「何呑気にあらすじ紹介してるんだよ!!あんなに必死になって戦って気が付いたら別の世界にいましたー、なんて冗談じゃねえ!!」
「そんなこと言っても何も始まらないでしょうが。それよりもこの街では超能力が研究されてるんだ。科学者としてはテンション上がるゥーーー!!」
「テンション上げてる場合じゃないだろ!!!さっさと新世界に行かねえと、あっちの美空とかどうなってるか気になんねえのかよ!!」
「万丈が珍しくまともなことを言ってる・・・成長したな!!」
「そんな褒めるなよー、照れるだろ」
「やっぱり単純で馬鹿な万丈は置いといて、天っ才が大活躍する第一話!ご期待ください!」
「せめて筋肉つけろ!!!てか俺出ないのかよ!!」
「今更かよ・・・」
第一話 学園都市
『お前は、俺に作られた偽りのヒーローだったんだよぉ!!』
『誰がなんと言おうと、お前は俺たちのヒーローだ…!』』
『みんなが桐生戦兎を、仮面ライダービルドを創ってくれたんだ!!』
『愛と平和を胸に生きていける世界を創る!そのために、この力を使う!!』
『破壊こそが力だ!!お前の正義など、俺が壊してやるッ!!!』
『俺と万丈は…最高の…!コンビなんだよォッ!!』
『勝利の法則は、決まった!!』
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・
「…ここは…?」
草の柔らかい感触が頬をなでる。顔を向けると整地されていない雑草の緑が目に入った。
痛む身体を起こした俺―桐生戦兎は改めて辺りを見回す。視界に入るのは青く澄んだ空と白い雲。そう、ここには
「スカイウォールが…ない…」
10年間、日本を3つに分断していた忌まわしい壁が、まるで最初から存在しなかったかのようになくなっている。
「そうか…上手くいったんだ」
思わず安堵の息が漏れた。
火星を滅ぼし、ついには地球をも破壊しようとした地球外生命体、エボルト。戦兎をはじめ多くの者が奴に翻弄され、倒れていった。
仮面ライダーローグ…氷室幻徳
仮面ライダーマッドローグ…内海成彰
仮面ライダーグリス…猿渡一海
そして唯一無二の相棒、仮面ライダークローズ…万丈龍我
「ッそうだ万丈!!」
慌てて周囲を探すが、見慣れたスカジャンの姿はない。ここにいないだけなのか、それとも、
「ここは…新世界なんだよな…」
改めて見直すと元の世界とは違う場所だとわかる。
今いるのは公園だろう。少し離れた場所に滑り台などの遊具があることからも容易に想像ができる。公園を囲むように舗装された道路とやたら背が高く、近代的なビルが建っていた。
「東都にあんなビルあったっけ?」
あるいは新世界創造に伴ってできたのか。いずれにしてもここは先ほどまでいた世界とは違う世界だ。
「上手く…いったんだな…」
―そうみたいだねー
改めて呟いた俺の内側から、その声は答えた。
葛城巧。
桐生戦兎の元になった悪魔の科学者の精神は新世界でも健在のようだった。
「ああ…俺や、父さんが望んだ世界になったんだ」
―しかし、いいのかい?この新世界では君は完全なイレギュラーだ。誰も君を覚えていない。―
そう、この世界において桐生戦兎は何よりイレギュラーな存在だ。
「葛城巧の頭脳と佐藤太郎の顔を持つ桐生戦兎は、本来いない人間だからな」
新世界はエボルトが存在しない世界。即ち元の世界で10年前に起きたスカイウォールの惨劇が起こらず、日本が分断されなかった世界なのだ。
―エボルトがいなければ佐藤太郎は襲われることはないし、僕も一科学者として普通に生きていた。つまり君という人間は生まれなかったことになる。
君はこれからこの世界の創造主として、世界でただ一人、前の世界の記憶を持ったまま生き続けなければならない。わかってたはずだろう?―
「そうだな。わかっていた」
―わかっていてなぜ、その道を選んだ?―
「当たり前だろ?愛と平和を胸に生きていく世界の為だ」
俺は笑う。
「確かに俺の居場所はこの世界にはないかもしれない。でも、この平和な世界を創れたんだ。後悔はないよ」
そんな俺に苦笑しながら葛城は言う。
―まったく、君の性分にはとことん呆れるな…、でも…―
「葛城?」
精神世界、額縁の向こうの葛城の身体が薄まっていく。
―どうやら、僕もイレギュラーとして扱われるみたいだ…―
「葛城…消えるのか」
―この世界にいるだろう僕になるだけだ。消えるわけじゃない―
「そっか…。父さんと仲良く、な」
―ああ…さようなら。楽しかったよ。桐生、戦兎…―
それを最後に俺の身体から葛城巧の精神は消えた。
「これで本当に一人か…」
くじけそうになるが、くよくよしてもしょうがない。折角俺たちが創った新世界だ。どんな世界なのか確認したい。
そう思い、手近な建物に向けて足を運んだ。
※
「最っ悪だ…」
2時間後。俺は目を覚ました公園に戻ってきていた。
「どうなってんだこの世界は…」
ベンチに腰を下ろし、思わず独り言が出るが、それを気にする気力も残っていない。隣の学生二人が訝し気に視線を送ってくるが、同じく気にする気力はない。
顔を上げると小学生なのか、公園で和気あいあいと遊ぶ姿が見える。その向こうでは下校中の中学生グループ、クレープを食べる高校生カップル…
「本当に学生しかいないんだなあ」
そう言って手元のビルドフォンを見ると、そこには先ほどまで閲覧していたwebページが表示されていた。
『学園都市第7学区HP』
学園都市とは日本中の学術機関、学問機関が終結した都市であり、同時にある分野の研究開発の為人口の8割強が学生―つまり子どもという街だ。そしてそのある分野とは
「超能力ねえ」
時間割(カリキュラム)というものでこの街の学生は大なり小なり脳をいじくり回されており、それによって発現する力が超能力、らしい。正直眉唾ものな話だが、ついこの前まで都市伝説と言われた仮面ライダー、その張本人であり、ライダーシステムを含めありとあらゆる発明をしてきた戦兎も同じようなものだと思う。
「とりあえず、わかったことは二つだな」
一つ、この世界は俺たちが創った新世界ではないこと
二つ、元いた世界よりもかなり科学技術が発展していることだ
この街―学園都市ができたのは少なくとも10年以上前で、しかもあらゆる学術機関の集合体として機能している。ここまでの規模で世界中の研究機関を招聘するのであれば、設立前から噂レベルでも話が出ないと不自然だ。しかし俺、というか葛城の記憶にはそのようなものが一切残っていない。
「そもそも新世界を創った時点で10年前という基準地点に起きなかったことは起こらないはずだし、天っ才物理学者の俺ならいざ知らず、俺やエボルトの関与がない歴史ではありえない技術がいくつも存在してるし…」
道行くドラム缶式のガードロボットや
つまり
「エニグマの事件でエグゼイド達の世界に行ったみたいに、並行世界に来てしまった、ってことか。あるいはパンドラボックスの知られざる力か…」
いずれにしてもここが望んでいた新世界でないとすると、本来の新世界に行く必要がある。ここが並行世界で、ここに来たメカニズムを解明できれば、同じ方法を使って並行世界を移動することができる。エニグマがネビュラバグスターという特別なウイルスを必要とする以上、同じシステムを使うのは不可能だが、これだけの科学技術、加えて「超能力」なる未知の技術があるのなら必ず突破口があるはずだ。
「そういえば、ここが新世界じゃないならひょっとすると万丈も…」
と離れ離れの相棒のことを考えていた時だった。
「あのー」
突然少女に声をかけられた。
※
「あのー」
その少女―初春飾利は不審な男に声をかけた。
20代くらいだろうか。緑色サマーパーカーにジーンズ、左右で色の異なるスニーカーという出で立ちだはよくある服装なのだろうが、何故か所々焦げ付いたりしている。中性的な柔らかい顔にも生傷が見受けられる。
なによりこの人物、先ほどから新世界がどうだ、並行世界がなんだと明らかに怪しい独り言を発しているのだ。学園都市を守る生徒主体の自警組織「
「
「ん?俺?」
男は今気づいたのかのように自身を指さす。
「はい。見たところ服も体もボロボロだし、ずっと独り言を言っていたので周りの人から怪しまれてますよ?」
「あー、まあ怪しいよなそりゃ」
うんうんと一人で納得してるようだがこちらはまったく納得していない。
「えっと、お名前と身分を証明できるものを見せてもらえますか?」
いかにも職質みたいな形になってしまうが、これも
「名前は桐生戦兎、身分証はー、えーっと」
男―桐生戦兎はポケットの中身を出し始める。セントってどんな漢字を書くのかなーなんて思っていると
「一応、これで」
といって首かけ式のカードホルダーを差し出した
「『東都先端物質学研究所 研究員 桐生戦兎』聞いたことのない研究所ですね。どこの学区にあるのかな…」
と首を傾げていると。
「おーい、うーいーはーるー」
と後ろからこちらを呼ぶ声がした
「あ、佐天さん、ちょうどいいところに「おりゃっ」
バサッという音共に布地―正確にはスカートが視界に入る。
「今日は水色かー」
「キャー!!!!何するんですか佐天さん!!」
反射的にスカートを抑えつけ眼前で笑う親友に叫ぶ。
佐天涙子。同じ柵川中学校に通うクラスメートで、中学入学以来の親友である彼女は、時候の挨拶のように初春のスカートをめくるのだ。
「なにって、いつもやってることじゃーん。いい加減慣れなって」
「なっ、慣れるわけないじゃないですか!!大体、今は
と、そこまで言ったところで自分が何をしていたか思い出す。
「もしかして…見ましたか…?」
顔を真っ赤にして戦兎の方へ振りむく。
「
件の不審人物はやたらゴツイ携帯端末に向かってさらにぶつぶつ独り言を言っていた。
変な人だ…と若干面倒を感じながらも
「えっと、桐生・・・さんは教員なんですか?」
この街の大人は大体が教員や研究者などの学校機関の人間、残りは都市内施設に就労しているかのどちらかだ。まだ完全下校時刻には早い時間帯のため、一般労働者という線は薄いだろうと思ったのだが…
「教員?違うおれは天っ才物理学者だ」
妙に自己主張の強い肩書を提示された。
「え、天才…物理学者、ですか?」
「ちがーう!天っ才物理学者!!」
「どこが違うんですか・・・」
よくわからないがとりあえず譲れない部分らしい。
「初春、だれ?この人」
と後ろにいた涙子が話に入ってきた。
「桐生戦兎さんという方です。ちょっと独り言が激しいのでお話を聞いてたんですが…」
それを聞いた涙子は小声で
「えー、めっちゃ怪しいじゃん…」
「本人の前でそういうこと言っちゃだめですよ…、あ、佐天さん。東都先端物質研究所って聞いたことありますか?」
「初春が知らないのに私が知っているわけないじゃん」
ですよねー、と肩を落とす。
「ていうか初春、その桐生?って人いないんだけど」
「えっ?」
と振り向くと、つい先ほどまでベンチに座っていた戦兎が、いつの間にかいなくなっていた。
「あれー!?」
急いで辺りを見回してもそこにあの青年の姿はなく…
「に、逃げられた…」
その場で思わず膝をつく初春を見て、やれやれと思いながら例の桐生という男がいたベンチを見ると
「なんだろ、これ」
手のひらにすっぽり収まる、青い、形状から言うと化学薬品を保管するボトルのようなものがベンチに落ちていた。
「初春、これってさっきの人のじゃない?」
立ち上がった友人に向けて謎の物体を差し出す
「どうですかねえ…でもなんですかね、これ。見たことない…」
そう言って初春は正面からそれを見る。
それはよく見ると戦車のようなデザインが施され、横向きの蓋にはR/Tと書かれていた。
中途半端なところで終わりました。ちょうどいい分量とかあるんですかね・・・。
初春たちからすれば戦兎はおっさんですから、そう言ったネタも書くかもしれません。
平成ジェネレーションズForever楽しみですね。果たして誰が出演するのか・・・