突然始まったとされた深海棲艦との戦いは、艦娘を頼りに必死の抵抗をしていたのもいつの事だったか。人類は深海棲艦よりの進攻に、一定の周期を見出した。痛いほどの危機感は薄れ、イベントをこなす様に、資材を蓄え、艦娘を鍛え、提督の指揮のもと戦うようになった。
 この物語は、その世界では、当たり前にあり。当たり前にいる。時代に名を刻まれる事も無く、歴史に埋もれていく一人の提督と、艦娘と、鎮守府の軌跡である。
 その男は、『道具だ』と叫ぶ者に目を伏せ。『兵器だ』と言い切る者に目を細め。『人間だ』という者を冷ややかに見つめた。


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