バカとテストと召喚獣 ~僕はこの歪んだ運命に抗い続ける~   作:天沙龍月

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 今回のお話は前のお話の続きからになります!

 それでは本編をどうぞ!


第6話 夜 そして、会合

 明久side

 

 はぁ、姫路さんもひどいなぁ。僕は島田さんと姫路さんに映画館に来ていた。

 

 「学割とはいえ……チケット一枚千円……!コーラMサイズ三百円……!ポップコーンSサイズ四百円……!これがたったの2時間で消費するのか……!? 映画館……何と恐ろしい場所だ……!」

 

 僕はまた演技をしていた。一応、僕はゲームの買いすぎで今月はやりくりが大変だという事になってるからね。こういう所もしっかり演技しておかないと。

 本当は全然そんな事はない。大部分は雄二たちを騙すためにゲームに使ったけどまだ困るぐらいにはなっていない。いざとなれば銀行にいけば良いし。

 

 「吉井君……。」

 

 おっと、考え事してたら姫路さんに呼ばれてたようだ。

 

 「な、何?姫路さん?」

 「こ、これ!見ませんか!?」

 「へぇ~!良いんじゃない?これにしようよアキ。」

 

 姫路さんが指差していたのはザ・ラブストーリーみたいな映画だった。実は僕、あんまりこういうのが好きではない。見ていると段々と胸の奥が辛くなってくる。頭が勝手に何かを必死に思いだそうして胸が苦しくなって見るのを止めてしまうのだ。

 

 「そ、そう。じゃあ、僕は良いから二人で見てきてよ……。」

 「「えぇ~!?どうしてですか(よ)!? じゃあ、アニメにする?」」

 「いや~、そういうことではなくて……。」

 

 僕だけが見なければ良いと思ったんだけどやっぱりダメか……。そんな簡単にいく訳ないよね……。どうしようか……? アニメを見て満足した雰囲気を醸し出すしかないか。

 僕がこの状況の打開策を考えていると……。

 

 「観念するんだな、明久。……男とは……無力だ……。」

 

 そこには手枷をしている雄二とその手枷に繋がっているであろう鎖を持った霧島さんがいた。何故だろう?すごく絵になっている。あぁ、美女と野獣だからか。

 

 「え?雄二?」

 「雄二、どれが見たい?「早く自由になりたい。」じゃあ、地獄の黙示録完全版。」

 「おい!待て!? それ3時間23分もあるぞ!「2回見る。」一日の授業より長いじゃねぇか!?」

 

 雄二が今まで見たことないぐらいに焦っている。別に良いじゃないか~、大好きな霧島さんと二人きりの映画デートなんだから♪

 

 「授業の間、雄二に会えない分のう・め・あ・わ・せ♪」

 「やっぱ、帰る!」

 

 雄二は首に付けられた鎖をジャラジャラと鳴らしながら帰ろうとする。だけど、霧島さんは……

 

 「今日は、帰さない。」

 

 と言いながら何処からともなく見るからに強力なスタンガンを出し、

 

 「な、何だ翔子!? それ!? あべ! ちょ! しょうこ!? ユアファ!?」

 

 雄二にそのスタンガンを刺し、確実に意識を奪った。

 

 「学生2枚、2回分。」

 「はい♪ 学生1枚、気を失った学生1枚、無駄に2回分ですね?」

 

 そして、何事もなかったようにチケットを買おうと受付の人に話し、受付の人も普通に受け答えしてさりげなく雄二を罵倒しながら霧島さんの注文を繰り返していた。

 えぇ~……普通は驚くのに、あの受付の人どれだけ神経が図太いんだろう……?

 僕はちょっと引きながらその光景を見ていた。

 

 「仲の良いカップルですね~」

 「憧れるよね~」

 

 姫路さんたちはちょっと違う見方をしていたみたいだ。

 さて、僕たちはどうするんだろう?

 

 「私たちはどうしましょうか?やっぱり恋愛系を見ませんか?」

 「そうよね~、あんなの見せられたら私たちも!って思っちゃうわよね~。どうするアキ?」

 「ぼ、僕的にはこのままお開きの方がありがたいなぁ~、なんて……「「ダメ(です)!」」だよね~……。だったらアニメの方が良いかな。恋愛系を見てもすぐ寝ちゃいそうだし……」

 

 やっぱりあの恋愛映画は精神的に辛くなるだろうから見たくないし、この理由だったら島田さんたちも納得してくれるだろう。

 

 「仕方ないわね~……アキが見ないなら楽しみも半減しちゃうし……姫路さんもそれで良い?」

 「はい……私は吉井君と映画を見れればそれで良いですから」

 「ごめんね~僕のせいで……」

 

 島田さんたちは渋々、という感じで納得してくれた。

 これで見る映画は決まったことだし、映画を楽しもうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それじゃあね。」

 「はい! 吉井君、それではまた明日。」

 「じゃあね、アキ。」

 

 映画を見終わり、解散する事にした僕たち。僕は姫路さんたちと別れ、家に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 少しして、

 

 「ただいま~。誰もいないけど。」

 

 僕はマンションの部屋に着いて、玄関を開く。一応、ただいまを言って部屋に入る。これで返事があったら怖いんだけどね。

 

 

 

 

 「あ……やばい。」

 

 軽くご飯を食べるために冷蔵庫を開いたのだが何もない。今日の朝、ほとんど食材を使ってしまって放課後に買ってくる予定だったのを忘れていた。

 どうするかなぁ~? スープだけも飲むかな。そのぐらいなら食材もあるし。

 

 「よし、そうしよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 スープを作り終わり、テレビを点けてテーブルに置く。ソファに座り、野菜が沢山のスープを飲む。ふぅ、美味しい。

 テレビではまたニュースが放送されていた。

 

 

 『今回の事件には政府官僚にも内通者がー』

 

 さて、スープも飲んだし勉強しよう。僕はスープが入っていた容器をさっさと洗ってお風呂に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピンポーン♪

 

 来たか。

 

 「はいはい~。」

 

 僕は玄関へと向かう。はぁ~、めんどくさいなぁ。玄関の先には黒いスーツを着たサングラスの男がいた。

 

 「明久様、お時間です。」

 「分かってるよ。着替えは?」

 「車の中にございます。」

 

 用意周到だな。僕はスープ等の片付けをして、戸締まりをちゃんと確認し、玄関に戻った。黒いスーツの男はずっと同じ体勢をしていた。

 

 「じゃあ、行こうか。」

 「では、こちらに。」

 

 黒いスーツの男に先導され、マンションを後にする。

 

 

 

 

 マンションから少し歩いた場所に黒い車があった。僕はそれに乗る。僕が車に乗ったのを確認し、黒いスーツの男が車に乗り込む、

 

 

 「今日の相手は?」

 「前々から話していた方です。明久様のご学友では?」

 「あぁ、あの娘ね。分かった。」

 

 走り出した車の中で僕は着替えながら、今日の相手を聞く。そうか、今日は彼女だったのか。分かるように説明すると僕はお見合いをしようとしているのだ。めんどくさいけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらく車を走らせると大きな屋敷が見えてきた。

 

 「ここです。」

 「ありがとう、帰る時電話するよ。」

 「はい。」

 

 どうやら、今日の会場はここのようだ。僕は車から降り、屋敷の方へ歩く。

 

 「ようこそ、明久様。招待状を拝見いたします。」

 「はい、どうぞ。」

 「……はい、ありがとうございました。こちらへどうぞ。」

 「ありがとう。」

 

 屋敷の近くまで来るとメイドさんが出てきて、僕が本物か確認するため招待状の確認をする。まぁ、本物だから入れないなんて事ないんだけど。そのまま、メイドさんに連れられて屋敷に入る。

 

 

 中も結構豪華な屋敷だな~。高級そうなもので埋め尽くされている。まずは大きな金の装飾をされた花瓶、床にしかれた金刺繍のあるカーペット。ここに住んでる人たちがどれだけ裕福かを物語っている。

 

 「こちらのお部屋になります。」

 「ありがとう。」

 

 メイドさんががある部屋の前まで案内してくれた。それじゃあ、ご対面だ。僕は部屋のドアを開ける。

 

 「失礼します。」

 「どうぞ。」

 

 部屋の中には屋敷の主である男の人とその妻の女の人、そして、今日の主役である少女が高そうなソファに座っていた。少女は僕の顔を見て結構驚いていた。ドッキリ成功かな。

 

 「さぁ、どうぞどうぞ。お座りください。」

 「では、遠慮なく。今日はお呼びいただきありがとうございます、霧島会長。」

 

 察しのいい人は、この名字を聞けば相手が誰かわかるだろう。そう、今日の相手は霧島さんなのだ。僕はゆっくりとソファに座る。

 

 「……吉井? どうして?」

 「こんばんわ、霧島さん。まぁ、その事は後でね。」

 「あぁ、そうか。翔子と吉井くんは学友だったね!」

 「はい、仲良くさせてもらっています。」

 

 はぁ、分かりきってる事を……。まぁ、あちらも取りに来てるしね。僕は笑顔で応対する。その時、メイドさんが紅茶を持って来てくれる。紅茶を一口飲んで、

 

 「では、霧島会長。最初に霧島さんとお話してもよいでしょうか?」

 「あぁ! どうぞどうぞ! では……あちらの部屋をお使いください!」

 「ありがとうございます。じゃあ、霧島さん。ちょっといいかな?」

 「……分かった。」

 

 霧島さんはまだ困惑しているようだ。まぁ良いか。霧島会長に言われた部屋に霧島さんと向かう。

 

 

 

 

 

 メイドさんに案内してもらい、部屋に着いた。たぶん、談話室かな。メイドさんに出ていってもらい、ようやく話す。

 

 「……吉井、一体どういうこと? ……説明して。」

 「その前にちょっと待ってね。」

 

 霧島さんは僕に襲いかかりそうな勢いで聞いてくる。それを制止して服に入れていた端末を起動させる。その端末の画面にはいくつもの赤い点が表示される。はぁ、霧島会長も過保護ではないかな? この赤い点は盗聴機やカメラの位置を知らせている。

 僕は端末のあるボタンを押す。すると、画面の赤い点が一気に青に変わる。これでオッケー。

 

 「ごめんね、待たせちゃって。じゃあ、霧島さんの質問に答えるよ。」

 「……どうして吉井がここにいるの?」

 「簡単な事だよ。僕が御曹司だからだよ。」

 「……じゃあ、私と雄二を引き離す気なの?」

 

 霧島さんは必死に問いかけてくる。

 

 「そんなわけないよ。第一、僕はまだ誰とも付き合いたいとも思ってないし、結婚したいとも思わない。霧島さんたちには幸せになってほしいとも思ってるよ。今回はただ、強制的に連れてこられただけだし。」

 「……そう。ありがとう……その、雄二との仲を応援してくれて。」

 

 霧島さんは安心してくれたようだ。よし、本題にかかろう。

 

 「今夜の事は他言無用でお願い。」

 「……分かってる。吉井にも何か事情があるんでしょ?」

 

 僕は静かに頷く。察しが良くて助かるよ。

 

 「ありがとう。それでちょっと霧島さんに聞きたい事があってね。」

 「……何?」

 「それはね……  」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「霧島さん、霧島会長、奥さま、今日はありがとうございました。」

 「いえいえ、こちらこそこれからもよろしくお願いします。」

 「……また、いつか。」

 

 あの後、霧島家の方々と会食をして帰る事にした。軽く会釈をした後、門へと歩き出す。メイドさんが門まで送ってくれるようだ。

 

 

 

 「もしもし、迎えに来て。」

 『了解いたしました、明久様。』

 

 スマホでさっきの黒服の人に連絡する。僕が門に着く頃には車が来ていた。

 

 「じゃあ、ありがとうございました。」

 「またのお越しを」

 

 メイドさんに会釈して車に乗り込む。運転士の人が僕が乗り込んだことを確認して車を発進させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくして僕はスマホを手に取る。

 

 「もしもし、母さん?」

 『あぁ、明久? どうだった?』

 

 電話の相手はもちろん母さんだ。今日の報告をね。

 

 「やっぱり、ダメだね。経営が難しくなってるみたいだし、買収はいけると思う。」

 『……そう、なら買収で進めるわ。それと、もうひとつの方は?』

 「……前から言ってるけど、彼女はダメだよ。それに僕もあんまりそっちに集中したくないし。」

 

 霧島さんには雄二がいるしね。そして、霧島さんの企業は買収で決定だね。

 

 『……まぁ、どんな結果でも貴方の意思を優先させたいと思ってる。それだけは覚えておいて。』

 「うん。ありがとう、母さん。」

 

 そこで電話を切る。はぁ、ホントどうするかな。まぁ、後で考えるか。それに今回は僕的にも収穫があったしね。車の窓を見ると星が綺麗だった。

 

 

 

 

 こうして、夜は更けていく。

 

 

 

 明久side out

 




 はい、お疲れさまでした。

 今回のお話、翔子と明久が会うことは結構大きな意味を持っています! その仕掛けはまた今度!

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 次回もお楽しみに!
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