とある科学のベストマッチ    作:茶の出がらし

21 / 25
戦「天才物理学者の桐生戦兎は万丈龍我と共に科学の街、学園都市で新しい生活を送っていた。しかし、レベルアッパーと呼ばれる能力レベルを上げるという装置が蔓延し、2人もその事件を捜査をすることに。仲間である佐天涙子がレベルアッパーを使用してしまい昏睡状態に陥る中、事件の黒幕が大脳生理学の研究者、木山春生だと気づくのだった」

美「珍しくちゃんとしたあらすじ紹介ね」

黒「まあ本編がシリアスですし、さすがにこのタイミングでおふざけはしないと思いますの」

初「私なんて誘拐されて気絶してますし」

佐「私に関しては昏睡状態ですからねー」

万「ちょっと待て」

戦美黒佐初「「「「「はい?」」」」」

万「俺出番少なくね?」

美黒佐初「「「「(確かに・・・)」」」」

戦「あのな、前から言ってるけどお前はサ・ブ・キャ・ラなの。出番があるだけありがたいんだよ」

万「サブキャラじゃねえ!!俺はプロテインの貴公子(バサッ)万丈―」

黄「あたしだって出番少ないんだ、文句言うな。それより仕事じゃん万丈!!」

万「ちょっ!!まだ最後まで言ってねえ!!オイ!!黄泉川ぁ!!」

戦「せっかく真面目にやってたのにあの筋肉馬鹿は・・・、さあ、いよいよ佳境のレベルアッパー編!どうなる第21話!」


第二十一話 多才能力

「―ところで、以前から気になっていたんだが君のその頭の花、それはなんだい?君の能力に関係があるのかな?」

 

「お答えする義務はありません。それより・・・」

 

腕につけられた電磁手錠を見つつ、初春は隣の運転席を睨む。

 

「レベルアッパーってなんですか?なんでこんなことを?眠っている人たちはどうなるんです?」

 

「矢継ぎ早だな。こちらの質問には答えないのに。まあ仕方がないか」

 

そう言って運転席に座る女性―木山春生はハンドルを操作する。彼女の愛車である青いスポーツカータイプの車は、学園都市の学区間をつなぐ高速道路を走っていた。

 

「誰かの能力を引き上げてぬか喜びさせて、何が面白いんですか?・・・佐天さんだって、・・・・佐天さん、だって」

 

俯く初春の言葉に木山は小さく笑う。

 

「他人の能力なんて興味ないよ。私の目的は―」

 

まっすぐ目の前を見つめて木山は言った。

 

「―もっと大きなものだ」

 

「演算装置?」

 

「ああ、AIM拡散力場を媒介としてネットワークを構築し、複数の脳に処理を割り振ることで高度な演算を可能とする。それがレベルアッパーの正体だ」

 

「・・・どうして」

 

初春の疑問に木山は淡々と答える。

 

「あるシミュレーションの為にツリーダイアグラムの使用申請をしたが、どういうわけか却下されてね。・・・代わりになる演算装置が必要だった。」

 

「そんなことのために、能力者を?」

 

頷き、答える。

 

「1万人ほど集まった。十分代用してくれるはずだ」

 

「っ・・・!」

 

「そんなに怖い顔をするな。あと少しですべて終わる。そうしたら開放するさ。」

 

言って木山は白衣のポケットからUSBスティックを取り出した。

 

「レベルアッパーをアンインストールするためのデータだ。君に預ける」

 

「えっ?」

 

手錠をされた手に渡されたUSBを見る。

 

「後遺症はない。すべて元に戻り、誰も犠牲にはならない」

 

「信用できません!臨床研究も十分じゃないものを安全と言われても、気休めにもなりません!」

 

「手厳しいな・・・、っとお客さんか」

 

そういってカーナビを操作すると前方1キロ先に赤い点と表示が現れる。警備員の車輌情報と、何らかのアラート。

 

「随分早いな…君のお友達たちか、それとも彼か・・・」

 

言って木山は車を停め、ダッシュボーを開けあるものを取り出した。

 

「そ、それは!?」

 

「悪いが今捕まるわけにはいかないのでね」

 

言って手に持ったもの―フルボトルのシールディングキャップを開き、外へ放った。

 

「安心しろ。これは人間を必要としないクローンスマッシュ、というものらしい。従来の物よりは性能が劣るらしいが、足止めにはなるだろう。」

 

木山の言葉通り、ボトルから出た成分が異形を形どり、街を脅かす脅威―スマッシュへと変貌した。

 

「まさか、スマッシュもあなたが・・・」

 

「私ではない。が、どういうわけかレベルアッパーの使用者の中でも特に能力値の上昇が顕著に表れていた者たちは変身していたな。まあ仮面ライダーたちが安全に倒してくれるとわかってからは特に気にしていなかったが、すまないことをしたとは思っているよ」

 

「そんな・・・」

 

「さて、ある程度指示は通じるといった彼の言葉をどこまで信用していいかわからないが―3体は前方へ、残りはここで待機していてくれ」

 

「・・・」

 

通じたのか、三体のスマッシュが進行方向に走り出し、もう二体は後方を警戒するよう向き直った。

 

「さて、今私の研究室に警備員が踏み込んだようだ。所定の操作を踏まないまま機器を起動すると知らせてくれる上に、全データを消去するよう組み込んでいた。つまり―」

 

アクセルを踏みつつ初春を見る。

 

「それが唯一の突破口になったんだ。大事にしろ」

 

車はスマッシュ達を追い抜きつつ前進していった。

 

「どういうことよ!?スマッシュが五体ってこんな時に」

 

「わかんねえよ!!とにかく行かねえと―ってなんだこれ、初春の動きとスマッシュの動きがリンクしてる?」

 

ビルドフォンに表示されているスマッシュを示す赤い点の内、二つが発生した場所にとどまり、三つは初春たちの移動経路を追うように動いている。

 

「どういうことですの?」

 

「考えたくないが。木山はスマッシュにもかかわってるのかもしれない」

 

そう言うと戦兎は万丈に向けて通信を飛ばす。

 

「万丈!スマッシュが二手に分かれた!3体の方は俺が分身してどうにかするから、二体の方頼めるか!?」

 

『はあ!?もう移動中だぞ!?いまから別のとこ行けって言われてもよ!!』

 

「わたくしが送りますわ!!万丈さんの位置情報を送ってくださいですの!!」

 

「黒子!あんた怪我は!?」

 

「・・・これくらい大丈夫ですのよ、万丈さんもいますし、それに―」

 

と言って戦兎を見る

 

「勝算があってのご指示なのでしょう?」

 

「ああ、万丈と白井ならここ最近タッグを組んでたからな。勝率は高い。万丈、今からポイントを送るからそこまで行ってくれ!」

 

『おうよ!!すいませーん!!ちょっと降ります!!『ちょっ万丈!?なにしてるじゃん!?』

 

通信が切れた。

 

「白井、ボトルを何本か渡しておく。内容はお前の端末に送ったから見返しといてくれ。万丈の装備に装填すれば使えるはずだ」

 

行ってビルドフォンから取り出したボトルを黒子に手渡す。

 

「ええ、わかりましたわ・・・お姉様」

 

「黒子、無茶しちゃだめよ」

 

「わかっていますわ。では」

 

行って黒子は瞬間移動した。

 

「俺たちも」

 

「行くわよ!!」

 

窓からビルドフォンを投げ変形、戦兎はそのままバイクに跨り、美琴も手渡されたヘルメットを付けて座り、フルスロットルで発進した。

 

「万丈さん!」

 

「助かった!!」

 

万丈と黒子は数十分前まで初春たちがいたポイントにたどり着いた。そこには。

 

「・・・・・・」

 

無言でたたずむスマッシュが二体、2人の前に立ちふさがっていた。

 

「こいつら・・・」

 

「戦ったことがありますの?」

 

「確か難波重工が作った・・・なんだっけ、ウーロンスマッシュ?」

 

「・・・中国茶ですの?」

 

「わかんね。とにかく中に人が入ってないから手加減の必要がないって前に戦兎が言ってた」

 

「なら、問答無用で行きますの!!」

 

そう言って黒子は腿に装着したホルスターから鉄製ピックをテレポートさせる。

 

「おう!!」

 

万丈もビルドドライバーを取り出し、装着した。

 

『木山春見生!!お前にはレベルアッパー拡散の容疑がかかっている。おとなしく人質の学生を開放し投降に応じるじゃん!!』

 

「・・・どうするつもりですか?年貢の納め時ですよ?」

 

大量の武装警備員と専用車両に行く手を阻まれた木山は、ハンドルにもたれかかると薄く微笑んだ。

 

「レベルアッパーは人間の脳を使った演算装置を作るためのプログラムだった。・・・だが同時に、使用者にある副産物をもたらしてくれるんだよ」

 

「・・・え?」

 

「―面白いものを見せてやろう」

 

そう言って木山はドアを開け、外に出る。

 

『両手を後ろで組んで、うつぶせになれ』

 

拡声器を使って呼びかける黄泉川の横で、警備員の一人が電子スコープ越しに初春の姿を確認した。

 

「人質は無事みたいです」

 

「よし・・・確保じゃん!!」

 

横並びで隊列を組んだ警備員が少しずつ、木山ににじり寄っていく。当の本人は眠たげな眼でそれを眺めて、しかし、

 

じゅわっ、と。

 

木山の右目が充血した。

 

パン!

 

「ぐあああ!!?」

 

銃声と共に、しかし倒れたのは警備員の一人。そして銃声はその隣にいた隊員の銃から発せられていた。

 

「何をしているんだ!!」

 

「違う!!俺の意思じゃない!」

 

言いつつ銃を振り回す隊員に混乱している警備員たちを尻目に、木山は口元を笑わせながら右手をゆっくりとかかげる。すると、彼女の周囲から暴風と言っていいレベルの風が吹き始める。

 

「馬鹿な!?まさか能力者!?」

 

学園都市にのみ存在する異能の力、超能力。

それでしか説明できない力を目の前の彼女が行使している。

 

しかし、

 

「どういうわけだ!?木山の書庫データに能力開発の話なんて一言も・・・」

 

戸惑う黄泉川の耳に通信が入る、相手は―

 

『黄泉川さん桐生です!!現状は!?』

 

「木山が能力を発動したが、どう考えても2種類以上の能力を使ってきている!!対処のしようがないじゃん!!」

 

『・・・おそらく、レベルアッパーによって構築したネットワークそのものを一つの脳として使用しているんだと思います。現在の被害者は1万人弱、その人数の能力を使えるとすれば・・・』

 

戦兎がごくり、と唾をのむ。

 

『普通の人間の常識が通用しない存在、今の木山は理論上あり得ないとされた多重能力者かもしれません!』

 

「くそ!!車両は放棄しろ!!避難するじゃん!!」

 

その言葉と共に激しい音がヘルメット内に響き、そこで通信が切れた。

 

「くっそ!!」

 

「ねえ!あれ!!」

 

後ろに乗る美琴が指さす先に煙と火炎が上がっていた。

 

「上の道か!しゃあない、御坂!ちょっと飛ぶぞ!」

 

「は!?」

 

言うが早いか、戦兎は手元の画面を操作、マシンビルダーに装填したボトルを入れ替える。

 

【ロケット】【ビルドチェンジ】

 

次の瞬間、マシンビルダ-の後部とタイヤパーツからジェット噴射し、2人は宙へと舞い上がる。

 

「「いっけー」」

 

ドリフトを綺麗にかまし、2人は現場に到着した。しかし、

 

「これは・・・」

 

 

そこには倒れた警備員車輌とそこかしこから立ち込める白煙、辺りには意識を失った隊員たちが倒れている。

 

「警備員が、全滅・・・」

 

「!!初春さん!!」

 

美琴が青い車に駆け寄ると、衝撃のためか気を失っている初春がいた。

 

「しっかりして!!初春さん!」

 

「安心しろ、戦闘の余波を受けて気絶しているだけだ」

 

呼びかけるが返事がない。電子錠を破ろうと能力を使おうとした美琴は、白煙の向こうから聞こえた声に気付き、そちらを見た。

 

「御坂美琴・・・学園都市に7人しかいないレベル5.さすがの君も、私のようなものと戦ったことはあるまい。それに、」

 

白衣を風になびかせたその姿は、どこか全能感を醸し出していた。

 

「桐生戦兎。君も来てくれるとは」

 

「木山・・・春生・・・」

 

木山は余裕を持った口調で言う。

 

「御坂美琴。君に、今の私を、1万の脳を統べる私をとめられるかな?」

 

「・・・止められるかな、ですって?」

 

ゆっくりと木山の方を向いた美琴は、睨みをきかせながら答える。

 

「当たり前でしょ!!」

 

その言葉と共に駆け出した美琴に対し、木山は美琴の足元を陥没させ、手から衝撃波を放って撃退しようとする。

 

「うわ!!」

 

対し美琴は高速道路に設置されている街灯目がけて磁力を発生させ、回避。近くにいた戦兎はラビットボトルを振って同じように回避していた。

 

 

「・・・驚いたわ。本当に複数の能力が使えるのね。デュアルスキルなんて、相手するの楽しみじゃない!!」

 

「私の能力は理論上不可能とされたあれとは方向性が少し違う・・・言うなればマルチスキルだ。それより・・・」

 

と黙っている戦兎の方を見る。

 

「驚いたな。そのボトルにはそんな使い方があるのか」

 

「・・・やっぱり、ボトルのことを知ってるのか」

 

「専門分野ではないので解析などはしていないがね。ではやはり君が仮面ライダーか」

 

「だったらどうする?こっちは二人がかりでお前を止めるだけだ」

 

戦兎の言葉に木山は薄く笑う。

 

「手合わせしてデータを取りたいところだが、君にはそんな暇はないはずだろう?」

 

そう言って後ろを指さす。

 

「君の相手はあれだ」

振り向くとそこには三体のスマッシュ―タートルスマッシュ、クマスマッシュ、ウルフスマッシュがいた

 

「・・・お前があのスマッシュを作ったのか」

 

「ああ、だが安心しろ。アレの中身は空っぽだ。学生は入っていないから遠慮する必要はない」

 

「ふざけるな。今までのスマッシュもすべてお前が作ったのか」

 

「違う、と言うと嘘になるが、そんなことはどうでもいい。君たちを足止めすれば、すべて終わるのだから」

 

言って、木山は腕を前に出し構える。

 

「御坂」

 

「木山は私に任せて。アンタはスマッシュを倒しなさい」

 

「そのつもりだが、お前、あんまやりすぎるなよ?」

 

「大丈夫よ。―あれ相手なら多少やり過ぎても」

 

「・・・後で色々話聞きたいから、五体満足で頼む」

 

そう言って美琴は木山に、戦兎は三体のスマッシュに向けて歩みを進める。

 

「万丈、スマッシュは発見できたか?」

 

『おう。これから戦うところだ』

 

「そいつらはおそらく、難波重工が作ったクローンスマッシュに近いものだ。中身がないから思い切りやって構わない」

 

『あー・・・、ウーロンじゃなかったか』

 

「この馬鹿」

 

『だから筋肉つけろって!!・・・ったくとっととぶっ倒して、佐天の奴おこしに行くんだろ?』

 

「ああ。主役は俺だけどな」

 

『何言ってんだよ。ヒーローは・・・俺たちだ』

 

「・・・うるせ」

 

言葉とは裏腹に笑顔でビルドドライバーを装着する。もう言葉はいらなかった。

 

【ラビット】【タンク】

 

【ベストマッチ!】

 

【覚醒】【グレートクローズドラゴン】

 

ボルテックレバーを回し、アーマーを展開する。

 

【Are you ready?】

 

覚悟を問う言葉に、2人のヒーローが応える。

 

「「変身!!」」

 

【鋼のムーンサルト!ラビットタンク!】

【Wake up CROSS-Z! Get GREAT DRAGON! Yeah!】

 

闘いが、始まった。

 




張り切っちゃった(^_-)-☆

そんなわけで第21話になりました。小早川セナ君と同じ番号ですね。世間はコロナウイルス蔓延中ですが皆さんは大丈夫ですか?

今回はかなり勢いで書いたので誤字脱字いっぱいかもしれません。いつも指摘してくださる方、ありがとうございます。

そういえば、このとある科学の超電磁砲のトータルUAが10万を超えました。呼んで下さる皆様には感謝感謝です。これからも緩く投稿していくので、たまに読みに来てくれるとうれしいです。

あと、すごい前に予告した仮面ライダーオーズ×戦記絶勝シンフォギアのクロスオーバーを投稿します。こちらもよかったら!!

ではでは。また次回。

p.s.スラッシュライザー予約しました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。