とある科学のベストマッチ    作:茶の出がらし

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戦兎「天才物理学者の桐生戦兎が目覚めたのは、超能力者を開発する都市、学園都市だった。そこで学園都市最強の7人の内の1人、御坂美琴やその友人の白井黒子、佐天涙子、初春飾利と偶然出会った」

初春「出会ったというか、私が職質しただけなんですけどね・・・」

戦兎「ちょっ、職質してきたのが中学二年生とかあのバカに聞かれたら何言われるかわからないから!

初春「?誰の事ですか?」

戦兎「いいからいいから!続き読んで!」

初春「えー、はい・・・、銀行強盗に巻き込まれた一同だったが、風紀委員の白井さんとレベル5の超電磁砲、御坂さんの活躍により、事態は収拾しました。」

戦兎「ところが、犯人の1人が、何故かこの世界には存在するはずのないスマッシュに変身してしまった」

初春「この台本、なんでこんなに振り仮名振ってあるんですか?」

戦兎「それは、銀行強盗って漢字すら読めない馬鹿のためにわざわざ振ってるんだ」

初春「そ、その人本当に大人ですか?」

戦兎「一応な。さて、無事タンクボトルを取り戻し、スマッシュの魔の手から学園都市をまもれるのかどうか、第四話で確認してくれよな!」

初春「逆にどんな漢字なら読めるんですか?その人」

戦兎「筋肉と強い、最強、無敵は読めると思う。

初春「しょ、小学生並みですね・・・」



第四話 降り立つムーンサルト

「スマッシュ…」

 

かつて東都の平和を脅かしてきた怪物、ネビュラガスを投与した人間がある一定値を超えると変身する異形の存在。

そして葛城巧だった頃の桐生戦兎が作り出したものだ。

そのスマッシュ-かつて戦兎が倒したストロングスマッシュは青い上半身から伸びる太い腕を振り回しつつ、こちらに向かってくる。

(なんでこの世界にスマッシュが…、いや、今は!)

自分の背後にいる3人の内、子ども抱きかかえ、女性二人に

 

「どこか掴んで!!」

 

緊迫した戦兎の雰囲気に二人は目の前の男の腕と背中をつかむ。手に持っていたラビットフルボトルを振って中の成分―トランスジェルソリッドを刺激し、脚部に力を込める。

 

「しっかり掴まってろ、よっ!!!!」

 

ラビットボトルの特性、跳躍力強化による大ジャンプを行う。さすがに人間3人を抱えながらでは本来の力は出せないが、それでも10メートル以上離れた芝生に着地した。

 

「子どもを連れて向こうへ!!

「は、はい!!」」

 

大ジャンプの余韻か、ふらつく足で三人は公園の反対側へ歩いていく。

バチイ!

 

「なんなのコイツ!?電撃が効かない!?」

「テレポートがうまくいきませんの!!どうなってますの!?」

 

通りの方ではすでに美琴と黒子がスマッシュに対して応戦している。だが、美琴の雷撃の槍は装甲に弾かれ、黒子が飛ばしたピックも同様に弾かれる。黒子の能力は本来ピックを体内に直接打ち込むこともできるはずなのだが、人間ではないスマッシュだと演算に支障がでるのか、雷撃と同じく装甲に弾かれる。

 

「白井さん!!御坂さん!!」

「初春さんと佐天さんは下がってて!!」

 

美琴が二人に向かって叫んだとたん、スマッシュはその巨体にしては素早い速度で美琴に突進をかけた

 

「っ!!お姉さま!!」

 

とっさに黒子が美琴の服をつかみ、自分諸共テレポートした。

 

「ええ!?白井さん!?」

 

バスの隣で様子を窺っていた涙子の眼前に二人は瞬間移動した。驚く涙子だったが、

 

「またですの!?」

 

という黒子の声を聴いた瞬間、初春の横にいた。

 

「佐天さん!」

「へ…?う、初春?」

 

親友の名前を呼ぶと数舜遅れてテレポートした美琴と黒子が姿を現した。

 

「怪我はありませんの?」

「はい、大丈夫です!」

「よかったですの…あれ相手ではいつ怪我してもおかしくありませんし」

 

そう言って黒子は先ほどまで自分たちがいた場所を見る。怪物、スマッシュは子供たちが乗ってきたバスを、その剛腕で破壊している最中だった。

 

「こうなったら私が超電磁砲で・・・!」

「いけませんわお姉さま!!」

「何よ、また関わるなっていうの!?」

「そうじゃありませんの!!敵の詳細は分かりかねますが、あれはおそらく先ほどの殿方ですの」

「だから何だって…」

「お姉さまのフルパワーなら確かに倒すことができると思いますわ、しかし、あの怪物の中の殿方がそれに耐えきれる保証はどこにもありませんの!!」

「それは…」

 

黒子の指摘に黙り込む美琴。学園都市のレベル5でも対処できない状況に、誰もが口をつぐんでいた。

 

「いた、そこのお花中学生!」

 

そんな沈黙を戦兎は気にせずに声をかける。視線の先にいる女子四人は一瞬誰のことわからなかったが

 

「あのー、初春のことですか?」

「そうそう、そこの頭にお花ついてる子!」

 

涙子の指摘に戦兎は駆け寄りつつ答える。

 

「さっき持ってたボトルを返してくれないか?なくて困ってたんだ」

「ボトル…あ、これですか?」

 

初春はポケットから青いボトルータンクフルボトルを取り出す。

 

「ストップ、ですの」

 

初春の手から黒子がボトルを手に取る。

 

「あなたの行動は不自然ですわ?身元も不明、そのくせ、あの化け物を知っているような素振り…、申し訳ありませんがこれは証拠品として警備員に…」

「あとでいくらでも話はしてやるし、どこへでもついていく。でも今はスマッシュを倒すのにそれが必要なんだ」

「まだ話してますのに…!、ス、スマッシュ?」

 

食い下がってくる戦兎に対し、再び物申そうと開きかけた口を隣にいた美琴がふさぐ。

 

「お、おねえふぁま?」

「あの怪物、それがあれば倒せるの?」

 

真剣な面持ちで美琴は問う。

 

「ああ」

 

一回り近く幼い少女に、戦兎は即答する、

 

「…やれるもんならやってみなさいよ」

 

黒子の手に握られたボトルを戦兎に手渡す。決して疑いがなくなったわけではない。が、子どもを助けたことやそれまでの行動からこう感じたのだ。

 

少なくとも悪い人ではない、と。

 

「ああ、やってやるよ。なぜなら俺は―」

 

今なおバスを破壊するスマッシュを見据えつつ、高らかに宣言する。

 

「自意識過剰な正義のヒーロー、だからな!!」

 

~♪

どこからともなく取り出されたそれ、レバーの付いたガジェットを腰に当てると、電子音と共にベルト部分.アジャストバインドが自動で巻き付く。

 

「さあ、実験を始めようか」

 

カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ―

左右に持ったボトルを上下に振り、内部成分であるトランスジェルソリッドを刺激する。すると、辺りに白い数式が具現化し、漂い始めた。

 

「なに、あれ・・・」

 

誰かがつぶやく中、戦兎は十分に振ったボトルの上部パーツ、シールディングキャップを開き、装着したガジェットービルドドライバーに装填した。

 

【ラビット】【タンク】

【ベストマッチ!!】

 

装填したボトルが識別され、ベストマッチの音声と共に待機音が流れる。ボルテックレバーを握り、回すとエネルギー生成機関たるボルテックチャージャーが赤と青の光と共に回転する。

回転に合わせてビルディングモジュールから高速ファクトリー、スナップライドビルダーが展開され、刺激されたボトル内のトランスジェルソリッドがパイプを通って前後に移動、赤と青のアーマーを形成していく。

 

【Are you ready?】

 

ドライバーの音声に合わせ、ファイティングポーズを取り、かつての世界でやっていたように言う。

 

「変身!!」

 

前後に展開していたスナップライドビルダーが戦兎をはさむ。白い蒸気と共に赤と青の装甲を纏う戦士が姿を現した。

 

【鋼のムーンサルト!!ラビットタンク!!イエーイ!!】

 

仮面ライダービルド ラビットタンクフォーム。

かつて東都の、世界の愛と平和のために奔走した戦士が今、学園都市に降り立った。

「勝利の法則は決まった!!」

決め台詞と共に、仮面ライダーは走り出す。

ビルドとなった戦兎は、スマッシュに向けて拳を放つ。美琴の電撃をいなした装甲はかなりの強度を誇っているようでビクともしない。

 

「ウオオ!!」

 

ビルドのボディ目がけ巨大な腕を振るうが、今度はビルドの青い装甲、パンツァーチェストアーマーがそれをはじく。

ガン!!という音と共にお互いが距離を取った。

 

「あの装甲は一筋縄ではいかないな…よし!」

 

装備展開用のスナップライドビルダーを展開。共通武装であるドリルクラッシャーを召喚し、構える。

 

「あら、よっと!!」

 

突撃を仕掛けたスマッシュを躱し、背後をドリルクラッシャーで切り付ける。ドリルスパイラルブレードがスマッシュの装甲を削る。

 

「ガァ!!」

 

スマッシュは振り返りつつ反撃に拳を振るう、が

 

「二度も食らうわけないでしょーが」

 

ビルドの左足、ラビットハーフボディの跳躍強化バネ、ホップスブリングを伸縮し、後方へ宙返りした。

 

「これでもくらっとけ!」

 

ブレード部分を付け替え、ガンモードとなったドリルクラッシャーを向け、ボルテックトリガーを引く。発射された光弾がスマッシュに炸裂する。

 

「グガァ!!」

 

一瞬ひるんだスマッシュに向け、今度は右足による蹴りを放つ。キャタピラを模したタンクローラーフットが火花を散らす。

 

「さて、そろそろ決めますか。」

 

ビルドドライバーのボルテックレバーを回転させる。ボルテックチャージャーが発光し、白いグラフが具現化する。グラフのY軸めがけビルドがジャンプし、X軸の曲線がスマッシュを挟み込む。

 

【ready go!!!】

【ボルテックフィニッシュ!!イエーイ!!】

 

高いテンションの音声と共に、曲線に沿ってビルドのライダーキックが炸裂する。タンクローラーフットがスマッシュを削りとった。

 

「グギャァ!!!!」

 

断末魔のような叫びと共に、スマッシュの身体は爆発した。

なんだあれは。

爆発するスマッシュを見ながら美琴は困惑していた。自分の能力が通じない相手を見ず知らずの不審者が倒した。しかもその不審者はよくわからない、やたらテンションの高い音声を発するガジェットで謎の姿に変身した。

科学の街学園都市、最先端の技術を常日頃から体感している美琴ですら困惑する事象だった。

 

「なんですのあれは…」

「本当に勝っちゃいましたね…」

 

呟く初春と黒子も呆然としている。視線の先の男―ビルドは腰のベルトから二本のボトルを抜く、すると体に纏っていた装甲が消え、不審者こと桐生戦兎の姿に戻った。

 

「さて、と」

 

変身を解いた戦兎は先ほど自分が倒したスマッシュを見る。まだ異形のままで、このままだとまた暴走する危険性がある。

 

「あの…」

 

と先ほどの中学生たちが戦兎の元に歩いてきた。黒髪ロングの女子生徒、涙子は戦兎に向かって聞く。

 

「この怪物、元に戻るんですか…?」

「勿論。天才物理学者のこの俺に任せれば、ね」

 

そう言って手元のビルドフォンから空のボトル、エンプティボトルを召喚した。

 

「い、今のどこから!?」

「すさまじい技術ですね…」

「よっと」

 

驚く涙子たちをよそに、ボトルを横たわるスマッシュへと向け、キャップを開く。

粒子状の光がスマッシュからボトルへと移り、怪物は元の男へと戻っていた。

 

「ぐぅ・・・」

 

うめき声をあげているところを見ると、どうやら命に別状はないようだ。

 

「これで元通り。しかっしなんでスマッシュが…あれ?」

 

手元のボトルを見た戦兎は疑問符を上げた。通常スマッシュから成分を吸収したらスマッシュボトルと呼ばれる蜘蛛の巣状のデザインが入ったものに変異する。

しかし今戦兎の手元にあるのはかつてnacitaの地下研究所にあった浄化装置によって浄化されたボトル、つまりラビットやタンクと同じ形状をしていた。ゴリラボトル。かつて使用していたボトルだ。

 

(なんでボトルが浄化されてんだ…?というかなんでスマッシュが…)

 

「あの!!」

 

と思考に耽っていた戦兎を黒子が呼び戻した。

 

「先ほどはその、助かりましたの。風紀委員(ジャッジメント)を代表してお礼致しますわ」

「ん、いやいや礼を言われるほどじゃ…」

 

ガチャ、と。

ボトルを握る手にテレポートさせた手錠がかかっていた。

 

「へっ?」

「それはそれとして、器物損壊、並びに先ほどの件の重要参考人として拘束致しますの」

「うそーん!!!!???」

 




戦闘描写は難しいですね。短めにまとめてしまいがちです。
これで1章は終了。次話からは第2章になります。
第2章はおそらく2話か3話程度で終わると思います。ついにアイツが登場しますよ。

仮面ライダージオウ15話視聴。
ソウゴの見た夢に出てきた男、帽子を被ったシルエットは・・・
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