戦兎「突然の一誠と名乗る男の襲撃から暫し、俺達はタンニーンとの修行に精を出していた」
龍誠「しかしホントに何者なんだろうな」
戦兎「……今度は本物っぽいな」
龍誠「そんなに似てんのか……?」
戦兎「まあそっくりだな。と言うわけで一誠も気になるけど他にも問題山積みな33話スタート!」
「
「序でにそいつは名前と能力分かっていれば
「更に全部
いやあり得ねぇだろ……とアザゼルは戦兎とタンニーンの言葉に頭を抱える。そこに龍誠が口を開く。
「
「そんな
アザゼルがそう返すと、戦兎が見てくる。
「で?どうするんだ?」
「そうだな。この件はサーゼクスに話す。だがお前ら。これは絶対他の連中に言うなよ?
ですよねぇ……と戦兎は言い、タンニーンも頷く。まあ一番心配なのは、
「なんで俺を見るんだよ」
「お前の口が一番軽そうだからだよ」
「何いってんだ!俺の口の固さはダイヤモンド級だぞ!」
龍誠はフフンと鼻をならして威張るが、
「言っとくけどダイヤモンドって結構簡単に壊れるからな」
「え!?そうなの!?」
「鉱石としてはそこまで固くねぇんだよ」
マジか!?と驚愕する龍誠を見て、教えたのは失敗だったと後悔するが、今更だろう。それにだ。
「そう言えば何しに来たんだ?アザゼル先生」
そう。先程までまたタンニーンにしごかれていた戦兎と龍誠だが、突如やって来たアザゼルによって修行は一時中断。その際に先日の一件を相談していたのだが、
「うむ。龍誠がリアスの母親から呼ばれてな。そんで来たんだよ」
「え?俺は!?」
アザゼルの言葉に戦兎はギョッとする。それは下手すると一人でタンニーンと修行と言うことになるのでは……と汗を垂らすと、
「ま、頑張れ」
「いぃっ!?」
するとアザゼルは冗談だよと笑う。それから真面目な顔になって、
「お前は少し小猫に会ってこい」
「塔城に?」
戦兎は眉を寄せ、アザゼルの言葉に首をかしげる。
「何だって俺が塔城に……」
「あいつぶっ倒れたんだよ」
なに?と戦兎はアザゼルをみて確認する。それからアザゼルは更に続け、
「オーバーワークだよ。あいつ俺が立てた計画表より過剰なくらい多く取り組みやがってな。ダメージはアーシアが治したが、あのままじゃまたやる。つうわけで結構話したりしてて仲が良いお前の出番だ」
部長も向こうにいるはずだけど?と戦兎は言うが、
「リアスは甘いところがあるからな。少し厳しく言って嫌われ役やってこい」
「自分がやると言う選択肢はねぇのか?」
「俺は何時だって好かれていたい」
こいつ……戦兎がプルプルするが、殴りかかっても勝てないので大人しくする。そんな姿を見ながらアザゼルは、
(俺じゃダメなのさ)
何故なら自分は小猫と喧嘩できない。勝ち負けじゃない。小猫は、無口で愛想はないが、ああ見えて結構謙虚で遠慮がちだ。
言ってしまえば自分を極力圧し殺す。だが、戦兎とは相性の問題か結構喧嘩している。普段の彼女からは想像がつかないほど意地になってる姿を見ていた。
だが、今自分の中との葛藤を抱えている彼女には、そういう相手が必要なのだ。本音を言える相手が。
他の皆は優しい。優しいから甘く接するか、そっと一人にするだろう。それは大事だ。だが、その前に本音を引き出さなくてはいけない。本音を引き出すというのは、別に知りたいからじゃない。口に出す、態度に打すというのは、本人に自分の思いを再確認させると言う意味もあるのだ。
確認できないままでは、時間を無駄に過ごす。だから唯一喧嘩している戦兎が必要で、これに関しては戦兎には申し訳ないと思っている。だが、
(お前なら小猫と喧嘩してでも本心を引き出せるって信じてるのさ)
そうアザゼルは小さく笑うのだった。
「次に左足!右!そしてターン!」
「あ、え、おぉ?」
グレモリー邸の一室にて、ヴェネラナ龍誠は踊っていた。何時かはリアスと共に社交界ゴニョゴニョと言われて半ば強制的にやらされているのだが、体を動かしながら出来るダンスは、座って座学よりずっと良い。更に言えば巨大なドラゴンに追いかけ回されるよりもずっと良い。と言うわけでぎこちないながらも結構龍誠は上手くやっていた。
「少しは慣れてきたようですね」
「体動かすのは得意なんで」
結構ダンスとはバカに出来ない。こうしてやってみると、慣れない動きでも結構汗を掻く。
そう思いながら、置いてあったタオルで顔を拭き、龍誠は戦兎はどうしてるのかと思う。
ここに来てそのまま戦兎は小猫がいる部屋に行った。帰りの道中では小猫の過去を聞かされ、色々思うところがあったものの、アザゼルからは戦兎に任せろとだけ言われてしまったので、大人しくダンス特訓をしているが、やはり気になってしまう。その時、
「どうしましたか?」
「あ……小猫ちゃん大丈夫かなと思いまして」
あいつ、たまに遠慮ないですし……そう龍誠がヴェネラナに答えるより少し前、
「こっちか」
戦兎は広いグレモリー邸を歩きながら小猫の部屋を目指す。
広いので時間が掛かるが、聞いた小猫の過去を反芻するには良いかもしれない。
それは昔、二匹の猫又の姉妹がいたらしい。身寄りがなく、決して楽とは言えない生活。だがそれでも、姉妹で協力して生き延びていたらしい。だがその時、転機が訪れる。それはその猫又の姉が、とある上級悪魔に見出だされ、悪魔になった。元々猫又の中でも、猫魈と言われる高位の存在だったのもあり、すぐに頭角を現した。
だがそれが問題だった。才能がありすぎた姉は暴走し、主を殺して姿を眩ます。残された妹見たいする処遇は、かなり厳しい意見が集まり、妹もいずれ暴走する危険があるから殺そうと言われていた。
それをサーゼクスが強引に引き取り、リアスに預けてルークの駒と、新たな名前を与えたらしい。それが小猫とのこと。
とは言え自分にどうしろと……と戦兎は悩む。アザゼル曰く、思った通りにしろとのことだが、正直悩み所だ。どう接すれば良いか未だに決まってない。
そんなことを思っているうちに、小猫が休まされている部屋の前にたどり着く。もうここまで来たら悩んでも仕方ない。ノリと勢いだと、ドアをノックすると、
「……はい?」
「戦兎だけど」
名乗るとしばらく沈黙。なので、
「入るぞ」
そう言って入ると小猫がいた。だがその姿に、戦兎は息を呑む。何故なら彼女の頭には猫耳が生え、尻尾まで出ている。初めて見たが、 猫又と言うのは本当らしい。
「何しに来たんですか?」
「ん?龍誠がヴェネラナさんにダンス教わるらしいからな。序でに俺は倒れたって聞いたからちょっと見舞いに」
そう言って部屋に置いてある椅子に腰掛けながら、戦兎は部屋を見る。今は自分と小猫以外誰もいない。まあその方は話安いけど。
「つうかお前もぶっ倒れるほどやるとかアホだな。まあ巨大なドラゴンと追いかけっこしている俺が言っても説得力ないけど」
戦兎はそう言うが、小猫から反応はない。いつもなら何かしらの反応があるのだが、これだと寂しいを通り越して、虚しくなってくる。
「つうかなんであんな無茶したんだよ。お前だって分かってる筈だろ?バカな無茶すれば結果的に修行の日程がずれる。そしたらソーナ会長達とのレーティングゲームにも影響するぞ」
「言われなくても分かってます」
じゃあなんで……戦兎がそう問うと、小猫は、暫し口をつぐみ、それからまた言葉を発した。
「強くなるためです。アザゼル先生の特訓だけではダメだと判断しました」
「ダメなのか?」
戦兎は首をかしげる。アザゼルは一見無茶苦茶だが、特訓内容はまともだ。
戦兎たちのも無茶苦茶だに見えるが、やってて分かったが、まず自分と龍誠が乗ったとき……つまり共鳴した時に、タンニーン相手なら一方的に押せないが、逆に押されることはない。まあタンニーンが手加減しているのが分かるのだが、その絶妙に攻防戦を延々と続けられるようにしてくれる。
更に圧倒的に強いからこっちがやり過ぎなくらい本気になっても安心だ。お陰で色んなベストマッチ以外の組み合わせも試せる。
そして危機的な状況は、こちらが奮い立つことでビルドドライバーの稼働力を引き出し続けてくれるしで、アザゼルの質問に答えただけで、ここまでビルドの力を上げる修行方法を思い付くのは凄いと思う。勿論死にかけるが。
だから小猫の言葉がどうもおかしいと思ってしまう。だが、
「だって私には部長のような滅びの魔力はない。朱乃さんみたく魔力に秀でていないし、アーシア先輩のような回復能力も、祐斗先輩やゼノヴィア先輩のような剣の腕も、そして戦兎先輩や龍誠先輩のような武器も……」
言ってしまえば、自分にあるのは馬鹿力と頑丈さだけ。だが他の皆の力と比べれば、余りにも微々たる力だ。
「ですが本当の力は嫌です。この力で姉様は狂った。こんな力ならいらない。もっと別の力があればこんな力……」
小猫の呟きに、戦兎は口を挟まなかった。だが喋るのが一段落した後、一言口を開く。
「今のお前じゃ無理だよ」
「え?」
戦兎の言葉に、小猫はポカンとしながら顔を見てくるので、戦兎は続けた。
「例えお前が別の力に出会っても無理だよ。だってお前、自分の力から逃げる言い訳したいだけじゃん。姉がどうとか言ってるけど、結局のところお前、自分の力と向き合う勇気がないだろ?最初っから諦めてる。でもな、今のままじゃ別の力にあったって使えねぇよ」
「っ!」
小猫は、ベットから飛び起きると戦兎の胸ぐらを掴んでそのまま押し倒す。
「違う!私は……」
「良いか塔城……どんな力だって使うのに相応の覚悟がいるんだよ。少なくとも自分の力とすらちゃんと向き合えねぇような半端な覚悟で使えるわけがねぇ。使えてもどこかで必ず破綻する。そうすればお前は誰かを傷つけるぞ!」
戦兎の言葉に小猫は一瞬怯むが、すぐに力を込め直し、
「だから誰かを傷つけないように使わないんじゃないですか!」
「違うね!傷つけないためとか言ってるがそんなの言い訳だ!ただ単に自分に自信がねぇんだろ!?自分だったら絶対この力を間違った使い方をしないって胸も張らねぇ!試しもしねぇ!頑張りもしねぇ!挙げ句の果てバカやって迷惑かけてお前なにしたいんだよ!」
「っ!何も知らないくせに!」
小猫の手に力が籠り、戦兎の首が少し絞まる。
「何も知らない癖に!好き勝手言わないでください!!」
「あぁ知らねぇよ!お前何も言わないもんな!無口で無愛想で手が早いと言うトリプルコンボだもんな!分かるわけねぇだろ!分かって欲しいならちゃんと口にしろよ!何も言わねぇで分かってもらえると思ってんじゃねぇ!」
何か段々言ってる内にムカムカしてきた戦兎は、
「お前の過去は話でしか聞いてねぇ!同情出来ることもある!だけどな、お前が本来の力から逃げる理由にはならない!姉がダメだったならお前が使いこなして見せろよ!力が暴走した結果がどうなったかお前は知ってるんだろうが!ならお前は正しくやってみせろよ!最初から諦めてんじゃねぇよ!やってみる前から諦めて違う力探すんじゃねぇ!そんな中途半端な覚悟で部長の眷属やってんのか!」
「っ!……うるさぁああああああい!」
小猫は、感情をむき出しにして戦兎に叫ぶ。
「あなたとは違うんですよ!ビルドって言う恵まれた力持ってて!いつも前だけ見れて!悩みなんか無いでしょうね!この力で私は孤独になったんです!この力は最悪の結果しか作り出さないものです!」
「違う!力が罪なんじゃない。力ってのはな。使い方で善にも悪にもなる。科学だってそうだ。使い方で人を救うし傷つけることもある!使い手次第なんだよ!」
戦兎もやられっぱなしじゃない。小猫の胸ぐらを掴んで自分の顔に寄せる。
「俺だってな。力の使い方間違ったことがある。それでも俺は
「ちょっとなに騒いでるの!」
そこに部屋のドアが勢い良く開けられ、入ってきたのはリアスだ。そんな彼女は、部屋の中での様子を見て慌てて戦兎と小猫を引き剥がし、
「なにやってるの二人は!」
『……』
ムスッと二人は互いに目も合わせず立ち上がると、
「疲れたので寝ます」
「龍誠も終わったと思うので行きます」
と、勝手にそれぞれ行動を開始。リアスはポカンとしながらも、
「ちょっと待ちなさい戦兎!」
そう言って慌てて廊下に出ると、
「派手にやりあったなぁ」
「貴方の差し金ね?」
廊下の壁にもたれ掛かっていたアザゼルにリアスはジト眼で言うと、クククとアザゼルは笑みを浮かべる。
「ま、少し強引な手だったがな」
「何がしたいわけ?」
リアスは大きなため息を吐きながら言う。それにたいしてアザゼルは、
「生徒のためになることをしたいのさ」
と、信用0といっても過言じゃない笑みを浮かべながら言うのだった。
うぅん。今回分かりずらいかなぁ……戦兎と小猫の会話は。まあかなりこの辺は勢いで書いてます。いや読み直したりして訂正したりしましたがね?まあ後々の展開知ってると違和感がある場所もありますが、戦兎も小猫も知らないので。
あとまあ小猫の性格がね。