三五三鎮守府の軌跡―救済には悪意をもって   作:多々良ひつじ

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曙、聞こえる

「曙、聞こえる」

 

 御剣達が食事をしている頃、明石はドアをノックしいてた。

 海底のような様相の営倉に、その音は静かに広がっていく。

 尋ねた場所を間違えたのか? 何も反応がない。

 

「返事はいいわ。朧も漣も、そのまま聞いてて」

 

 営倉の中より、何かしらの存在を感じる事が出来ない。

 しかし、明石は自信を持ってその扉に声をぶつけていく。

 

「潮は今直ぐどうのと言う事は、無くなったわ」

 

 言い終わるのに合わせて、中から衣服が壁に擦る音を、明石は聞き取った。

 

「そう」

 

 間を空けて届いた曙の声は、安堵にも、諦めにも、受け取れる。

 

「提督が。ですか?」

「わからないわ」

「わからない?」

 

 次いで、朧の問いかけに、明石は見られている訳でもないのに、かぶりを振って答えた。

 

「潮の艤装は、今入渠しているわ。ダメージを負ったことで、入渠の恩恵を使って急速に自己修復をしている。その影響で、潮自身も持ち直した。今は保健室のベッドに寝かせているわ」

「それって、ご主人様は分かってやったって事ですか?」

「どうかしら。そうかもしれないし、偶々かもしれない。提督は明言してくれなかったのよね。悪いわね、漣」

 

 会話が途切れた。

 明石は、何度か口を開きかけては閉じる。

 何かを言いたいようだが、それを言って良いのか、何と言って良いのか、迷っているようだ。

 

「別に、もういいわ」

「……どう言う事……曙」

 

 扉と床の隙間をくぐらせるように明石はうつむいて、曙の言葉へ投げかけた。

 

「あのクソ提督の言葉を、ずっと考えていた」

「それで?」

「確かに私一隻の価値なんて、大したことないわ。結局、私たちは消耗品なのよ。目の前の潮を失っても、違う潮が現れれば第七駆逐隊として活動するだけ。朧も漣も変わらないわ。当然、私も」

「だから?」

「今の潮に、こだわる事は無いわ。眠りたいと言うのなら、眠らせて上げればいいのよ。私にはそれを否定する権利は無い」

 

 曙の言葉が空間に溶け消える。

 強烈な打撃音。

 次いで、営倉の鉄扉がかん高く悲鳴を上げた。

 

「工作艦の私に、よくそれが言えたわね」

 

 明石は扉を殴りつけたまま。

 

「事実でしょ?」

「なら、嘘にするだけよ」

 

 曙の開き直った言い分に、明石は即答をすると、その場を黙った去っていった。

 

「曙」

「ぼのたん」

 

 衣服どうしが擦れる音が寂しく、狭く暗い部屋の中で小さく鳴いた。

 静寂は、唐突に終わりを告げる。

 

「曙さん!」

 

 息せき切って走って来ると、乱暴にドアが叩かれる。

 

「誰? 吹雪?」

「曙さん! 大変です。提督が! 前提督が来てます!」

「提督? 前の? それって……」

 

 焦点のブレていた曙の瞳が、力強く光を取り戻していく。

 自身を抱きしめる朧と漣ごと体を起こすと、連れ出す様に二隻を抱きしめて扉へと――吹雪へと寄った。

 

「どういう事!」

「どいう訳か、今日の監査に、一緒に来たんです」

「どうしてあのクソが出歩けるのよ!」

「わかりません。ただ、逆恨んで何かする為に来たのかも……とりあえず伝えておこうと――私は、他の娘達にも言ってきます」

 

 因縁のある閣下元提督の訪問を、営倉に入っている曙達へ話す事に、何の意味があるのだろうか?

 うがった見方ではあるが、ただの嫌がらせにも取れる。

 ただ、吹雪の慌て方から、他意はなく、親切心が余計な方向へと向かってしまったようにも……。

 実際、曙達はそのように捉えているのだと思う。

 吹雪をなじる事も、疑問を投げる事もしないのだから。

 

「今動けなかったり、破損している娘が目を付けられちゃうと……」

「そうね。動けない娘は、都合のいい玩具――」

「曙!」

「ぼの様!」

 

 朧と漣は、曙の名前で悲鳴をあげた。

 

「吹雪! お願い! ここから出して!」

「え、でも」

「潮は保健室で――医務室で寝ているのよ! もし、あのクソの目に止ったら!」

「え! それって。まさか、そんな……」

「吹雪さん。何かあるの?」

「朧さん。直接聞いたわけではないんですけど。今日、監査に来た皆さんは、泊まるそうです。それで――」

 

 声を潜めて、吹雪は告げた。

 

「――前提督は、医務室を使うと……」

「あのクソ提督! 潮を売ったわね!」

 

 怨嗟の言葉を曙は吐き出す。

 扉を殴りつけながら吹雪の名前を強く呼んだ。

 殴られ放題の扉に、少し同情する。

 

「吹雪!」

「分かりました。鍵は何とかしてみます」

 

 曙の絶叫にも似た呼びかけに、吹雪は迷わず即答をする。

 

「お願いよ! 急いで頂戴!」

「は、はい!」

 

 走り去る吹雪の足音を確かめながら曙は、「二度もやらせないわ」と親指を強く噛んで呻いた。

 

「えっと、次は鍵を取ってきて。その前にお風呂に行って。で、工廠。それから――」

 

 吹雪は歩きながら、指を折っていく。

 まるでクエストを攻略するように。

 この後の行動手順を確認していくように。

 

 □ □ □

 

「夕立。外で食べてて、寒くないのかい?」

「ぽい? そう言う時雨も、ご飯持ってるっぽい」

 

 夕立は一隻、外で食事をしていた――訳ではなく。背を預けている木と対になるように植えられた木の下には、古鷹、加古の二隻の姿も見える。

 ほぼお団子で埋め尽くされ、若干の野菜が入ったすいとんから湯気が立ち上る。

 雪こそ降っていないが、12月半ば。いくら艦娘が寒さに強いとは言え、寒さを感じないわけではない。

 まあ夕立に持つイメージは、雪が降ったら外を走りまくるモノだが。

 

「気持ち悪いっぽい」

「前提督の事かな?」

「違うっぽい」

「夕立も同じ理由ぽいね」

「なんか、お腹の中にいるみたいで、落ち着かない」

「僕もだよ。ひょっとして、古鷹や加古もそうなのかな?」

 

 時雨が離れた所にいる古鷹たちに視線を送る。

 目のあった古鷹は、微妙な顔で見つめ返してきた。

 加古は言えば、この寒い中、木に背を預けて寝ている。

 あ、赤ちゃんみたいに縮こまってコテンと地面の上に丸まった。――やっぱり寒いらしい。

 

「誰だい?」

 

 視界の隅に捉えた気配に、時雨は声を掛ける。監査が来ていても、いつも通りに灯りの落とされた正面玄関の方へと。

 夕立も、時雨の見る方へと視線を合わせた。

 

「敵!」

 

 飛び跳ねるように身をお越して、夕立は構える。

 両足を広く開け、片手を地面につけた前傾姿勢は、犬が飛びかかろうとするかのようだ。

 食べかけのすいとんはちゃんと、こぼさないように後ろ地面に降ろされていた。

 夕立に抜かりはない。

 

「白い……もや?」

 

 正面玄関を見つめる時雨は、白い何かがそこを横切って行った気がした。

 より、意識を集中させようとしたが、夕立の声に視点を奪われる。

 

「吹雪ちゃん?」

「吹雪?」

 

 確かに、吹雪が奥の廊下を走り去っていく。

 

「あ」

 

 時雨がしまった思った時には、その何かはどこにも無かった。

 

「夕立、白いもやを見なかったかい?」

「もや? 見なかったっぽい」

「そうかい」

「うん」

 

 興味が無くなったと、夕立は再びすいとんの丼を手に取って、顔をうずめた。

 

「夕立が見たのは、深海棲艦」

 

 夕立の呟きは、すいとんのお団子と一緒に飲み込まれていった。

 

 □ □ □

 

「一緒に入渠していると、安心できるわね」

 

 大風呂につかりながら、満潮は横目で姉妹艦達を見て、そうごちた。

 

「遅くなると、間宮さん達にご迷惑をかけてしまいます。早めに上がりましょう」

「残念です。大潮は、このままぽかぽかしていたいです」

「うふふふふ。お肌の手入れは、ちゃんとしないとねー」

 

 満潮含め、朝潮、大潮、荒潮は、遠征任務から帰って来たばかりだ。

 結果は上々。

 心なしか立ち上る湯気も、彼女たちを労うように、濃くまとわりついている。

 

「でも、待機命令があったと思ったら、第七の代わりに近海遠征任務なんて。なんか、残り物扱いみたいで面白くないわね」

「満潮。まだ出撃できていない艦もあるのです。その言い方は、よろしくないと思います」

「そうね、朝潮。すこし口が軽かったわ。ごめなさい」

「分かれば、それで問題ありません」

 

 長女としてたしなめる朝潮の言葉に、満潮は言い返すことなく、素直に頷く。

 

「うふふふふ」

「何よ」

「満潮ちゃんも、可愛くなったわよねー」

 

 瞬きを何処かに置いてきた荒潮は、その二隻の光景に嬉しさを隠さない。

 

「はあ? 何言ってるのよ、まったく。それよりも、私はもう少しかかりそうだから、先に上がってていいわよ」

 

 湯に当てられたのか、単に恥ずかしかったのか、顔を赤くする満潮は、強引に話題を切る。

 

「大潮も一緒にいます」

 

 髪を降ろしている大潮が、顔の前に両拳を作って、ファイティングポーズを決める。

 既に、十分湯だっているようだが。

 一人我慢大会を開催する所存なのかもしれない。

 どうでもいいが、髪を降ろした大潮のキリッっとした目尻は、満潮にそっくりだと思う。

 

「先に上がってて。私の食事の事を、間宮さん達に話しておいて欲しいのよ」

「分かりました。大潮にお任せです。さあ、いきますよ」

「待って下さい大潮。髪を乾かして、結ばないと」

「お風呂上りの艶姿ー。少しは意識してくれるかしら」

 

 勢いよく立ち上がり、波をかき分けるように大潮が大風呂から出ていく。

 つられるように、朝潮、荒潮の二隻もそれに続いた。

 

「先に上がっています。食堂で待っていますけど、満潮はしっかり治してから来てください」

「そのつもりよ――さてと」

 

 満潮は、朝潮達が脱衣場に消えていくのを見送ると、浮かしかけた体をもう一度湯に肩まで沈める。

 

「あれは何なの。叢雲」

 

 あご先までを水面に浸けると、また浮力に任せ体を浮かせる。フゥと一息の後に、大風呂の隣になる一人風呂の一つへと、顔は水面を見たまま声を掛けた。

 

「よく起きているって、分かったわね」

 

 まったく会話に参加していなかったが、一人風呂の一つに叢雲は浸かっていた。

 縁に頭をかけて、顔に手ぬぐいを乗せ、仰向けに湯船に身を沈めて。

 寝ているような雰囲気に、第八駆逐隊の面々は、声を掛けないでいたのだが、

 

「分からないわよ。寝ていても、起こすつもりだっただけ」

 

 満潮には、関係なかったみたいだ。

 

「あんたね……アイツに毒されてきてるんじゃないの」

 

 叢雲は、タオルを顔に置いたまま天井へと、気怠く声を噴いた。

 

「やめてよ」

「大淀は、喜んでいたわよ」

「大淀さん? ――そうかもね」

 

 言われて喜ぶ大淀を想像したのか、満潮の顔は何とも微妙だ。

 

「それより、あれは何?」

 

 満潮は、叢雲が浸かる一人風呂とは別の一人風呂を見つめながら、問いかけた。

 その視線の先には、小型の艤装と、顔の書かれたピンクの連装砲が湯に浮いていた。

 

「潮のよ」

「潮?」

「そう。もう、話しても――いいえ、知っていた方が良いと思う。実は、潮は引き籠っていたわけじゃなかったのよ」

 

 叢雲はそう切り出して、昨晩――満潮達が代役となった経緯を説明した。

 

「はあ? 金属バットで、艤装をへこました?」

 

 満潮は素っ頓狂な声を上げた。

 

「そうよ。ただの金属バットでね。最初は当然何もできなくて、曙もたかをくくっていたんだけど」

「アレならヤルわよね」

「そう、アイツはやったのよ」

 

 既に完治して傷跡のもない右手の幻痛を感じながら、満潮は「当然よね」と理解を口にしていた。

 

「で、アイツは潮のボコボコにした艤装を、兵装と一緒に浮かべていったの。今は大分マシになったけど。」

「ふーん。で、叢雲は?」

「私ー?」

 

 顔のタオルはそのままに、両腕を上へと伸ばす。

 さすがに包帯はまかれていない。

 向きだされたその腕には、体を火照らせている性もあるのだろうが、自身の爪で掻きむしった痕が、赤く無数に浮き出ていた。

 

「いい加減直せって言われてね。今日は食べる以外は、ここよ。湯治かっていうの」

「逆に、よく今まで『直せ』って、言われなかったわね」

「それは……そうね。秘書艦やらしておいてその実、私に興味がないのかもね」

「そんな事――」

 

 脱衣所につながる引き戸が、引かれた。

 

「あれ?」

 

 何かを言いかけた満潮が、それをやめて見たのだが、

 

「満潮、どうかしたの?」

「今、引き戸が開いたわよね?」

「開いたわよ。……誰も入ってこないの?」

「入ってこないもなにも……」

 

 満潮は自然と叢雲の方へと体を寄せていく。

 

「開いてないのよ」

「え?」

 

 バランスを崩した叢雲が、湯船の中へ頭まで沈める。

 

「ぱぁ! 誰かがすぐに閉めた……音は一回だけだったわね」

 

 誰かの悪戯か、不慮の偶然と、叢雲は口にしかけたが、理論整然とした自身の思考にて、それは否定を下された。

 

「音だけなんてありえないわ」

 

 叢雲も、風呂の縁を挟み、満潮へと体を寄せていく。

 

「あ」

 

 満潮は声を上げて、湯気を指さす。

 丁度、脱衣所へと引き戸の反対側を。

 

「何よ。何もないじゃない。怖がらせようとしたって、無駄……」

 

 叢雲の目の前で、湯気が形作られていく。

 真っ白い人型。

 長い髪。

 切れ長の赤い瞳。

 ソレは、ニッコリと叢雲達に微笑掛けると、そのまま空気に消えていった。

 

「何、今の」

「知る訳ないじゃない」

 

 引き戸が強く開け放れた。

 

 ―― ぎゃあー ――

 

「きゃあー。って、え、どうしたんですか?」

「吹雪……あんたなの……」

「はい? あの、なんです?」

 

 満潮と叢雲は、抱きしめあいながら、大きな安堵の息をついた。

 

 □ □ □

 

「こんなのどうしろって言うのよ」

 

 夕張は、破壊された工廠の建造ドックを見て叫んだ。

 

「あーあー、ここはドロドロ。ここは破裂してるし……これは斬撃の後? なんで?」

 

 大きくため息を吐きながら、壊れた建造ドックを確認していく。

 

「後三つあるし、たぶん提督は建造をしないと思うけど。だからそのまま。って、わけにはいかないわよねー」

「そうなのか?」

「そうよ。せめて修理の見通しや、必要な物資くらいは算出しておかないと、あの鬼に何をされるか」

「それは、大変そうだな」

「大変で終わればいいわよ。もうね、ほっぺたがもげるっての」

「ほう、それは難儀だな」

「難儀ってものじゃないわよ。人が“あっぷあっぷ”してるのを見て、あの鬼は微笑んでいるのよ。まったく」

「それはそれは、極悪人だの」

「まあ、でも、ただの悪人でもないよのね。悪役というか、そんな感じかも」

「なんだ。そなたも憎からず、その鬼を思っているのかの?」

「な、何言ってるのよ。馬鹿なこと言わないでよ。あれ、テスターどこに置いたっけ?」

「これかの?」

 

 建造ドックを確認したままの夕張の横から、真っ白い手がテスターを差し出してくる。

 

「そうそう、ありがとう……え?」

 

 夕張の思考が加速する。

 ここには独りで来た。

 なぜか妖精さん達は、居なかった。

 明石は曙達の処。

 叢雲はお風呂。

 大淀は、那珂と一緒に新人の面倒を見ているはず。

 そして、白い手って何?

 

「見ちゃだめだ。見ちゃだめだ。見ちゃだめだ。見ちゃだめだ――」

 

 何で恐怖がそこにあると分かっているのに、振り向いてしまうのだろうか?

 

「見ちゃった」

「いかん。見られてしまったな」

 

 夕張は差し出された手のある方へと振り見た。

 そこには長身の女性。下手をしたら駿河くらいあるかもしれない。

 真っ白の長い髪。

 切れ長の赤い瞳。

 両の五指には、刃かと思うような長く鋭い爪。

 テスターは掴むと言うより、挟むと言った感じに、その爪先にある。

 何よりも目を惹くのは、額から後ろへと大きく伸びる二本の角だ。

 角の先端は、腰下まで伸びている。

 

「……深海棲艦」

「しまったな。うーん。おおそうだ! 貴様が言った鬼の親戚なのだ。実は」

 

 豊満な胸を組んだ腕で変形さえながら、自称駿河の親戚は、うんうんと頷いて見せた。

 

「そんわけあるかー!」

 

 夕張は手近にあったスパナを構えると、大きく振りかぶった。

 

「出方を間違えたか。しからば!」

 

 自称駿河の親戚は、両手を大きく広げると、振りかぶる夕張の懐へと難なく身をすべり込めせると、

 

「やべでー」

 

 夕張の両ほっぺを摘まみ、そのまま左右へと引っ張った。

 

「ほーれ、ほれ。どうだ? 何もできないだろう?」

「ほんなの!」

「あいた!」

 

 涙目になった夕張に、勝ちを確信したのもつかの間。

 夕張の渾身の一撃――振り上げたままになっていたスパナが、自称駿河の親戚の頭を捉える。

 

「痛いぞ。少しは加減せんか」

「何言ってんのよ!」

「いかんな。ちと、ふざけが過ぎたか。ここは一度引くかの」

「させるわけないでしょ!」

「では、さらばだ」

「な」

 

 夕張の目の前で、自称駿河の親戚は床に沈んでいった。

 

「嘘。隠し扉なんかあるわけないし。通り抜けた? いやいや、そんなSFな事」

 

 夕張認定深海棲艦が沈んで行った床を、夕張はペチペチと手で叩く。

 次いで、顔を床にこすり付けるようにして、つぶさに観察。

 不審者発見は、まず通報だと思うのだが。

 夕張は全力で、不思議の解明に取り組んでいた。

 それはそれとして、床に沈むなんて怪現象を目の当たりにして、オカルトには走らないあたりは、夕張らしい。

 

 

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