更新をおろそかにしている間に、ルールも環境もだいぶ変わり、創作意欲が少し低下してしまったため、ここまで間が空いてしまいました。
しかし、デミスルインやシンクロアンデットなどメインキャラのデッキが強化されていると知り、また再開するにお見当たりました。
先ほども触れた通り、2年たちOCGのルールも環境もだいぶ変わりましたが、
今後もこの小説は
・マスタールール2採用
・ペンデュラム、リンクモンスター、エクストラゾーン、そんなものは管轄外だ
・過労死するレベル・スティーラー
こんな内容でお送りしていこうと思います。つまり7~8年ぐらい過去に戻った感覚で読んでいただけると幸いです。
隔週ぐらいの更新になると思いますが、一応失踪はしないよう頑張るつもりなので今後もよろしくお願いします。
side遥
「今日も来ていませんね……」
放課後の風紀委員の部室、いつもなら麗華先輩と今日1日のことを話すのが私の日課でした。
ですが麗華先輩が海野先輩に負けて以来来なくなりました。
「でも、それだけでしょうか……」
確かにエクシーズカードもきっかけの1つかもしれませんが……
そうです!私がもっとしっかり学園を取り締まり、エクシーズなどに頼らずともこの風紀委員こそが麗華先輩の居場所だとわかってくれるはずです!
そうと決まればさっそく行動を起こしましょう!まずは学園を隅々まで見回り、徹底的に違反を取り締まります!
~港~
モブR1「そ、それは《カードエクスクルーダー》!ラッキーカードだ…彼女が俺の所に来たがっている!」
モブR2「なら30000DPでどうだ?」
「くっ……厳しい条件だが仕方ない!」
「交渉成立」
ピピィーッ!!
「こらそこ!生徒同士でのカードの売買は禁止です!」
~デュエルフィールド~
モブR3「俺のターン!っとその前に」
モブR4「おい?何してんだ?」
「いやー、昼飯まだ食べてなくて」
ピピィーッ!!
「そこ!食事中のデュエルは禁止です!」
~レッド寮前~
「…おはよう……」
「なぁ~」
「…………みゃぁ……」
「レインさん」
「……なに?」
「校内での猫との会話は禁止です!」
「…にゃんですと……」
意外と違反が多いものですね。ですがこうして活動を続けていればすぐに麗華先輩も……明日も頑張って取り締まりましょう!!
そして翌日も宣言通り早めに登校し違反を取り締まりました。
キーンコーンカーンコーン
予鈴が鳴りました。そろそろ授業の時間ですね。
「さてと……あれ?」
「あー、だりー」
もう授業が始まるというのに教室とは反対方向に向かう生徒が目に入りました。
赤い帽子をかぶった女子生徒、たしか……
「あなたは、ジャッカル岬さんでしたか?」
「ん?ああ。お前は……誰だっけ?」
「麗華先輩と活動を共にする風紀委員の長谷部遥です!」
「ああ、委員長の腰巾着か」
「なっ、腰巾着って……おほん、まあ今はそんなことはいいです。もうすぐ授業だというのにどこへ向かうんですか?」
「1限目は座学だからふけるんだよ」
なんて堂々としたさぼり宣言、こんなものを見過ごすわけにはいきません!
「そんなの認めるわけにはいきません!さあ授業に行きますよ!」
そういって私は岬さんの袖をつかんで強引に教室へ連れて行こうとしました。
「何すんだよ!伸びるだろうが!」
「そんなの関係ありません!」
キーンコーンカーンコーン
「しまった!本鈴が!」
このままは私まで遅刻に!?
「いまだ!じゃあな腰巾着!?」
「あっ!こら!!もう!?」
今回は仕方ありませんが、彼女を放っておくわけにはいきません!かくなるうえは……
「おっと、今は授業でした!」
私は急いで教室に入りました。一応間に合いました。
side岬
「はー今日も疲れた……まあ半分くらいふけたけど」
放課後、オレは
「ん?なんだこれ?」
オレの下駄箱の中に手紙が入っていた。
「……何て読むんだ?」
「果たし状だな」
「うわ!お前コナミ!?いつの間に後ろに!?」
オレが手紙を見ているといきなりコナミが後ろから声をかけてきた。
「ビックリさせんなよ!?」
「それは悪かった」
「しかしおめーが1人でいるのは珍しいな」
「ゆまは補習、ツァンはそれに付き合ってる。雪乃は、多分気を使ってるんだな、ちょっと俺が大事なことを控えてるから」
「後の奴は?紬紫とかそういうの関係なくついてきそうじゃん」
「紫はまた別の事情があるんだ。幸子も同じだ」
「ふーん、まあどうでもいいや」
「で、はたしじゅうってなんだ?」
「果たし状だよ。挑戦上みたいなやつ。なんで喧嘩上等な番長キャラのお前が果たし状を知らないんだよ?で、誰からの挑戦状なんだ?」
「ちょっと待ってろ」
オレはその手紙を開いた。
「随分堅苦しい分だな。漢字多いし、読んでくれよ」
「やれやれ……確かに余計な文が多いな。掻い摘んで言うぞ」
「頼む」
「放課後、女子寮の裏でデュエルを申し込む。私が勝てば授業に出ること。長谷部遥より」
「それが内容か?」
「簡単に言うとそうだな」
朝のことを根に持っていたか。めんどくさいから無視したいが……
「デュエルを持ち出されたら引き下がるわけにはいかねーか」
「行くのか?」
「当然だ!さっそく行くぞ!」
「ああ……って俺も行くの!?」
「合縁跡縁だ!オレのデュエルを見ていけ!」
「たぶん合縁奇縁といいたいんだな」
~ブルー女子寮裏~
「おーい!来たぞ!」
「ようやく来ましたか。遅いのでまたさぼられるつもりかと思いました」
「デュエルが絡めば別だ!」
「おや……確かに1人で来るようにとは書きませんでしたが、っまさか助っ人付きとは」
「ん?そういう目的で俺を連れてきたのか?」
「ンなわけねーだろ!安心しろ、こいつはただの見物だ!あくまでデュエルはサシだ!」
「ならばよいでしょう。それに、勝敗を見届ける立会人がいたほうが都合がいいですし」
「そういうゴタゴタとした御託はいいよ!デュエルするんだろ!」
「そうでしたね。私が勝った時の話は覚えていますね?」
「ああ。勝ったら授業でもなんでも出てやるよ!」
「その言葉、忘れないでくださいね!行きます!」
「「デュエル!!」」
side遥
「先攻は譲ってやるよ!」
「またずいぶんと強気な態度を……では、私のターン!」
岬さんのデッキはモンスター効果を無効にするサポートが豊富。ですが墓地で発動する効果なら対象外。
「《フレムベル・パウン》を守備表示で召喚します!」
遥:手札6→5
フレムベル・パウン
効果モンスター
星1/炎属性/炎族/攻 200/守 200
「カードを1枚伏せてターン終了を宣言します」
遥:手札5→4
遥
LP4000
手札 4
モンスター フレムベル・パウン(守)
魔法・罠 伏せカード×1
2ターン目:岬
「締めてやんよ、俺のターン!《ジャイアント・オーク》を召喚!」
岬:手札6→5
ジャイアント・オーク
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻2200/守 0
「こいつは攻撃した時、守備表示になる」
「お得意のデメリット付きの強アタッカーですか」
「喧嘩上等。バトルだ!《ジャイアント・オーク》で《フレムベル・パウン》を攻撃!」
「計画通り。この瞬間、《フレムベル・パウン》の効果を行使します!」
「破壊をトリガーとする効果かよ!」
「このカードが戦闘によって破壊された時、デッキから守備力200のモンスター1体を、手札に加える事ができます。デッキの《フレムベル・ヘルドッグ》を手札に加えます」
遥:手札4→5
「サーチ効果か。攻撃した《ジャイアント・オーク》は効果により守備表示になる。カードを1枚伏せて御終いだ」
岬:手札5→4
岬
LP4000
手札 4
モンスター ジャイアント・オーク(守)
魔法・罠 セット×1
3ターン目:遥
「私のターン、永続罠《死の演算盤》を行使します。これで私たちのモンスターが墓地へ行くたび500のダメージを受けます」
「私たちってことはお前もか?」
「ええ、ですが私の枷になることはないでしょう。《フレムベル・ヘルドッグ》を召喚」
遥:手札6→5
フレムベル・ヘルドッグ
効果モンスター
星4/炎属性/獣族/攻1900/守 200
「バトルを行います。《フレムベル・ヘルドッグ》で《ジャイアント・オーク》を攻撃!」
「ちぃ、だが守備表示ならダメージは受けないぜ」
「ですが、貴方のモンスターが墓地に送られたことで《死の演算盤》の効果によるダメージを受けてもらいます」
「くっ!」
岬LP4000→3500
「さらに《フレムベル・ヘルドッグ》の効果を行使します!このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
デッキから同名以外の守備力200以下の炎属性モンスター1体を特殊召喚できます。デッキの《ネオフレムベル・サーベル》を特殊召喚します」
ネオフレムベル・サーベル
効果モンスター
星4/炎属性/炎族/攻1500/守 200
「このモンスターはあなたの墓地のカードが4枚以下の場合、攻撃力は600ポイントアップします!」
「オレの墓地のカードは1枚、つまり攻撃力はアップするのか」
《ネオフレムベル・サーベル》ATK1500→2100
「そして私のバトルフェイズはまだ続いております!《ネオフレムベル・サーベル》で直接攻撃です!」
「通すか!お前の攻撃宣言時に、リバースカード行くんでよろしく!罠カード《ピンポイント・ガード》!」
「攻撃対応の罠カード!?」
「墓地のレベル4以下のモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。墓地の《ジャイアント・オーク》を守備表示で特殊召喚!」
「ですが、守備表示なら私のモンスターのほうが上です!《ネオフレムベル・サーベル》で攻撃!」
「残念だが、この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンは破壊されないぜ!」
「防がれてしまいましたか。カードを1枚伏せて、終了を宣言します」
遥:手札5→4
遥
LP4000
手札 4
モンスター フレムベル・ヘルドッグ(攻)
ネオフレムベル・サーベル(攻)
魔法・罠 死の演算盤
伏せカード×1
4ターン目:岬
「ヤキ入れてやるっ!俺のターン!《ジャイアント・オーク》を攻撃表示に変更!さあ、一発ぶっこめ!《フレムベル・ヘルドッグ》を攻撃!」
「うぅっ!」
遥LP4000→3700
「さらに自分のカードの効果でダメージを喰らいやがれ!」
「あうぅ!」
遥LP3700→3200
「攻撃した《ジャイアント・オーク》は効果により守備表示になる。メインフェイズ2に《神獣王バルバロス》を召喚!」
岬:手札5→4
神獣王バルバロス
効果モンスター
星8/地属性/獣戦士族/攻3000/守1200
「こいつは元々の攻撃力を1900にすることで、生贄なしで召喚できる」
「なるほど、妥協召喚ですか」
「カードを1枚伏せる、よし、オシマイだ」
岬:手札4→3
岬
LP3500
手札 3
モンスター 神獣王バルバロス(攻)
ジャイアント・オーク(守)
魔法・罠 伏せカード×1
5ターン目:遥
「私のターン!」
前のターン《ジャイアント・オーク》で《ネオフレムベル・サーベル》を攻撃し《神獣王バルバロス》で《フレムベル・ヘルドッグ》を相殺すれば私の場をがら空きに出来ました。
それをしなかったということは、おそらくあの伏せカードは《神獣王バルバロス》の効果を無効にするカード……なら!
「《ネオフレムベル・サーベル》を生け贄に捧げ《フレムベル・デビル》を生け贄召喚!」
遥:手札5→4
フレムベル・デビル
効果モンスター
星5/炎属性/悪魔族/攻2100/守1200
「生け贄召喚?モンスターが墓地に送られりゃ、てめーのカードでダメージを受けるぞ」
「か、構いません、必要経費です」
遥LP3200→2700
「続いて魔法カード《『守備』封じ》を行使します。《ジャイアント・オーク》を攻撃表示に変更します」
遥:手札4→3
「わざわざ攻撃力の高いこいつを攻撃表示にだと?」
「最後に、フィールド魔法《バーニングブラッド》を行使します」
遥:手札3→2
バーニングブラッド
フィールド魔法
「これでフィールドの属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、守備力は400ポイントダウンします」
《フレムベル・デビル》ATK2100→2600
「ちぃ、これで《ジャイアント・オーク》の攻撃力を超えやがったか!?」
「バトルを行います!《フレムベル・デビル》で《ジャイアント・オーク》を攻撃します!」
「ぐぅっ!」
岬LP3500→3100→2600
「折り目正しく、《フレムベル・デビル》の効果を行使します!このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、自分の墓地の炎族モンスターの数×200ポイントダメージを相手ライフに与えます」
「なるほど、たいしてダメージが増えるわけでもねーのに、《ジャイアント・オーク》をわざわざ攻撃表示にしたのはこのためか」
「私の墓地の《フレムベル》は3体、よって600のダメージを与えます!」
「だが、させるか!ライフを1000払い、永続罠《スキルドレイン》発動!」
岬LP2600→1600
「フィールドのモンスターすべての効果を無効にするぜ!こいつで《フレムベル・デビル》の効果は無効だ!」
「やはり効果を無効にするカードでしたか」
《神獣王バルバロス》を避けて正解でしたね。
「これで終了を宣言します」