今回はデュエルはほぼなしです。
2年近くのブランクがあるのでもう少し勉強してからということで……
翌日
「「・・・・・」」
「「「「「「・・・・・」」」」」」
アカデミアの円状のベンチに俺と恵を囲むように6人が座っていた。
「何だこの圧力面接みたいな並びは?」
「その意見に同意する……」
顔には出てないが恵も同様の緊張感があるらしい。
「圧力面接ですか、当たらずとも遠からずです」
委員長にその意見を肯定されてしまった。まじか……
「まあ昨日のあれの後でこうなることが予想出来ないほど俺も馬鹿じゃない。答えられることには答えるよ」
だが知られたからにはしょうがない、覚悟を決めるか。
「では、早速本題ですが、あなたたち2人、そして神導魔希子さんは未来人ということで間違いないですか?」
皆を代表して委員長が切り出した。
「まあ俺と魔希子はそうだな。恵は記憶がないから俺の管轄外だが、まあおそらくそうだろうな」
「……私も断定は出来ない…けれど、あなたの意見が正しいと思う…」
恵も相変わらず淡々とした口調で賛同した。
「とりあえず前提の確認は取れましたね」
「あと、もう1人無効の未来人が」
「善羽麻衣さんですか?」
俺が言う前に遥が言った。
「知っていたのか?」
「昨日……彼女も私のデュエルを見ていた……」
なるほど。
「善羽麻衣、さん……ですか?」
「初めて聞くお名前でございますね」
やはり他のみんなは知らないか。
「確か神導さんとたまに一緒にいる生徒でしたか?」
委員長は知っていたか。
「まあ彼女達のことは今はいいだろ?」
「そうですね。それではいったい何から聞きましょうか……」
その後少し委員長が悩んでいた。まあ聞きたいことは山ほどあれど、順序があるからな。
「あの……コナミさんはどうして未来から来たんですか?」
「「「「!?」」」」
そんな空気を裂くようにゆまがいきなり核心めいた質問をしてきた、さすが天然娘。
「?」
もう1人の天然娘、紫もこの裂かれた空気に気づいてないな。
「えっと……私何かおかしなことを……?」
「い、いえ。まあいずれした質問ですから」
「でもさすがゆまだよ、僕はその質問を1番にはできないよ」
「と、とにかくその質問でよろしいですかコナミ先輩?」
「あ、ああ」
まあいずれ答えただろう質問だが……
「とりあえず、どうして未来から来たか……」
なんていえばいいんだ?未来を救うため……少し違うな…
「目的か……未来を救う…いや、未来を救ってもらうため?」
「救って……」
「もらうため…で、ございますか」
「それはまたずいぶんと他力本願ですね」
うっ、急にみんなの目が冷ややかに。
「……」
いや恵、お前は待って…って未来を知らないお前も向こう側みたいなもんか。
「確かに聞こえはそうかもしれないがえっとなんていえばいいんだ……俺は救われる未来をそのままの形で維持するために来たんだ!」
「……まるで意味がわからないよ」
「ツァンさんの言うとおりですよ?」
2人の言うとおりだな……どう言えばいいか…
「未来を救う人……その人を救いに来た…」
「おお、的確な答えだ」
記憶はなくとも鋭いな恵は。まあ厳密には救うって表現は違う気がするが別に今は平和に過ごしてるし、俺はそれが続くようにするだけだ。
「とりあえず、こんな感じでいいかな?」
「まあよくわからないままですが、妙な目的ではないようなのでいいでしょう」
委員長のまとめでこの質問は無事(?)終わったようだ。
「それでは次の質問は?」
「ではわたくし目からよろしいですか?」
紫が手を挙げて聞いてきた。
「コナミ様はどのような方法でここに来られたのでしょうか?」
これはまた結構重点な質問を。
「この質問は答えられないわけではないが……本当にどう説明していいかわからない?」
「説明していいかわからない、でございますか?」
「ああ。この時代にない物質をこの時代にない機械を使ってこの時代にない技術できてるからな」
「なるほど、私達には理解できない用語が飛び交うということですね」
「その物質や機械1つ1つを説明することは可能だが……全部説明するのにどう簡略しても1週間ぐらいかかる」
なにより俺がめんどくさい。
「正直少し興味がありますが……コナミ先輩も大変でしょうし」
「コナミさんはその機会を全部扱えるんですか?」
「もちろん」
メ蟹ックのデッキを使うほどですから。
「意外とエンジニアなんだ」
「さすがコナミ様です」
「というわけでこの質問はここで切っていいか?」
「そうですね?ではほかに質問は」
すっかり委員長は司会進行が仮になってるな。
「じゃあ僕からも1ついい?」
「ああ。なんだ?」
「えっと……未来の僕ってどうなってる?」
「……ごめん、俺そんな近未来から来てないし、仮にその時代でもこの時代に来るまで面識のなかったみんな個人の未来は知らないと思う」
「あ、あはは、そうだよね。ごめん」
謝ることは無いぞ、未来から来た人がいたら聞いてみたいもんな、自分の未来。
「じゃあコナミ先輩の居た未来は、いったいどんな未来だったのですか?」
「……これはノーコメントだ、知らない方がいい未来もある」
「そ、そうなのですか……ごめんなさい」
不味いことを聞いたと言わんばかりのうつむき顔で遥が謝罪した。
「いや、謝ることじゃない。気になってもしょうがないと思う。まあしいて言うなら今よりはちょっと不安定かな」
本当はちょっとどころではないが、それを言ったらノーコメントにした意味がないな。
「「「「「「・・・・・」」」」」
しかし今の質問で少し空気が悪くなってしまった。みんな口を噤んでるよ。
「じゃあ1番気になることを聞いていいかしら?」
この空気を一気に裂くように雪乃が切り出した。そういえば雪乃はさっきから一言もしゃべってなかった……
「なんだ雪乃?」
「コナミは……いつか未来に帰るの?」
「「「「「あっ……」」」」」
雪乃の問いにほかのみんなも息を呑んだ。
「……どうだろ、未来に帰ったところで何もないからな。正直それでも帰らないといけないのかもしれないが……」
今の質問は俺にとっても痛かった。おそらく1年前、ここに来てすぐの俺にこの質問をされたら迷わず帰ると言えただろう。
でもこの生活を知ってしまった今、俺ははっきりけると断言できなくなっていることに気づいた。
「本音は帰りたくないってことかな?」
「え?」
俺の小声で言った言葉に雪乃が聞き返した。おそらく本当に聞こえていなかったのだろう。
「なんでもない、少なくとも卒業するまではここにいる。先のことはそれから考えてもいいだろう」
困ったときに保留にしてしまうのは俺の悪い癖だな。
「そ、そうですよね。そんなことすぐに決めなくてもいいですよね」
「そうだよね今すぐ決めなくても」
「そうでございますよ、コナミ様」
「そう……よね……」
……気まずい空気だな。
「もう質問は大丈夫か?」
「え、えっと、そうですね。私からはもうとくには」
まあ結局委員長は最初の前提確認しかしなかったが。
「僕も大丈夫かな」
「私も大丈夫ですよ」
「わたくし目も」
「私も大丈夫です」
「そうね、私も今はいいかしら」
全員なしか、どうやら圧迫面接も終わりのようだ。
「私も……ない……」
いや、お前はされる側だっただろ!
「ところで幸子さんは呼ばなかったのですか?」
ゆま、今更か?
「うん、一応僕が声をかけたけど、『わたくしにはもっとやらなくてはいけない使命があるのです!』とか言ってこなかったんだ」
うーん、40点の物真似だ。しかし……
「というより、幸子はもうほとんど知ってるんじゃないかな」
「コナミ、何か知ってるの?」
「知ってるってほどではないが、ただ……昨日エクシーズモンスター持ってた」
「「「「「「……ええっ!!?」」」」」」
side幸子
「レベル3水属性の《ビッグ・ジョーズ》と《シャーク・サッカー》でオーバーレイ!」
「オーバーレイ?何ですかその召喚方法は?」
「エクシーズ召喚!現れなさい《ブラック・レイ・ランサー》!」
「な、何だそのモンスターは!?」
「《ブラック・レイ・ランサー》の効果発動!ORUを1つ取り除き、モンスター1体の効果を無効にしますわ!」
「わ、私の《キメラティック・フォーレンス・ドラゴン》が!?」
「これがエクシーズの力よ!《ブラック・レイ・ランサー》で《キメラテック・フォーレンス・ドラゴン》を攻撃!」
「ぬぁぁぁ!!」
ふふっ、エクシーズの力もだいぶ物に出来たわ。後はこの白紙のエクシーズを覚醒させるだけ、待ってなさいコナミ、そう遠くない未来にあなたを倒して見せるわ!