タッグフォース 未来の英雄を継ぐ赤帽子   作:TOUI

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第六話 情けは自分のためならず

 

 

 

 

sideコナミ

 

 

海野とのデュエルから数時間後、2度寝した俺が起床したのはもうお昼過ぎだった。

まだ少し眠いが、さすがに起きないと休みが終わり授業が始まってから響く。

眠気を覚ますには日の光を浴びるのが1番と最近知った。単に太陽に免疫がなかっただけかもしれないが

 

「うんしょ、よいしょ」

 

下を見るとなんか大きなダンボールを持ったアムナエル……もとい大徳寺先生だっけ。

あの人の事も三幻魔の事も俺が解決することではないが、今はなんとなく気分がいい。少しトークしてみるか。

俺は大徳寺先生に声をかけるため、寮を駆け降りた。

 

「先生、何してんですか?」

 

「おや、君から声をかけるなんて珍しいニャ。これを本土の中等部に届けるところニャ」

 

「なんですかこれ?」

 

中をのぞくと大量のカードが入っていた。

 

「うわ、これはまたずいぶん大量に」

 

「いやいや、これもう1箱あるニャ」

 

大徳寺先生が後ろを向いて言った。たしかに後ろの方にもう1箱見えた。

 

「なら手伝いましょうか」

 

「お、いいのかニャ、そうしてくれると助かるよ」

 

 

 

「いやー、コナミ君のおかげで助かったニャ。お礼と言ってはなんだけど、ほしいカードがあったら持って行ってもいいニャ」

 

「それはそれは、ありがとうございます」

 

とはいっても、殆どが大した効果のないノーマルカードじゃ、ん?《ダメージ・ダイエット》このカードは初めて見るな。なになに?

 

「墓地からトラップだと!?」

 

思わず声を上げてしまったが、よく考えたら俺も《スキル・サクセサー》ってやつ持ってたな。だが面白いからこれはもらっておこう。

他には、《黒き森のウィッチ》《八汰烏》《大寒波》禁止カード混じってるが、大丈夫か?間違って使われたりしないのか?

いや、《大寒波》はまだ禁止ではなかったか、モンスターを軸とした魔法・罠カードに頼らずに戦うデッキがあまり注目されてない時代だからな。せっかくだからこれももらっておくか。

 

「じゃ、この2枚はありがたくもらっておきますね」

 

「ありゃー、2枚でいいのかニャ?遠慮しなくてもいいのに」

 

「いえ、これで十分ですよ」

 

「じゃあ、私はこれを船に運んでくるニャ」

 

船に向かう大徳寺先生を見送り、俺は帰ろうとした。

 

「きゃぁぁぁーー!」

 

「え?」

 

突然後ろから悲鳴が聞こえたと思ったら、俺に激突してきた。

 

「いたたた……はう!大丈夫ですか!?」

 

声の主はゆまだった。

 

「ああ、俺は平気だが、」

 

「だ、大丈夫……って、なんであんたがいるの?」

 

少し遅れてツァンが来た。

 

「なんでって、カードを運んでたんだが、ツァンは?」

 

「ゆまとデュエルしてただけだよ」

 

「はい、負けてしまいましたが、それよりコナミさんのカードが」

 

ぶつかった衝撃で俺のデッキがバラバラに散らばっていた。

 

「すいません、すぐに集めますね」

 

「もう……しょうがないね」

 

2人も手伝ってくれたので散らばったカードはすぐに集まった。

 

「おや?私がいない間にお楽しみだったかな?」

 

「教師が何を考えてるんですか。近くでデュエルしてたんで声かけただけですよ」

 

まあ若干違うけど。

 

「冗談ニャ。それじゃあ、ほんとに助かったニャ」

 

そう言い残して大徳寺先生はもう1つの段ボールを持って船の方へ去って行った。

 

「ところで2人はなんでデュエルしてたんだ?」

 

「そ、それは……」

 

「これを賭けていたんです」

 

そう言ってゆまはパンを1個取り出した。

 

「ドローパン?」

 

「はい!黄金のプリンパンです」

 

そう言えば聞いたことがある。アカデミアで1日1個だけ生まれる黄金のタマゴ、

それを使用した黄金のタマゴパンなるものがあるが、

さらに期間限定でそのタマゴを使用して作った黄金のプリンパンになる時期があると。

 

「ようやく引き当てることができたのです。それでこのパンをずっと食べたがっていたツァンさんと一緒に食べようと思って声をかけたのですが、断られてしまいました」

 

うん、容易に想像できるな。

 

「でも、一緒に食べた方が絶対おいしいのでデュエルを申し込んだのです。私が勝ったら一緒に食べましょうって」

 

……普通逆だろ。まあ、ゆまらしいちゃらしいけどさ。そう言えばさっき会ったときなんかもめてたっけ、これが原因だったのか。

 

「と、とにかく僕が勝ったんだからもうどこか行ってよね」

 

「そう…ですよね……」

 

「……」

 

「うぅ……」

 

「……あーもう!そんな悲しそうな顔をしないでよ!」

 

「はぅぅ……」

 

「もういいわよ!……一緒に食べてあげるから」

 

あ、ツァンがディレた。

 

「本当ですか!ありがとうございます!」

 

嬉しそうにゆまはツァンに千切ったパンを渡した。渡したパンが少し小さい気がするが、まあ俺には関係ないし、帰るとするか。

 

「待ってください、コナミさんも一緒に食べましょうよ」

 

さらに半分に千切ったパンを俺に差し出しながらゆまが言った。

しかし、なんて屈託のない笑顔っ!こんなの断るなんて無理だろ。そりゃツァンもディレるわけだ。

 

「ああ、ありがとう」

 

思わず受取っちまったよ。結局俺も2人と一緒にパンを食べた。確かにパンは絶品だった。

 

「ん~おいひぃーですぅ」

 

「んんっ、僕これ好きだな」

 

その後とくに何かあるわけでもなく、少し話して解散となった。

だが、この時気づいていれば、翌日のあの事態は避けられたかもしれない。

 

 

 

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