その名はーー。
「ドラゴンボール超 ブロリー」で何故かブロリーに萌えてしまった作者が、旧劇場版のIFストーリーを書くだけ。
宇宙を漂う星々の光。
その光に照らされながら暗い宇宙を旅する存在がいた。
意識は無い。だが、その存在は復讐心と悲しみを胸にしながら傷ついた身体を癒し、ある"男"を倒すためにと無意識のうちに自らの身体を癒せる場所を探していた……。
そして、二人の間に介在する強い『運命』は超戦士を引き合わせる。
そこから数年後。
その存在が宇宙を漂いながらたどり着いた場所で物語は始まる。
そこは地球。
その存在が求める男は、その青い惑星に移り住み、育ち、
……一度、その存在を辛うじて倒し、その後、この惑星で誕生した「未来から来た生命体」との戦いの中で死んでいた。
しかし、その男の息子達は地球で育ち、平和な生活を送っていた。
そこで現れる身体を氷の下で癒し、その"男"と再戦を望む存在。
ーーだが、ここに来る前にその存在の『運命』の歯車はひとつだけズレていた。
その存在の父親が正しい筋書きにおいて自分だけ助かろうとする……筈だった。
ーーしかし、父親が最期に見せたのは息子への優しさだった。
『ブロリー…お前はよく頑張った。今は休め。……そして、俺が居ない星で生きていてくれれば良い。』
本来の筋書きにおいて父親が彗星の迫る星から一人で脱出しようとする場面は、手下の手違いで一人用のポッドが用意されておらず、手下達に脱出用のポッドを用意させている時間、父親は、その存在と、男とその仲間達が戦っている場面を最後まで見届けてーー
ーーその男達に倒された息子の姿を見た。
『ま、待て!俺達の負けだ!……だから、息子を見逃してくれ……』
その存在の父親が間に割って入り、戦っていた男も仲間達を宥めながらその父親の行動を認めた。
些細な違いだ。大して変わり無いだろう。……もし、この二人の物語を正しい筋書きを知っている人間が居たのならそんな感想を言うのではないだろうか?
しかし、この『些細な違い』が物語の筋書きを大々的に歪ませた。
かくして、歪んだ筋書きのまま物語は始まった。
引かれ合うふたり!超戦士は眠れない‼︎
ある存在を乗せた一つの宇宙ポッドは青い惑星に辿り着き、目覚めたその存在は"男"を倒そうと、宇宙ポッドから這い出すが、受けたダメージは想像以上に大きく、傷ついた身体は持ち主の言うことを聞かなかった。
そして、その存在は氷の下に閉じ込められてしまった……。
それから"4年後"。その存在の身体は未だに癒されてはいなかったが、突然の地震による影響によって氷は砕け、その存在は叩き起こされてしまった……。
エイジ771年。とある街でカプセルコーポレーションにて、未来から来た人造人間達との激闘を終えたZ戦士達は各々が望む生活を過ごしながら平和に暮らしていた。そのうちの一人であるクリリンが去年、人造人間18号と結婚して先月、二人の間に子供が生まれたそうだ。名前はマーロウ。 クリリンはその名を聞いたZ戦士の一人であるヤムチャから「お前、まだ昔の彼女の事引っ張ってんのかよ?」とチャカされていたが「お願いだから18号さんにだけは言わないでくれよな?」と、頼まれると素直に「わかった、わかった。黙っとくよ。」と返すくらいには二人は仲がいいようだった。
そんな浮かれた空気の中、元サイヤ人の王子でもあるエリートサイヤ人ベジータ様は一瞬だけ、かつて倒した存在の気配を感じて……まさかな…。と、その考えを振り払った。
場所は変わって、ある村から少女とその祖父がある場所に向かって歩いていた。
「お爺ちゃん、こっちこっち!」
「ひぃ、ひぃ……ココちゃん、早すぎ…もう少し待って…」
「もう!お爺ちゃんったら、だらしないわね!………あら?」
ナタデ村と呼ばれるこの村では近くで水晶がよく取れるため、昔からその水晶を加工したものなどを資金源にしていた。
ココと呼ばれた少女は母の誕生日が近いため、水晶を使ったプレゼントをしようと、土地に詳しい人間である祖父について来てもらい、そのプレゼントの素材となる水晶を取りに来ていた。
「おじいちゃん、おじいちゃん! ちょっと、こっちに来てよ!」
「へぇ、へぇ、ひぃ、 ひぃ……なんじゃ? 綺麗な水晶が見つかったんか?」
「違うって! 人! 人が倒れてるの!」
「何…!?ほ、本当じゃ! こりゃいかん!直ぐ村に運ぼう!」
「でも、この人の身体…結構大きいよ?多分私たちじゃ運べないよ……」
「ふーむ……何か良い方法がないものかのう……?
……そうじゃ!この近くに加工した水晶を運ぶための荷車が有ったはずじゃ!」
「本当?!何処にあるの!?」
「すぐ近くじゃ! 待っとれ、わしが今取ってくる!」
【こうして伝説の超戦士は地球に降り立った。これから待ち受けるZ戦士達の運命は如何に!?】
続かない