タッグフォース 未来の英雄を継ぐ赤帽子   作:TOUI

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第二十話 闇のデュエル再び…

sideコナミ

 

 

ゆまが消えた後、俺たちはいったんアカデミア本館まで戻った。

 

「ツァン様はただの疲労だそうなので時期目が覚めるだろうとのことです」

 

「そうか、良かったよ」

 

あの後、ツァンはデュエルの疲労からか倒れてしまったが、どうやら大事には至らなかったようだ。

 

「しかし、あのゆまの体を乗っ取って行った奴はいったいどこへ消えてしまったのでしょうね」

 

「せめて何か足取りのとれる手掛かりがございましたらよかったのですが」

 

あのあと俺たちはいまだにゆまに関する手掛かりがつかめず長考していた。

 

「あら、手掛かりならあるわよ」

 

どこかへ行っていた雪乃が戻ってきて俺たちに言ってきた。

 

「手掛かりと言いますと?」

 

「さっき最後にゆまとデュエルした3人のボウヤが起きたから話を聞いたんだけど」

 

「他の連中同様記憶は操作されてるのでは?」

 

「ええ、カードを手にした後のことは覚えてなかったけれど、問題は手にするときよ」

 

「手にするとき?」

 

「あの子たち、カードは拾ったのではなく、誰かから貰ったって言ってたわ」

 

「誰かから?」

 

「もらった?」

 

誰かから貰った…それが本当なら

 

「それで、それが誰かは覚えていたの?」

 

「いえ、覚えているには覚えていたのだけれど」

 

「どなたかはわからなかったのですか?」

 

「ええ、黒いローブで全身を隠していたそうよ」

 

黒いローブ、あの時と同じ格好だが……

 

「ついでに言うと、ツァンの事もそいつに聞いたみたいよ」

 

「つまりツァン様とあのお3方は必然的にデュエルさせられていたのですね」

 

「仕組まれていたデュエルか、とにかくツァンの目が覚めたら、その3人の生徒のデュエル中の様子を聞いてみるか、何か手がかりがあるかもしれない」

 

「そうね、そろそろ起きているかもいれないし」

 

話がまとまったところで俺たちはいったんツァンの居る保健室に戻った。

 

「え?」

 

保健室に行くと、ベットは蛻の殻だった。

 

「ツァン、何処へ行ったのかしら」

 

「まさかゆま様を探しに行ったのでは?」

 

「探すといってもどこに?」

 

3人が困惑している中、俺はベットの脇に1枚のメモを見つけた

「どうやら紫の言う通りみたいだ」

 

そのメモには『ゆまを取り戻してくる、心配しないで待ってて』と簡潔な言葉が書かれていた。

 

「あの状態なのにお1人でゆくとは、無謀でございます」

 

「でもこの書き方、まるでゆまがどこにいるか知っているような書き方ね」

 

「多分その通りだろうね」

 

カードを渡してデュエルを強要するような奴だ。ツァンにゆまの場所を教えデュエルさせることだって考えられる。

 

「だとしたら早く探して止めないとまずいんじゃなくて、彼女の今の状態でまたあのデュエルをしたら…」

 

「探すといいましてもどこに行くのか見当もつきませぬ…」

 

「……」

 

見当は1つある、これをやった奴は相当嫌な奴だからな、呼び出すとしたら……

 

「コナミ?」

 

「ああ、見当はつかなくともあの体調ならそう遠くへは言ってないかもしれない、手分けして探してみよう」

 

「そうね」

 

「畏まりました、必ず見つけて見せます」

 

「……」

 

「まあそれにツァンは強い、あの状態だってちゃっかり敵を倒してゆまを解放してるかもしれないし」

 

「まあ、彼女のデッキなら無きにしもあらずですわね」

 

「はい、ツァン様はお強いですから」

 

「そうね……」

 

「じゃあ手分けして探していこう」

 

雪乃の反応だけ少し気になったが、ひとまずは4手に分かれて探し始めた。

 

「さて……」

 

だが俺は1つの場所を目指して走り出した。そして本館を出た時だった。

 

「近くにいるといったわりには本館をあっという間に離れるのね」

 

「え!?」

 

不意に後ろから声を掛けられ振り返ると、雪乃の姿があった。どうやら手分けした時、俺をこっそり付けていたようだ。

 

「なんで俺についてきた?」

 

「あなたの様子を見ればわかるわよ、私達から遠ざかろうとしてるってね」

 

「なぜ?」

 

「ツァンとゆまから目を離してあんなことになったのよ、普段のあなたならバラバラになるなんて危険な真似、絶対にさせないわ」

 

さすが雪乃、勘が鋭いよ。

 

「ツァンがどこに行ったか知ってたの?」

 

「…見当がついてるだけだ」

 

「全く、心配ないって私たちを説得させて、また自分1人で何とかしようとしてたのね」

 

「返す言葉もないよ……」

 

「コナミ、私が言いたいこと、わかるわよね?」

 

「……ああわかったよ。だが危険になったらすぐ逃げろよ」

 

「ふふ、善処はするわ」

 

善処じゃなくて絶対と言ってほしかったが…

 

「それと1つ訂正させてもらう」

 

「?」

 

「ツァンは強い、ゆまをきっと取り戻してくれる。あの言葉は結構本心だったりするよ」

 

「あら、そうだったの?」

 

「ああ、ただあのデュエルの後はちょっとばてるからね。俺たちは迎えに行くだけだ」

「……ええそうね」

 

 

sideツァン

 

コナミ達が来る少し前

 

「ん……んんっ…」

 

こ、ここは…学園の保健室?そうか、僕はあの後気絶しちゃったのか…

 

「ゆま…ごめん……」

 

こんなところで寝てる場合じゃないよ!早くゆまを闇のカードから解放してあげないと!

 

「でも…どこにいるんだろ……」

 

『そんなにあの娘に会いたいのか?』

 

「え!」

 

突然声を掛けられ驚いて振り向いたけど、誰の姿もなかった。

 

「誰!どこにいるの!」

 

『俺は、名前はなんていえばいいのかな?いる場所はあの娘と同じ場所だよ』

 

「あの娘ってゆまのこと!ゆまは今どこにいるの!」

 

『あの娘は今、かつて君たちが闇のデュエルをしたあの場所だよ』

 

「闇のデュエルをした場所……」

 

『あの場所は闇を引き寄せやすい場所だからね、あの娘も強い力が手に入ってさぞ喜んだんじゃないかな?』

 

「ふざけないでよ!あんたが変なカードをゆまに渡したからこうなったんでしょ!」

 

『失礼な、僕は落としただけ、あの娘が拾ったんだよ』

 

「もういいよ!今から行ってあんたを倒して、ゆまも解放する!」

 

『いいよ、まあ戦うのは俺じゃないだろうけど』

 

「あんた、僕とゆまを……」

 

『さあね、でも来るなら1人で来てよ。特にあの赤帽子のやつはまだ来られちゃ困るんだよ』

 

「…いいよ、1人で行くよ。だからゆまにはこれ以上変なことしないでよ!」

 

『はいはい、じゃ待ってるよー』それを最後に妙な声は聞こえなくなった。

 

「みんな……すぐ戻るから!」

 

僕はデュエルディスクを持って、部屋を飛び出していった。

 

 

sideコナミ

 

「気配を感じる、もう始まっているかもしれない」

 

「気配…コナミ、この間も思ったのだけれどあなたは…」

 

雪乃が俺に何かを問いかけようとしたときだった。

 

『困るんだよねー!』

 

「!危ない雪乃!」

「きゃ!」

 

突然黒い渦が攻撃してきたが、雪乃の手を引き何とかかわした。

 

『ちぃ、よけられたか』

そして黒い渦は人の形になった。最も透けた黒い体で浮遊状態と言う形以外は人離れしているが。

 

「お前、何者だ?」

 

『何者だと言われてもな…俺は影の存在で名前なんてねーからな』

 

「影の存在ね」

 

「じゃあとりあえずシャドーって呼ぶぞ」

 

『安直だなー。まあいいけど』

 

「早速だがシャドー、そこをどけ」

 

「私たちはツァンとゆまのところに行かなきゃいけないの」

 

『それは無理だよー。まだあの子は力が完全になじんででないからね』

 

「完全になじまないほうがこっちは好都合なんだが」

 

「そもそもゆまがどうなろうと、あなたには関係ないでしょ」

 

『俺には大ありなんだよねー』

 

「どうでもいいが、廃寮で会ったときと随分雰囲気が違うな?」

 

『まああいつは俺とリンクを切った完全にロボット状態の分身だったからな今と違って』

 

「つまりお前も分身ってことか」

 

『ああ、だがリンクは切ってない分こないだより腕は数段うえだぜ。なんならここで俺が君を倒しちまうのもありだけどね』

 

「上等だ、相手してやる」

 

そう言って俺はデュエルディスクを構えた。

 

「コナミ、もちろん1人でやる気じゃないでしょうね」

 

「いや、こいつとのデュエルは今までのやつらとは訳が!」

 

『いいよ、2人でかかってきな!』

 

俺が雪乃を逃がす前に、周りを闇の霧で囲まれ退路を塞がれてしまった。

 

『これでデュエルが終わるまでここからは出れないよ』

 

「ふふ、私もやるしかないみたいね」

 

「全く……ルールはどうする?お前のライフは2人分の8000か?ターンはどの順番で回す?」

 

『いいや、ルールはバトルロワイヤルルールだ!ライフは3人それぞれが4000だ。当然ターンも全員が1ターンを終えて一周だ』

 

「つまり俺たちは実質ライフ8000でターンを連続で行えると」

 

「あら、ずいぶんサービス精神旺盛ね?」

 

『ただしもう1度言うがこれはバトルロワイヤルルール、貴様らのフィールドや墓地、ライフも個別扱いだ』

 

なるほど、雪乃が俺のモンスターを生贄にしたり、俺が雪乃のモンスターをシンクロ素材にはできないというわけか。

 

『あと念のためいうが、形式上はタッグではないい。お前ら2人がデュエルに影響のある会話は禁止だ。相手に触れるなんてもってのほかだからな』

 

「あら、デュエル中に相手に触れるなんてどんな状況かしら?」

 

『さてな。ただし俺の使う相手に直接影響を与えるカードは、お前ら2人に対して発動する効果とさせてもらう』

 

「私はそのルールで構わないわ」

 

「……俺もそれでいい」

 

あいつからの条件で少し悩んだが、俺達に不利な条件はあまり見当たらなかったので了承した。

 

『なら始めるぞ』

 

「「いつでもきな(どうぞ)」

 

「「『デュエル』」」

 

1ターン目:シャドー

 

『先攻ぐらいは譲ってもらうぜ。《魂を削る死霊》を守備表示で召喚』

シャドー:手札6→5

 

魂を削る死霊

効果モンスター

星3/闇属性/アンデット族/攻 300/守 200

 

『このモンスター戦闘では破壊されない。カードを2枚伏せターン終了』

シャドー:手札5→3

 

 

シャドー

LP4000

モンスター 魂を削る死霊(守)

魔法・罠 伏せカード×2

 

2ターン目:雪乃

 

「私のターンね。《マンジュ・ゴッド》を召喚ね」

雪乃:手札6→5

 

マンジュ・ゴッド

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1400/守1000

 

「このカードの召喚に成功した時、儀式モンスターもしくは儀式魔法を1枚手札に加えるわ。《高等儀式術》を手札に加えわ」

雪乃:手札5→6

 

「カードを1枚伏せてターン終了」

雪乃:手札6→5

 

 

雪乃

LP4000

モンスター マンジュ・ゴッド(攻)

魔法・罠 伏せカード×1

 

 

3ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン」

 

《高等儀式術》を加えたということは、次のターン《デミス》を出す可能性が高い。ならば俺はあまり動かない方がいいな。

 

「《ボルトヘッジホッグ》を守備表示で召喚。これでターン終了だ」

コナミ:手札6→5

 

コナミ

LP4000

モンスター ボルトヘッジホッグ(守)

魔法・罠 なし

 

4ターン目:シャドー

 

『俺のターン、魔法カード《一時休戦》を発動。互いにカードを1枚ドローする。そして次の相手ターン終了まで互いの受けるダメージは0になる』

シャドー:手札4→3→4

コナミ:手札5→6

雪乃:手札5→6

 

「何?」

 

このターンから攻撃が可能だというのにダメージを0にするカードだと?

 

『そしてお前らがドローした瞬間、永続罠《便乗》を発動。こいつがある限り、お前らがドローフェイズ以外ドローするたびに俺は2枚ドローする』

 

これのトリガーのためのカードか……

 

『さらに魔法カード速攻魔法《手札断殺》発動。互いに手札を2枚墓地に送り、2枚ドローする』

シャドー:手札4→3

 

 

『そして貴様がドローしたことで《便乗》の効果で俺はさらに2枚ドロー』

シャドー:手札3→5

 

『セットカード《強欲な贈り物》を発動!相手は2枚ドローする』

 

また俺達にドローをさせただと?

コナミ:手札6→8

 

「《便乗》のためとはいえ、ここまで私たちの手札を増やすなんて、豪快ね」

雪乃:手札6→8

 

『そして俺も《便乗》の効果で2枚ドロー。カードを1枚伏せてターン終了だ』

シャドー:手札5→7→6

 

シャドー

LP4000

モンスター 魂を削る死霊(守)

魔法・罠 便乗

     伏せカード×1

 

 

5ターン目:雪乃

 

 

奴はこのターンで7枚ものカードをドローした。だが俺達にも5枚ものカードをドローさせた上、

墓地にあってこその《チューニング・サポーター》と《スキル・サクセラー》を墓地に送らせた。ここまでしてカードを引きたかったのか?

それとも俺達の手札など恐れるに足らないというのか……

 

「私のターンね。さて、貴方がくれた手札、存分に使わせてもらうわ」

雪乃:手札8→9

 

『ふっ、使うことができれば、だがな』

 

何やら含みのあるような言い方だ……あの伏せカードの中に何かあるのか?

 

「なら、行かせてもらうわ。儀式魔法《高等儀式術》を発動ね」

雪乃:手札9→8

 

「デッキから合計レベルが同じになるよう通常モンスターを墓地に送り、儀式モンスターを儀式召喚するわ」

 

『さっき手札に加えたカードか。おい女、お前の手札は今何枚だ?』

 

「何を急に?8枚よ」

 

『赤帽子、貴様は?』

 

「俺も8枚に……」

 

8枚、まさか!

 

『ならばそのカードにチェーンし、罠カード《大暴落》を発動』

 

《大暴落》!やはりそれか!?

 

『相手の手札が8枚以上の場合、それをすべてデッキに戻し、2枚ドローさせる』

 

「そんな、私達の手札が元の手札より少なく!」

 

「全く、やってくれるな」

コナミ:手札8→2

雪乃:手札8→2

 

『どうだ、手札を与えられ、それを奪われる。その瞬間こそ人間は一番美しい顔をする!』

 

どこのファンサービスだよ、しかし俺はともかく、雪乃はこれで手札がリセットされた。

 

『とにかくこれで貴様の手札から儀式モンスターは消え不発に終わるな』

 

「何を言っているのかしら、戻しても2枚ドローできるのよ、再び引いて見せるわ!」

 

『まあせいぜい頑張りな。俺は《便乗》の効果で2枚ドロー』

シャドー:手札6→8

 

「ふふ、残念だけど、《終焉の王デミス》は再び手札にきたわ。デッキの《甲虫装甲騎士》と《ネオバグ》を生贄に、《終焉の王デミス》を儀式召喚ね」

雪乃:手札2→1

 

終焉の王デミス

儀式・効果モンスター

星8/闇属性/悪魔族/攻2400/守2000

「エンド・オブ・ザ・ワールド」により降臨。

 

『ちぃ、引きやがったか。だがそいつの効果範囲は相手ではなくフィールド全体、赤帽子のモンスターまで破壊するぜ』

 

雪乃が俺に視線を向けてきた。俺がかまわないと目で合図すると、雪乃にも伝わったようだ。

 

「《終焉の王デミス》の効果発動ね、ライフを2000払って、このカード以外のフィールドの全てのカードを破壊するわ」

雪乃LP4000→2000

 

『かまわずぶっ放したか、だがこのターンは《一時休戦》の効果でダメージは通らないぜ」

 

「わかっているわよ。カードを1枚伏せてターン終了よ」

雪乃:手札1→0

 

 

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