”を使って、ティンジェルの気配を掴んでおいたからな。 ただーーー」

 

 

俺は、この先を言うのを渋る。

いや。 というより、俺自身、何故あんなところに連れていく必要があるのかさっぱりわからん。

 

 

『ん? どうした、ケンヤ……』

 

 

「いや…… なぁ、師匠。 転送方陣は大方の予想通り、ぶっ壊されてんだよな?」

 

 

俺が、師匠にさも当然の事を尋ねる。

分かっている。 流石にテロリストとはいえ、かなり場慣れしている相手なのだ。 ぶっ壊しているに決まっている……だけど……

 

 

『? あぁ、此方から其方には行けないから、恐らくその筈だが…… 何故そんなことを聞く?』

 

 

「……もしかして、転送方陣の行き先を書き換えた?」

 

 

いや、待て……ーーー?! 幾ら何でも、それはどんなに優秀な魔術師でも半日は…………ッ!!

 

 

「な、なぁ? 師匠。 グレン先生と連絡を取り合ってた時間って、どれくらい前だ?」

 

 

『…………っ! そういうことか!! ちょうど、半日だ!!』

 

 

ちっ! 嫌な予感ってのは当たるもんだなッ!!

こうなっては二人を置いていくしか無さそうだ!

時間が無さすぎる!!

 

 

「クソがッ!! 師匠! 俺はあの馬鹿でかい塔に向かう! 」

 

 

『あぁ! わかった! 気をつけろよ!』

 

そう言って、受信機の電源を切り、俺は二人をもう一度見てから、通路を突っ走る事にした。

 

 

 

 

 

「どうして……どうして、貴方が……ッ!?」

 

 

ルミアは悲しい顔を浮かべて、涙を目頭に貯めた。

それは、信じられない人物が、絶対的悪に加担していたことに対するモノ。

ルミアは普段から暖かみのある笑みを絶やさない女の子として、周りからは慈愛の大天使などと呼ばれているが、その実、元第2王女という素性を持つ。 そのお陰か、いつ殺されてもおかしくはないと、見栄を切り、自身の命を二の次に考えている節がある。 そのせいでまわりとは一線を画すような胆力を矜っていた。

しかし、それでも十代の女の子。 信頼していた人物に裏切られたとあっては、平常心で居られるはずもない。

 

 

「すみません。 ルミアさん……私は、ありえないかもしれない事を対処するためだけに生み出された人間爆弾です。 貴女を無事に転送し終えたなら、どうぞ憎んでください」

 

 

そう、犯人……黒幕は、グレンがやってくる前までの2組の担当講師……ヒューイ、その人であった。

彼は、眉を潜め、僅かながらに辛そうな顔を浮かべていた。

その事から、彼がこの事に本心から望んで行っている訳でない事が明白だった。

そんな人物を恨めなど、大天使の異名を持つルミアにとって出来るはずもない事で、後は爆発した際に級友たちが無事である事を祈ることしかない。

先生やシスティーナが助けてくれるという淡い期待は、持たない。 なにせ、時間が無い。

黒魔【サクリファイズ】……五層に別れた起爆式の術式。

これは、転送方陣の書き換えが終わると同時に、起動し、ここら一帯を消し飛ばす時限爆弾である。

 

 

そして、五層に別れた此れは、一つ一つがかなり入り混じった術式のため、一流の魔術師も、一層を解除するのに、1分はかかる。 今から始めたとしても、書き換えの終わる3分後には間に合わない。

つまり、完璧なチェックメイトである。

さらには、塔の前には大量の【ボーン・ゴーレム】を召喚し、中には第五階梯クラスの怪物もいる。

天部盤石の構えだ。 この砦を超えなければそもそも解呪など以ての外なのだ。

 

 

だから、だからこそ……

 

 

ズドォォオォオォォォォォォオ…………ッッッ!!!!!!

 

 

「キャァァァァ……ッ!!」

 

「ッッーー?!」

 

 

激しい轟音と共に起こる大きな振動。

塔自体が左右に揺さぶられる感覚が浮遊感を誘う。

外界のマナが猛り、世界そのものに影響を及ぼした。

空間に亀裂がはいるかと錯覚するほどの魔力の膨張が空間そのものを捻じ曲げる。

そして、外の気配。 これに、ヒューイは驚きを禁じることはできない。

 

 

(なっ……!?)

 

 

召喚したはずの【ボーン・ゴーレム】の軍隊が壊滅。 第五階梯クラスのモノまで木っ端微塵に破壊され、酷いものにいたっては骨の材質すら残っていなかった。

 

 

コツン、コツン……

 

 

「「……ッ!?」」

 

 

聞こえる。 足音が、聞こえる……

 

 

コツン、コツン……

 

 

ゆっくりと、だが確実に一歩一歩、階段を登る音が近づいてくる。

 

 

コツン、コツン……

 

 

圧倒的な魔力容量を持ち、たった一撃で世界の空間さえ捻じ曲げる怪物が段々と近づいてくる。

先程から、脂汗と悪寒が収まらない。

 

 

コツン、コツン……

 

 

恐怖で気が遠くなる。 時はそれほど経っていない。 まだ数秒程。 しかし、永遠と感じられるほど、ヒューイやルミアには緊張感が漂っていたのだ。

 

 

そして、遂に……

 

 

バンッ!!

 

 

「おっす!ーーウチの大天使様を連れ帰りに来ました!!」

 

 

扉を蹴破り、そこにいた小柄な黒髪黒目の少年が場違いにも陽気に登場したのだった。

 

 

 

時は巻き戻り、塔の目の前。

 

 

「ーー糞がよォォォォオ!! 多過ぎだろッ!? フザケンナヨマジで!! あぁ、もういいよ!! テメェ等、纏めてぶっ飛ばしてやんよ!!」

 

 

ケンヤが塔に駆けつけると、其処は軽く軍事施設と伺えるような配置で【ボーン・ゴーレム】が陣取り、中には第五階梯クラスの怪物が混じっていた。

 

 

そこを頭を使って通り抜けようと考えたのだが、あまりにも時間が無いため、正面突破を試みたのだが、結果として数が多すぎる。

 

 

此方は一人に対して、向こうは数百の軍勢。

更には、先程のモノよりも断然的にレベルが高い。

練度は勿論、硬度や速度、将又、連携までもが段違いで強い。 そこに、怪物並みの強さを持つモノがいるとなれば、幾らセリカと云えども一人では至極難易度が高い。 勿論、乗り越えようと思えば出来るが…………

 

 

ここで、ケンヤは苛立ちに苛立ちを重ね、かなりのフラストレーションを溜めていた。

積もりに積もった怒りの末、彼はいよいよ冷静な判断が伴わ無くなった。

その為、彼が取った手段に、誰もが困惑した。

まぁ、彼以外に理性や知性を持った生物がこの場ではいないのだが……

 

 

「ハァァァァァァァ…………!」

 

 

無詠唱で、大きな壁となる剣を【投影】し、目を閉じて瞑想で集中力と精神力を統一させ始めた。

右拳は固めて、体内のマナの流れを一点に込め始めた。

 

 

「jdttmjpnkdt……ッ!」

 

 

ゴーレムは好機と見るや、一斉にケンヤを囲う剣への総攻撃を始めた。

だが、ケンヤが作り出した剣は真銀をベースにした硬度の高い大剣だ。 そう易々と壊れない。

それでもジリ貧。 このままだと、袋叩きに合うだけ。

 

 

「さて。テメェ等……覚悟は出来てんだろうな!」

 

 

蒼い魔力の奔流がケンヤを中心に渦巻き、世界そのものに干渉する。

常軌を逸した魔力に気がついたゴーレム達は一瞬にして動きが鈍る。

それが悪手となる事も知らずに……!

 

 

「行くぜ! カルシウム共……ッ!!」

 

 

蒼く眩く輝く右拳が唸りを上げて放たれる!

世界を呑み込まんとする天空の神狼が咆哮の雄叫びを解き放つ!!

 

 

「啖えっ!! 【神討つ拳狼の蒼槍(フェンリスヴォルフ)】ッッッ!!!」

 

 

穿つは大地。 呑み込まれし敵は消し飛ぶ。

直進するだけの蒼い魔力光は、されど止まることを知らず、あたり一帯を消しとばし続ける。

破壊の協奏曲が奏でられていくように、世界が激震する!

それこそ、正に神話の体現!

神蒼狼が牙を剥き、空間を呑み込んで行く。

 

 

そして、跡形も無く消し飛んだ大地に、ただ一人佇むは、絶対的強者。

魔術師? 彼はそんな域に当てはまらない。

刀術師? バカを言うな。 只の剣術バカがこれ程の大魔術を放てるものか……

 

 

では、彼は一体何者なのか……ーーー

 

 

獣のような直感的な行動力。 時に理知的に動く策略家。

爆発的な魔力容量に加え、単独で一国の軍と渡り合えるだけの戦闘能力。

これを持って、人々は尊敬し、同時に畏怖して、こう呼んだ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒蒼狼(フェンリル)】……と。

 

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