sideコナミ
……朝がきた 月曜の朝だ 憂鬱だ。今日はベットに俺しかいない、恵も意外と話せばわかる奴だったな。
「おはよう……」
「なぁ~」
いや居たよ。まあこの様子だとファラオ目当ての可能性もあるが。
「ファラオに会いに来たなら俺の部屋じゃなくて下の食堂とかにいてくれると助かるんだが」
「あなたは……私がいると、迷惑?」
「俺は迷惑ではないが、雪乃達に来るなと言った朝の時間にお前が来てるのを知られたら……俺はどんな顔をすればいいんだ」
「……笑えば、いいと思う」
「それ、ただの現実逃避だよ」
と言うかどこでそのネタ知った、知識偏りすぎだろ。
「とりあえず、朝食に行ってくる」
「行ってらっしゃい」
「部屋を出るときは気をつけろよ」
あいつらに見つかるとめんどうだから
「了解した」
「コナミ、昨夜はお楽しみだったようね」
「はい?何のことでしょうか雪乃さん?」
「今朝、コナミ様の部屋から出て行かれるレイン恵殿を目撃いたしましたもので」
なんでばれた、気をつけろって言ったのに!?
「どうしてかはわからないですけど、ものすごく慎重に階段を下りてました」
気をつけろってそういう意味じゃねーよ、直前の会話から察せよ!?
「もしかしてコナミあの子とそう言う関係に」
「そのような事実はございません!」
普段の2人にゆまとツァンも加わりまさに四面楚歌、なんで朝からこんな目に……
「おはようございます、コナミさん。相変わらず朝からモテモテですね、ふしだらな」
「ああ、おはよう委員長」
「委員長の方から声をかけてくるなんて、珍しいわね」
全くだ、五面楚歌の危機じゃないか!
「はい、昨日のお礼を言おうと思って」
「昨日のお礼?」
「コナミ、あんた委員長にも何か」
「すぐそっちの話に持っていくな!遥のデュエルの相手をしただけだよ」
「麗華様、本当でしょうか?」
「はい昨日は遥の相手をしてくださって助かりました」
「いや、俺もなかなか楽しいデュエルができて良かったよ。わざわざそれを言いに来たのか?」
「それもありますが、もう1つお話がありまして」
「話?」
「はい、昨日私が相談を受けていた神導さんが、あなたに会ってみたいというもので」
「俺に?」
「相変わらずモテるわねコナミ」
「わたくしめ達の知らぬ間にそのような方とも交友を?」
「持ってない、聞き覚えがない名前だよ」
「確かに、相手が会ってみたいって言い方からしてもそうだよね」
「知らない人から好意を持たれたんですか?さすがコナミさんです」
まあ公にシンクロモンスターを使ってれば純粋な興味で会いたいって奴がいてもおかしくはないか。
「それでいいでしょうか?」
「まあ会ってもいい……よね?」
「なんで私たちに確認するのですか?」
うん、ゆまの言う通りなんだけどね。俺の本能がこいつらの了承を得なきゃ後が怖いと告げている。
「まあ、僕は止める理由もないし」
「はい、構いませぬが、わたくしめも一緒に行ってもよろしいですよね?」
「ま、まあ向こうがいいと言えば」
やっぱりそうですよね。しかし“ですか?”じゃなくて“ですよね?”なのが少し怖い……
「ならもちろん私も行くわよ」
「だったら僕も!」
「私も行きます!」
「と、言うことだが、大丈夫か?」
「まあこうなることは予想済みでしたので、向こうには何人か同伴者が来ると前もって伝えておきましたので大丈夫です」
「そっか。で、いつ会えばいいのか?」
「早ければ今日の放課後にでも会いたいと言ってましたね」
「そう、なら今日の放課後でいいよ……ね?」
「ええいいわよ」「はい」「まあ大丈夫だよ」「もちろんでございます」
「では神導さんには私から伝えておきますね」
「了解」
伝えることを伝えた委員長は教室に戻って行った。
「とこれで雪乃達って、昨日何してんだ?新任教師と話してたとも聞いているが?」
「ええそうなのよ、突然引き止められて去年の事件を聞かれたわ」
「去年の事件ってあの?」
「はい、コナミ様の偽物が起こした闇のカードの件です」
「闇のカード……うぅ……」
「も、もう過ぎたことなんだから無理に思い出すこともないのに……」
全くだ、いやなことを無理にぶり返すことないのに、なぜそんなことを聞く?
「そう言えばあの方もコナミ様の事をそれなりに聞いてまいりましたね」
「俺の事を?」
「正確にはシンクロモンスターを使う生徒って聞き方だったけど」
「シンクロモンスターを使う生徒?」
新任の教師がシンクロモンスターの存在にそんなに早く気づくか?まあ教師の間では有名なのか?
「で、どんな教師だったんだ?」
「確か名前は青海鱗子(あおみ りんこ)だったかしら?」
青海鱗子、こっちいも聞き覚えがない名だ。
「ちょうどあんな感じの先生でしたよね?」
「そうそうちょうどあんな感じの……と言うかあの人だよ」
ツァンとゆまの差す先には1人の教師が生徒と話していた。
「あの一緒に話してる生徒、幸子だな」
「本当ね、何を話しているのかしら?」
「おそらく僕達と同じだと思うけど?」
「あ、こっちに気づいた」
会話をしていた幸子がこちらに目を向けた。それにつられるように先生も振り向いた。
「ちょっと行ってみるか」
「そうですね、目があったのに無視しちゃ悪いですし」
俺たちは2人のところに歩み寄った。
「おはよう幸子」
「ええ、おはようございます」
なんだろう、
「おはようございます、みなさん改めて昨日はありがとうございました」
「……先生、この方が今はなしていたシンクロ使いのコナミです」
「あなたが?」
「あ、はい、初めましてコナミです」
「なるほど……」
「?」
「そもそもあなたとの接触は私の役目ではありません、今はあなたがここにいる理由を追及するのもお門違いでしょうね」
「!?」
なんだ、この不吉な物言いは?
「おや、予鈴がなってしまいましたね。引き留めてすいませんでした。では」
予鈴がなったのを機に、青海先生は戻って行った。
「幸子、何話してたんだ?」
「ちょっと去年の事を聞かれただけですわ」
「幸子様も同じでございましたか」
「しかし妙ね、あの事件は公にはなっていないのに、何故あの新任教師は知っていたのかしら?」
「そう言われると」
「確かにそうですね」
そういえばそうだったな、俺が直接聞かれたわけじゃないからあまり実感なかったが?
「あの教師、何かある気がするわ」
「どのような根拠で?」
「富豪の勘よ!」
「それはそれは」
だがあながち間違いでもなさそうな勘だな。あの事件はちょっと体調不良の生徒が増えた程度にしか見られなかったはずだ。なのに本質に気づいているとなると……
「あの、もう本鈴が鳴ってしまいますよ」
「ほんとだ、早くいかないと!」
そして放課後
「初めまして神導魔希子(しんどう まきこ)です。あなたがコナミさんですか?」
約束の場所に行くと青い方三つ編みでメガネをかけた少女がいた。
「ああ、初めましてコナミだ、よろしく」
「なかなかまじめそうな子ね」
「でも委員長と少しキャラが被っているわね」
……
「コナミさん……お会いできて光栄です、シンクロ使いの勇士さん」
「勇士って、そんなたいそうな物じゃないよ」
「いえいえ、あなたはそう語るだけの人材なのではないでしょうか?」
「……なあ、君はなぜ俺に会いたいと?」
「純粋にシンクロモンスターが見たかった、と言うのもありますが、私達の目的のためにもあなたとは1度戦っておきたかったので」
「私“達”の目的?」
「ええ、ですがそのことは今はいったん置いておきましょう。このデュエル、あなたもそれなりに楽しめると思いますよ」
「随分な自信だな、楽しみにしているよ」
戦いの前の会話を終え、お互いにディスクを構えた。
「早速始まるようね」
「どっちが勝ちますかね?」
「ま、1年の庶民に負けるようなコナミではないでしょうけど」
…………
「では」
「行くぞ」
「「デュエル!!」」
「先攻はあなたからでどうぞ」
「じゃ遠慮なく、俺のターン」
1ターン目:コナミ
相手のデッキは未知数だし、先攻でいきなり仕掛けるのは得策ではないか。
「《ボルトヘッジホッグ》を守備表示で召喚。カードを1枚伏せターン終了だ」
まずはこれで様子を見る。
コナミ
LP4000
手札 4
モンスター ボルトヘッジホッグ(守)
魔法・罠 セット×1
2ターン目:魔希子
「では、私のターンです。低級モンスターを守備表示で出しただけと言うことは、まだ様子見と言うことでしょうか?」
うわ、ばれてる。
「それならば、まだ私も本気を出す必要はなさそうですね。《魔導剣士 シャリオ》を召喚します」
魔導剣士 シャリオ
効果モンスター
星4/風属性/魔法使い族/攻1800/守1300
1ターンに1度、手札から「魔導書」と名のついた
魔法カードを1枚捨てて発動できる。
自分の墓地の魔法使い族モンスター1体を選択して手札に加える。
なんだあのモンスター?俺ですら初めて見るぞ?
「珍しいモンスターね」
「はい、初めて目にします」
どうやら他の皆も同じようだな。
「バトルです。《魔導剣士 シャリオ》で《ボルトヘッジホッグ》を攻撃します」
「それは通すよ」
「メインフェイズ2に私は速攻魔法《魔導書整理》を発動します」
魔導書整理
速攻魔法
自分のデッキの上から3枚カードをめくり好きな順番でデッキの上に戻す。
相手はそのカードを確認できない。
デッキのカードを確認?いったい何の目的で?
「そして永続魔法《デーモンの宣告》を発動します」
デーモンの宣告
永続魔法
1ターンに1度だけ、500ライフポイントを払い
カード名を宣言する事ができる。
その場合、自分のデッキの一番上のカードをめくり、
宣言したカードだった場合手札に加える。
違った場合はめくったカードを墓地へ送る。
なるほど、そうゆうコンボか。
「ライフを500支払い《デーモンの宣告》の効果を発動します」
魔希子LP4000→3500
「私は《魔法吸収》を宣言します」
「ま、そりゃ当たるよな」
「そして手札に加えた《魔法吸収》を発動します」
魔法吸収
永続魔法
魔法カードが発動する度に、このカードのコントローラーは
500ライフポイント回復する。
「これでターン終了です」
魔希子
LP3500
手札 3
モンスター 魔導剣士 シャリオ(攻)
魔法・罠 デーモンの宣告
魔法吸収
3ターン目:コナミ
「俺のターン」
魔法カードを発動するとライフを回復されるが、次のターンもまた《デーモンの宣告》でライフは払うだろう。なら今のうちにこっちから仕掛けてみるか。
「魔法カード《磁力の召喚円 LV2》を発動」
磁力の召喚円 LV2
通常魔法
手札からレベル2以下の機械族モンスター1体を特殊召喚する。
「このカードの効果で手札のレベル1の機械族モンスター《チューニング・サポーター》を特殊召喚する」
「魔法カードが発動したことにより、《魔法吸収》の効果で私のライフは500回復します」
魔希子LP3500→4000
「かまわない、続けて《ハイパー・シンクロン》を召喚」
ハイパー・シンクロン
チューナー(効果モンスター)
星4/光属性/機械族/攻1600/守 800
このカードがドラゴン族モンスターの
シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、
このカードをシンクロ素材としたシンクロモンスターは攻撃力が
800ポイントアップし、
エンドフェイズ時にゲームから除外される。
「《チューニング・サポーター》はシンクロ素材となるとき、レベル2として扱うことができる」
「シンクロ素材、と言うことは……来るのですね」
「レベル2となる《チューニング・サポーター》にレベル4の《ハイパー・シンクロン》をチューニング」
☆4+☆2=☆6
「気高き雄叫びが眠れる闘志を震わせる、シンクロ召喚!現れよ《マイティ・ウォリアー》!」
マイティ・ウォリアー
シンクロ・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻2200/守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、
破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。
「《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドローする」
「なるほど……これがシンクロ召喚ですか」
「バトル《マイティ・ウォリアー》で《魔導剣士 シャリオ》を攻撃」
「うぅぅ!」
魔希子LP4000→3600
「さらに《マイティ・ウォリアー》の効果発動。このカードが戦闘で破壊したモンスターの半分の攻撃力を相手に与える」
「きゃ!」
魔希子LP3600→2700
「カードを1枚伏せターン終了だ」
コナミ
LP4000
手札 2
モンスター マイティ・ウォリアー(攻)
魔法・罠 セット×2
「見せていただきましたよ、あなたのシンクロモンスターの一端を」
「どうでしたか?」
「しかし、想定内の物ですね。まだ本気ではないのでは?」
「……そんなに俺の力を見たいのか?」
「ええ、私達の目的のためにもあなたの詳しい正体も知っておきたいので」
「詳しい正体?」
前にもこんなことあった。つまり……
「この帽子はそう簡単には脱げないぞ!俺のアイディンティティだからな」
「何の話をしているのですか?」
「あれ、帽子の話を
「そんな話をいつしましたか?私達と似た境遇にいるあなたの正体を確認したいと言っているのです」
「似た境遇?」
「ええ、私はあなたと同じ
未来人なのですから」