佐天「戦兎さん達の扱いって結局どうなるんですか?」
黄泉川「学園都市外からの客員研究者とその助手、ってことにしてるじゃん」
戦兎「ちょっと、助手ってもしかしてあの馬鹿のことですか?俺の天っ才の名が汚れるので『ペット』に変えといてください」
黄泉川「ただでさえグレーゾーンの扱いなのにそんなことできるか!」
佐天「というか、戸籍もないのによくそんな扱いになりましたね」
黄泉川「知り合いにそういう裏工作に詳しい奴がいてな、無理を聞いてもらったんだ」
戦兎「あの馬鹿が俺の助手・・・想像するだけでI.Qが下がる・・・」
黄泉川「・・・感謝のかけらも感じられないじゃん・・・」
佐天「まあまあ。戦兎さんと万丈さん、お二人の学園都市の生活はどうなるのか?どうなる第8話!」
戦兎「あっ、いつのまに!!」
佐天「一回やってみたかったんです♪」
「さあ、授業を始めようか」
暦上では7月11日。戦兎と万丈が学園都市で目覚めてからはや一週間と2日が経ち、戦兎は 初春と涙子の通う柵川中学校の教壇に立っていた。
「桐生先生。自己紹介をと言ったのですが・・・」
「あ、すいません」
隣の教員―大圄先生の言葉に頭を下げ、改めて教室を見渡す。スタンダードなセーラー服 に身を包んだ子供たちがぽかん、とした表情でこちらを見ていた。
「改めて、今日から理科分野を担当する桐生戦兎です。趣味は発明、好きなものは卵焼き(甘め)科学に関することなら何でも聞いてください。よろしく」
「桐生先生は、特別採用枠で着任しました。まだ学園都市に来たばかりらしいので、皆も仲良くしてくれな」
じゃあ先生、私はこれで、と言って大圄先生が教室から出る。
「さて、改めて授業を始めようか」
そう言って戦兎は黒板に向かった。
~10分後~
「―つまり、地球上の重力加速度は9.80665 m / s2ということがわかる。これにより地球の重力を求めるにはー」
「あのー、戦・・・桐生先生」
と涙子が挙手し戦兎に呼びかける。
「ん?どうした佐天」
例の一件以来、何かと話す機会の多かった涙子に答える戦兎、もちろん教室内の生徒は彼が仮面ライダーとは知らない。
「私たち中1なので、重力加速度?とかまだやってないんですけど・・・」
「うそーん・・・じゃあ中学生ってなにやるんだ?」
うーんと唸り、教科書をめくる戦兎は、あるページで手を止める。
「・・・これいいな」
そう言って生徒たちの方に向き直り、
「さあ!実験を始めようか!」
※
「お姉様。お姉様!!」
「うん?」
常盤台中学の食堂。その一角で昼食を摂っていた黒子は、目の前の美琴に声をかけた。
「どうしましたの?ここ数日心ここに在らずと言った感じですわよ?」
「そんなこと・・・ないわよ」
そう言って美琴は残っていたスープを飲み干す。お嬢様学校である常盤台中学の食事は、高級店のランチにも引けを取らないはずだが、何故だかあまり美味しく感じなかった。
「あの2人、さ」
「2人?ああ、桐生さんと万丈さんですの?」
「うん。あれからも何度かスマッシュと戦ってたじゃない?」
戦兎と万丈は、あの話し合いの後から学園都市で行動を開始していた。戦兎は教員になるための試験を受け(満点合格で即採用だったらしい)、黄泉川の紹介で格安のマンションの 一室(なんでも建築学系大学の実証実験で作られたらしく、破格の値段らしい)に住居を構え、着々と生活の準備をしていた。
万丈は黄泉川の後輩として
そして、その間にもさらに三件、スマッシュが、現れる事件が発生し、その度に2人は変身して戦った。
「スマッシュの事件はなにぶん被害が大きくなりがちですし、それと戦うお二人もかなりお目立ちになりますので、巷では都市伝説化してると佐天さんがおっしゃってましたわ」
「この間のブレッドスマッシュ?とかね。辺り構わず飛ぶ銃弾を磁力で集めたから良かったものの、放っておいたら辺り一面蜂の巣状態だったわよ」
スマッシュはそれぞれ採れる成分から個体名をつけるらしく、先のブレッドスマッシュからはガトリングのボトルが採取できたらしい。
「ネビュラガスを摂取するとスマッシュになる。今までの人たちは全員そうだったでしょ?」
?」
「それがどうかしまして?」
「うん。それって、私や黒子もそうなる可能性がある、ってことなんだって思うと、なんかね・・・」
「それは・・・」
美琴の言葉に黒子は口をつむぐ。スマッシュに変身したのは学生ということ以外の共通点は見つからず、ランダムにガスを投与してるというのが戦兎の見解。しかし、誰がなんのためにやっているのか、原因の尻尾も掴めていない状態だ。
「ううん、それだけじゃない。もしもあの時・・・始めてスマッシュが現れた時、あのガスが、男じゃなくて子どもに向かっていたらって思ったらさ」
美琴はスプーンを弄びながら、言った。
「ねえ黒子、そうなってもアイツらはいつも通りスマッシュを倒すのかな」
「・・・わかりませんわ。彼らとはまだ知り合ったばかりですもの。それに、ここ最近立て続けにいろいろなことが起きてますの。誰だって戸惑いますわ」
「そうよね・・・でも」
そう言って美琴は窓を見る。
「そうなったら私はどうするんだろ・・・」
その言葉に、黒子はなにも言えなかった。
「実験の結果と、疑問点をまとめてくること。あ、明日からは普通に授業できるようにしとくからそのつもりで」
言って、戦兎は教室を出る。時刻は昼時。今日の戦兎の受け持ちはこれで終了なのでここから先は職員室で授業の準備をするだけとなる。
メシどうすっかなぁと考えていると後ろから声をかけられた。
「桐生先生、お昼一緒に食べませんか?」
振り返ると初春と涙子がそれぞれ弁当箱を持って声をかけてきた。
「佐天に初春か。一緒に食べたいのは山々なんだけど、このあとやることがあってさ」
「やることって、授業の準備とかですか?」
初春の言葉に戦兎は首を振る。
「それもあるけど、今のうちにこのあいだのボトルの解析や、前使ってた発明品の修理をしたくてさ。午後から科学実験室を貸してもらう予定なんだ」
勿論その許可を取った大圄先生には、授業の準備と伝えたのだが
「ボトルの解析ですか。それならしょうがないですね」
「桐生さん、あれ関係になると周り見えなくなりますからね・・・」
初春は先日スマッシュを倒した時のことを思い出して言った。
「いやあれは、ベストマッチになる組み合わせのボトルが手に入ったからテンション上がるぅーーー⤴⤴ってなっただけで」
「そのことを言ってるんですよ。万丈さんに引きずられて帰るまで気付かないとか重症です」
す」
「す、すいません・・・」
と謝る戦兎をよそにあーあ、と涙子は言う。
「先生誘えなかったって言ったら皆がっかりするかなあ」
「そうですね、皆さん先生とお話したそうでしたから」
「なんで?」
疑問符を浮かべる戦兎に涙子は言う。
「そりゃ、あんなに楽しい授業でしたし、戦兎さんイケメンだからですよ。みんなすごい話したがってたし、炎色反応でしたっけ?炎がいろんな色に変わって綺麗だったよねー、初春」
話したがってたし、炎色反応でしたっけ?炎がいろんな色に変わって綺麗だったよねー、初春」
「はい!入れる物質によって色が変わるなんてとっても面白かったです!なんでこうなるのかなーってすごい興味が湧きました」
「あ!私も!小学校の理科の実験とかは、ただ実験やって『こういう結果になりましたね』でおしまいで、自分からなんで?って思うことってあまりなかったんだよね」
2人の言葉に戦兎は微笑んだ。
「科学の根底は『なんで?』っていう疑問だ。仕組みを、その本質を知りたいという気持ちが科学を発展させてきたんだ。」
ちが科学を発展させてきたんだ。」
言って、窓の外の街を見る。
「この学園都市だって、そういう純粋な気持ちから産まれたはずだ。だからこそ多くの人が笑っている街になっているんだと思う。」
が笑っている街になってるんだと思う」
「純粋な、気持ち・・・」
涙子のつぶやきに戦兎は頷く。
「勿論、時に科学は悪用されることもあるけど、科学は愛と平和を創るためにあるんだ。それを実感してくれたなら嬉しいけどね」
それを実感してくれたならうれしいけどね」
「愛と平和って、随分大きな話ですね」
「そんなことないさ。誰だって持ってる大事なものだよ」
言って、戦兎はビルドフォンの時計を示す。
「さっ、飯食う時間なくなっちまうぞ?」
「本当だ!佐天さん、教室に戻りましょう!」
「えっ?ああ、うん。そうだね」
初春と涙子は元来た道を駆ける。
「先生また後でー!!」
「廊下走んなよー」
一生でまさかこのセリフ言うとはなー、と一人感慨にふけりながら見送ったせいだろう。
いつもと違う涙子の様子に、戦兎は気付くことができなかった。
※
平日昼間の学園都市は人通りが少ない。
それもそのはず、学生が人口の八割を占めているため、ほとんどが授業を受けているからだ。
だが、どの世界の学校も優等生ばかりというわけではなく。
この学園都市にもいわゆる不良は存在する。
スキルアウト、無能力者で組織された学生の集団であり、中には武装した者たちも存在する。
「万丈君。繁華街にスキルアウトの集団がいるらしい 武装はしてないから大丈夫だとは思うけど、念のため見てきてもらえないかな?」
「了解っす」
第七学区詰所にて、腕立て伏せをしていた万丈は先輩の言葉に頷いた。時刻は午後1時過ぎ。昼どうすっかなーと考えていたのでついでに食ってくるかと立ち上がり、傍の椅子に掛けておいた支給品のベストを着る。ちなみにいつも腰に巻いているスカジャンは付けていない。仕事初日に巻いて来たら黄泉川に殴られ、置いてこいと厳命されたのだ。
「よっと」
ポケットからビルドフォンを取り出す。ちなみにこれは戦兎が作成した二号機である。学園都市中を走り回った戦兎が研究機関から出た廃棄機材やら廃棄家電やらを片っ端から集めて(運搬したのは誰だと思う?万丈だ)、新居の大部分をラボに改装した際、
「お前絶対迷うから」
と言って有り合わせの機材で作ってしまったのだ。ちなみに本来はライオンフルボトルを装填して使用するのだが、現状準備できないのでドラゴンフルボトルで代用できるように設計してあるらしい。万丈には全く仕組みを理解できないが、移動手段があるのは素直に喜ばしいことだった。
前の文章と同じ事が書かれていますよ
カチャカチャとドラゴンフルボトルを振り、ボトルスロットに差し込んで放る。
【ビルドチェンジ】
という音声と共に携帯モードのビルドフォンからバイク形態のマシンビルダ―に変形した。ハンドルにかかってるヘルメットを被って またがり、出発する。
『ツギノシンゴウヲミギヘ』
ヘルメットに内蔵されたスピーカーからの指示通り進む。これも戦兎がつけた機能で、
戦兎曰く、
「万が一迷ってまた逮捕されて脱獄されても困る」
とのことらしい。
『モクテキチシュウヘンデス』
と言われ辺りを見渡すと、それっぽい集団がゲームセンターの前でたむろっているのが見えた。
「オイお前ら、昼間っから何やってんだ?」
「あん?」
4人のスキルアウトが一人の学生を囲んでいる。ひ弱そうな男子学生を見ると唇が切れているのか、血が滲んでいた。
「・・・なんもしてねえよ。ちょっと話してただけだ。なあ?」
「・・・はい」
スキルアウトの一人の言葉に男子学生は震えた声で答える。どうみても何かがあったことは明らかだ。
「なんもしてねえわけねえだろ。コイツ怪我してんじゃねえか」
「本人がなんもなかったって言ってんだろ。しつけえんだよ」
「オイ!!・・・ったく」
万丈の言葉に答えつつ、スキルアウトの四人は去っていった。万丈は目の前の男子学生に向き直ると。
「大丈夫か?あいつらに何されてた?」
万丈の言葉に男子学生は、本人の物なのか落ちていたカバンを拾い上げ
「・・・来るのが遅いんだよ。くそっ」
と恨むような声色で万丈に言い放ち、早足でスキルアウトとは逆方向に去っていった。
「なんだあいつ・・・」
と言いつつ万丈は辺りを見回す。すると、小さい長方形の白い物体・・・USBメモリが落ちていた。側面には名前を書く欄なのだろう。英語で何か書いてあった。
「なんだこれ、ればる、うぷぷえぁー?」
ローマ字読みすらままならない万丈も、直前の出来事からの推測はできるらしく、
「これって、あいつのか?」
と呟き、万丈はマシンビルダ―をビルドフォンに戻し、男子学生の方へ駆けていった。スキルアウトに怪我でもさせられたのか、学生の歩くスピードは遅く、そう遠くは離れてい なかった。
「おーい!!」
万丈の呼びかけに男子学生は振り返る。めんどくさそうな表情のまま男子学生は言う。
「なんですか・・・?急いでいるんですけど」
「わりいな。これ落ちてたんだけどお前のじゃないかって思って」
万丈は先ほど拾ったUSBメモリを見せる。
「ッ!!返せ!!!」
男子学生は血相を変えて万丈の手からメモリをひったくる。
「なんだよ、せっかく拾ったってやったのに・・・、そんなに大事なモンなのか?」
「・・・あんたには関係ない」
そう言って踵を返し、再び歩いて行った。
「変な奴」
と言って万丈は元来た道を引き返す。大通りまで歩いたところで見知った中学生がいるのを見つけた。
「あれ?みかさじゃん。サボりかー?」
常盤台の制服を着た少女は万丈を見ると、噛みつくように言う。
「御坂よみ・さ・か!!変な覚え方するな!!」
「あれ?そうだっけ?」
そう言って万丈は美琴に近づく。
「何よアンタ、仕事中なんじゃないの?」
「おう。今さっきそこでスキルマイトの連中がうろついてるって言われてな」
「スキルアウトでしょ?どういう言い間違いよ・・・」
「お前は何やってんだ?サボっちゃダメだろ学校は」
「サボってないわよ。うちの学校は今の時期夏休み前の短縮授業だから午前で終わりなの」
「へえ・・・あれ?いつもの連中は一緒じゃねえのか?黒井とか。」
「・・・わざとやってんじゃないでしょうね」
「はあ?なにがだよ」
「・・・はあ。黒子なら
あと白井よ、白井。と言って美琴は万丈を改めて見る。
「・・・意外と似合ってるわね、それ」
と言って万丈の服装―
「そうか?まあ昔東都兵の服かっぱらった時もこんなの着たしなあ」
「かっぱらったって、どんな生活してたのよアンタ・・・」
げんなりしている美琴に、脱獄してたとか言わない方がいいよなあと考えていると、万丈のポケットからビルドフォンの着信音が鳴った
「もしもし?」
『万丈か、今どこにいるじゃん?』
「黄泉川さんか。通報があった場所らへんにいる。今から戻るぜ」
『通報?ああ、さっきのスキルアウトか。それより、そこから少し離れた地点から通報があったらしい。スマッシュの可能性もあるから念のため向かってくれ』
「おお、わかった」
『お前の携帯に位置情報を送ったじゃん。詰所からも何人か向かわせるからな、変身する事態になったら周りに見られないよう注意しろよ』
「了解」
と言って電話を切り、再びビルドフォンに装填するボトルを取り出した。
「何かあったの?」
「ああ、なんかあったらしくて、とりあえず向かってくれってさ」
「・・・スマッシュ?」
万丈の言葉に美琴が質問する。
「いや、まだわかんねえらしい。まあ行ってみればわかんだろ」
と言ってビルドフォンにドラゴンフルボトルを差し込み道路へ放る。
【ビルドチェンジ】
「じゃなみかさ。帰り気をつけろよ」
「み・さ・か!!じゃなくて、私もついていく」
「はあ?」
ヘルメットを被った万丈が美琴に行った。
「もしスマッシュだったら、何か役に立てるかもしれないでしょ?」
「いやでも、戦兎から、お前らをなるべく巻き込むなって言われてるし」
「なるべくってことなら絶対じゃないんでしょ?それにアンタ馬鹿だから正体ばれるかもしれないし」
「馬鹿っていうなよ!!せめて筋肉つけろ!ったく・・・」
観念したかのようにマシンビルダ―のシート下スペースから予備のヘルメットを取り出し 、美琴に投げる。
「めんどくせえからもういいや。さっさと乗れよ」
「わかってるわよ」
ちょろい、そう思いながら美琴はマシンビルダ―の後ろに腰掛けた。
※
「万丈さんに・・・お姉さま!?」
数分後。
黄泉川に言われた場所には
「おー黒、じゃなかった白井。なんでここにいるんだ?」
「通報があったので来ましたの。それより!!」
と言ってマシンビルダ―から降りた美琴の前にテレポートする。
「お姉さま!!黒子というものがありながらどうして万丈さんのバイクに相乗りしておりますの!?」
「どうしてって、たまたまあいつに会って、事件だって言うから・・・」
「ならば!!わたくしに一声お声がけしてくださればいいのに!!一瞬でお送りしましたのに!!」
「いやアンタ、そこは『事件に首を突っ込むのはおよしになってくださいませ』とか言わないのね」
「・・・それもそうですわね。ではお姉さま、ここは危険なので黒子が送って差し上げますわーー!!」
と言って抱き着こうとする黒子だったが。
「やめなさいっ!!」
バチッ!という音と共に雷撃を食らい、地面に突っ伏した。
「おおー、すげー、ビリビリだ」
「ビリビリ言うな!で黒子、何があったの?」
慣れているのか、既に復帰した黒子は万丈と美琴に言う。
「最近多発している爆発事件ですわ。これで五件目になりますの」
「ああ、例のあれね」
2人が話している事件というのは、ここ最近第7学区を中心に発生している爆発物事件のことだ。いずれの事件も怪我人は出ていないが、爆発の規模は着実に大きくなってきているという。
「そんなのあったかあ?」
「ここ数日で5件、第七学区の公園やゴミ捨て場などで爆発物の爆破が相次いでいますの。どれも小規模なものでけが人は出ておりませんが、事件の頻度や少しずつ大きくなっていく爆発の規模に、
「愉快犯だとしても、笑えない話ね・・・犯人の目星はついてるの?」
「昨日、ようやく手がかりがつかめましたの。グラビトンってご存知ですか?」
「ぐらびとん?」
「重力子のことだっけ?」
万丈がわかるはずもなくおうむ返しし、美琴は正解を言い当てる。黒子は頷いて続きを話した。
「どのケースも、爆発の直前に重力子の急激な加速を衛星が確認していましたの。どうやらアルミを起点に重力子の速度を爆発的に加速させて、一気に周囲にまき散らす。つまりアルミを爆弾に変えていた、ということですわ」
「なんだそれ、あぶねえな。アルミって言ったら缶とかのアルミだろ?」
「ジュースの缶が爆弾になるなんて、物騒な話ね。でもなんでアルミなの?」
「さあ、そこまでは・・・」
「ふうん・・・、まあでも、それってつまり能力者の仕業ってことでしょ?なら学園都市の
美琴の指摘に黒子は頷く。
「勿論検索しましたわ。該当する能力は量子変速。それもただのアルミを爆弾にするほどの能力者となると、レベル4の生徒一人だけ」
「だったらそいつ捕まえればいいじゃねえか」
何とか話の流れを聞いていた万丈が言うが、黒子は首を横に振った。
「ところが、その生徒にはアリバイがありますの。ずっと入院していて、一連の事件を起こすのは不可能なのですのよ」
「なるほど、それでどんづまりってわけね」
「ええ。まさか
「・・・ひょっとして、まだ登録されていない能力者がいる!!とか」
「んー」
美琴の現実離れした意見に黒子は閉口する。言った美琴は少しだけテンションが上がっている様子だ。
「ねえ、犯人見つけるの私も手伝ってあげようか?」
「結構ですの」
美琴の提案を黒子は頑として拒否する。
「?なんでだよ?コイツ強いし手伝ってもらった方がいいんじゃね?」
万丈の気楽な言葉に額に手をあてつつ、黒子は言った。
「いいですの万丈さん。お姉さまは今『これってちょっと面白いかも。相手次第じゃ腕試ししてやろうじゃない』などとお考えですの」
「そ、そんなこと思って—」
「とぼけても駄目ですの。黒子はお見通しですの」
視線を逸らす美琴に黒子は言う。
「それに、いつも申し上げている通りお姉さまはあくまでも一般人。治安維持活動は—」
「『
「いたずらな好奇心や興味本位で勤まるほど、
「そんなの今は関係ないじゃ—」
「いえ!!」
言いかけの美琴にビシッ!!と指を突き付け黒子は制する。
「いい機会だからはっきり言っておきます。一つ、不用意に事件に関わろうとしないこと!!二つ、事件に遭遇しても
「それはアンタたちが来るのが遅いだけじゃない!!」
「三つ!スカートの下に短パンを履かないこと!!」
「それはまったく関係ないでしょうが!!」
はあはあ、と息を切らしながら反論した美琴に黒子は追い打ちをかける。
「いーえ、そもそもそういう身だしなみからして常盤台中学の品格を台無しにしてますの。短パンならまだマシですがお姉様ったら寝間着は子供っぽいパステル柄、下着ですら女児向けキャラものやフルーツ柄、これではレベル5の看板に傷が付きかねるどころか、女子中学生としてのセンスすら欠落していると思われてしまいますわ。」
「あ、アンタねぇ・・・」
バチッっと美琴の髪から紫電が弾ける。通常の感覚と知性を持った人間であれば不用意なことは言わず、一目散に逃げるだろう。
だが、命知らずにもその不用意な発言をしうる、この場の危険性がわかってない黒子以外の人間がいるとしたら、誰だと思う?
「それって、イチゴのパンツとかか?」
万丈だ。
「いえ、イチゴ柄ならまだよかったんですの。お姉様ったら先週もゲコ太のパンツなんていう今時小学生でも履かないような下着を買ってきましたの」
「ふーん、ま、パンツなんか誰が見るわけでもねえんだし、幼稚な奴でもいいんじゃねえの?」
「何を言ってますの万丈さん!常盤台のエースが小学生向けのゲコ太パンツを履いてるなんて知られては、レベル5としての威厳が保てませんの。それに―」
「・・・いい加減にしろッ!!!!」
「「ギャアアアア!?」」
バチイ!!
美琴の言葉と共に、電撃が馬鹿二人に走った。
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
pcの液晶がクラッシュし、投稿ができなくて困ってました。アマゾン初売りセールでパソコンを購入して、現在データを取り出し中です・・・。泣きそう。
第8話では戦兎と万丈の学園都市での生活が少しだけ描かれています。彼らも大人なので仕事をする姿を書きたかったので。
ちなみに万丈のビルドフォン、およびその機能についてはオリジナル要素になります。
毎回コメントやたくさんのアクセス、また誤字の報告などありがとうございます。おかげさまで21000UAを頂いたそうです。ひとえに皆様のおかげです。
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