ハイスクールD×D Be The One   作:ユウジン

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前回までのハイスクールD×D Be The Oneは……

戦兎「シトリー眷属を退け、ついにレーティングゲームはクライマックスへ!」
龍誠「戦いの結末は?そして勝つのはいったい!」
匙「なーんか俺折角変身したのに影薄くね!?」
戦兎「気のせいじゃね?と言うわけでクライマックスな38話スタート!」


結末

《リアス・グレモリー様のポーン。一名リタイアです》

そんな放送を聞きながら、祐斗はシトリー眷属のクイーンである椿姫の長刀を聖魔剣で弾く。

 

「ちぃ!この反転(リバース)というやつは厄介だな!」

 

そう悪態をつくのは、ビジョップの子と戦うゼノヴィアだ。

 

ゼノヴィアの武器であるデュランダルだが、破壊力も勿論凄いが一番の武器は、悪魔に問答無用で効果を発揮する聖なる力だ。だがそれを相手の使う反転(リバース)は、魔の力に変えてしまう。こうなるとただの破壊力のある剣だ。いやデュランダルクラスの破壊力は十分すぎるほどなのだが、それでもこの建物を傷付けないように手加減している状態ではあまり威力を出せない。その為ゼノヴィアも攻めあぐねいていた。

 

「ゼノヴィア!チェンジだ!」

 

そう言って祐斗は椿姫から離れると、ゼノヴィアと場所を入れ換え、ビジョップに斬りかかる。

 

聖魔剣は、聖と魔が混在する剣だ。故に反転(リバース)の効果を無効化出来る筈だと判断した。その判断は正しく、

 

反転(リバース)!」

「無駄だ!」

 

祐斗はそのまま一気に間合いを詰めるが、ビジョップの子は上手く回避する。その間に、

 

反転(リバース)は厄介だがそっちは使えないようだな。ならばデュランダルの餌食にしてくれる!」

 

と、余程デュランダルが無効化されまくったのにフラストレーションが溜まっていたらしく、ゼノヴィアはデュランダルをブンブン振り回しながら椿姫を見据えると、デュランダルを掲げて、

 

「ちょっとゼノヴィア!?建物壊さないようにね!?」

「流石にそこまでバカじゃない!」

 

そう思いたいけどね!?と祐斗が内心叫ぶ中、ゼノヴィアは一応加減してデュランダルを振り下ろした。勿論聖なる力を纏わせた一撃は、衝撃波を生み出してそのまま真っ直ぐ椿姫を狙うが、

 

「確かに反転(リバース)は使えませんが、これは使えます!追憶の鏡(ミラー・アリス)!」

「なにっ!?」

 

彼女は冷静に手を翳すと、鏡を作り出した。それは当然デュランダルの生み出した衝撃波によって砕け散るが、

 

「ガハッ!」

 

それと同時に衝撃波が跳ね返り、ゼノヴィアを吹き飛ばした。

 

神器(セイクリットギア)か!?」

「えぇ、相手の攻撃を鏡が割れると衝撃波にして返すというものでしてね。相手の攻撃をそのまま跳ね返すわけではないので、聖なる力を返せるわけではないのですが、デュランダル程の聖剣となれば衝撃波も相当なものでしょう」

 

椿姫の言うとおり、ゼノヴィアはリタイアしていないものの、たった一発で致命傷だ。

 

「これでゼノヴィアさんは動けず、放っておいてもそのままリタイアでしょう。実質これで2対1ですね」

「成程ね」

 

祐斗は二人に意識を向けながら、厄介なのは椿姫だと判断する。ビジョップの子も厄介だが、反転(リバース)は自分には効かない。なら近距離もできて、自分にも効果があるであろう追憶の鏡(ミラー・アリス)と言う神器(セイクリットギア)を持っている椿姫が厄介だ。こっちは属性ではなく、衝撃波だけ返すと言う都合上、自分の聖魔剣の一撃も返せてしまう。

 

そう思っていると、椿姫が長刀を祐斗に振り下ろしてきた。それを弾き、距離を取るが、ビジョップの魔力が祐斗を襲い、

 

「くっ!」

 

祐斗は更に弾く。その隙を突いて椿姫の長刀が来るが、弾く余裕はなくそれを押し止めるのが精一杯だ。

 

「流石の貴方でも二人がかりでは厳しいようですね」

「ですね」

 

祐斗は決して非力ではない。悪魔であり男と言う点で常人離れしている。だが、椿姫はクイーンだ。全ての駒の特性を持つと言うことはルークの特性もある。純粋な力比べになった場合、どうしても祐斗の方が不利なのだ。

 

「今頃は恐らく生き残った桐生戦兎さんもやられるはずです」

「戦兎君が生き残った?」

 

祐斗が何故分かるのかと思うと、

 

「こちらの策で二人をリタイア寸前に追い込めた筈です。そして万が一瓶詰め(ボトルチャージ)でそれを逃れようとした場合、残すのは万丈さんではなく桐生さんです。レーティングゲームのルール上有利なのはね。まさかそこで親友だからと優先するような愚かな人ではないと信じてますので」

「大した信頼ですね」

 

勝つ為ですから。そう言った椿姫は、更に押し込んでくる。だが、

 

「出来ればこれは使いたくなかったんだけどな」

「え?」

 

祐斗はそう呟くと、ポイっと懐から取り出したものを自分と椿姫の丁度真ん中位に放り投げ、

 

「フルボトル?」

「エンプティボトルって言うらしいですよ?」

 

祐斗がそう言った次の瞬間、紫色のエンプティボトルの口から煙が噴出し、二人を包み込んだ。

 

「げほっ!これは……毒!?」

「えぇ、何でもとある猫又が作った悪魔や妖怪に良く効く毒でしてね。戦兎君が体内に入った毒を吸い出したあと、他にも取り込んだ人達から吸い出したエンプティボトルを貰って、一本に凝縮させたんです。一回切りでしたが、中々強力でしょう?」

《ソーナ・シトリー様のルーク、ナイト、ビジョップ、ポーン。一名ずつリタイアです》

 

祐斗は青い顔色のままだが、放送に思わず戦兎君やったんだね……と呟きながら、聖魔剣を握り直す。

 

「自分ごと巻き込むとは……」

「こっちも負けてられないのは一緒なんですよ」

 

そう言って祐斗は聖魔剣を振るう!

 

「くっ!」

 

それを椿姫は止める。互いに毒に蝕まれた身では、ろくな押し合いにならない。必死に押し合うものの、体に力は入らず、苦悶の表情を浮かべるだけだ。そこに、

 

反転(リバース)!」

 

ビジョップの反転(リバース)が発動し、毒が消えていく。ただし、体に侵入した毒は消えない。毒の煙が晴れただけ。それ以上毒を吸わないようにするだけだ。だが、それが一方のミスであり、もう一方にとっての幸運だった。

 

「え?」

 

椿姫は呆然としながら後ろを振り替える。その視線の先にいたのはゼノヴィアだ。

 

「放っておいてもリタイアだ。でも私はまだいる。確かに止めを誘うとすればその分木場に隙を見せる事になる。だがそれでも……私を生かしたままだったのは失策だったな!」

 

ゼノヴィアはふらつく足でそう言うと、椿姫に向けて斬撃を飛ばす為の振り下ろしたデュランダルを持ち上げる。

 

聖なる力をたっぷり込めたその一撃は、毒に蝕まれてなかったとしても悪魔にとって一撃必殺の破壊力があった。

 

だが、

 

「がはっ!」

 

祐斗は口から血を吐く。戦兎、小猫、リアスの体内から取り出した猛毒を凝縮して一本のフルボトルに込めたものということは、彼らが喰らったものより遥かに濃度が濃い毒だ。そんなものを思いっきり吸い込めば何もなくとも命に関わる。

 

「木場!」

「ごめんゼノヴィア……思ったよりきつかったよ」

 

祐斗は申し訳なさそうな笑みを浮かべると、ゆっくりと体を倒していき、

 

《リアス・グレモリー様のナイト。一名リタイアです。更にソーナ・シトリー様のクイーン。リタイアです》

 

その放送と共に消滅した。その場に残るのは、ゼノヴィアとビジョップの子だ。だが既にゼノヴィアは満身創痍。対してビジョップの子は無傷だ。スタミナすら切れていない。

 

「今のあなたに攻撃するのは躊躇われるけど……いくわよ!」

「くっ!」

 

デュランダルが重い。そう思わず思ってしまうほどこっちは満身創痍なんだが!?と言いたくなるが、ゼノヴィアは咄嗟にその大きさを使ってガード使用としたその時、

 

「はぁ!」

 

そこに飛来した別の魔力の弾丸が、ビジョップの子の魔力を消した。

 

「え!?」

「ゼノヴィアさん!」

 

ゼノヴィアがポカンとしていると、そこに駆け寄ってきたのはアーシアで、その後ろにはリアスと朱乃がいた。

 

「何でここに?」

「本陣で張っていても誰も来なくてね。それで思ったの。ソーナが狙っているのはただ勝つ事なんじゃないんじゃないかってね。ただ勝っても意味がない。となれば狙うとしたらコカビエルを倒した戦兎や、転生したばかりで上級悪魔を倒した龍誠。なら私達が後ろに控えていても仕方ないから恐らく人数の割合が少ないであろう祐斗達の方から行こうと思ったのよ。多分さっきまで戦ってた、戦兎か龍誠と小猫には悪かったけどね。囮にしちゃったみたいで」

 

まあその前にさっさと終わっちゃったみたいだけどね。とリアスが言うとゼノヴィアは、

 

「多分残ったのは戦兎らしい」

 

アーシアに、反転(リバース)の事がある為一旦回復は待って欲しいと、ゼノヴィアは伝えながらリアスに言ったその時、

 

「あらあら」

『っ!』

 

珍しくもない。いつもの朱乃なら良く聴く言葉だ。だがその場の全員が、満場一致で感じた事。それは、恐怖である。

 

「折角、勇気を出そうと思ったのに。折角、前に進む為に彼に見てもらおうと思ったのに……」

 

ユラリ、と体から立ち上る魔力は尋常じゃない濃度だ。

 

「彼女。倒しても良いかしら?」

『ど、どうぞ……』

 

思わずリアスまで敬語になってしまう。それを聞いた朱乃はそれはもう楽しそうに笑みを浮かべ、背中から悪魔と、あれほど忌み嫌っていた堕天使の羽を出した。

 

「行きますわよ」

 

バチチチチ!と強烈な閃光が、朱乃の手に集まり、

 

「はぁ!」

 

それが放たれる。だがビジョップの子にはまだ反転(リバース)がある。彼女もそう思って、

 

反転(リバース)!……え?」

 

ビジョップの子は、確かに発動したと感じた。そして彼女の思うように、反転(リバース)により反転していた。雷はであるが。

 

なにせ朱乃が放ったのは雷と、堕天使も操る光の力。謂わば今のは【雷光】である。

 

そして雷は反転させたものの、光の力はそのまま喰らい、ビジョップの子は呆然としたまま消滅した。

 

「うふふ……うふふふふふふふ」

 

ゼノヴィアとアーシアは手を取り合い、ガタガタ震えている。それくらい朱乃の後ろ姿だけでも恐怖だった。

 

そしてリアスは、

 

「後はソーナとポーンが一人か……」

 

と現実逃避兼、今後の算段を立てていた。とはいえここまで来たら小細工はいらないだろう。 実質後は。キング同士対決だ

 

「行きましょう朱乃。アーシアはゼノヴィアの治療をしてあげて」

「わかりました」

 

そう言ってアーシアは、ゼノヴィアに光を当て始め、

 

「行きましょうか」

「えぇ」

 

すっかり何時もの調子に戻った朱乃を連れて、リアスは足を進めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来ましたか。リアス」

「えぇ」

 

リアスは、本陣にて待っていたソーナを見つけ、言葉を返す。その彼女の後ろには朱乃だけじゃない。途中で合流した戦兎や小猫も居り、それを見てソーナは息を吐いた。

 

「ここまで上手く行かないと悔しいというより、いっそ清々しいですね」

「そう」

 

ソーナの言葉に、リアスは短く返す。するとソーナは、

 

「私は貴女が羨ましかった」

「え?」

 

リアスは、突然のソーナの言葉に驚くがソーナは続け、

 

「だって才能があったから。貴女はあと数年で最上級悪魔クラスに至るでしょう。残念ですが私にはそこまでの力はない。昔からそう、才能も容姿もカリスマも、貴女は私の先を行っていた」

 

リアスは何も言わない。 何も言わずに、言葉を聞いた。

 

「それでも努力したわ。直接勝てないなら頭脳を磨き、貴女にも劣らない眷属を集めた。でも現実は甘いわね。ビルドと言ったかしら?その力の攻略がこのゲームの勝敗を分けると考えた。だから桐生君を集中的に狙ったのだけど、賭けには負けた」

 

結局、グレモリーチーム側で脱落したのはギャスパー・龍誠・祐斗の3人のみだ。その反面シトリーチームはキングとポーン以外全滅。

 

下馬評通りどころか、下馬評以上に差をつけられる結果となっている。

 

「とは言え、このままやられると言うのも癪ね」

「まあそうよね」

 

そう言い合った二人の手にそれぞれ滅びと水の魔力が集まる。

 

「手出し無用よ」

 

リアスはそう言いソーナと距離をゆっくり詰めた。その途中、

 

「そうそうソーナ。言い忘れてたけど私も貴女が羨ましかったわ。頭が良くて冷静沈着で……後貴女にも婚約者がいたでしょ?チェスでボコボコにして解消したけど。憧れたわ。私もああいう風に出来ればってね」

 

その代わり王子様が現れたでしょう?とソーナに言われ、そうねとリアスは言う。そして、

 

「決着つけましょう!」

「えぇ!」

 

両者の魔力がぶつかり合い、そして最後には、

 

《ソーナ・シトリー様。リタイアです。更に、キングのリタイアによりソーナ・シトリー様のチームは敗北。よって勝者はリアス・グレモリー様のチームとなります!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ」

 

勝敗が決定した後、アザゼルは椅子にもたれかかる。

 

リアスが勝った。80点位はあげてもいいレベルで勝った。だが中々ソーナもやるじゃないかと思う。

 

戦兎のビルドに対して交換させないと言うのは、言えば簡単だが実際やるとなると大変だ。余程眷属同士の息があってないと、あぁはならない。それに匙、あの二人と戦いながらあの作戦を成功させると言うのは、十分彼も化け物だ。ただ気になるのは、スクラッシュドライバーを持っていた事だ。ヴァーリのやつも、知らんやつから貰ったとか言って使っていたが……いやこれは後で本人に聞こう。

 

しかし結果はソーナ側にとっては散々なもの。

 

「ふぉっふぉっふぉ。すごい3人じゃったのう」

「戦兎達の事か?」

 

うむ。とオーディンは頷く。

 

「ボトルを交換するだけで能力を変えられ、しかもあの連戦を戦い抜いた桐生戦兎、リタイアしたとはいえ桐生戦兎との息をの合いようが素晴らしかった万丈龍誠、そしてその二人と戦って何度倒されてもなお立ち上がり続けた匙元士郎……どれも劣らぬ素晴らしい戦士じゃった。じゃがのう……」

 

オーディンは残念そうに顔をしかめ、

 

「結末が結末だけに世間に写る姿は別になるじゃろうな」

 

彼の言葉にアザゼルは同意する。そう、誰の性でもない。だが世間からは、ソーナが散々な結果で負けたと言う部分が強く印象に残る。

 

しかもソーナは、敢えて手の空いていた眷属を自陣に集めて戦力をまとめるわけでも、リアス達のところに送って勝負に出るわけでもなく、戦兎を狙った。勝てればネームバリューもある。だが結果返り討ち。いや実際は小猫がいなければ負けていたが、世間は返り討ちのところを強く印象に残す。

 

(明日からソーナ達(アイツら)も大変だな)

 

アザゼルは、そんな風に思わず同情せずにはいられなかったのだった。




なんと総合評価が300突破していました。ありがとうございます!更にいつもコメントくださる方、評価くださった方、ありがとうございます!そしてこれからもよろしくお願いします!
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