先導者と歌姫 -高みを目指して-   作:ブリガンディ

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『イメージ○○』と言うサブタイはヴァンガード(2018版)を参考にさせてもらっています。


イメージ1 帰って来ての一時

友希那と再会してから二日後のことである。

気持ち良く寝ているところでアラームの音が鳴り、鬱陶しく思いながらも貴之は時計のボタンを押してそれを止める。

アラームの音で目が覚めた貴之がベッドから起き上がってカーテンを開けると、眩しい朝日が入ってきたので思わず目を閉じる。

少しして目が慣れてきたので、閉じていた目を開けると、そこには五年前と変わらない風景が入り込んできて、貴之は何度目かの帰って来たという感覚を感じた。

 

「(さて、今日から学校だったな……)」

 

貴之は今日から新しい学校に行くことになっている。

二度目の転校ということもあって、以前ほど緊張することは無い。場慣れしていることもあって少し気を楽にできた。

 

「(朝飯の準備終わってるはずだし、俺も着替えて下に降りよう)」

 

貴之はクローゼットを開けて今日から通う学校の制服に着替える。

貴之が着る制服は後江(ひつえ)学園のもので、青を基調として所々に白いラインが入っているブレザー系の制服だった。青い制服と言うのにはそれなりに新鮮味を感じている。

部屋にある鏡でおかしい部分は無いかなどを確認した貴之は、鞄を持って部屋を出ようとしたところで一度足を止める。

 

「危ねえ危ねえ……こいつを忘れるところだった……」

 

貴之は机の上に置きっぱなしであったヴァンガードのデッキが入ってるケースを手に取り、それを鞄に入れてから部屋を後にする。

その後は一度洗面台に足を運んで顔を洗ってからリビングに向かった。

 

「おはよう」

 

「あっ、おはよう。ご飯もうできてるから、食べちゃっていいよ」

 

貴之がリビングに入れば小百合が台所で片付けをしていた。

小百合の催促に従って席に着き、朝食を食べ始めようとして貴之は一つの事に気が付いた。

 

「ああそっか……ユリ姉、入学式がスーツだからそうしてるのか……」

 

「そうだよ。汚しちゃったら大変だからね……」

 

小百合は今日から大学に入学するのだが、入学式はスーツ着用らしい。寝間着のまま朝食を作っていた理由はズバリそこにあった。

そんなことを考えながら貴之が焼かれてある食パンを手にとって食べ始めると、片づけを終えた小百合も席について朝食を取り始めた。

 

「今日の登校は一人なの?」

 

「いや、友希那とリサ……それから俺の三人で行こうって話になってる。羽丘と後江は意外と近いらしくてな」

 

友希那とリサが通う羽丘女子学園と、貴之の通うことになっている後江学園は途中まで道のりが同じだった。

そんなこともあってリサの提案により三人で登校しようと言うことになった。その提案には二人とも賛成で、この提案はものの十秒もせずに可決となった。

そんな回答を聞いた事もあってか、小百合は満足そうに微笑む。

 

「良かったね。また三人で一緒にいられるようになって」

 

「ああ。俺もそう思うよ」

 

――また三人で。貴之はそれが非常に嬉しかった。

もう戻って来ないかも知れないと思っていた時間が、こうしてまた戻って来たのだ。これを嬉しいと思わない筈は無かった。

 

「制服姿はもう見せたの?」

 

「いや、当日見たいって言われたから見せてないよ。楽しみを取っておきたいんだとさ」

 

――その気持ちはちょっと解るけどな。貴之は苦笑交じりに答えた。

貴之自身も羽丘女子学園の制服のことは、今日この日の為に調べなかった。

幸いにも外出していたのは全て休日であったのもあって、制服の女子高生は見かけていない為ネタバレもしていないと言う、ある意味万全の状態でこの日を迎えたのである。

制服に関する会話をしていた影響なのか、小百合は青い後江の制服を着た貴之の姿をじっくりと眺めだす。

 

「……?」

 

「ああ、ごめんね。貴之のそれ、似合ってると思って……友希那ちゃんもそう思ってくれるはずだよ」

 

「おいおい、良してくれよ……何で友希那に繋げるのさ……?」

 

小百合から友希那と言う単語が飛んできたことで、貴之は少しだけ顔を赤くして困惑する。

しかしながら、貴之も友希那がどんな反応をするか気になっているのは事実で、同時に彼女の制服姿も気になって仕方が無かった。

――友希那の制服姿か……。それを想像した瞬間、貴之は顔が赤くなるのを感じて頭を抱えた。

 

「ヤバい……今から気になってしょうがない……!」

 

「あはは……友希那ちゃんに一途なのは相変わらずだね」

 

貴之の様子を見た小百合は安心したように微笑む。

ちなみに遠導一家による会話の傾向として、友希那の話が出れば大体貴之が弄られる、もしくは自滅することになる。今回の場合は小百合がさり気なく彼女の名前を出した結果、後々貴之が自滅した形になる。

暫しの談笑しながらの朝食を取り終えたところで、インターフォンの音がした。どうやら二人が迎えに来たようだ。

一度テレビに映っている時間を確認すると、午前の七時半になっていて、二人より少々遠い学校へ向かう貴之にとっては丁度いい時間だった。

 

「もうこんな時間か……それじゃあそろそろ行ってくるよ」

 

「行ってらっしゃい。五年ぶりにできる三人での登校、楽しむんだよ?」

 

「もちろんそのつもりだよ」

 

小百合に言われるまでも無く、貴之は三人で再び登校できることを満喫するつもりでいた。

リビングを離れて玄関で靴を履き、鞄を持っていざ部屋を出ると、二段だけある階段を降りた先で友希那とリサが待っていた。

 

「あ、おはよー貴之。待ったかな?」

 

「いや、丁度いい時間だったよ」

 

待っていた二人はグレーが基調で袖口の近くに白いラインが入っているブレザーとその中に見えるワイシャツ、青とライトブルーの二色で構成されたスカートとネクタイを着用していた。羽丘女子学園の制服である。

スカートとネクタイを見て、学年ごとに色が違うのを貴之は何となく理解した。

リサに挨拶と同時に問われたので、全く問題なかったことを伝えた。それを聞けたリサは満足そうに頷いた。

 

「おはよう、貴之」

 

「ああ。おはよう」

 

貴之は友希那と挨拶を交わしたことで、帰って来たという実感が大きくなるのを感じた。

またこうして友希那とリサ、そして自分の三人で共に過ごすことができるようになったのは、貴之にとって何よりも嬉しいことであった。

感慨深いものを感じていると、友希那が自分の服装を見ていることに貴之は気が付いた。

一応、制服自体彼女たちは度々見ているのだが、貴之の制服姿は始めて見たので注視しているのだろう。

 

「ああ。制服(これ)のことか……どうだろう?おかしいところが無いといいんだが……」

 

実際のところ採寸をして以来一度も着ていなかったので、貴之は少々不安であった。

しかし、そんな不安はあっさりと否定される事になる。

 

「いえ、そんなこと無いわ。とても似合っているわ」

 

「うんうん!おかしいところなんて何も無いから大丈夫だよ♪」

 

「そうか……それなら良かった」

 

二人にそう言われたことで、貴之は安堵の笑みを浮かべた。

もしこの二人におかしいところがあると言われたら、真っ先に直していたことは言うまでも無かった。

リサに言われれば彼女にとって目に余る部分があったと思って反省するで済むかも知れないが、友希那に言われた場合は折れていたかもしれない。

しかし、それは過ぎた話なので問題無いと頭を切り替える。自分だけ確認してもらったのに二人の制服姿を確認しないのは些か不公平だろう。

 

「そう言う二人も似合ってるな……。冗談抜きで二人とも随分の美少女だし尚更だよ」

 

「「……!?」」

 

貴之の感想を聞いた瞬間、二人は顔を赤くしながら硬直する。

これは貴之自身が実際に思っていたことであったのだが、五年間離れていた事もあって二人の持っている外見の良さを改めて理解できたのである。

しかも小学生だった当時と違って今は高校生。暫く離れた後に再会すれば、二人の成長を意識せずにはいられなかったのだ。

 

「……どうした?」

 

「確かに嬉しいんだけどさ……そういうのはもっと……ねぇ?」

 

「いやまぁ、ちゃんとそうするつもりなんだけどさ……今回は言わずにはいられなかった……」

 

二人から返事が返ってこなかったので貴之が問いかけると、それなりに早く復帰できたリサが、まだ朱色になっている頬を見せながら貴之に分かるように伝える。いくら貴之の恋心を把握しているリサと言えど、いきなり直球のお世辞をもらえば照れるものである。

リサの言いたいことを理解できた貴之は、「次から気を付けるよ」と自分を戒める。

ここまで簡単に話が終わったのは相手がリサであったが故だろう。貴之は確かに自分たちと久しぶりに再会した身なので、五年ぶりに自分たちの姿を見て確かに変わっている事を実感したからこそ、正直な感想を述べたのだ。

もちろんリサも、自分が貴之の立場であればそう言っていたかも知れないから特に責めたりはしない。

 

「さて……ここでのんびりしてると遅れちゃうし、そろそろ行こ……って、友希那?」

 

「た、貴之が……貴之が私を……」

 

リサと友希那が通う羽丘女子学園は距離的に余裕があるのだが、貴之の通う後江学園は二人と比べて少々遠いことと、今日が転校初日であることからこれ以上ゆっくりしていると手続きが遅くなってしまう可能性すら見えてきた。

その為、リサが気を遣って移動を促そうとしたのだが、顔を赤くしたまま目が泳いでる友希那を見て思わず問いかけてしまった。

呼ばれた友希那はゆっくりとリサの方に顔を向け、一泊置いてから凄い勢いでリサの顔にぶつかりそうなところまで自分の顔を近づけた。

 

「り、リサ……!貴之が……貴之が私を……!」

 

「うんうん。そう言ってもらえて良かったね♪」

 

「…………」

 

あたふたしながら上手く口が回らない状態でリサに何か言おうとする友希那だが、大体の状況を理解できているリサは友希那の頭を撫でながら励ますように言い聞かせる。

――やべぇ。あたふたしてる友希那、超可愛い……。クールな印象があった友希那が慌てるというギャップの激しい光景を見ながら、無言の貴之は自分の心臓が跳ねるような感じがした。

一方、リサは友希那の頭を撫でている手をそのままに二人の様子を見て、約束があるからその一歩を踏み留めているにしても、どうして二人とも気がつかないのかと思っていた。

小学生の時にそれぞれから互いのことが好きだと聞いているリサはその時から応援しようと決めているので、特に嫉妬の念などは持っていない。彼女にあるのは、二人を結ばせる為に手伝おうとする幼馴染みとしての、引いては一人の友人としての気遣いだった。

 

その後五分ほど掛けて友希那を落ち着かせてからようやく登校を始めた。並んだ順番は右から貴之、友希那、リサの順である。

しかしながら、転校生だと言うのに貴之は新鮮な感覚などを感じない。元居た場所に戻って来て、懐かしき人たちと共に登校しているからというのが大きいだろう。

 

「こうしてまた三人で登校するのは随分と久しぶりだな……」

 

「五年ぶりだからね~。それにしても、またこうして三人で登校できるなんて思って無かったよ……」

 

貴之の何気ない呟きに、リサは弾むような声で同意する。彼女と同じ気持ちだと言うかのように、二人の間にいる友希那も柔らかい笑みを見せて頷く。

どうやら三人揃っての登校を嬉しく思っているのは全員一緒らしい。それが分かって貴之は少し安心した。

 

「そう言えば、向こうではどんなことをしていたの?」

 

「ヴァンガードは変わらずやってた。ただ、基本的に一ヶ所に留まらないで遠征を繰り返してたな。大会がある時はここにいた時と変わらずだったけど」

 

「……遠征?」

 

「ああ。自分の行ける範囲で色んな所のカードショップを回って、そこで多くのファイターと戦ったんだ……」

 

友希那の質問に貴之は一つ一つ答えていく。

――あの日々があったからこそ俺はここまで来れた。友希那の質問に答えながら、貴之はそう考えていた。

もし一ヶ所に留まっていたのなら、自分は今頃地方予選で通用する程度の実力のままだったのではないかと思うこともある。

それだけ、彼は友希那と離れた五年間の間はその約束を胸に走り続けていたのだった。それが分かって友希那は少し嬉しくなる。

 

「実際に見れなかったのが残念だけど、貴之も頑張っているのね……安心したわ」

 

「お前程頑張れてる気はしないけどな。ってそっか……。友希那は俺から聞いた話でしかヴァンガードの事を知らないんだったな……」

 

友希那にそう言われた貴之は謙虚と思われるかも知れないが、謙虚な姿勢で返すと同時に少し寂しい思いをする。

 

「なら、今度一緒に近くのカードショップ行くか。俺の五年間の成果はそこで見せるよ」

 

「ええ。それと、私の五年間の成果も次のライブで見せるわね」

 

「ああ。その時を楽しみにしてるよ」

 

貴之の提案に友希那は迷うことなく乗っかると同時に、自分も提案を出した。

その提案には貴之も迷うことなく乗っかったので、互いに誇れるようなものを見せようと心の中で意気込んだ。

 

「あっ、そう言えば五年間別の場所にいたって事は、学校も違う場所だし……そこはどうだったの?」

 

「そうだな……」

 

リサに学校の事を訊かれた貴之は一瞬考え込む。

思い起こされるのは、青い髪をした少し内気ながらも優しい性格をした少女と、紫色の髪を短く整え落ち着いた性格をした少年の姿だった。

出会った時間はそれぞれ違うものの、貴之を経由してヴァンガードに触れて以来、三人で行動を共にしており休日は全員で遠征に出たりもしていたし、貴之が全国大会への出場を決めた際は実際に会場で応援しに行く程仲良くなっていた。

自身の転校が決まった際、彼らには最寄り駅を教えているので、時間に余裕があればまた会うことも可能だろう。

 

「向こうでも、楽しく過ごすことはできたよ」

 

その満足そうな表情をしながら答える貴之の姿を見て、二人には貴之の性格だから平気だっただろうと思えたのと同時に、向こうでも上手くやれて良かったという安心感が来ていた。

ここを離れるまでは、ヴァンガードをやっていた人たちの中では中心にいたあたり、友人を作るのは得意なのだろう。

その後も話しながら歩いていると、友希那たちが通う羽丘女子学園の校門前まで辿り着いてしまった。

 

「もうここまで来ちゃったかぁ……三人で話しながらだったし、あっという間だねぇ……」

 

「貴之は向こう側へ進むのよね?」

 

「ああ。俺はあっちへ進まないと行けないからな……」

 

友希那とリサはここで学校へ入るのだが、貴之はもう少し先の方へ進むことになる。

その為ここで一時的に別れなければいけないのだが、貴之と友希那はそれを名残惜しく感じる。

 

「学校終わったら一度連絡するよ」

 

「ええ。楽しみに待っているわ」

 

簡単な口約束ではあるが、これだけでも友希那はとても安心できるものを感じた。

そんな友希那の様子を見て、貴之も自然と笑みを浮かべるのだった。

 

「あはは……それだけ仲良いんだし、どっちかから告白して付き合っちゃえばいいのに……」

 

リサが笑いながらそんな提案を出すと、二人の顔が赤くなる。特に友希那からは『ボンッ』という音が聞こえるのではないかと思うくらいの勢いだった。

しかしながら、リサのこの発言は紛れもない本音から来るものであった。小学校の時ですら、珍しく二人が休んで一人で登校することになった日は、クラスで仲の良い人たちと一緒に「どうしてあの二人は付き合わないんだろう?」と考えた事もある。

 

「なっ!?り、リサ……それにはこう、場所とか時間とかが……」

 

「そ、それもそうなんだが……まだ相手がどう思っているとかそう言うのもなぁ……」

 

「ええ……?それならアタシが居ない間に済ませちゃえば良いんだけどなぁ……」

 

――でも、どうせならちゃんと約束果たして(やること済ませて)からがいいよね?焦る二人をよそに、リサはそう考えた。

この二人は焦っているからこそ相手の伝えたい事に気がついていないが、二人が伝えたいことは偶然にも一致していて、しかもそれはリサにあっさりと見抜かれていた。

だからといってリサもそれをばらすつもりは毛頭もない。自分が言った事で二人の努力して来た道を捻じ曲げてしまうのなら、何も言わないで見守る選択をするつもりだ。

そんな風に話しているのは良いが、貴之の学校が自分たちより遠いことを思い出したリサが携帯電話で時計を見ると、そろそろ八時を回る頃だった。これ以上油を売れば貴之が転校初日から遅刻してしまう危険性が跳ね上がる時間帯だった。

 

「貴之……そろそろ時間じゃない?」

 

「うお、マジか……。確かにそろそろヤバいな……」

 

リサに時間を見せてもらえば、貴之も少し焦る。思った以上に話し込んでいたのだろう。

 

「それじゃあまた後でな。さっきも言った通り連絡するから!」

 

「ええ。また後でね」

 

貴之が手を振りながら離れていくのを、二人は彼が見えなくなるまで手を振って見送った。

一時的に離れることが少し寂しくも思う友希那ではあるが、それ以上に貴之と再び会えた嬉しさの方が圧倒的に上回っていた。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

「行っちゃったね……」

 

「ええ。行ってしまったわね……」

 

貴之が離れていくのを見て呟いたリサに友希那が同意する。しかし、それでも五年前とは決定的に違うことが一つある。

 

「でも、長い時間の別れじゃないわ。またすぐに会えるから……」

 

「ホント、帰って来て良かったよね……」

 

また夕方になれば会うことができる。それだけでも友希那にとってはとても嬉しい事であり、それはリサも同じである。

共通することとしては親しかった幼馴染みが五年ぶりに帰って来たこと、友希那が個人で持っているものとしては好きな人が帰って来たことだろう。

そうして嬉しさに浸るのは良いのだが、ここは校門前である為、長い時間留まっていると生徒たちの邪魔になってしまうので、二人は移動を始めた。

 

「教室着いたし、また後でね~♪」

 

「ええ。また後でね」

 

昇降口で上履きに履き替えて互いに教室へ向かうのだが、リサと友希那はクラスが違うので、一度ここで別れることになる。

リサが教室に入れば、彼女とその友人が挨拶してから談笑を始める声が聞こえる。こうして友人関係を作るのが得意だったのは昔からである為、友希那は特に不思議とは思わずそのまま教室に向かう。

そうしている内に友希那も教室に着いたので、そのまま自分の席まで移動して椅子に腰を下ろした。

自分の席に着いて気付いた事ではあるが、いつもより談笑の声が大きいような、または多いような気がした。

そのことに関しては後でリサに訊いてみようと考えた友希那は、鞄の中から作曲用に作ってあるノートと、ペンを一つ取り出して作曲をしようと考えた。

 

「おはよう湊さん。今大丈夫?」

 

「大丈夫だけど……どうしたの?」

 

作曲を始める為にノートを開けようとしたところクラスメイトの一人に話しかけられたので、友希那はそちらに顔を向けて問い返す。

今はこうしてクラスメイトに話しかけられれば反応する友希那だが、何らかの要因が一つでも欠けた状態で父親の音楽が否定された場面に直面した場合、間違いなく今回のような反応はできなかっただろう。

しかしながら、少なからず普段より全体的に談笑の声が違うことを友希那も気にしていたので、自分も聞いてみようかと考えた。

 

「さっき校門前で一緒にいた、後江学園の彼って知り合い?見かけない顔だったんだけど……」

 

「(なるほど……それで話が持ち切りだったのね……)」

 

女子校である羽丘女子学園の校門前で、共学である後江学園の制服を男子生徒が羽丘女子学園(こちら側)の生徒と仲良く話していれば、否が応でも注目を集めるものだろう。

更に言えば、貴之が爽やかさを感じさせる容姿をしていたこともあって、「後江学園の制服を着た、見知らぬ顔したカッコイイ男子生徒は誰?」と言う話で盛り上がっていたようだ。

 

「知り合い……と言うか、幼馴染みね」

 

「えっ!?幼馴染み!?」

 

「ええ。五年ぶりに帰って来たのよ」

 

友希那の回答に彼女が驚くのは無理も無いだろう。先週までリサと共に登校することこそあったものの、そこに貴之も一緒にいたことは一度もないのだから。

もしかすると、リサも今頃この手の質問に答えている最中なのかも知れない。目の前にいる女子生徒に答えながら友希那はそんな予想を立てた。

今の回答で納得できたのか、質問をして来た女子生徒は友希那に礼を言ってから友人たちの下へ移動していった。

そして、その友人に貴之が友希那の幼馴染みだと伝われば、それは一瞬で盛り上がりを見せるのだった。

そんな様子に少しの間だけ目をやってから、友希那は作曲に取り掛かろうとして一つの事を思いついた。

 

「(そうだ……後で貴之に頼んでみようかしら?)」

 

流石に朝は転校の手続き等で慌ただしくなるはずなので、昼休み辺りが望ましいと友希那は考えた。

五年前は貴之の連絡先を知らなかったが故に全く連絡を取ることが出来なかったものの、連絡先を交換できた今であればいつでも連絡する事ができる。

彼が帰って来た事の嬉しさを思い出して、友希那は一人微笑むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

「ここの近くは初めてかな?」

 

「いえ、五年前まではこの近くに住んでいました」

 

「そうか……それなら懐かしき友人との再会もあるかもしれないね」

 

友希那たちと別れた後、貴之は特に問題なく後江学園に辿り着き、転校手続きを済ませていた。

一応、登校している時に羽丘女子学園に向かう生徒や、同じ後江学園の生徒に注目の目を向けられた時は、前の転校初日とは勝手が違うことを思い知らされた。

何せ小学生だった前回は私服であったが為に特に注目されることなど無かったのだが、今回は制服を来た高校生。そうなれば学校もわかるので否が応でも目を引いてしまうものである。

そして今、転校手続きを終えた貴之は、担任の長谷川(はせがわ)秀明(ひであき)についていく形で教室へ向かっていた。

 

「(確かに、こういう先生だったら転校初日でもある程度緊張が和らぐよな……)」

 

現在こうして長谷川と話している貴之は、話しやすい人だと感じていた。

言動や物腰が柔らかいので、それが話しかけることや、素直な回答への抵抗感を薄れさせていた。

とは言え貴之自身は二度目の転校であること、五年前にも住んでいた場所に帰って来たこともあって、大して緊張をしてはいなかった。

 

「さて、着いたぞ。この時期に転校と言うのは色々大変かも知れないが、君が良い学校生活を送れるようできる限りは協力するから、困ったらいつでも頼ってくれ」

 

「はい。ありがとうございます」

 

長谷川のその協力的な姿勢は非常にありがたく、貴之は素直に礼を言う。

友希那たちと再会できた嬉しさと、協力的な姿勢を見せてくれる先生という存在は貴之に更なる心の余裕を与えてくれた。

そして、長谷川は教室に入って行くが、一度待っていてくれと言われたので貴之はドアの前で待機する。

 

「さて、今日から一緒に学ぶことになる転校生を紹介するぞ。入ってくれ」

 

合図を送られたので、貴之は教室へ入る。

もう既に黒板に自分の名前が書かれていた為、チョークで名前を書かないで済むのは楽だなと貴之は思った。

また、こちらに戻ってきてからと言うものの、女子から注目が集まっているのは転校生故だからだろうか?貴之はそう思いたかった。

 

「遠導貴之です。これからよろしくお願いします」

 

ひとまず挨拶しなければ進まないのが分かっていたので、貴之は名乗ってから軽く頭を下げる。

周りを見て見れば、特に怯えられる様子は見受けられない。それが分かった貴之は一安心する。

 

「と言う訳だ。みんな仲良くしてやってくれよ?」

 

長谷川の問いかけには大した反応が見えないものの、クラスの全員は心の中で頷く。

というより、一部の女子生徒は貴之にお近づきになろうと既に準備を始めていた。

 

「さて、遠導の席だが……一番端のあそこが開いてるから、そこを使ってくれ」

 

「分かりました」

 

一番後ろの一番窓側が貴之の席として用意されていた。

――何というか、定番なのか……?前回の転校初日と全く同じ席を用意された貴之は、思わずそう感じてしまった。

とは言え、個人的にそのポジションは外を眺めやすいから好きだった貴之は、特に文句を言うことは無く自分の席に移動する。

 

「よう、二日ぶりだな。まさかお前が後江(こっち)に来るとはな……」

 

「おお、お前も後江(こっち)だったのか?これからよろしくな」

 

自分に用意された斜め前の席には、二日前に『カードファクトリー』で出会った大介がいた。

まさか同じ学び舎になるとは思っていなかった二人は、これから共に過ごせることを喜び、互いに握手を交わす。

 

「おぉ?貴之はこっちに来たんだ?大介から聞いてたけど、本当に戻って来てたんだね……」

 

「おっす貴之。五年ぶりだな」

 

玲奈(れいな)俊哉(としや)!?お前ら久しぶりだな……!」

 

更に嬉しいことはこれだけでは無く、貴之の隣りの席には青い髪を肩に掛かるくらいの長さに整え、その青髪と同じ色の瞳をした少女の青山(あおやま)玲奈が、一つ前の席には白い癖っ毛の髪とエメラルドグリーンの瞳を持つ、貴之の親友と呼べる少年の谷口(たにぐち)俊哉がいた。

ここ数日間、幼馴染みや友人、好きな人との再会に加えて新しい出会いなど、貴之は驚かされた続けられているなと感じた。

 

「おっ、知り合いがいたのか……。なら、お前らが中心になって手伝ってやれるか?」

 

「「「はーい」」」

 

その様子を見て長谷川が促せば、三人は手を軽く上げながら返事する。

 

「それじゃあ、HR(ホームルーム)を終わりにするぞー。重ねて言うが、仲良くするようになー」

 

長谷川がHRを終えて教室を出ていく。

 

「そういや貴之、お前家ってどうなった?」

 

「前と同じ場所になった。また今度集まってバカやろうぜ」

 

早速、俊哉の質問に答えながら貴之がそう投げかけると、俊哉は「もちろんそれには乗らせてもらうぜ」と答えた。

短い時間とは言え、簡単に話している間に貴之に興味を持った女子生徒が数人近くに集まってくる。

――まぁ異性の転校生ってことだし、こういう人たちは必ずいるよな……。自分が高校生であることもあいまって、貴之はすんなりと納得できた。

一度目の転校時は小学生だったこともあり、隣の人と少し話したくらいで終わったのだが、高校生になるとやはり違う。それは二度目の転校をして感じたことだった。

 

「遠導君の趣味と打ち込んでいるものを教えて!」

 

「趣味はヴァンガードだ。最早打ち込むレベルでやり込んでるかな……?後は時々料理をやったりするぞ。今は大学生の姉と二人暮らしやってるからな」

 

しかし、そこは遠征によって人との会話に慣れている貴之。質問に対しては何も迷う事無く答える。

最初に質問した女子生徒は、「大神君や青山さんと仲がいいならやっぱりそうだよね」と納得する。

料理の下りを聞いた俊哉は「お前いつの間に料理するようになったの!?」と驚き、玲奈は「二人暮らしなら料理できた方がいいよね」と同意した。

 

「谷口君たちとはどういう関係なの?」

 

「大介とは二日前にあったばっかりだが、お互いにヴァンガードやってる身だったんでウマが合った。んで、俊哉と玲奈の二人は小学の時からの付き合いだ」

 

誤解を招きそうな質問だなと思いながらも簡単に答えていく。

貴之たちは小学の時、同学年の友人たちと集まって度々ヴァンガードをやっていた。運良くこの教室で会えたのは俊哉と玲奈の二人だが、もしかしたら他の人たちもどこかにいるかもしれない。

ちなみに玲奈は、ヴァンガード等男子に近い趣味を持っていた影響か、同年代の女子と比べて趣味が少々特殊なものになっていた。この辺りは年頃の女子らしさの強いリサとは真逆に位置するが、本人は然程気にしていなかった。

 

「誕生日はいつ?」

 

「9月10日、おとめ座だ」

 

ここまでは特に当たり障りのない質問が来ていたが、次の質問が一瞬にして空気を変える。

 

「遠導君に好きな人はいるの!?」

 

「「(あっ……。それを聞いちゃったかぁ……)」」

 

「……?お前ら、どうした?」

 

女子生徒の一人そう聞いた瞬間、貴之の近くに集まっていたクラスメイトは聞き耳を鋭くする。あれだけ賑わっていたのが一瞬にして静まり返ったのである。

しかし、玲奈と俊哉は貴之がどんな回答をするのかが目に見えてしまったので、目をそらしながら苦笑する。

大介は二人がどうしてこんな反応を見せたのかが分からず問いかけるものの、二人はまあ見てろと言わんばかりに貴之に目を向けた。

周囲にいるクラスメイトの内、女子は興味津々に、男子はこちら側に知り合いがいるのを聞いた為、「いるのかな?」位の気持ちだった。

 

「いるよ。俺が小さい頃から……ずっと好きだった女の子が……」

 

貴之が何も迷うことなくそう答えた瞬間、お近づきを狙っていた女子生徒の希望と言うガラスが、ガシャンと砕け散るような音が聞こえた気がするが、気のせいだろうと貴之は考えた。

但し、この後貴之の好きな人で女子生徒の話題が持ち切りになったのは言うまでも無かった。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

午前の授業が終わって昼休みとなり、貴之は俊哉たちと共に昼食を取っていた。

やはり友人であることから馴染むのが楽であり、貴之は自然と俊哉たちの輪に仲間入りしたのである。

ちなみに、授業中自体は特に問題なく過ごすことができたので、貴之としては及第点だった。

 

「そういや貴之、お前は放課後どうすんだ?」

 

「ん?友希那に連絡取るのは決めてたが……そっから先は何も決めてないな……」

 

「あははっ。貴之は相変わらずぞっこんだねぇ」

 

「またこのネタで弄られんのか俺は……」

 

――まぁでも、何も無いのよりはマシなのかもな。貴之は身内とまた共にいられる時間が帰って来たことに安堵する。

最初に貴之の口から友希那の名が出て動揺したクラスメイト達ではあるが、俊哉たちと小学からの付き合いだと言うことを考えれば、知っていてもおかしくないと結論づけて己を落ち着かせることができた。

ちなみに、友希那は様々な男子に告白されたことがあるのだが、それらは全て「他に好きな人がいる」で一蹴していた。また、その相手が「ここから遠くへ離れてしまった」とも言っていたので、一部では友希那の意中の人は貴之ではないかという説が広まりだしているが、実際正解である。

 

「そう言うお前らは普段どうしてんだ?」

 

「全員で集まれたんなら、ヴァンガードやんのが基本だな。何なら早速今日から混ざるか?」

 

「そうだな……。何事もなけりゃ混じらせてもらうかな」

 

話が脱線しかけたのを戻すべく貴之が聞いてみると、大介が答えながら誘って来たので、貴之は一瞬考えてから答える。

 

「……あれ?友希那と一緒にいなくて大丈夫なの?」

 

「お互いに大会とコンテストが近いしな……。そう言った意味でも練習や調整は大事だ」

 

「……なるほど」

 

――それなら仕方ないね。玲奈は貴之の回答ですぐに納得した。

友希那は貴之が転校した後に、「コンテストで結果を残し、FWFに出る約束をした」と言っていたので、この時期はあまり時間を作れないのだろう。

そして、昼食を取り終えたので暫しの間談笑をしていると、貴之の携帯が着信音を鳴らした。

 

「あっ、悪い電話だ……」

 

電話相手を見て見れば友希那からだったので、貴之は一瞬固まったものの、すぐに電話に出た。

 

「……もしもし、友希那?」

 

『貴之?今大丈夫かしら?』

 

「大丈夫だけど、どうした?」

 

電話がくる頃には昼食は取り終えていたので、貴之は大丈夫だった。

ちなみに、昼食は俊哉たちと共に購買ダッシュをしてパンを購入したことによって事無きを得ていた。

――放課後になったら連絡するっつったけど……待ち切れなかったのか?貴之は一瞬そのことを危惧するが、それは友希那が次に発した言葉によって否定されることになった。

 

『ちょっと相談したいことがあるの……』

 

「相談したいことか……。何に困ってるんだ?」

 

しかしながら、友希那が自分に相談してくるのは珍しいなと貴之は思った。

貴之と友希那の二人は、自分たちの打ち込んでいる物事で行き詰っても、基本的に自分一人で解決していることが殆どだったことと、お互いに相手の打ち込んでいる分野が素人である以上、そう言う時はその方面に詳しい人に相談するので、今までこう言ったケースは無かったのである。

とは言え、友希那に相談を受けたのなら引き受けよう。貴之は一瞬の内にその判断を下すのだった。

 

『実は、新しく曲を作っているんだけど、行き詰っているから協力して欲しいの』

 

「なるほどな……。けど、俺で大丈夫なのか?お前から音楽の話を聞いてたから多少はマシだけど、それでも作曲とかの知識は一切無いぞ?」

 

『知識とかの心配はいらないわ。貴之には、何かヒントになりそうな物を出して欲しいの』

 

貴之は歌詞などに関しては非常に知識が疎いので助けになれないと危惧したが、友希那に言われた内容はそこまで難しいものではなかった。

 

「……確かに、それなら俺にもできそうだし、引き受けるよ」

 

『ありがとう。それで……何かいいものはないかしら?』

 

「うーん、そうだなぁ……」

 

引き受けるつもりではいたが実際に告げていなかった貴之がその旨を伝えると、友希那は礼を行ってから問いかけて来たので貴之は考え出す。

――そう言えば、友希那ってヴァンガードに触れたこと無いんだったよな……。記憶の限りでは友希那が一度もヴァンガードに振れてない事に気が付いた貴之は、そこで思い至った。

 

「そういや友希那、お前ってヴァンガードやったこと無かったよな?」

 

『確かにやったことは無いけど……それがどうかしたの?』

 

しかし、せっかく誘うにしても友希那が初めてかどうかは確認しておかなければならない。

当の友希那はやったことが無いと言ったので、これで初めて貴之が考えていたことは実行に移すことができるようになった。

とは言っても、ここで自分一人で決めてしまうのは問題なので、貴之は「ちょっと待ってて」と言い残す。

 

「悪い。友希那を誘ってみてもいいか?」

 

「おっ?珍しいな……何があったよ?」

 

「新曲作りのヒント出しを頼まれてな……。友希那自身がヴァンガード触れてないし、いい機会だとも思ってな」

 

貴之の頼みを以外に思った俊哉が理由を聞けば、なるほどと思える回答が返って来た。

互いの分野に触れるとすれば、戻って来た今がいい機会なのかもしれない。

 

「俺は大丈夫だけど……お前らは?」

 

「あたしは平気。というより、ヴァンガードに触れる女の子が増えると嬉しいから大賛成」

 

「俺も問題ない。ちゃんと力になってやれよ」

 

俊哉が促せば全員が賛成で返してくれたので、貴之は礼を言ってから電話に戻った。

 

「待たせたな……それなら、今日やってみないか?ヴァンガード」

 

『……ヴァンガードを?』

 

貴之に誘われた友希那は一瞬困惑する。

無理もないことだった。曲作りの協力を頼んだら何故かヴァンガードに誘われた状況であった為、貴之の意図に気づけなかった友希那はすぐに頷くことができなかったのだ。

 

「いや、新しいものに触れれば何かヒントになるかも知れないと思って誘ったんだが……どうだろ?別に無理にとは言わないからさ」

 

『……なるほど、そういうことね』

 

貴之が誘った理由を聞いて友希那は納得した。

確かに、ヴァンガードに振れて新しい曲のヒントが掴める可能性は十分ある。しかし、一つだけ問題があった。

 

『でも……私は一度もやったこと無いのよ?それでも大丈夫なの?』

 

「ああ、そのことは心配ない。俺が教えればいいからな」

 

――確かに、貴之が教えてくれるなら問題無いわね。友希那はそれだけで自然と安心できた。

 

『なら、今日の放課後にお願いするわね?』

 

「分かった。放課後は取りあえず羽丘(そっち)で合流するか?」

 

『ええ。そうしましょう』

 

だからこそ、友希那はそれを受け入れた。

そして、ヴァンガードをするという話が決まったので貴之は放課後の合流先はどうするかを切り出し、友希那が肯定したのでトントン拍子に話が進んだ。

 

「じゃあ、放課後そっちでまた会おう」

 

『ええ。それじゃあまたね』

 

そうして二人は電話を終えた。

 

「俺は放課後、一旦友希那迎えに行くんだけど……俺だけ行ってきて、後で合流するか?」

 

「あたしは行こうかな?男子一人で行くと不審がられない?しかも転校早々でしょ?」

 

玲奈に厳しい部分を突かれた貴之は「それを忘れてた……」と頭を抱える。

確かに迎えに行くのはいいのだが、いくら何でも自分の判断が安直過ぎたのがよく分かる瞬間だった。

 

「まぁ……こうなったらもう全員でいいか?」

 

「だな。バラバラに入ってゴタつくのも嫌だしな……」

 

結局四人で一度羽丘に向かうことが決まり、これと同時に午後の授業の始まりを告げるチャイムが聞こえた。

区切りのいい所だったので、四人はそのまま授業の準備をし、午後の授業を受けた。




プロローグの面でも見受けられますが、友希那は原作より丸めな性格になっているので、全く持って他人を寄せ付けないということは無くなっています。

羽丘に編入でもアリかなと思いもしましたが、その手の手段が結構多かったので貴之には共学の学校に行ってもらいました。
元ネタは櫂や三和が通っている『後江高校』からです。
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