sideコナミ
「ん……」
ここは…どうやら保健室のようだ。俺はいつの間に寝ていたのだろうか……
「「「コナミ(様)」」」
目覚めた俺を3人が心配そうに覗きこんでいた。
「あれ…どうしたみんなして」
「……よかった」
「コナミ様まで目を覚まさなければどうしようかと、わたくしめは…」
「全く…このわたくしを心配させるなんて!」
「えっと…とりあえずごめん」
一先ず俺は状況を把握するため、直前の記憶を辿ってみた。
「俺は確か、廃寮で気絶したはず。みんながここまで運んでくれたのか?」
「はい、雪乃様が目覚めたあと、コナミ様はここにいると仰られたので」
「まあ、正確にはわたくしたちを称える男子たちに運ばせましたが」
だろうな、女子3人に高校生3人を運ぶのは無理がある、特に紫は。
「でも本当によかったわ。もう3日の目を覚まさなかったから、もしかしたらコナミまでと……」
「俺3日も寝てたのか?」
「はい、少なくともわたくしめたちがコナミ様を見つけてから3日は寝ておられました」
「そうか……」
3日…その間あいつは沈黙してた…いや、俺との戦いの準備でもしてたのか…
「あなたの様態ならいずれ目は覚めると言ってましたが、他の2人があの状態な以上、心配せざる終えなかったのよ」
他の2人……
「ゆまとツァンは今どうしている?」
「それが、2人が意識不明の原因はまだわからないのよ」
「過去のデータによると、呪術的何かが原因とも言っていたけれど」
「そのようなものが原因とは受け入れがたく思っておりますが」
いや、その考え方は正しいだろう。闇に飲まれたものの末路なんて医学ではどうにもならないからな。
「あの廃寮には俺たち以外誰も居なかったのか?」
「ええ、私達が言ったときにはもうあなた達3人が倒れていただけよ」
…となると今あそこに行っても意味はない……あいつが何らかの行動をとるまで待つしかないのか…
「ツァンとゆまは今どこに?」
「隣の部屋よ。でもまだ動かない方が?」
「いや、もう大丈夫だ」
そう言いつつも俺の脚はまだ多少ふらつく。歩く分には問題ないが。
「わたくしめもご一緒します」
「いや、1人で大丈夫だから、ここで待っていてくれ」
俺は1人で隣に部屋に行った。隣に部屋ではツァンとゆまが眠っていた。
ふと横目に入ったゆまのデッキを見てみた。やはり普通の《E・HERO》のデッキに戻っていた。
今の2人がどんな状況か俺にはわからないが、おそらく闇の中で苦しい思いをしているだろう…
「俺はかならずあいつを倒す。だから2人とも、もう少しだけ待っていてくれ。
それから4日間、俺が寝てる期間も含め1週間、奴は何の行動も起こさず、俺たちは普通の学園生活を送っていた。
「コナミ様、あれから体調の方はどうでしょうか?」
「もうだいぶ良くなったよ」
「それは良かったわ。あれから闇のカードも見ていないし」
「向こうがあきらめたというのならそれでいいのだけれど」
アカデミアでも闇のカードに気づいたのは結局俺達だけ。この少人数で水面下に抑えられる方法など効率が悪いと考えたのだろう。
「だが、まだ終わってはいない」
闇のカードが出回らなくとも、奴がまだいる限りは終わりではない。
「そうね、ゆまとツァンの事もあるし」
「その闇そのものを倒さない限りは終わらせるわけにはいかないわね」
「皆で団結いたしまして、その闇の存在を倒しましょう!」
団結して、か……あの時の雪乃を見て皆をもう巻き込めないと思ったが、その結果ゆまはああなった。やはり1人で動くことが間違いなのか…
「もう日も暮れてきたし、今日はもう戻ろう」
「そうね、今日はもう帰りましょう」
「それじゃあ、気負つけて帰るのよ」
「では、また明日お会いしましょう」
そしてこの日も進展なく解散したのだった。
「……さて」
寮の近くまで戻ったところで、俺は黒いローブを纏ったやつとであった。
「随分と遅かったな。俺が起きたとき、いやむしろ寝ている間から動いてきてもいいと思ったんだが」
「赤イ帽子ノオトコ…倒ス」
この人間味の無い喋り方、本体とのリンクの切っている。
「今更こんなやつを俺に送りつけて何のつもりだ?まあ相手はしてやるけど」
俺も奴もデュエルディスクを構え、戦闘体制に入った。
「「デュエル」」
1ターン目:???
「ワタシノ先攻《記憶破壊者》ヲ召喚。カードヲ1枚伏セターン終了」
記憶破壊者
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 600
このカードが相手プレイヤーへの直接攻撃に成功した場合、
相手の融合デッキの枚数×100ポイントダメージを相手ライフに与える。
???
LP4000
手札 3
モンスター 記憶破壊者(攻)
魔法・罠 セット×2
2ターン目:コナミ
こいつ、俺が同じ手にかかると思っているのか?
「俺のターン、《アンノウン・シンクロン》を効果により特殊召喚」
アンノウン・シンクロン
チューナー(効果モンスター)
星1/闇属性/機械族/攻 0/守 0
相手フィールド上にモンスターが存在し、
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
このカードは手札から特殊召喚する事ができる。
「アンノウン・シンクロン」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
「魔法カード《ワン・フォー・ワン》を発動。手札の《ボルトヘッジ・ホッグ》を捨て、《チューニング・サポーター》を特殊召喚。さらにフィールドにチューナーがいることで墓地の《ボルトヘッジ・ホッグ》を特殊召喚」
レベル2の《ボルトヘッジ・ホッグ》とレベル2として扱う《チューニング・サポーター》にレベル1の《アンノウン・シンクロン》をチューニング」
☆1+☆2+☆2=☆5
「大地の痛みを知る戦士よ、その健在を示せ、シンクロ召喚、傷だらけの戦士《スカー・ウォリアー》」
スカー・ウォリアー
シンクロ・効果モンスター
星5/地属性/戦士族/攻2100/守1000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
相手は表側表示で存在する他の戦士族モンスターを攻撃対象に選択する事はできない。
また、このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。
「《チューニング・サポーター》の効果でカードを1枚ドローする。《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で墓地の《チューニング・サポーター》を特殊召喚。
レベル1の《チューニング・サポーター》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング」
☆3+☆1=☆4
「集いし心がさらなる響きを轟かす、光さす道となれ!シンクロ召喚!いでよ《アームズ・エイド》」
アームズ・エイド
シンクロ・効果モンスター
星4/光属性/機械族/攻1800/守1200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとしてモンスターに装備、
または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚できる。
この効果で装備カード扱いになっている場合のみ、
装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。
また、装備モンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、
破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
「《チューニング・サポーター》の効果でカードを1枚ドローする」
あいつの伏せカードは1枚。仮に攻撃力上下の反射カードだとしても《スカー・ウォリアー》は1度の戦闘では破壊されない。装備効果は使わない方が得策か。
「バトル、《スカー・ウォリアー》で《記憶破壊者》を攻撃」
「罠カード《炸裂装甲》発動。攻撃モンスターヲ破壊スル」
炸裂装甲
通常罠
相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
その攻撃モンスター1体を破壊する。
破壊効果か、やはり装備しないで正解だった。
「《アームズ・エイド》で《記憶破壊者》を攻撃」
「ググガッ!」
???LP4000→3200
「カードを2枚伏せターン終了だ」
コナミ
LP4000
手札 2
モンスター アームズ・エイド(攻)
魔法・罠 セット×2
3ターン目:???
「ワタシノターン、手札ヲ1枚捨テ魔法カード《スペシャルハリケーン》ヲ発動。貴様ノモンスターヲ破壊スル」
スペシャルハリケーン
通常魔法
自分の手札を1枚捨てる。
フィールド上に存在する、特殊召喚されたモンスターを全て破壊する。
「永続罠《リビングデッドの呼び声》ヲ発動。《記憶破壊者》ヲ蘇生スル」
リビングデッドの呼び声
永続罠
自分の墓地のモンスター1体を選択し、表側攻撃表示で特殊召喚する。
このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。
そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。
「《記憶破壊者》ヲ生贄ニ、《記憶破壊王》ヲ召喚」
記憶破壊王
効果モンスター
星5/闇属性/悪魔族/攻2000/守 0
このカードが直接攻撃によって相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、
相手の墓地に存在するシンクロモンスターを全てゲームから除外し、
その数×1000ポイントダメージを相手ライフに与える。
「《記憶破壊王》デ直接攻撃」
「うわぁ」
コナミLP4000→2000
「《記憶破壊王》ノ効果発動。貴様ノ墓地ノシンクロモンスター2体ヲ除外シ、2000ノダメージヲ与エル」
「2000、俺の残りライフと同じか」
「コレデ終ワリダ」
「俺が1度デュエルをしたお前の対策をしていないと思ったか。罠カード《リフレクト・ネイチャー》発動。ダメージをお前に反射する」
リフレクト・ネイチャー
通常罠
このターン、相手が発動したライフポイントにダメージを与える効果は、
相手ライフにダメージを与える効果になる。
「ガガガガッ!」
???LP3200→1200
「…カードヲ1枚伏セターン終了ダ」
???
LP1200
手札 0
モンスター 記憶破壊王(攻)
魔法・罠 リビングデッドの呼び声
セット×1
4ターン目:コナミ
「俺のターン」
本体とリンクすらしてない駒とのデュエルはそろそろ終わらせてもらうよ。
「俺のフィールにモンスターがいないことで《ジャンク・フォワード》を特殊召喚。そして《デブリ・ドラゴン》を召喚。効果で《チューニング・サポーター》を特殊召喚。
レベル3の《ジャンク・フォワード》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル4の《デブリ・ドラゴン》をチューニング」
☆4+☆1+☆3=☆8
「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ、シンクロ召喚、飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」
このコンボもだいぶ定着してきたな。
「そして伏せていた《シンクロ・ストライク》を発動。《スターダスト・ドラゴン》の素材は3体。よって攻撃力を1500アップさせる」
《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→4000
「バトル、《スターダスト・ドラゴン》で《記憶破壊王》を攻撃」
「永続罠ヲ発動。《拷問車輪》攻撃ヲ無効ニスル」
拷問車輪
永続罠
相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。
このカードがフィールド上に存在する限り、
選択したモンスターは攻撃できず、表示形式の変更もできない。
選択したモンスターがフィールド上に存在する限り、
自分のスタンバイフェイズ毎に、相手ライフに500ポイントダメージを与える。
そのモンスターがフィールド上から離れた時、このカードを破壊する。
「その程度の対策はしているさ。速攻魔法《禁じられた聖槍》を発動。このターン、《スターダスト・ドラゴン》は他のカードの効果を受けない」
《スターダスト・ドラゴン》 ATK4000→3200
禁じられた聖槍
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
エンドフェイズ時まで、選択したモンスターの攻撃力は800ポイントダウンし、
このカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない。
「ナニ!」
「よって攻撃は続行。《スターダスト・ドラゴン》で攻撃」
「グガガガッ!」
???LP1200→0
Winコナミ
「……今度は消えないのか?」
デュエルが終わっても、以前の様に奴の分身が消えることはなかった。
『いやー、ギリギリだったな。もう少し時間稼いでくれると思ったが、やはりこのレベルの分身じゃこれが限界か』
「お前…本体とリンクしたな」
『コイツがデュエルに負けたら俺とつながるようになってたんだよ。それまではこっちの準備をしたかったからな』
「準備…俺とのデュエルのか?」
『ああ、こっちの準備はOKだが、そっちが来るのはいつでもいいぜ』
「そんな時間はいらない。今すぐ言って決着をつけてやるよ」
『OK場所はわかってると思うけど、いつもの廃寮だよ。なぜかあそこが一番闇の瘴気が集まりやすいんだ』
「どこだってかまわないよ」
『じゃみんなで待ってるよ』
「みんな、だと?」
『ああ、君の大事な仲間たちと待っているよ』
そう言い残して奴は消えてしまった。
「…本当に嫌な奴だ」
俺は奴との決着をつけるため廃寮へと急いだ。