タイトル?気にしてはいけない(戒め)
ぼくの連載している小説を読んでくれている方、続きはもう少しだけお待ちください。あと少しでできます。
ちなみに設定などは自分の小説から流用してます
「ぬわ~!疲れたな~もぉ~!」
「……あぁ。死にかけましたよ……!」
女性のハスキーボイスと、まだ少し幼さの残る男の絞りだしたような声が板張りの廊下に響く。女性は長身に中性的な凛々しい顔つきとブロンドのショートヘア、小麦色の肌と抜群のスタイル。男の方は少し癖のある銀髪と若干日焼けした、少し気だるげな顔つき。女性と同じくらいの身長だった。
どちらも程度は多少違えどくたびれ果てているのは同じようだ。内装は少し壁や天井に痛みはあるが、手入れは行き届いているらしくむしろそれも含めて魅力的と言えるものだった。
「こういう時は早く汗を流してさっぱりした後に……だね!」
「そうですね。伯爵、確かいいのが入ったって今朝喜んでましたよね?一緒にやりませんか?」
「おぉ!君もなかなか度胸があるね!ルシオス君。僕としては可愛い娘じゃなくてちょっと残念だけど、そのウィッチを誘おうという豪胆は嫌いじゃないよ。っとその前に隊長に報告しなきゃ」
二人の歩調が少し早まった。
本来はルシオスが女性……ヴァルトルート・クルピンスキー、通称 伯爵と接触するのは好ましいことではない。理由はクルピンスキーの口から出た“ウィッチ”というものが男性 との接触を半ば禁止されているからである、というのもこの世界においてはウィッチとは人類を存亡の危機から救うといっても過言ではない力を持っているからだ。
しかしこれは男性との性的な接触によってあっさり消えてしまうのだ。それを避けるために所属している軍は男性との接触禁止という傍から見れば、間抜けな軍規を大真面目に制定している。
この二人に関しては殆どお構い無しだが。
「それにしてもルシオス君も中々にユニット……じゃなくてMS泣かせなパイロットだよね~。いくらシールドがないからってあれはボロボロにしすぎなんじゃない?」
そしてもう一つ、ネウロイに対抗しうるものがあった。それがルシオスが駆るMSである。本来ネウロイは魔力を持った者でしか倒せない。それが現状ではウィッチ達のみ……だったが、数年前に男性でも適性があればウィッチのように空を飛び、ネウロイと渡り合うことができる魔法の鎧。
以前はカールスラントにより発禁とされていたが、情勢の悪化やMSについて知ったウィッチから、これほどの画期的な兵器を腐られるのはとんでもないから普及させるべし、という声が挙がりついには全世界に販売されるようになったのだ。
しかしウィッチの空戦装備よりも割高であることなども含めてまだまだ改良すべきところがある、というのが実情である。
「仕方ないじゃないですか。俺だって501での仕事が終わって、もうこんなキツイところ来ると思ってなかったし、ネウロイだって前のとこより強いような気がするんですよね」
「え~?そうかな?今回のは中型だしそこまで強い奴じゃなかったよ。ま、まだ経験が浅いからそう思うだけかもね。そういえば、君の機体って確かリック・ドムだったよね?装見た感じ装甲も厚いし、機動性や運動性も結構いいと思うんだけど」
ルシオスはここ、502に配属される前はヨーロッパのブリタニアに居を構える501にてMSの性能の再テストと宣伝も含めた実戦データの収集だった。そして任務終了と同時にジオンの本社があるノイエ・カールスラントに帰還する……はずだった。
「そう考えると君もついてないよね~。終わって一段落ついたと思ったら今度はオラーシャでさらに最前線だもんね。」
任務が終わり、かねてよりまとめていた記録を提出し実戦データや細かい癖や挙動の問題点やらのレポートを提出したと思いきや今度は502……もとい、寒帯でのMS起動試験を軍から要請されてしまった。
「本当にそうですよ。全く……おっ!つきましたよ」
雑談を交わしながら歩いているとようやく目当ての隊長の執務室についた。
「隊長!報告に参りましたよ」
軽く扉を二階ノックしてヴァルトルートが扉を開ける。そこには502の隊長、グンドュラ・ラル少佐が執務をしていた。
「ご苦労だった。大まかなことはこちらも確認している。どうやら中型が2体とのことだったが体内から小型ネウロイを大量に吐き出す個体だったそうだな?」
労をねぎらうようにヴァルトルートたちに声をかける。かなり明るい茶髪のボブカットにクールで大人びた顔立ちと時折見せる年齢相応の素振りがたまらなく可愛らしい。
「はい。以前に戦った奴は一体だけでしたけど今回は数も多かったし何より強くなってたんです。だから機体が壊れちゃうのは仕方なかったんですよ~」
「なるほど。伯爵程の実力なら切り抜けられると思っていたが、ルシオス。お前も真正面から戦い抜いたそうだな」
「え、えぇ。ギリギリでしたがMSの性能に助けられました。でも、中尉の援護があったからなんとかなったようなものです」
ルシオスにも労いと賞賛の言葉をかける。やはり嬉しいのか照れ笑いを浮かべ反応もどこか上機嫌だった。
ヴァルトルートは面白くないのか後ろ手でルシオスの背中をつねる。急な痛みに驚いてすぐ辺りをキョロキョロと見渡すとムッとしたヴァルトルートがいた。それを注意と受け取ったルシオスはすぐに緩んだ頬を引き締めラルの方に視線を移す。
「正直お前がここまでやるとは思ってなかった。ルシオス。しばらくは前線でデータ採集の名目のもと隊員を援護してもらいた」
腕を組みながらルシオスに前線要員に正式になったことを伝える。それを聞いて言われた本人は傍目にも分かるほど嫌そうな顔をしたが、その姿勢により強調された豊満なバストに目が行き、思わず顔が赤くなる。その刹那今度は足に鋭い痛みが走りすぐに視線を外した。
「では報告はこれまでで下がっていい。ゆっくり休むといい」
「痛てて……確かにウィッチをそういう風に見るのはよくないにしてもちょっとやりすぎですよ!最後のはかなりききましたよ!」
ルシオスを引っ張って退室したヴァルトルートに抗議の声を上げる。しかしお構いなしにヴァルトルートはどんどん先を行く。普段なら軽口や冗談で返す彼女だが、様子がいつもと違うように見えた。
「ルシオス君」
いつにもなく冷たく無機質な声に少しビクッと反応してしまう。
「いくら隊長のおっぱいがすごいからってあんまりじっと見てると先生やサーシャちゃんにこっぴどく怒られるよ~?一応、そういう規則はあるんだからさ」
自身の胸を手で下から支えながら冗談めかしてルシオスに注意した。その仕草にドキッとして赤くなるルシオスを面白そうに見たヴァルトルートはさらに得意げになって続ける。
「ほら、そういう風に女の子を見てると嫌われちゃうよ?ましてやここの子猫ちゃんは真面目な娘が多いんだからさ~」
かなり図星を突かれた発言にたじろいでしまう。なんとか返そうとあたふたしているのがよほど面白いのかヴァルトルートは、悪戯が成功した子供のように笑っていた。ルシオスはそういった視線で見ていたのがばれていたことに衝撃を受けて、立ちすくんでしまった。
「ま、僕は気にしないけどね~」
「えっ……それってどういうことなんで……うぉっと!」
ビシッと額に鋭い痛みが走る。数秒後、人差し指で小突かれたのに気づくいた。
「先に行くよ~ぶどうジュースが僕を待っている!」
早足で先に行ってしまうヴァルトルートをルシオスは小走りで追いかけた。
初めて短編に挑戦してみました。この後の展開はちゃんと考えていたのですが伯爵とあと一人が中々決められず一旦全年齢版ということでお茶を濁してしまい大変申し訳ございません。
続きは502の中でこれだと思うキャラクターが決まったら投稿します。当初の予定ではラル少佐か先生でした。
次回 ギスギスブレイブウィッチーズ!
魔女たちの修羅場が見れるぞ!(ZZ)