FGOかCCCで書く予定の小説を、正月に合わせて書いてみました。

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 あけましておめでとうございます。新作の予告も兼ねてちょっとした新年のお話をば。
出てくる人はBB、ジャンヌ・ダルク? エリザ、メルト、リップの予定です



初詣はお静かに

「おっはよーございまーすアーンドあけましておめでとうございますセンパイ! ウルトラカワイイあなたの後輩、BBちゃんがお正月特別版モーニングコールを」

「うるさい」

「あいったぁ!?」

 元旦の朝、マイルームに断りもなく入ってきたBB(バカ)に容赦なくマスターのデコピンが下された。おおおぉ……とわざとらしく痛がっているが、そんなダメージなどないだろと白い目を向けられる。

「いやすいません、センパイのは冗談抜きで痛いんですけど……というか聖杯パワーでパーフェクトなBBちゃんにダメージを与えるって、どんだけですかホントに」

「隙が多いからだろ」

「プログラム構築は完璧に決まってるじゃないですか!」

「違う、心構えの問題だ。前から言ってるが強者の傲慢が有り過ぎなんだ、お前は」

「ぐぬぬ……やられてる以上否定できないのが辛いです。それでも言っておきましょう、センパイのチート! 理不尽の権化!」

「鏡見てこい」

 新年早々やかましい後輩に、思わず溜息が出てしまうマスター。

「ほらほらセンパイ、溜息ばっかり吐いてると幸せが逃げちゃいますよ? ここは一つ、やっぱりカワイイBBちゃんの晴れ着姿を存分に褒めていただかないと!」

「誰のせいだ、本当に。晴れ着については後で話すとして、BB」

「はーい、なんでしょうかセンパイ? は、まさか正月からあーんなことやこーんなことを」

 

 

「人が着替えてる途中で扉全開にするのは、新手の嫌がらせか?」

 

 

 岸条神楽(きしじょうかぐら)。カルデアにて『人類最後のマスター』と呼ばれた、どっかの金の亡者もとい金星の女神を軽く凌駕する大和撫子の美貌の持ち主(だが男だ)。

 現在晴れ着に着替えている最中であり、肩とか生足が思いっきり晒されている状態である。そんな中で扉全開に入ってくれば、外からは丸見えなわけで。

「……えーと」

 BBちゃん、赤くなった顔を今更逸らす。なお、途中通りかかったムニエルがお顔真っ赤にしてガン見していた。後でしばく。

BBは目線だけチラチラこちらに向けつつ、それでも強気にサムズアップ。彼女、初心だけど強がりなのである。

「う、うなじとか足がチラチラ見えて最高にセクシーですねセンパイ! これは思わずBBちゃんも襲い掛かりたくなるといいますか」

 

 

「許すと思いますかそんなこと?」

 

 

「ヒィ!?」

 後ろから聞こえる、地獄より這い上がってきた怨嗟のような声に思わず悲鳴を上げ、冷や汗を流しながら首を後ろに向ける。

そこには、満面の笑みで中指を下に向け、尋常ではない殺気を振りまく金髪赤眼の少女――ジャンヌ・ダルクが立っていた。

「あけましておめでとうございます、BB。それで、何をしているんですか? マスターを襲う算段ですか? いつものイタズラですか?

 というか、マスターの部屋に入る時は一声掛けるよう私前にも言いましたよね? こういうトラブルを防ぐために」

「あ、あけましておめでとうございますジャンヌさん。いえこれはですね? センパイに対していの一番にハッピーニューイヤーコールをしたいと思っただけでして。

 決してセンパイの艶姿を見ようと思ったわけではごちそうさまです」

「……嘘は言っていないようですね。欲望もだだ漏れですが、故意でないということは分かりました」

「で、でしょう? だから」

「はい、有罪(コンダンネーション)です」

 首を掻っ切るポーズをとったジャンヌに、BBは絶望の表情になって「ナズェナンデスカ!?」とか叫んでいるが、

「そもそもBBが一声掛ければ起きなかったことでしょう? よってあなたの不注意と、マスターを辱めた罪で処します。さあ、行きますよ」

「後半私怨混じってますよね!? というかスピード判決過ぎませんかイタタタタタタ!!? 何で聖杯のバックアップがあるBBちゃんを抑えられるんですか!?」

「アヴェンジャーとルーラーのダブルクラスを制御できている今の私は、英雄王よりサーヴァントとしての力はあるので」

「うわあ頭悪い感じのパワーですねそれイダダダダ!? やっぱりチートじゃないですかヤダー!?」

「百以上のサーヴァントを呑み込んだ貴方が言いますか。というわけでマスター、お騒がせしました。BBはこちらで処しておきますので」

「ああ、了解だ。……まあ、加減はしてやれ」

「そういう甘いところがあるから、BBが付け上がるんですよ? 

 ……あ、そうですマスター」

「何だ?」

 ジャンヌは(BBにフェイスクラッシャーを決めつつ)顔を赤らめて、

「その、今の格好も……素敵ですよ?」

「早よ行け」

「( ´・ω・`)」

「やーいフラレちゃってますねアイダダギャアアア!!?」

 そろそろ聞くに堪えない悲鳴を上げながら、二人は退出していった。

 少しして着替え終わってから、同じく晴れ着姿で赤髪と最高にキューとな角(本人談)を持った少女、エリザベートが入ってくる。

「はあい子リス! あけおめことよろ、本年も(アタシ)のマネージャー業よろしくお願いするわね!」

「色々混じってるぞ、あけましておめでとうエリザ。晴れ着、似合ってるぞ」

 

ちょっと、何するつもりなんですかジャンヌさん!? というか処すって!?

 

「ふふん、当然でしょ? サーヴァント界ナンバーワンのアイドルだもの、どんな衣装だってキュートでプリティに着こなしてみせるわ!」

 

 ちょうどメルトとリップの合体技が完成したそうなので、実験台が欲しかったそうです。

「意味が被ってないか? まあ、カワイイというのは確かだな」

 

 ちょ、それってあの邪淫外道菩薩に決めてたアレですか!?

「あ、コラ子リス! アイドルの頭を簡単に撫でるんじゃないわよ!?」

 

 ええ、それです。耐久性の高い生贄が欲しかったとのことなので。

「ああすまん、ついな」

 

 ちょ、仮にも私二人の創造主なんですから、親元を殺しかねない攻撃はダメですよね!?

「まったく、ファンのブタどもが見たらどうするのよ……こんなの、子リスしか許さないんだからね!」

 

 死にはしないから大丈夫です、精々穴が開くくらいですよ。あと、創造神が子供に反逆されるのは割とよくある話です。

「それはどうも、光栄だ」

 

 ちょ、だからって体験したくないですよ!?

 待ってください、BBちゃんの大切なところはセンパイに――

「ええ、光栄なことよ。だから今年は一層、マネージャー業に励むよう」

 

 アッーーーーーーーーーーーーーーーー!!!??

 

「「……」」

 (色っぽくない意味で)外からあられもない声が聞こえ、何とも言えない沈黙に満ちる二人。

「えーと、子リス。BBって新年早々何やらかしたの?」

「ノックもなしに突撃して、着替え中の俺を直視してたらジャンヌに見つかった」

「き、着替え!? そ、そりゃああの過保護なジャンヌなら有罪(ギルティ)にするわよね!」

「何で顔赤いんだ」

「べ、べべべ別になんでもないわよ! ……子リスの裸かぁ……ダメよエリザ、アイドルがそんなはしたないの想像したら……

 小声でぶつくさ言ってたが、この後お仕置き完了したジャンヌ、BB、メルト、リップの四人と合流し、所長の許可を取って初詣に行った。自力で。

余談だが、BBの提案した神社に行くのは全員一致で却下された。どうも自分の電子領域にマイ神社を作ったらしい。どこまで芸が細かいんだ。

おまけ

「うう、まだ後ろが痛いです……ジャンヌさん、罰が重過ぎませんか?」

「罪には罰を、です。そもそも私は手を下してないんですから、まだ有情な方でしょう。

 そういえば、BB。先程絵馬を吊るしていましたが、何を書いていたのですか?」

「え? な、なーに言ってるんですかジャンヌさん。万能系後輩のBBちゃんがお願いなんてする必要が」

「お参りを一番長くしてた癖に何言ってるのよ。あと、内容ならスマホで撮ってあるから大丈夫よ」

「ちょ、メルト何してくれるんですかあ!? いや違う、BBちゃんがそんなの書いてたなんて証拠は」

「バッチリ吊るしてる本人も映ってるけど? 手が使えるってやっぱり便利よね」

「ギャー!? そ、そのスマホ寄越しなさーい!」

「嫌よ、面白そうなのに。リップ、パス!」

「あー! リップ、それをよこ」

「BB、境内で騒がしくするんじゃありません。メルトもです」

「はいはい、ごめんなさいね」

「そう言いつつ羽交い絞めにしないでください! というか顔! 顔が愉悦の笑みになってますよジャンヌさん!? 

 ちょ、リップ待って」

「えっと、『センパイとずっと一緒にいられますように』だって。……BB、神楽さんに直接言えばいいのに……」

「本当よね。純粋なくせに拗らせてるとか、面倒臭い女よ」

「「「……」」」

「やめてぇそんな目で見ないでくださいー!? あああ小悪魔系ラスボスの立ち場がー!?」カオマッカー

(元から崩れ気味だけどな)

「これがギャップ萌えってやつね! 勉強になるわBB、アイドルの(アタシ)は流行にも敏感じゃないと!」

「やめてーエリちゃん的確に無自覚に傷を抉らないでくださーーい!!」

 この後滅茶苦茶悶えた。

 




キャラ紹介
岸条神楽
 カルデア所属人類最後のマスター、元月の最弱のマスター。色々あってムーンセルから特異点に吹っ飛んだ。
BBも怯む最高レベルの美少女(男)。メルト曰く『最高にキュートで好みなドールになれる』とのこと。BB達ムーンセル勢は縁があっての特例で、それ以外は条件が揃っていないと召喚できない。
なお、はくのんやぐだーズとは何の関係もない。


ジャンヌ・ダルク
 正規のジャンヌともジルが生み出したオルタとも異なる『ジャンヌの別側面』。カルデアにおける神楽の初期サーヴァント。
裁定者(ルーラー)と復讐者(アヴェンジャー)のダブルクラスという(作者の)頭が悪い発想から生まれた。オリジナルのジャンヌが大嫌い、オルタは割と好き。
マスターには割と過保護。別に弟とか思ってない、お姉ちゃん呼びを強制してない(ガチ)


エリザベート・バートリー
ムーンセルにおける神楽のサーヴァント、クラスはバーサーかー。マスターにマネージャー業をガチでやらせており、カルデアやムーンセルで結構な人気を持っているリアルアイドル。色々あって頭痛持ちは治っている。
なお、マスターのことは男と分かっているが『子リス』と呼ぶ。


BB
 ご存知トラブルメーカーなラスボス系後輩。が、神楽に対してはトリックスターの立場が通じず、ジャンヌと一緒に粛清されることがしばしば。
センパイ大好(この情報はジャックされました)


メルトリリス
 BBにくっついて参戦したアルターエゴの一人。色々あって手が動かせるようになっている。最近の趣味は丸くなったBBをいじること。


パッションリップ
 BBにくっついて参戦したアルターエゴの一人。色々あって手が普通の状態になるよう調整されている。最近は料理に挑戦中。


あとがき
BB「何でこんなの書いたんですか! 言え! というか私のこの扱いなんですか!?」
作者「思いついたら筆が暴走してた、反省も後悔もしてない。あと、お年玉が大淫菩薩だった無念を込めて。
 BBさんはラスボス要素抜くとヘタレカワイイ純情系後輩だと思ってるので」
BB「ちーがーいーまーすー! BBちゃんは泣く子も絶望させるラスボス系後輩、センパイを弄り倒すのが生き甲斐の悪役なんですー!」
作者(あのセンパイを弄り倒すのは無理なんじゃないかなあ……)
作者「今後CCCかFGO時空で連載するかもしれません。ちなみにこの話は時系列的に関係ないので、結末も大きく変わっている可能性は高いです」
 では、読んでいただきありがとうございました。感想の声が多ければ、連載を始めるかもしれません。


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