side:遥
「カードを1枚伏せて、私はターン終了です」
岬&遥
LP3200
手札 1
モンスター 炎帝テスタロス(攻)
魔法・罠 バーニングブラッド
伏せカード3枚
7ターン目:麗華
「私のターン、魔法使い族専用の装備魔法《ワンショット・ワンド》を《風紀宮司ノリト》に装備します」
麗華:手札2→1
「装備モンスターの攻撃力は800アップします」
《風紀宮司ノリト》ATK2700→3500
「ちぃ、これで《炎帝テスタロス》の攻撃力を上回りやがったか!」
「戦闘を行います!《風紀宮司ノリト》で《炎帝テスタロス》を攻撃します!」
「攻撃は防げませんが、永続罠《バックファイア》を発動します!私のフィールドの炎属性モンスターが破壊され墓地へ送られた時、相手ライフに500ポイントダメージを与えます」
「やはりそのカードですか。その程度は構いません。攻撃続行です!」
「きゃっ!」
「うわっ!」
遥&岬LP2700→2100
「うぅ……炎属性モンスターが破壊されたので500のダメージを麗華先輩に与えます!」
「くっ!」
麗華LP6400→5900
「バトル終了後《ワンショット・ワンド》の効果を行使します。装備モンスターが戦闘を行ったダメージ計算後、このカードを破壊しカードを1枚ドローします」
麗華:手札1→2
「カードを1枚伏せます。そして魔法カード《命削りの宝札》を発動します!手札が3枚になるようにデッキからドローします」
「さ、3枚だと!?」
「私の手札は0枚なので3枚ドローします」
麗華:手札1→0→3
「一気に3枚のドローだと!インチキ効果もいい加減にしろ!」
「インチキなどではありません、このカードに代償が3つもあるのですから」
「3つ?」
「たしかこのターン相手が受けるダメージが0になる。特殊召喚ができなくなる。ターン終了時に手札を捨てるの3つでしたか?」
「その通りですよ」
「なるほど……ってこのターン俺達ダメージ受けたじゃねーか!」
「いえ、それは通常の効果の1つなので発動前の者は対象外なのですよ」
「そうか、つまり特殊召喚も先にしちまえば実質デメリットは1つに」
「あなたは本当に何も知らないのですね。それは誓約効果なので前後問わず制限されます」
「ん?誓約?」
「これ以上話しても無駄のようですね。ターンを進めます。モンスターを1体裏守備表示で伏せます」
麗華:手札3→2
「カードを1枚伏せ、永続魔法《補給部隊》を発動します」
麗華:手札2→0
「これでターン終了です」
麗華
LP5900
手札 0
モンスター 風紀宮司ノリト(攻)
裏守備モンスター
魔法・罠 心鎮壷
補給部隊
伏せカード2枚
7ターン目:
「これであいつの手札は0、3つめのデメリットも受けねーのか」
「この程度の対処はできて当然です」
「くそ、冷たく言い放ちやがって……そんなんじゃお前を慕う生徒なんていなくなっちまうぞ!」
「いいのですよ、あなたのようなダメな生徒などに慕われなくとも、私の考えの理解できる数名の生徒が集えば」
「麗華先輩……」
「時には人としての平均を下げるような人を切り捨てる冷酷な指導も必要なのですよ」
「何が冷酷指導だ……だったらこっちは熱血指導だ!オレのターン!《熱血獣王ベアーマン》を妥協召喚!こいつも元々の攻撃力を1300にすることで生贄なしで召喚できる!」
岬:手札3→2
熱血獣王ベアーマン
星8/炎属性/獣戦士族/攻2600/守2700
「こいつは炎属性のモンスターだ!遥の《バーニングブラッド》の効果で攻撃力は500アップする!」
《熱血獣王ベアーマン》ATK2600→1300→1800
「またそんな妥協を!」
「もうツッコまねよ!バトルだ!《熱血獣王ベアーマン》で《風紀宮司ノリト》を攻撃!」
「何を間違えましたか?攻撃力は《風紀宮司ノリト》の方が圧倒的に上ですよ!?」
「わかってるよ!速攻魔法《旗鼓堂々》発動!オレの墓地の装備魔法1枚をモンスター1体に装備する!」
岬:手札2→1
「この効果で墓地の《愚鈍の斧》を《熱血獣王ベアーマン》に装備する」
「バトル中に墓地のカードを装備する効果ですって!」
「ああ、ただしさっきのお前のカードと同様このターン特殊召喚できないこととエンドフェイズに破壊される2つのデメリットがあるがな」
「ですがこれで《熱血獣王ベアーマン》の効果は無効になって攻撃力が2600になりました!」
「さらに《愚鈍の斧》の効果で攻撃力は1000アップだぜ!」
《熱血獣王ベアーマン》ATK1800→4100
「攻撃力4100ですか……」
「これでお前のエクシーズモンスターはオシマイだ!」
「くっ!」
麗華LP5900→4500
「どうだ、オレの熱血攻撃は!」
「ようやくあのモンスターを倒せました!」
「……モンスターが破壊されたので《補給部隊》の効果発動!1ターンに1度、私のモンスターが破壊されたとき、カードを1枚ドローします」
麗華:手札0→1
「カードを1枚伏せオシマイだ。そしてこのタイミングで《愚鈍の斧》は破壊される」
岬:手札1→0
《熱血獣王ベアーマン》ATK4100→3100
本来はデメリットとなるエンドフェイズの破壊ですが、私のスタンバイフェイズにも500のコストを必要とするこのカードならむしろメリットです。
岬&遥
LP2100
手札 0
モンスター 熱血獣王ベアーマン(攻)
魔法・罠 バーニングブラッド
バックファイア
伏せカード3枚
9ターン目:遥
「私のターン、《フレムベル・ヘルドッグ》を召喚します」
遥:手札4→3
フレムベル・ヘルドッグ
効果モンスター
星4/炎属性/獣族/攻1900/守 200
「このモンスターも《バーニングブラッド》の効果で攻撃力は500アップします」
《フレムベル・ヘルドッグ》ATK1900→2400
《フレムベル・ヘルドッグ》の攻撃で後続モンスターにつなげ、そのモンスターと《ベアーマン》の直接攻撃が通れば一機に逆転できます!
「戦闘を行います!《フレムベル・ヘルドッグ》で裏守備モンスターを攻撃します!」
「破壊されたモンスターは《見習い魔術師》です」
見習い魔術師
効果モンスター
星2/闇属性/魔法使い族/攻 400/守 800
「そして戦闘で破壊された《見習い魔術師》の効果を行使します。このカードが戦闘で破壊されたと場合、デッキからレベル2以下の魔法使い族1体をセットする事ができます」
「リクルート効果のあるモンスターでしたか……」
「デッキの《水晶の占い師》を裏守備表示で特殊召喚します。さらに《補給部隊》の効果で1枚ドローします」
麗華:手札1→2
水晶の占い師
星1/水属性/魔法使い族/攻 100/守 100
「私も《フレムベル・ヘルドッグ》がモンスターを破壊したことで、効果を行使します!このカードが相手モンスターを破壊したとき、デッキから同名以外の守備力200以下の炎属性モンスター1体を特殊召喚できます。デッキの《フレムベル・グルニカ》を特殊召喚します!」
フレムベル・グルニカ
効果モンスター
星4/炎属性/ドラゴン族/攻1700/守 200
《フレムベル・グルニカ》ATK1700→2200
「そして《フレムベル・グルニカ》で裏守備表示の《水晶の占い師》を攻撃します!」
「では、《水晶の占い師》のリバース効果を行使します。デッキのカードを2枚めくり、1枚を手札に加え、もう1枚をデッキの下に戻します」
《水晶の占い師》の持つ水晶に2枚のカードが映し出された。
「《共振装置》と《シャッフル・リボーン》ですか。では《シャッフル・リボーン》を手札に加えましょう」
麗華:手札2→3
「私も《フレムベル・グルニカ》の効果を行使します!このカードがモンスターを破壊したとき、そのレベル×200ポイントダメージを相手に与えます!」
「《水晶の占い師》のレベルは1、ダメージは200、大したことはありませんね」
麗華LP4500→4300
「ですがバトルフェイズはまだ続いています!《熱血獣王ベアーマン》で直接攻撃です!」
「これ以上私への領域への侵入は無効です!罠カード《進入禁止!No Entry!!》を発動します!攻撃表示のモンスターを全て守備表示にします!」
「……バトルフェイズを終了します」
逆転どころか麗華先輩にほとんどダメージを与えることができませんでした……しかし、今のは妙です。
「妙だな。《フレムベル・ヘルドッグ》の攻撃で発動すればすべての攻撃を防げたはずだ」
「それに《フレムベル・ヘルドッグ》の効果で後続モンスターを出されることもなかったわ」
「とても……非効率……」
コナミ先輩たちも同じ疑問を持っているようですね。
「なんだ?ここにきてプレイングミスか?」
「この私がミスですか?とんだロマンチストですね……ですが」
そう言って麗華先輩は白紙のエクシーズカードを私たちに掲げました。
「なっ、なんだ!」
「この光は……」
「あのカードは、もしかして!」
「海野さんと……同じ……」
「ナンバーズが、来るのか!?」
コナミ先輩たちもあの異様なカードに気づいたみたいです……やはりあのカードは、麗華先輩の切り札となるエクシーズモンスター!?
「正直あなた達では役不足だと思いましたが、そのことについては礼を言いましょう」
「……ターン終了です」
岬&遥
LP3200
手札 1
モンスター 熱血獣王ベアーマン(守)
フレムベル・グルニカ(守)
フレムベル・ヘルドッグ(守)
魔法・罠 バーニングブラッド
バックファイア
伏せカード3枚
10ターン目:麗華
「私のターン、魔法カード《シャッフル・リボーン》を行使します!私のフィールドにモンスターが存在しない時、私の墓地のモンスターを1体特殊召喚します」
麗華:手札4→3
「モンスターがいない時、つまりあのカードを使いたかったから攻撃を通したのか!?」
「いえ、あのカードはさっき《水晶の占い師》で引いたカード、あのカードがつかえたのは結果論でしかありません」
「あなたたちの浅知恵では考えるだけ無駄です。まあすぐにわかることです。墓地の《カオス・ソーサラー》を特殊召喚します」
「げっ!あいつは除外モンスター!またオレたちのモンスターを除外する気か!?」
「いいえ、このカードで特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、ターン終了時に除外されます」
「な、なんだそうか」
「でも、エクシーズ素材にはできる……ということですね」
「ええ、その通りです。《マジックアブソーバー》を召喚」
麗華:手札3→2
マジックアブソーバー
星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守1300
「伏せていた速攻魔法《スター・チェンジャー》を《マジックアブソーバー》を対象に行使します。フィールドのモンスター1体のレベルを1つ変化させます。《マジックアブソーバー》のレベルを1つ上げます」
《マジックアブソーバー》☆4→5
「さらに魔法カードが発動したことで《マジックアブソーバー》の効果を行使します。魔法カードを発動する度に、このカードに魔力カウンターを1つ置きます。そして魔力カウンターの数だけこのカードのレベルが上がります」
《マジックアブソーバー》☆5→6
「これでまたレベル6のモンスターが2体……」
「また来るのかよ、エクシーズモンスターが!?」
「レベル6の《カオス・ソーサラー》と《マジックアブソーバー》でオーバーレイ!」
☆6×2
「凍てつく心の正義が、冷酷な評決をくだす!エクシーズ召喚!君臨せよ!ランク6《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》!」
No.21 氷結のレディ・ジャスティス
エクシーズ・効果モンスター
ランク6/水属性/水族/攻 500/守 500
レベル6モンスター×2
「このカードが、愚かなあなたたちに評決をくだす裁きのカードです」
「あれは、ナンバーズモンスター!?」
「麗華先輩もとうとうナンバーズモンスターを……」
「《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》の攻撃力はORUの数×1000ポイントアップします」
《氷結のレディ・ジャスティス》ATK500→2500
「つまり今の攻撃力は2500」
「そこまで大した数値じゃねーな」
確かに攻撃力はたいした数値ではありませんが、エクシーズモンスターにはORUを使った効果がおそらくあるはずです。
「墓地の《シャッフル・リボーン》の効果を行使します。《補充要因》をデッキに戻し、1枚ドローします」
麗華:手札2→3
「魔法カード《オーバーレイ・リジェネレート》を行使します。このカードはフィールドのエクシーズモンスター1体のORUとなります」
麗華:手札3→2
「これで《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》のORUは3つ、攻撃力も3500にアップします」
《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》ATK1500→3500
「さらに墓地の《オーバーレイ・ブースター》の効果を行使します!墓地のこのカードを除外し、私のORUを持ったエクシーズモンスター1体の攻撃力をORUの数×500ポイントアップさせます」
オーバーレイ・ブースター
効果モンスター
星5/光属性/戦士族/攻2000/守 0
「《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》のORUは3つ。これで攻撃力はさらに1500アップします」
《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》ATK3500→5000
「攻撃力5000!?」
「攻撃力だけで判断しないでください。《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》の効果を行使します!」
やはり効果がありましたか!
「ORUを1つ取り除き、相手の守備表示のモンスターを全て破壊します!」
「なに!オレたちのモンスターは全て守備表示!」
「くっ、これで納得がいきました」
「納得?何がだ?」
「1体目の攻撃であのカードを発動すれば、おそらく私は《熱血獣王ベアーマン》を攻撃表示に戻していました」
「その通り、攻撃宣言をしていないモンスターは表示形式の変更が可能。だから2体の攻撃を通したのです」
《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》ATK5000→4000
「ほ、炎属性モンスターが破壊されたので《バックファイア》の効果で500のダメージを与えます」
「今更この程度のダメージ、関係ありません」
麗華LP4300→3800
「これであなたちを守るモンスターは居なくなりました」
「くっ、攻撃力は下がったが、まだ俺たちのライフを大きく上回ってやがる!」
「こんな攻撃を受けては!?」
私たちのフィールドには伏せカードが3枚、しかし2枚は《心鎮壷》で使用不可、岬さんが伏せたこのカードも私たちのフィールドにモンスターがいないこの状況では……
「これで終わりですね。戦闘を行います…これがあなた達への判決です!《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》で直接攻撃です!」
「くそ!ここまでか!」
「ええ……ここまで…何ですね」
やはり私の力では麗華先輩には……勝てなかったようですね……