エリカ、転生。   作:gab

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夏休み ハリーの分霊箱問題

 

 

1995年 6月

 

 今年も無事に学校を終えて“我が家”へ戻ってこれた。“木漏れ日の家”のあった場所は今はプレハブ小屋が建っている。ここは影が常駐するだけだから建物にはこだわっていない。基本的にガーデンで暮らしているんだし。

 フクロウや両面鏡の連絡がつかなくなると困るから影にここに居てもらう必要があるだけだもの。

 

 

 無事4年次が終わってよかった。

 ヴォルデモートの復活を阻止し、分霊箱であるナギニを殺し、ヴォルデモート自身を捕えたことは喜ばしいことだった。

 

 これで原作とは大きく流れが変わった。

 分霊箱はあと指輪とハリーだけ。仮の身体の弱体化お辞儀様は眠らせて拘束中。

 ヴォルデモート一派は終わったも同然なありさまだよね。

 

 まだまだ解決しなくてはいけないことはあるけど、ひとまず、私の大きな死亡フラグのひとつは回避できたと思うんだ。

 

 

 次は5年次か。

 5年はヴォルデモート復活を信じない魔法省のせいでハリーが嘘つき少年呼ばわりされて、周りは敵ばかりの辛い一年を過ごすことになる。予言を巡って魔法省の神秘部での戦いもあった。そこでシリウスが死んでしまう。精神的にかなり厳しい一年だ。

 

 でももうお辞儀様は捕らえた。予言を確認したがるお辞儀様は眠りについている。ルシウス叔父様たちも死喰い人からきっぱり決別した。あの戦いは起こらない。

 夢の危険性もハリーに教えてある。シリウスの危険を察知したハリーが飛び出していくなんてありえない。

 

 原作みたいにガマガエルが来ることもないはず。

 ってか、もし魔法省がごり押ししてきても、あの授業内容や罰則がアレだったら即刻ブラック陣営が潰す。我慢する必要まったくないものね。

 

 誰が教授としてくるんだろうか?

 まともな人選であってほしい。

 

 原作で次の年度の『闇の魔術に対する防衛術』の教授が決まるのはいつ頃だろうか。7月中旬から後半にかけてだと思う。

 

 たとえば3年。シリウス・ブラックの脱獄があって、ダンブルドアは彼にぶつけるためにリーマス・ルーピンを選んだんじゃないだろうか。

 

 4年は、身近にいる元死喰い人スネイプ先生から『刺青が濃くなっている』と報告を受けたからだろう。ちょうど三校対抗試合でホグワーツに関係者以外が立ち入ってくるためホグワーツ内の危険が増す。

 だから闇祓いで不死鳥の騎士団の仲間でもあるマッドアイ-ムーディを教授とした。信頼する団員を教授に据えることでハリーを守ろうと考えたんだろう。

 

 5年は魔法省からの横槍が入ってガマガエルがきた。原作ではね。

 現実ではそんなことがないよう祈っている。

 

 

 

 

 

 数日ガーデンで家族サービスをしたあと、グリモールド・プレイスへ集まった。

 ダンブルドア陣営へどこまで話を開示するかのすり合わせをするためだ。他にもシリウスから大切な話があるらしい。

 

 シリウス、ルシウス叔父様、シシー叔母様、リーマスさんと挨拶を交わし席に着く。シシー叔母様はまた私達のテーブルから離れた席でひとり座った。刺繍をしながら私達の話を聞くつもりらしい。

 まず最初にルシウス叔父様が短剣を取り出してテーブルに置いた。

 

「エリカ、君のおかげで助かった。この剣がなければあの毒蛇は斃せなかった。この剣を授けてくれたことを感謝しよう」

 

「いえ。きっとゴブリンの武器ならどれほど危険な魔法生物でも斃せるだろうと思ったんです。叔父様方がご無事で本当に何よりでした」

 

 帰ってきた短剣を手に取る。灯りを鈍く反射する細い銀の刃。ナギニの毒も吸収したんだろうか。すでにバジリスクの毒を吸収したあとだから誤差の範囲程度かな。

 

「魔法が効かず苦戦していたのだ。あの時エリカから預かった剣の事を思い出せてよかった」

 

「魔法生物には魔法抵抗力の高いものがいるからな」

 

 シリウスが頷きながら言った。

 

「ゴブリン製の武器か……わたしも探してみるか」

 

 シリウスが言うとルシウス叔父様がお前もか、という顔をした。叔父様はもう業者にあたっているっぽい。みんなが手に入れたら希少性がなくなるから収集家としては残念なのか少し悔し気だ。ほら、叔母様が呆れた顔で見ている。

 収集云々は別としてさ。分霊箱抜きにしてもゴブリン製の武器は強いのだ。敵の多いブラック家にとって手数を広げるためにも多様な武器を用意することは大事だと思う。

 

 さて、とシリウスが言うとみんな真面目な顔をした。

 

「今回、ダンブルドア陣営と共闘となったが、無事ヴォルデモートを捕獲できた。ジェームズの仇も取れた。皆よく頑張ってくれた」

 

「ジェームズもリリーも喜んでくれているさ。ハリーの事も護れた。私も感無量だったよパットフット」

 

「ああ、ムーニー」

 

 しみじみと話すふたりをみんな静かに見守っていた。ヴォルデモート一派の起こした諸々の傷痕は大きく深く魔法界の人々に刻みつけられている。

 シリウスとリーマスさんだけではなく他にも家族や友人が殺された人達は多い。

 

 ルシウス叔父様は当時どっぷり死喰い人だったわけで、あの頃は不死鳥の騎士団だったシリウス達と実際に戦ったこともあったはず。

 少しでもしくじればキツイ折檻を受けたりなど恐怖で縛りつけられていたわけだけれど。反面ヴォルデモートの恩恵にあやかって良い思いもしてきたはず。

 昔の話になると複雑な表情にもなるよね。

 

 

 

 今日の話し合いはダンブルドア陣営との話し合いについてなんだけど、その前にシリウスがやけに深刻な表情で話し始めた。

 

「ブラック家の持つ膨大な資料から、これぞという文献を見つけた。

 分霊箱という記述ではないが、『別の魂が入り混じった者から不要な魂の欠片を取り除く』というものがあったのだ。本には儀式に必要な魔法陣もしっかり描かれていた。非常に複雑ではあるが、問題なく描けるだろう。魔法陣を描くための素材も現在でも手に入るものだ。生贄も山羊だ。

 儀式の方法も問題ない。

 魔法陣の上に立たせ、その者がもっとも信頼する相手が愛の気持ちを以って殺す。そうすれば、その者の魂を傷つけることなく、他者の魂のみを引き剥がせると書いてある。この役はもちろん、わたしがやる」

 

 すごい。解決じゃん。

 闇の魔術には魂を分割したりホムンクルスに魂を入れたり、魂に関する魔術は多い。人の身体を乗っ取るなら前の魂は邪魔になるし、融合事故なんかもありえそう。だから混在する魂から任意の人物以外の魂を抜き取るという術はきっとあると思っていたんだ。

 闇の魔術なのに人間の生贄を捧げるとか多量の血がいるとかじゃなくてほっとした。

 さすがブラック家の蔵書庫。探せばあるもんだね。

 

 『その者がもっとも信頼する相手が愛の気持ちを以って殺す』というのもハリーとシリウスの繋がりの強さならきっとできると思う。

 話を聞いた私とルシウス叔父様、リーマスさんが喜びの笑みを浮かべる。

 

 でも、シリウスの表情は深刻なままだった。

 

「シリウス?」

 

「何か問題があるのかね、シリウス」

 

「ああ。被術者の魂を守るため、強力な蘇生具が必要だと書いてある。死を回避するもの、魂をこの地へ引き留めるような効果を持つ強力な魔法具を探さねばならないんだ。

 それを媒体として不必要な魂を切り離すんだそうだ」

 

 それは……とルシウス叔父様も眉を顰めた。資産家ではないリーマスさんはもっと暗い表情だ。そんな魔法具なんてなかなか見つからないだろう……普通なら。

 

 私は、あまりに都合が良すぎて、何かの罠なんじゃないかと疑っているうちに会話に入るタイミングを失っていた。

 

「『死の秘宝』のひとつ、『蘇りの石』に勝るとも劣らぬ強力な魔法具でなければならないとこの本には書いてある。そんな……おとぎ話のようなものなど……」

 

 うわ、どんぴしゃな単語が出ました。

 あ、でも、考えてみれば、あの『蘇りの石』は死者の魂をこの地へ留めるものだ。でも、実際に生き返るわけじゃなくて、死者と対話ができるってだけなんだけど。

 それでも魂に働きかける物だというのは確かだから、ハリーの魂をこの地に留めて守ってくれるのかも。

 

「そんな希少な魔法具が見つかるかどうかだよね」

 

「だが、希望は見えた。今こそ我がブラック家の力を使う時だろう」

 

「ああ、むろん、マルフォイ家の伝手も盛大に使おう。帝王の身柄を押さえた今なら多少派手に動いてももう大丈夫だろう。そして――どうしたね、エリカ」

 

 三人の会話に入りこめず、私は手をあげて二人の注意を促していたのだ。

 

「おそらく、あると思います」

 

「……ん?」

 

「なにがあると?」

 

「だから、『蘇りの石』は存在します」

 

 シリウスが立ち上がって叫んだ。

 

「あれはただの伝承だ! ハリーの命が懸かっているんだぞ、エリカ」

 

 私は苛立たし気に睨みつけるシリウスに、落ち着いてください、と宥めた。

 

「『死の秘宝』は決しておとぎ話や与太話じゃありません。『死の秘宝』は実在します。今も、ちゃんとあるんです」

 

「『吟遊詩人ビードルの物語』が実話だとでも言うつもりかね?」

 

 ルシウス叔父様も信じがたいという顔をしている。

 

「ええ。あれが実話なのか、それとも優れた錬金術師の伝説が脚色されてああなったのかはわかりませんが、強力な魔法具が実在することは確かです。シリウスやリーマスさんだって学生時代に何度も『死の秘宝』のひとつの恩恵にあやかっていたじゃないですか」

 

「わたしが? 何を言ってる」

 

「何年経っても劣化しない素晴らしく性能の高い『透明マント』をジェームズ・ポッターが持っていたでしょう? ポッター家はイグノタス・ペベレルの子孫で代々マントを受け継いでいます。今はハリーが持っていますよ。数代に亘って使い続けても劣化しない透明マントなんて『死の秘宝』以外にありえますか?」

 

 透明マントはハリーと仲良くなったあと、割と早めに見せてもらった。原作どおりのあのマントを見てテンションがあがったよ。

 隠れた時の存在感の消え方が私の持っている市販の透明マントとは全然違う。ほんと凄いの。まあ“円”は騙せないんだけどさ。

 

「で、では、『蘇りの石』は本当にあると? どこにある?」

 

「ゴーント家はカドマス・ペベレルの末裔だという文献があります。前に調べた時にはただの与太話だと思っていましたが、ハリーの『透明マント』を実際に見せてもらって、ポッター家がイグノタス・ペベレルの子孫だという情報も合わせるとペベレル兄弟や『死の秘宝』の実在に信ぴょう性がでてきます」

 

 私は巾着からレストレンジ家にあった『死の秘宝』に関する本を出して、イラストが描かれているところを開いてみせた。

 

「三角形に丸と縦線が一本。死の秘宝のマークです。『蘇りの石』にもそのマークが描かれています。カドマス・ペベレルの直系ゴーント家なら代々受け継いできたんじゃないでしょうか。この本では次々に持ち主が変わっていった『ニワトコの杖』にまつわる陰惨な事件について詳しく書かれていますが、『蘇りの石』については本の書かれた時点でゴーント家の家宝のままです。これほどの家宝、どれだけ貧しい暮らしをしていても決して売却などしていないと思います」

 

「では、あのゴーント家に隠されているかもしれぬと言うのかねエリカ」

 

「ええ、叔父様。帝王の母親の実家です」

 

 私は以前ルシウス叔父様が調べてくださった情報を、シリウス達のためにもう一度繰り返した。

 

 帝王トム・リドルの出生やゴーント家の話、それからトム・リドルの母親の兄がマグルの一家を殺したこと、被害者がトム・リドル・シニアとその両親であること、おそらく犯人は帝王で、伯父は帝王に記憶を埋め込まれたと思われる。など。

 

「そのままゴーント家に隠されているのが一番嬉しいのですが。もしかしたら帝王がゴーント家を訪れた際、伯父から奪った可能性もあります」

 

「それじゃ奴が持っているというのか」

 

 奴はトロフィーのようにいろんな相手から大切なものを奪っては集める性癖がある。だから『蘇りの石』が奪われることは予想しやすいんだけど。

 ここで分霊箱になってるかもって言うのは先走りすぎじゃないかな? どうしよう……なんて悩んでいるところに、リーマスさんが冗談交じりに口を挟んだ。

 

「まさか分霊箱になってるんじゃないだろうね」

 

 どうやって『蘇りの石』が分霊箱だという話に持っていこうかと考えていたのに、冗談とはいえすんなりそこを突いてきたリーマスさんに驚き、思わず絶句してリーマスさんの顔を凝視してしまった。

 

 だけど彼らは私がその可能性に気付いて衝撃を受けたと思ったようだ。そして、冗談では済まされない信ぴょう性があると彼らも思ったのだろう。

 顔を青ざめさせた皆が無言のまま視線を交わし合う。

 

「まさか……そんな……『死の秘宝』を分霊箱にだと?」

 

 シリウスが信じがたいと言った風情で呟く。

 

「帝王はホグワーツ創設者の宝『スリザリンのロケット』『ハッフルパフのカップ』『レイブンクローの髪飾り』という途轍もなく歴史的価値の高い宝を分霊箱にしてしまう人ですから、可能性はありますよね」

 

 私の言葉にルシウス叔父様も続いた。

 

「ああ。帝王は自身の魔法技術が卓越しているゆえに魔法具にあまり重点を置いていなかった。歴史的価値を考慮せず『貴重なものこそ我が分霊箱に相応しい』と考えていたのではないか。いや、今思えば、マグル界の孤児院育ちだから魔法界の伝承や物語にも疎かったのだろう。『蘇りの石』と気付かず生家の家宝という理由で使ったのやもしれん」

 

「もしこの予想が当たっていればずいぶん皮肉が効いているな。

 ヴォルデモートは不死性にあれだけ拘っていたというのに。『死を制する者』になれる宝を手に入れておきながらみすみす分霊箱にしてしまうとは。宝の持ち腐れとはまさにこのことだな」

 

 シリウスがそう吐き捨てた。皆も深く頷く。ゴーントの指輪が『蘇りの石』だと知っていたらヴォルデモートは決して分霊箱になんかしなかっただろう。無知って恐ろしいよ。

 

「だとすれば『蘇りの石』はハリーの儀式には使えないだろう? 他の魔法具を探さなければならないよね」

 

 リーマスさんがそう言うとシリウスが唸った。大事な名付け子の儀式に『蘇りの石』が使えないことに愕然としている。

 

「……あの」

 

「どうしたね、エリカ」

 

 私の呼びかけにルシウス叔父様が応え、シリウスとリーマスさんも私を見た。

 

「ダンブルドア校長に相談を持ち掛けてはいかがでしょうか?」

 

「ダンブルドアを頼れと言うのか」

 

「ええ。ゴーント家の攻略もまだです。あの家に本当に分霊箱が隠されているのか、それがはたして『蘇りの石』なのかもまだわかっていません。

 もし『蘇りの石』が本当に分霊箱になっていたなら壊さなくてはいけません。一度分霊箱になったものは壊したあと生半可な技術では修復できない。でもダンブルドアならどうでしょうか?」

 

 皆も考えながら頷く。

 あまりダンブルドア陣営に借りを作ることは望ましくはない。でもダンブルドアの能力の高さなら繊細な魔法具の修復も任せられるという判断を否定できない。

 

「そうだな。まだ分霊箱についてはこちらの秘としておきたかったが、ハリーが分霊箱であるということも含め、ダンブルドアにも話すべきか」

 

 シリウスが考えながらそう言うとルシウス叔父様が反論した。

 

「だが分霊箱はできれば我々だけで回収しておくべきだろう。ダンブルドアがどう判断するかまだ未知数なのだから」

 

「でも叔父様。ゴーント家はモーフィンがまだ生きています。アズカバンに収監されていますがおそらく無実……または服従の呪文をうけて命じられたか、どちらかでしょう。彼が無実ならゴーント家を勝手に荒らすのはあまりよくありませんよね」

 

 トム・リドル・シニアとその両親を殺したのはヴォルデモートだろう。彼は記憶だけ埋め込まれた。もしくは、服従の呪文をうけたモーフィンが本当に殺しに行ったのかもしれないけどね。

 

 ってかさ。お辞儀様がゴーント家へ分霊箱にした指輪を仕込んだのっていつなんだろうね?

 裁判中はゴーント家へ魔法省の役人も来ただろうし、モーフィンが終身刑でアズカバンに収監されてからある程度様子を見て、誰も来ないと判断してからだよね。

 万が一出所してきたら実家へ帰って速攻お辞儀様のかけた罠に殺されてたよねモーフィン。辛い牢獄暮らしを終えてやっと家に着いたとたん死ぬって酷い話だ。

 

「魔法省には顔が利く。モーフィンに面会することはできるだろう。が、ヴォルデモートの忘却術を超えて真実を調べることは困難だから奴の無罪を証明することは難しい。だが『ヴォルデモートが怪しい呪を施したゴーント家の捜索』を彼に承認させることくらいはできるんじゃないか」

 

 シリウスは『冤罪でアズカバン』にトラウマがあるからモーフィンには同情しているけど、積極的に助けようとまでは考えていないようだ。

 

「まずモーフィンの裁判記録を調べてからだな」

 

 シリウスの言葉にルシウス叔父様が応えた。

 私達は正当な陣営だから勝手に他者の家を捜索するなどできない。だからモーフィンから捜索の承認をもらう必要があるのだ。ヴォルデモートが隠した物は危険な魔法具になっているからこちらで処理すると言うことまで認めてもらっておけば『蘇りの石』の返還を求められることもないだろう。

 ってかさ、裁判記録を読めばモーフィンがパーセルタングしか話せないこともわかる。現在パーセルマウスなのはお辞儀様と私(これは極秘)、そしてハリーとダンブルドアしかいない。

 ハリーをアズカバンへ行かせるわけにいかないんだから、結局ダンブルドアに頼むしかないんだよ。

 

 それにダンブルドア陣営と共闘していれば、ハリーの儀式に必要な薬剤(魔法陣を描くためのインク)も調合のスペシャリストなスネイプ先生に依頼できるし、儀式後のハリーの体調確認にマダム・ポンフリーの手を借りられる。魔法陣を描くのもダンブルドアの監修があれば確実だろう。

 ほんと、ダンブルドアの能力値の高さと陣営の層の厚さに唸るしかない。

 

 

 いろいろ話し合った結果、先方との話によっては分霊箱の件も含めた情報を開示するという結論になった。

 ただし、分霊箱について開示する相手はダンブルドアとスネイプ先生の二人だけと限定する。

 

 『ヴォルデモートと死喰い人に対抗すること』に関しては全面的に共闘したいが、それ以外は敵にならない距離を保ちたいのが私達の想いだ。

 

 先方の話にもよる。まだこちら陣営は予言のことを知らないわけだし。ダンブルドアが現状をどう予言に摺り寄せていこうと考えているかはまだわからない。

 

 対談の日時は先方とこれから詰めるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 シシー叔母様とは帰る前に少しだけ話をした。

 

 ルシウス叔父様が死喰い人と決別を果たしたのは愛妻と愛息のためだ。徐々に強まる左腕の刺青に焦燥感を抱いていたはず。帝王を裏切る恐ろしさに怯える日もあったと思う。

 

「叔父様は弱った時に叔母様に甘えてきたり、なさいますか?」

 

 シシー叔母様はふふふと笑った。

 

「まあ。それは私と彼だけの秘密よ」

 

 妖艶な大人の女性の笑みでそう言う。それ、言ってるも同然です。ああ、でもシシー叔母様に甘えるルシウス叔父様が想像できて可愛い。

 

 

 

 

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