とある科学のベストマッチ    作:茶の出がらし

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戦兎「科学、そして超能力を司る街、学園都市で目覚めた天っ才物理学者の桐生戦兎は、学園都市最強の7人の1人、超電磁砲(れーるがん)の御坂美琴、その友人である白井黒子、佐天涙子、初春飾利と出会い、自身が別世界で戦っていた仮面ライダーであることを告げる。」

万丈「一方、マジ最強、マジ無敵のプロテインの貴公子、万丈龍我は、教員である小萌や警備員(アンチスキル)の黄泉川と共に、この街にいるだろう戦兎を探すのだが、突如としてスマッシュが出現してしまう。」

戦兎「マジ最強って、語彙力が小学5年生並だな。大体ゴミ捨て場で拾われるとか、人間としてどうかと思うわ」

万丈「お前だって公園で目覚めてたとかポークレスじゃねえか」

戦兎「んん~?ホームレスのことかな~?さっ、語彙力小学3年生の万丈とついに再会した戦兎は、美琴達に何を語るのか。第7話、お見逃しなく!!」


第三章 幻想御手
第七話 いままでと、これからと


「つまり、じゃん」

 

黄泉川はそう言って前を見る。場所は警備員(アンチスキル)の詰め所、ではなく、黄泉川と小萌が働いているとある高校の一教室だった。

 

「桐生と万丈はこことは違う世界にいて、その世界を侵略しようとしていた宇宙人を倒し、戦争とか高い壁やらをなかったことにするために『新世界』を作った、と」

 

「概ねそんなところです。」

 

黄泉川のまとめに戦兎がうなずく。教室は普段は使われていないのか、机や椅子がまばらにしかなく、皆思い思いの場所に座っていた。

 

戦兎は自分の前方、教壇の上に椅子を置き、椅子に座っていた黄泉川の隣、足が届いていない小萌が口を開く。

 

「万丈ちゃんや戦兎ちゃんがいた世界というのは、10年前には火星への有人飛行が実現してるんですよね?学園都市の技術でもまだ成しえていないことを」

 

「はい。そして火星で見つけたパンドラボックスの影響でスカイウォールが出現。それを取り戻しにやってきた地球外生命体によって地球は壊滅寸前まで追い込まれました。」

 

戦兎にとってはつい1日前までの世界の出来事を、改めて説明する。

 

「・・・小萌先生、どう思うじゃん?」

 

「どうもこうも、夢物語の世迷言にしか聞こえませんけど、実際にああいう怪物が現れた以上」

 

「信じざるを得ない、じゃんね」

 

教員陣の意見がまとまった。戦兎としてはこの2人に信じてもらえないと話が進まないので内心胸を撫で下ろした。

 

「で、スマッシュっていうのは結局何なの?」

 

教室の窓側、風紀委員(ジャッジメント)の事務所からやってきた美琴が戦兎に聞く。その隣や後ろには黒子、初春、涙子の3人も座っていた。

 

「人間がネビュラガスを体内に取り込むことによって急激な細胞分裂と細胞変質がおき、一定値を超えて変異した姿だ。スマッシュになると多くの人間は自我を失い、強い闘争精神を持つようになる。」

 

「つまり、暴走するということですの?」

 

「そうだ。ただし一定のハザードレベルであればスマッシュに変身することはない。」

 

「ハザードレベル?」

 

聞きなれない単語に初春が聞き返す。

 

「ハザードレベルっていうのは、あれだよ、体に秘められたすげーパワーだ」

 

「ちがうよ馬鹿。話がこじれるから黙ってろ。・・・ハザードレベルは、ネビュラガスに対する耐性値だ。これが高いとネビュラガスの症状を抑えることが出来る」

 

「病気に対する抗体、みたいなものですわね」

 

「ああ。だが病気と決定的に違うのは、ハザードレベル1、つまりほとんど耐性のない人間がガスを摂取すると・・・死ぬ」

 

戦兎のその言葉に万丈を除いた全員に驚きが走る。万丈は相手にされないことに拗ねたのか、美琴たちの後ろ側の席に座り、再会したばかりのグレートクローズドラゴンを撫でている。

美琴の後ろにいた涙子が昼間にも抱いた疑問を聞く。

 

「何でそんなものが学園都市にあるんですか?そのガスって戦兎さんの世界にしかないものなんですよね?」

 

「それはわからない。だが、少なくともこの街の学生がネビュラガスを吸って死ぬことはほぼないと思う」

 

「何でそんなことがわかるじゃん?」

 

黄泉川の発言に戦兎はビルドフォンを取り出す。そして、

 

「万丈、ドラゴンを貸してくれ」

 

「ん?おお」

 

とじゃれていたドラゴンに「いけ」と言う。クローズドラゴンは空中で旋回し、戦兎の近くまで飛んでいった。

 

「ちょーっとごめんなー」

 

そう言って戦兎はビルドフォンから伸びたコードの端子をドラゴンのボディに差し込む。すると

 

「プロジェクターですね」

 

「何だよコレ!めっちゃ便利だな」

 

はしゃぐ万丈をよそに、ビルドフォンを操作。廊下側の壁に映し出だされたのは広場に出たスマッシュと繁華街のスマッシュに変身した学生のデータだった。

 

「これは?」

 

「さっきの男と、一件目の変身者の身体をスキャンした画像です。」

 

「一件目に関しては桐生さんに頼まれて病院から譲ってもらいました」

 

戦兎の言葉に初春が補足する。

 

「これがガスとどんな関係がありますの?」

 

「この二人の脳や細胞の性質にはいくつかの共通点があった。それに、これを見てくれ」

 

「これは・・・アンタの身体データ?」

 

英語表記の戦兎の名前を見た美琴の言葉に戦兎は首肯する。

 

「そうだ。俺の身体のスキャンデータなんだが、二人の共通点が俺の身体にもあることがわかったんだ。つまり、この共通点によって一定のハザードレベルを保っている、というのが俺の仮説だ。」

 

「どういうことじゃん?お前と、いわば違う世界の学生になんで共通点が・・・」

 

問う黄泉川に対し、席を立った小萌が戦兎とほか二人のデータを見比べ、言う。

 

「これ・・・カリキュラムの初期段階に投与する薬品による反応みたいですね」

 

「カリキュラムというと、超能力開発のことですね?・・・そうか、偶発的かどうかはわからないけど、その薬品による反応がハザードレベルを擬似的に上昇させて、スマッシュに変身できるまでになったということか」

 

小萌の言葉に戦兎のアンテナが立つ。そんな戦兎の言葉に美琴は気付いたことを聞いた。。

 

「てことは、アンタもそのガスを吸ったことがあるってこと?」

 

「ああ。万丈も俺も、ネビュラガスを投与されてる。潜在的な適応力と、少量ずつ段階的な投与によってハザードレベルが上がってるんだ。だから人間の姿のままでいられるし-」

 

そう言いながら椅子の横においていたビルドドライバーを掲げ

 

「こいつを使って変身できる。」

 

「仮面ライダー、でしたっけ」

 

涙子の言葉に黄泉川が反応する。

 

「そのハザードレベルっていうのが高ければ、誰でもそのライダーになれるってことじゃん?」

 

「理論上は可能です。ただ、ライダーシステムは人間の感情によって大きく左右されるものなので、そう簡単には変身できません。それに・・・」

 

「ん?」

 

ハザードレベルが高く、使いこなせたとしても、過度な使用や急激なハザードレベルの上昇は、場合によっては変身者の消滅の恐れがある。

 

それはかつての一海―仮面ライダーグリスや幻さん―仮面ライダーローグのように。

 

「どうしたんですか?戦兎さん」

 

かつて散っていった仲間のことを思い出し、思わず顔をしかめていた戦兎に涙子が声をかける。

 

いや、なんでもないよ、と言い黄泉川に向き直る。

 

「俺から話せるのは以上です。突拍子な話だとは思いますが、信じてもらえますか?」

 

戦兎の言葉にまず声を上げたのは涙子だった。

 

「私信じますよ。話の内容はよくわからなかったけど、戦兎さんと万丈さんは嘘をつくような人じゃないと思います」

 

「私も、実際に怪物がいるわけですし、信じられると思います。」

 

涙子に続き初春も同意する。

 

「・・・正直、まだ疑わしくは思っていますの。」

 

黒子は風紀委員(ジャッジメント)という立場からか、慎重に言葉を紡ぐ。

 

「ただ、あのスマッシュやあなた方の力は現実に存在してるものですの。・・・わたくしの目で見たものなら信じるより他ありませんわ」

 

「白井さん!」

 

黒子の言葉に初春と涙子は嬉しそうに笑う。

 

「私は」

 

とそんな中、美琴が戦兎を見据えて言葉を作った。

 

「正直アンタたちがどこの住人でもいい。でも、あんな怪物がまた暴れてるのは許せない。罪のない人が傷つくなんてもってのほかよ」

 

「お姉様・・・」

 

「だから、アンタたちが元の世界とやらに帰るにしても、怪物騒ぎにケリをつけてからにして。そのためならファンタジーだろうがオカルトだろうが信じてやるわよ」

 

「ああ、約束する。」

 

美琴の言葉に戦兎はしっかり頷いた。それを見た美琴は再びを腕を組み座った。

戦兎は再び黄泉川の方へ振り返り言う。

 

「わかってほしいのは、俺たちは学園都市に対して敵意はありません。スマッシュが発生する原因を突き止め、この世界に来たプロセスを解明して新世界に行くことだけが望みなんです」

 

「・・・敵意がないのはわかってるじゃん。子供たちを助けてくれた恩もある・・・。だが、身元不明の人間二人がこの街で生きていくのは厳しいじゃん」

 

そう言って黄泉川は腕を組み、唸る。

と、はっとなって何かに気づいたかのように携帯端末を操作した初春が

 

「あの!!」

 

「どうしたんですの?初春」

 

「桐生さんって、物理学者ということは頭いいんですよね!?」

 

「もちろん。天っ才だからな」

 

なぜためるじゃん・・・とあきれる黄泉川だったが、お構い無しに初春は言う。

 

「今、うちの中学校で臨時の教員枠があるのを思い出しまして、特別採用って形で優秀な人材を探しているらしいんですけど」

 

「本当?初春?」

 

「はい、しかも採用試験に受かれば免許も必要ないそうです。上手すぎる話ですけど、これなら」

 

初春の言葉に、しかし小萌が首を振る。

 

「そもそもお二人は学園都市の住民権を持っていません。ゲストIDがあればまだ言い訳も聞きますが・・・」

 

その言葉に初春と涙子がしゅんとなる。それを見た黄泉川が

 

「・・・しゃあないっ!IDの件はわたしがどうにかするじゃん」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

戦兎の言葉に黄泉川はうなずく。

 

「桐生には子供を救ってもらったし、万丈には命を救ってもらった。借りはキチンと返すのが私のモットーじゃん」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

お前も頭下げなさいよ、と万丈に言って二人で頭を下げる。

 

「ところで、アンタはその試験受ければいいけど、そっちのアンタはどうすんの?同じく試験受けるの?」

 

と美琴が万丈を示して言った。

 

「いや、万丈の知能はサル並だ。むしろ万丈を学校に通わせてちゃんとした知性を持ってほしいくらいだからな」

 

「だからサルはやめろっつってんだろ!」

 

「それについてなんだがな」

 

わめく万丈に黄泉川は言う。

 

「万丈、お前は警備員(アンチスキル)に入れ」

 

「はあ?」

 

疑問符を浮かべる万丈に黄泉川は言う

 

「もしまたスマッシュが現れた時、即戦力になる奴が必要だろ?それに、その腕っ節なら警備員(アンチスキル)にぴったりじゃん」

 

「そうだな。お前みたいな筋肉馬鹿雇ってくれるだけでもありがたいと思いなさいよ」

 

「なんか馬鹿にされている気がするけど・・・ま、いいか」

 

(バカだわ)

(バカですね)

(バカだなー)

(バカですわ)

(おバカなのです)

 

学園都市の面々にも万丈龍我という男のことを理解してもらえた。

 

そんな形で。

 

戦兎と万丈の今後の方針は決まっていったのであった。

 




年末の仕事が忙しくしばらく投稿できませんでした。

平ジェネまだ見れてません・・・、ネタバレを踏まないよう懸命にツイッターを絶っています。

次のジオウには仮面ライダーウォズも出て、ますます盛り上がっていきますね!!!
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