三五三鎮守府の軌跡―救済には悪意をもって   作:多々良ひつじ

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千尋

 『千尋』

 そう名乗った少女は、ホウ……と息をついた。

 震わせるようにゆっくりと、目蓋が上がっていく。

 

「ここは?」

 

 水面からの照り返しが、“気つけ”となったのか。わずかに前へ傾げていた首が、スッと伸びる。

 

「石炭袋は……」

 

 少女――千尋は、自身の手を胸元へと持ち上げている。

 不思議そうに、握り、開き、握る。

 単純な動きだが、見飽きないとでも言うように繰り返し続る。

 次いで腕を捻り掲げて、天井の照明に掌を透かし見るように、しげしげと観察。

 足先を見つめ、体を抱きしめるようにして身をよじり、己の背へ視線を這わせる。

 

「有也?」

「千尋? そんな艦なんていない。あの顔も、どの絵師にも似た処がない……」

 

 抱きしめる第二の瑞鶴を押しのけ、御剣は一歩、また一歩と、魅入られたように少女へと近づいていく。

 確かに可愛いながらも、美人だ。

 色気があるようにも感じる。

 なんとも掴み処のない容姿だからこそだろうか?

 

「現状を把握出来たか」

 

 駿河のいつも通りの冷めた問い掛け。

 手が届く距離に千尋がいるような声量だ。

 ただ、その手を届かせるには、後十二、三本、腕を継ぎ足す必要があるだろう。

 不思議とよく響くその声に、

 

「ちょっと、待って下さい」

 

 千尋は顔を覆うように片手で額を押さえて答えた。

 艦娘には、問題ない大きさなのだろうが、人の耳ではかろうじて聞き取れる程度で。

 

「会話に問題はないな」

 

 どうも駿河は、わざと簡単でない言葉を掛けたようだ。

 千尋は、周囲をまるで小動物のように首を回し、キョロキョロと見渡す。

 頷きを一つ。

 海水プールの縁――駿河達が集う方へと、水面を滑るように歩き始めた。

 滑ってもいない。

 水面に波紋や水切り跡が出来ていない。

 

「浮いている?」

 

 千尋の垂れ下がった素足のつま先。

 そこより五指下に、水面はある。

 

「艦娘――戦船。魂。持つ。女。人型……戦い……ここでも戦火が……」

 

 独り言を千尋は繰り返す。何かに教わっているように。

 千尋と共に現れた四つの艤装は、まるで紐で繋がっているように、千尋の後を一拍おいて、水面をかき分け追従してくる。

 

「名を名乗れ」

 

 縁に立つ駿河の前まで来ると見上げるように、千尋は頭をのけぞらせた。

 その瞳には、先ほどまであった不確かさはない。

 

「私は、メ……」

 

 駿河のアゴへぶつけるように、一声を吐き出す千尋。

 だったが、突然言いよどみ、首をかしげる。

 

「どうかした?」

 

 黙って千尋を見つめる駿河の横へ御剣は来ると、自身の膝に手をあてて腰を折り、千尋と視線の高さを合わせた。

 

「うーん? あー。えー。ん?」

「混乱しているのかな? 大丈夫だよ。落ち着いて」

 

 御剣は、ゆっくりと優しく千尋へと声を掛けながら、その頭へと手を伸ばす。

 フェミニスト――そんな言葉が適切だろうか?

 

「あれ? 怖がらせちゃったかな?」

 

 御剣の手は空振りに終わった。

 千尋が予備動作無く、横へとスライドしたからだ。

 頭を捉えられなかった御剣の手は、その下にある千尋の肩にも落ちなかった。

 それも込みで、ミリ単位の移動したかのようだ。

 

「無理にまとめるな。そのままを言葉にしろ」

 

 御剣とは正反対に、駿河は千尋へと気遣うところなく、言葉を降らせた。

 

「うまく、言語化できません。使っている言葉が違うのか。変換? 言い換えが、私の中で起きているように思います」

 

 駿河の腹へ、そう申告していく。

 好き好んで駿河の腹へ、千尋は話掛けている訳ではない。

 単に両者の身長差によるものだ。

 千尋は駿河の目を見て話そうとしているが、見上げるようにのけ反る頭が疲れたのだろう。

 駿河から少し離れて、高低差を緩和した。

 その際、視線を降ろす途中、駿河の一部を凝視したのも、顔に赤みがさしているのも、全て気のせいだろう。

 

「わ、た、し、は、メ……ダ、イ、ドウ、級……千尋。何番艦なのかは、分からないわ」

 

 出せる言葉を確かめながらなのか、千尋は途切れ途切れに名乗っていく。

 

「『ダイドウ』は、“大きい道”でいいのか」

「そう――そうね。そうだわ。そうです。そうよ」

「大道級? 大道“型”じゃないのかい?」

 

 駿河についで、御剣が千尋へと尋ねた。

 

「『型』? 級しか思い浮かびませんね」

「と言う事は、海外艦? いや、でも――」

 

 御剣は、『キャラ以外の史実は、知らないもんなー』等と言いながら、膝を抱えて考え込む。

 

「ねえ、あなた艦種は?」

 

 第二の瑞鶴が、御剣のそんな姿は見たくないと、引き起こしながら千尋へと質問した。

 同族としての好奇心からか?

 

「艦種?」

「そうよ」

 

 千尋は、後方を振り向く。

 自身に追従する艤装達を見ながら、呟く。

 

「空母、揚陸、先見の明、賢明な工匠、鉾と弓……私は……私は……監察――砲艦?」

 

 第二の瑞鶴が、千尋の言葉を拾いながら眉を寄せる。

 

「砲艦って――」

 

 千尋の肢体を遠慮なく見回って、

 

「海防艦ってこと? その割には、背があるようにも思えるけど。はぁ……」

 

 千尋の胸元から自身の胸元へと視線を移して、なぜか溜息で終わった。

 どちらも、つつましい。

 “何が”は、内緒だ。

 

「海防艦……今の私は、そう違わないかもね」

「結局、こいつは何なんだ」

 

 いつの間に居たのか。

 閣下元提督が、唾をまき散らしながら叫ぶ。

 

「大道級海防艦、千尋」

 

 駿河が代わりと、千尋に向かってその名を呼んだ。

 

「秘匿試験兵器の類でしょう。戦時に置いて、全ての戦艦が記録に残せる代物だったとは限りません」

「確かに、そいうトンデモ兵器なんかの噂は、ありますよね」

 

 駿河の意見に、御剣も賛成のようだ。

 閣下元提督も、腑に落ちる処があるようで、反論は無かった。

 

「で、貴方が私を切りつけてくれたのですね」

 

 千尋は、声固く尋ねた。

 今も駿河の右手にある、天龍の艤装刀を見ながら。

 

「そうだ」

 

 躊躇の無い一言。

 

「そうですか。なら、私は貴方に報復をしてもいいのですよね?」

 

 四つの艤装に備え付けれた砲塔――砲塔だろうか? それは筒状の物もあったが、向きを間違えた箱状の物や、レールのような物が二本突き出したフォークのような物――が、千尋の発言に合わせて、一斉に駿河へとその先を向ける。

 

「ひーいい。儂は、関係ないぞ。関係ないんだ」

「提督ぅー!」

 

 駿河の両脇に居た二人。

 閣下元提督は、腰が抜けたか、尻餅をついて後ずさる。

 御剣は、第二の金剛が後ろから抱きしめ、引きはがした。

 

「そうだな」

 

 駿河は挨拶でもするように答えた。

 先ほどから天龍が静かだと思えば、いつからなのか。駿河は左腕一本で、天龍を自身の背中へ押しつけるようにして捕まえている。

 腕一つで艦娘を制圧できるわけがない。

 天龍が暴れない処を見ると、駿河の意志を汲んでいるのだと思える。

 ともなければ、砲撃一つくらいでは、駿河は死なないとでも思っているのだろうか?

 何処まで行っても只の人なのだが。

 

「……ここは『助かった』と、言っておきましょう」

 

 不満に頬を膨らませたかと思えば、千尋は淑女のように微笑んだ。

 コロコロと変わる表情は、猫の目のようだ。

 

「で、私の艦長の――」

「僕は御剣。よろしくね」

 

 御剣は金剛に抱きしめられた格好のまま、そう挨拶をした。

 金剛が抱きしめてできた御剣の制服のシワが、深くなったように思える。

 

「『御剣さん』ですね。優しそうで、恰好良いですね」

「いや、そんな事ないよ」

 

 御剣は、戸惑うことなくやんわりと否定した。

 これが、持てる者の余裕と言うやつなのだろうか? ――泣かせたい……失礼。

 

「それで、貴方のお名前は?」

「『艦長』って、なんだよ?」

 

 天龍が駿河の肩にアゴを乗せるようにして、顔を出した。

 

「艦長は、艦長ですけど?」

「なあ、これって降格扱い、ぎゃ!」

 

 駿河の耳元で天龍が囁く。

 囁き終わる前に、驚く猫よろしく瞳孔ごと目を開き切って、天龍は小さく悲鳴を上げた。

 

「し、尻が」

 

 何だ? と皆がいぶかしがる。

 皆からは見えないが、駿河は、天龍の尻を掴むようにてして立てた左親指を、天龍の尻というか太もも上にめり込ませていた。

 

「気にするな。駿河だ」

 

 天龍の奇声に千尋は目を丸くしたが、駿河の名乗りに興味を失ったようだ。

 

「へえ、自分の提督って分かるんだね」

「……そうですね?」

 

 御剣が感心したとでも言いたげに、千尋を見た。

 

「皆お疲れ様! ありがとうね。最高のステージだったよ」

「この声!」

 

 千尋は文字通りに目一杯に見開くと、グリンッと音が付きそうな勢いで顔をそこへと振り向けた。

 

「歌っていたのは、貴方よね!」

 

 川内の顔負けの瞬間移動――まさに飛んでいくと、千尋は興奮冷めやらぬままに、口を開いていく。

 いきなり目の前で千尋を見失った事に慌てる間もなく、その大きな声に皆は顔を向けている。

 

「歌? うん。みんなのアイドル那珂ちゃんでーす」

 

 しゃがみ込んで妖精たちを労っていたのは、本日秘書艦の那珂。

 背中に掛かる声に振り向くと、『歌』のキーワードもあってか、お決まりの挨拶を披露した。

 

「アイドル? Oh! デカルチャー! 歌は文化だわ!」

「文化? よく分からないけど、またファンを増やしちゃったかな?」

「ファン? もちろんよ。記録は消えても、歌は消えないわ。何度でも思い起こされる神霊の領域よね」

「なんか、熱烈なファンが出来ちゃった」

「他にも『歌』は有るの? 私も歌うのは好きよ。聞くものね――」

「えっと、ちょと落ち着いて。ね。はい、深呼吸」

 

 さすがの那珂も、千尋の勢いにたじたじのようだ。

 

「なあ、これって、提督の資質があった。って事で、いいんだよな?」

 

 離れたところで深呼吸を繰り返す二隻を見ながら、天龍は流し見るように御剣へと口を開いた。

 

「そ、そうだね。確かに建造は、出来たわけだし」

「むうう……しかし――」

 

 肯定する御剣の横で、

 

「――あのような危ない建造。逆にその資質に疑問を覚えずにはいれないぞ」

 

 閣下元提督は、難癖をつける。

 豚おっさんの『むうう』は、セクハラではないだろうか?

 それを真横で聞いた第二の金剛は、『紅茶、紅茶を……』と、精神安定剤をご所望中。

 

「色々あったけど。今は、一七二〇。これで帰れるわね」

 

 第二の瑞鶴が、ため息交じりに、誰にとは言わず思いをこぼす。

 ここの居心地が悪かったのか?

 帰りも閣下元提督とのランデブーを想像してか?

 見つめる御剣の視線の先が気に入らないのか?

 どちらにしても、帰りたい事は間違いないようだ。

 

「そうだね……帰れるね」

 

 御剣は、何とも歯切れの悪い返事を返す。

 深呼吸をしていたはずが、いつの間にかブレストレーニングへと移行している二隻を視界に収めたまま。

 

「もう、放してくれてもいいだろ?」

「そうだな」

 

 駿河は自身の背から解放すると天龍へと向き直る。

 手にした艤装刀の刃を掴んで、柄を天龍へと差し出した。

 

「あんまり、ポンポン使わないでくれよな」

「そうだな」

 

 天龍は別に自身の艤装刀に固執している訳ではない。

 ただ、何か一言言いたかっただけだろう。

 

「自重しよう」

 

 駿河の続く言葉に、柄へ伸ばしていた手が一瞬止まった。

 

「なあ、昨日からいろいろ貸しがあったよな」

「そうだな」

「これも貸しだよな」

 

 天龍は、自身の艤装刀を鞘へ納める。

 

「そうだな」

「貸しって事は、返してくれるんだよな?」

「そうだな」

 

 駿河の言葉に、唇をもごもごさせていた天龍が、頑張っています。と、声を上げた。

 今の赤らむ天龍の顔は、龍田がいれば『可愛い』と言っただろう。

 それとも、面白くないと唇を噛んだか?

 

「あのよ! こ、今晩……オ、オレと、一緒――」

「そうだ! 『危険』だ!」

 

 御剣は、現状を打破した達成感を表現するように、大きな声を張り上げた。

 天龍の言葉をかき消すほどの声で。

 

「――にー」

「なんだ」

 

 現に駿河は、天龍が何を言ったのか聞き返している。

 

「……あ゛あ゛あ゛? 小僧……ことごとく邪魔をしやがって、そこに直れ! 叩き切ってやる」

 

 艤装刀を抜刀しながら、天龍は御剣へと速足で迫って行く。

 その顔は、不機嫌さにあふれていた。

 あ、目に涙が溜まっている。

 

「泣いているのか」

「泣いてねぇーよ!」

 

 ズンズンと歩く天龍がくるりと向きを変え、その勢いのまま駿河へと向かって行った。

 天龍の突撃は、くしくも駿河の一言に阻まれる事に。

 

「何よ、大きな声を出して?」

「瑞鶴。僕は今日、ここに泊まって行こうと思う」

「はあ?」

 

 深刻だと声を潜め、御剣は俯く。

 

「やっぱり、言われた通り。これで、『はい、お終い』は、出来ないと思うんだ」

 

 過程はどうあれ、建造の指示を完了させた以上、『はい、お終い』で、良いのではないだろうか?

 

「未確認艦みたいだし。今晩は様子を見る事が、僕の使命だと思うんだ」

 

 未確認艦とはいえ、他鎮守府の戦力を他の提督が確認すると言う事が、あって良いんだろうか?

 

「だから、今日は泊まって行こうと思う。彼女にも聞きたい事があるし」

「えっと……いいのかな?」

「んー。あんまりよくない気がしますネー」

 

 第二の瑞鶴が、『どう思う』と第二の金剛に意見を求めた。

 

「建造の指示だけで、それで完了とする事は、明言していない――」

 

 駿河は、現状を口に出して整理すると、御剣の後ろに誰かいるかのように見据えた。

 

「――わかりました。こちらで部屋を用意しましょう」

「あ、ありがとうございます。おーい、千尋。ちょっといいかな?」

 

 駿河への返答もそこそこに、御剣は千尋へと駆け寄っていく。

 慌てて、第二の瑞鶴、金剛も離れてはまずいと、その後を追った。

 

「構いませんけど……随分となれな――まあ、いいでしょう……」

「那珂ちゃんには? 那珂ちゃんにも色々聞いてもいいんだよ?」

「あー、那珂ちゃんは、いいかな?」

「ええ、酷い! 那珂ちゃん差別だ!」

「私の尊敬する那珂ちゃんさんを、蔑ろにするんなんて!」

「え、いや、そんなことは無いよ? えっと、那珂ちゃんは何が好きなの?」

「えー、いきなりだなー。えっとねー、那珂ちゃんは、那珂ちゃんを見てくれる人が好きなんだよ」

「見てくれる? ああ、ファンって事かな?」

「そうそう、ファンは大事にしなくちゃね」

「で、いいかな? 千尋」

「なんか嫌です」

「ええ? ああ、君はツンデレタイプか。曙……満潮……霞かな?」

「何を言っているのか分かりませんが。この後、那珂ちゃんさんにボイストレーニングを受けるので、もう行ってもいいですか?」

「ちょっと、待って――あのさ、僕の事どう思う?」

「有也!」

「No-! 私だけを見てって言ってるのニー」

 

 騒がしい一団を一瞥して駿河は、天龍に指示を出していく。

 

「天龍。執務室に固まっている明石と夕張、大淀を呼んでおけ。……千尋はしばらく大淀の部屋に置く。那珂も一緒の方が良いだろう。川内には俺から話そう」

 

 天龍は『ああ』『うん』と、なんとも気の抜けた返事を繰り返す。

 

「おい、御剣提督が泊まるのなら仕方ない。儂も泊まるぞ」

 

 眉間しわを寄せながらも、口元が緩むのを隠しきれない閣下元提督。

 今の駿河と天龍のやり取りを気にすることなく、声を掛けれる閣下元提督は、ある意味さすがです。

 

「もちろんです」

「そうだな。儂がいなくなった後の執務室を見せてもらおうか。儂の部屋の用意までは面倒だろう? 寝るのは医務室で構わない」

 

 閣下元提督が柄にもない事を言い出した。

 駿河は、それを微笑んで受け止めた。

 駿河流の微笑ではなく、人の笑みでもって。

 

「承知いたしました」

 

 返事の声も、心もち軽い気がする。

 

「そ、そうか。よろしく頼むぞ。御剣提督、儂も泊まりますぞ――」

 

 駿河の露骨な態度に、さすがの閣下元提督も疑問を覚えたようだが、それも一瞬。

 用が済んだと、閣下元提督はバタバタと賑わう集団へと走っていった。

 

「明日だ」

 

 駿河が天龍に、そう声を掛けた。

 

「もういいよ。興が削がれちまった」

 

 ぼそぼそと呟く天龍の腰を、駿河は横に引き寄せた。

 

「それくらいで丁度いい。でないと、また泣きわめく事になるぞ」

「な、何いってんだよ。こんなところで」

「一日分の利子も払ってやる。覚悟しておけ」

「だから、俺は――」

「那珂。仕事だ」

 

 天龍の言葉を聞き終わらないうちに那珂を呼びつけながらも、駿河も那珂へと向かっていった。

 

「おい。だから、もういいって言ってんだろ? 聞けよ。なあ」

 

 両胸の間にに手をあてて駿河の背中へと呟く天龍の唇は、きつく結ばれていながらも、その口角はほのかな温かみを感じさせた。

 

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