カードファイト!!ヴァンガードG IF 〜夜薔薇の先導者〜 作:バンドリーマーV
オリ主を絡ませづらいエピソードは度々カットすることになりますが、後々に関わる場合などは最低限の説明は入れるつもりです。
「君の分身をいただくよ」。
子供たちの間ではヴァンガード都市伝説、「仮面ゴースト」の噂で持ちきり。
挑まれたファイトに負けると、大切なカードを奪われてしまうのだ。
知り合いの少年から助けを求められたシオンは、仮面ゴーストの正体を突き止めようとする。
仮面ゴーストの正体は、シオンの幼なじみである烏森ユウヤであり、金持ちゆえに庶民を見下し、相手を叩き潰し絶望させることを快楽としていた。
シオンはカードを取り返す条件として、トリガーの多くをデッキから取り除いたハンデつきファイトを行う。
シオンは苦戦しながらも見事勝利し、カードを取り返したのだった。
そしてある日。
アン「お祭りクエスト?」
トコハ「そう。今度、ドラゴンエンパイア祭りがあるでしょう?一緒に盛り上がる企画をやると、ポイントがもらえるの!」
アン、トコハ、クミ、クロノ、シオン、トリニティドラゴンは、カードキャピタルに集まって話していた。
クロノ「興味ない…」
トコハ「あら残念。参加者は兄さんとファイトできるのにね~」
クロノ「えっ、マモルさんと!?」
アン(かわいい…)
トコハ「じゃ、申し込んでおくね」
クロノ「いや、まだやるとは…」
クミ「楽しみだね、トコハちゃん!」
結局参加となり、現在は話し合い中だ。
クロノ「……」
トコハ「そこの仏頂面!やると決めたら楽しむ、それが祭りよ!」
アン「あ、あはは…」
クロノ「はぁ…で、お前も参加するのかよ?」
シオン「うん、安城さんに強引に誘われてやることにね」
ヴァンガード女子、強し。
シオン「オークションはどうかな?」
アン「何を出品するんですか?」
シオン「しまいこんでいて使わないものだよ。みんなの家にもあるだろう?アンティーク品とか彫刻とか…」
クロノ「そんなもん普通ねぇから」
シオン「え、そう?」
…世界が違う。その後も色々と意見が出たが、なかなか決まらない。
クロノ「なんでもいいだろ~?さっさと決めろよ」
トコハ「新導!あんたも何か出しなさいよっ!企画よ企画、なんかないの?」
クロノ「う〜ん…じゃあ、たこ焼き屋」
「「「えっ」」」
クロノに注目が集まる。
クロノ「いや、言えって言うから…」
トコハ「いたって普通!だがそれがいい!」
クミ「もー考えつかれちゃったしね~♪」
アン「シンプルイズベストということですか」
クロノ「ちょ、ちょっと待て!?」
適当に言ったのが採用されて逆に焦るクロノ。
クロノ「たこ焼き屋、結構金かかるぞ!?」
カル「粉物って安くやれるんじゃないですか?」
クロノ「問題はタコだ!タコが安く仕入れられないと赤字になるぞ!」
アン「ほ、本気だ…」
さすが自炊してるだけある。
クロノ「あ、赤字が出たら困るだろ。予算は割り勘だろ?」
ツネト「いきなり金の話かよ。みみっちい」
クロノ「堅実といえ」
シオン「うちで出そうか?出資って形で」
クロノ「お前に借りをつくる気はない」
アン(あぁ、またですか…)
アンは頭を抱えた。以前クエストで対決して以来、この二人は妙な対抗意識を持っているのだ。
いや、クロノはシオンだけでなくトコハとも、しょっちゅうしょうもないことでケンカしているのだが。
トコハ「いっそ、タコはやめて別の具を入れようか?チョコとか、クリームとか、いろんな種類つくるの!」
カル「激辛ソース入りとかどうでしょう?」
ツネト「名前も、ドラゴンエンパイア焼きとかにしたらどーよ!」
クミ「わ~♪多度君にしては、ナイスアイディア〜♪」
ツネト「誉めてんの!?貶してんの!?」
トコハ「いいじゃんいいじゃん。ドラゴンエンパイア焼き、それでいこう!」
当日。
クミ「すご~い。新導君上手~」
屋台の調理スペースで、クロノはたこ焼きの生地を作っていた。
カル「はあ…終わりました」
クロノ「おい、小麦粉のダマが残ってんだろ?」
カル「ダマ?ダマとは…」
カルはタブレットで検索を始める。
クロノ「…いい、俺がやる!」
シオン「そろそろ焼き始めるよ」
クロノ「もう少し待て!まだ油がなじんでない!」
クミ「お釣りの小銭これでいい~?」
クロノ「ちゃんと分けて!後で面倒だぞ!」
ツネト「お前案外細けぇな~」
クロノ「うるせぇ!」
アン「まぁまぁ」
アン(けど、新導くんがやる気になってくれて、うれしい…)
マモル「へぇ…意外だね、クロノ君」
トコハ「そうなのよ、案外マジになっちゃって」
クロノ達の様子を見ている安城兄妹。
トコハ「兄さん、相当忙しいんでしょ?大丈夫?ちゃんと寝てる?」
マモル「ははは、心配いらないよ」
支部長「そう!マモルは強い子だから大丈夫だよ」
やってきた支部長を、マモルが睨む。
マモル「あなたに言われたくありません。ぶらぶらしてないで、働いてください!!」
支部長「は、はい〜…」
以前も着ぐるみに入って仕事を抜け出していた支部長である。
アン「ドラゴンエンパイア焼き、いかがですか〜?」
いよいよ祭りが始まり、ドラエン焼きの販売もなかなか好調だ。
シオン「いらっしゃいませ!ほら、キミも声だしなよ」
クロノ「…い、いらっしゃいませぇ〜」
ぎこちない笑顔に、裏返り気味の声。
シオン「あっ…ごめん!僕が頑張るよ!」
クロノ「いらっしゃいませぇ〜っ!」
アン「ムキにならなくても…(可愛い…)」キュン…
「もう1つくださいっ!」
「私は2つ!」
「私も!」
シオン「ありがとうございます!」キラッ☆
ちなみに、シオンは女性客にキャーキャー言われていた。
そんなかんなで、好調なまま時間が過ぎていった。
クロノとアンが二人でドラエン焼きを焼いていると、接客していたトコハがやってきた。
トコハ「大繁盛よ!」
クロノ「このペースなら、赤字は免れるな」
アン「うふふ、心配しすぎですよ」
トコハ「そうそう。二人ともちょっと休憩行って来たら?」
シオン「焼き場は僕が変わるよ」
クロノ「あ、あぁ…わりぃな。じゃあ、頼む」
アン「それでは、お言葉に甘えて…」
クロノとアンは、二人で休憩に入り、祭りを歩き始めた。
アン「きゃっ…!」
「おっと…」
アンは誰かとぶつかってしまった。
アン「す、すいません…!」
「いえいえ、こちらこそ〜」
アン(最近、よく人とぶつかるなぁ…)
ぶつかったのは、赤い長髪の青年だった。
その手にはドラエン焼きが。
アン(買ってくれたんだ…)
「おや…?」
ふと、青年はアンの目をじっと見つめる。
「…これは…やはり…これは驚いた…」
アン「…?あの、えっと…?」
「…ふふ、なんでもありませ〜ん。けど、そのうちまた会える気がしますね!」
アン「へ…?」
「それじゃあ♪」
青年は手を振って歩いていった。
アン「…?」
アン(なんか、不思議な雰囲気の人…)
クロノ「大丈夫か?ぶつかってたけど」
アン「あっ…ご心配なく!さぁ、行きましょう!」
クロノ「おう」
二人で祭りを周り、食べたり写真を取ったりして、時間が過ぎていった。
クロノが偶然会ったマモルと話している頃、アンも声をかけられていた。
ルナ「…アン」
アン「?」
アンが振り返ると、月城ルナがいた。
アン「ルナさん!ルナさんも参加するんですか?」
ルナ「今日はお仕事。一応、普及協会本部にいるから。各支部の視察とお手伝いはよくある」
アン「お忙しそうですね…」
ルナ「まぁね。これでも、クランリーダーだから。けど、楽しいよ。ヴァンガード、好きだから」
アン「あ…」
ルナ「アンもお祭り、楽しんで」
ルナはめったに見せない笑みを、静かに浮かべる。
アン「──はい!」
ルナ「うん。それじゃ」
そして夕方、メインイベントの時間だ。
ヴァンガ郎「元気ですだが~!?」
ヴァンガ郎(中身は支部長)と、マモルがステージに立つ。
マモル「今日はみんなのおかげで、とても楽しいお祭りになった。今日のファイトは僕からのお礼だ、さぁいくよ、みんな!」
参加人数などの関係もあり、3人か4人対マモル1人の特殊ルールでのファイトだ。
定員が四人までのため、兄妹であるトコハは辞退した。
トリニティドラゴンがマモルとファイトを始め、次はアン、クロノ、シオン、クミの番になったのだが…
クミ「…?」
クミのスマホから通知音が鳴った。
クミ「…やだ、ママが超怒ってる…!」
トコハ「どうしたの?」
クミ「猫がソファーにおしっこしちゃって…トコハちゃんお願い!変わりにファイトして!私の闘魂、あずけたぞい!」
トコハ「えぇっ!?…あ~…」
少し前のトコハなら、コンプレックスから悩んでいただろう。しかし、アンとのファイトで前向きになったトコハは、ファイトしてみようという気になっていた。
トコハ「…よし!やったるわ!」
アン「ふふ、そのいきです!」
順番になり、ステージに上がる。
マモル「…久しぶりだな、ファイトするの」
トコハ「そうだね…」
そして…
『『スタンドアップ・ヴァンガード!』』
その後。
トコハ「あ~、楽しかった!」
アン「負けちゃったけど、楽しかったです!」
結局全員敗北したが、気分はどこか清々しい。
クロノ「はぁ~…もう少し粘れると思ったんだけどなぁ…」
シオン「なかなかだったんじゃない?」
クロノ「まぁ、お前よりは粘ったかな」
シオン「ふふっ…」
クロノ「なんだよ、その笑い…」
シオン「いや、別に」
クロノ「別にじゃねえだろ?」
アン「まぁまぁ…」
クロノ「マモルさん、完全ガードが無いのを読みきって、ストライドせずにブレードマスターのスキルで、クリティカルを上げてアタックしてきたな…」
シオン「こっちの手札とトリガーチェック、ファイト展開から読んでたんだろうね」
トコハ「ねぇ、キャンプファイヤー始まるよ?」
クロノ「キャンプじゃないのに、何でキャンプファイヤなんだよ…」
アン「細かい事はいいじゃないですか?」
トコハ「最後まで付き合いなさいよ?楽しかったでしょう?」
クロノ「…まあな」
アン「ふふっ…」
トコハ「ほら、立って!やるよフォークダンス!」
シオン「えっ!?フォークダンスやるの!?」
クロノ「マジかよ…」
アン「!」
アンはちょっと迷うが、やがて頬を赤くし、クロノの手を取る。
クロノ「ん?」
アン「せ、せっかくですし踊りましょう?」
クロノ「えっ、お前まで…まぁ、いいけど…」
アン「そ、それじゃあ早速…!」
クロノ「お、おい…!」
アンはクロノの手を引き、会場に向かう。
トコハ「あら~♪」
シオン「ふふ…」
《続く》
次回 第11話「まだない名前」