カードファイト!!ヴァンガードG IF 〜夜薔薇の先導者〜   作:バンドリーマーV

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第11話「まだない名前」

 

アン「こんにちは~」

 

 

アンがカードキャピタルに入店すると…

 

 

クロノ「俺とチーム組みませんかっ!」

 

「「ひぃいいっ!?」」

 

 

クロノが他の客に声をかけ、目付きの悪さと鬼気迫る雰囲気から怖がられて逃げていた。

 

 

カムイ「おぉアンちゃん、いらっしゃい…」

 

アン「あ、カムイさん。新導君は何をやっているんですか?」

 

カムイ「勧誘だよ…」

 

アン「勧誘?」

 

カムイ「チーム組むメンバーを探してるんだけど…最早、軽い営業妨害だぜ…」

 

 

ヴァンガードの大会は、3人のチーム戦。たまに4人チームもいるが、試合に出るのは3人だ。

 

 

アン「むぅ…」

 

 

アンは頬を膨らませて歩み寄る。

 

 

アン「し、新導くん!」

 

クロノ「お、日下部…」

 

アン「ち、チーム組むなら、知らない人より先に…私を、誘ってくださいよ…!」

 

クロノ「え、お前は安城と出るんじゃ?」

 

アン「う…じゃあ、いっしょに…!」

 

クロノ「ん~でも安城とはすぐ喧嘩になるし…」

 

アン「もう…」

 

 

その時、シオンとトコハが来店した。

 

 

アン「トコハちゃん、綺場くん」

 

トコハ「アンちゃん!カムイさんに呼ばれたんだ」

 

シオン「僕もだよ」

 

カムイ「よし、揃ったな!」

 

 

カムイが四人の前に立つ。

 

 

カムイ「お前ら4人で、大会エントリーしといたから!お前らチーム組め!」

 

「「「「はぁ!?」」」」

 

 

四人は驚愕する。

 

 

シオン「どうしていきなりそうなるんですか!?」

 

カムイ「シオンもトコハちゃんも、色々誘われてるのに、決めかねてるみたいだったし…クロノはあのザマだしな…」

 

クロノ「う゛…」

 

カムイ「何年もヴァンガードやってるとな、スペシャルなチームかそうじゃねえか分かるんだよ!俺には見える…お前ら四人が、てっぺん取るのがな!聞こえるんだよ!お前らの奏でるハーモニーが!お前ら四人が起こすケミストリーが!ヴァンガード界に、旋風を巻き起こすってな!」

 

「「「「えぇ…?」」」」

 

 

 

 

 

しばらくして、近くの公園。

 

 

カムイ「うぅーん、お揃いのユニフォームかぁ。一緒に戦うっていう気持ちがビシビシ伝わってくるぜ!」

 

クロノ「無理やり着せたんでしょ」

 

アン「そもそも学校の体操着ですし…」

 

カムイ「勝利を掴むには、何よりチームワークが重要だからな。手始めにまず、四人五脚をやってもらう!」

 

「「「「えぇ…?」」」」

 

 

仕方なく四人は足を結ぶが…

 

 

クロノ/シオン「「う…」」

 

 

クロノとシオンは、真ん中に入ったトコハとアンの肩に手を回そうとして、赤くなって躊躇う。

 

 

カムイ「どうした!グズグズするなー!」

 

トコハ「早くしなさいよ」

 

アン「どうかしたんですか?」

 

「「あ、いや…」」

 

 

男子二人が赤くなりながらも肩を組む。

 

 

トコハ「右、左で行くわよ」

 

カムイ「よーい、スタート!」

 

「「「「右、左…うわぁっ!?」」」」

 

 

いきなりコケた。

 

 

トコハ「何やってんのよ新導!右、左って言ったでしょ!」

 

クロノ「ちゃんと右出したぞ!?」

 

トコハ「私が右ならアンタは左でしょ!?」

 

クロノ「なんでお前に合わせなきゃいけないんだよ!」

 

シオン「僕はちゃんと出したからね!」

 

アン「ま、まぁまぁ落ち着いて…!」

 

カムイ「次!組体操!」

 

 

組体操では、トコハが上に乗る。

 

 

トコハ「ほら!男子二人はちゃんと高さ合わせてよ、危ないでしょ!」

 

クロノ「お前、見かけより重いな…!食い過ぎじゃねえのか…!」

 

アン「デリカシー…!」

 

トコハ「うるさぁいっ!って…!?」

 

「「「「うわぁああああっ!?」」」」

 

 

四人は重なりながら崩れ落ちた。

 

 

アン「いたた…ひゃうっ!?」

 

クロノ「んむっ…!…!?」

 

 

倒れた拍子に、クロノの顔面が、アンの年齢のわりに発育した胸に埋まって…

 

 

アン「──きゃあああああああああああああああああああっ!?」(///)

 

パァンッ!

 

クロノ「ぶふぉおっ!?」

 

 

アンの全力ビンタがヒットし、クロノは撃沈した。

 

 

シオン/トコハ「「うわぁ…」」

 

カムイ「次!」

 

 

 

 

 

カムイ「三人同時に答えるんだ。それじゃあ行くぞ。可愛い動物といえば何!」

 

クロノ「ネコ」

 

シオン「ウサギ」

 

トコハ「イヌ」

 

アン「ペンギン」

 

 

見事に割れた。

 

 

「おにぎりの具といえば!」

 

クロノ「シャケ」

 

シオン「キャビア」

 

トコハ「おかか」

 

アン「昆布…え、キャビア…?」

 

 

また割れた。その後も全ての質問で割れた。

 

 

 

次は何故か釣りだが…

 

 

カムイ「何やってんだよぉ…4人同時に釣らなきゃ意味ねえだろ?」

 

クロノ「んなことできるわけないじゃないですか!」

 

 

ごもっともである。

 

 

カムイ「ったく、さっきからお前ら全然息あってねえな…何だったら出来るんだ?自信があるもん言ってみろ。漫才か?ダイナゼノンか?四人だし」

 

アン「ダイナゼノンってなんですか?」(汗)

 

トコハ「全然ヴァンガードに関係ないし!」

 

シオン「ファイトなら…ファイトなら、自信があります!!」

 

 

 

五人はカードキャピタルに戻った。

 

 

「「「トリニティドラゴン、参上!」」」

 

 

トリニティドラゴンがいつものポーズを決めた。

 

 

カムイ「今からやるのは、1ターンごとにファイターが変わる変則ファイトだ!」

 

トコハ「大会のルールと違うんじゃ…」

 

カムイ「これはチームワークを測るためのファイトだ。ファイトなら自信あるんだろ~?」

 

ツネト「…ところで、何で体操服着てるんだ?」

 

トコハ「…そこは、スルーで」

 

ツネト「流行ってんの?」

 

 

ファイトの準備が整う。

 

 

カムイ「先攻はオラクルシンクタンクのトリニティドラゴン。後攻は、ギアクロニクルの……えっと…お前ら、チーム名は?」

 

「「「「えっ」」」」

 

 

考えてなかった。

 

 

クロノ「あ、あぁ…名前はまだない」

 

ツネト「ぷっ、名前はまだないだって!だっせぇチーム名!」

 

クロノ「ち!ちがう!そうじゃなくて!」

 

ツネト「後攻は、チーム名前はまだない!」

 

クロノ「だから違うって!」

 

 

なんやかんやでファイトが始まる。

 

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!」」

 

 

ツネト「神宮衛士ハヒキ!」

 

クロノ「ガンナーギア・ドラコキッド!」

 

カムイ「はい交代!」

 

クロノ「めくるだけかよ!」

 

 

クロノからトコハへ、ツネトからカルへ。

 

 

カル「ライド!神宮衛士ツナガイ!ハヒキは移動!ターンエンド!」

 

カムイ「はい交代!」

 

トコハ「え!?私何もやってない!」

 

ツネト「ナイスライドー」

 

カル「はい!」

 

 

その後はというと…

 

 

クロノ「なんでメーザーギア・ドラゴンにライドしねぇんだよ!?」

 

シオン「僕には僕のやり方がある!」

 

 

で、次のターン。

 

 

クロノ「くっ…メーザーギア・ドラゴンにライドしてりゃあ!お前のせいでパワー7000のグレ1にまでボコられたじゃねえか!!」

 

シオン「僕は確率的に有利になる選択をしたまでだ!」

 

アン「ま、まぁまぁ…」

 

 

 

クロノ「そこはスモークギア・ドラゴンだろ!!」

 

トコハ「引けなかったんだからしょうがないでしょう!」

 

クロノ「引けよ!!」

 

アン「さすがにそれは無茶ですって、自分が毎回引いてるからって…!」

 

 

 

ツネト「すごいぞカル!」

 

カル「ツネトさんのデッキが最高だからですよ!」

 

 

トリドラの完璧な連携に対し、四人は全く息が合わない。

 

 

クロノ「1枚ぐらい引けよ!」

 

シオン「君は本当に無茶ばかり言うね!」

 

アン「いい加減に…!」

 

 

 

トコハ「このターンで決める!って言ってなかった~?」

 

クロノ「うるせぇ!」

 

アン「いい加減にしてください!話が全然進まないじゃないですか!」

 

クロノ「お前だってトリガー引いてないだろ!」

 

アン「それは全員同じでしょう!」

 

シオン「全員ねぇ、そういう日下部さんだってさっきもう1枚コールしていれば…」

 

アン「私のせいって言うんですか!?」

 

カムイ「お前らいい加減にしろ!」

 

 

ついに唯一の制止役だったアンまでキレてしまう。

 

 

トコハ「むぅ…!」

 

シオン「君も気付いているんだろう?カムイさんのブラフだよ。新導と日下部さんはまだグレード2。このチームは、大会にエントリーする事は出来ない」

 

トコハ「そうね…」

 

「だけど、カムイさんのチームを組めという言葉を聞いたあの瞬間、僕は何かを感じたんだ。今まで、誰に誘われても感じなかった何かを。だから乗った」

 

トコハ「私も。でもそれは間違いだった。こんなチーム全然だめ!」

 

シオン「…同感だ」

 

 

シオンとトコハがコソコソ話す中…

 

 

ツネト「未来の扉をこじ開けろ!ストライドジェネレーション!」

 

 

ツネトは《神鳴りの剣神 タケミカヅチ》にストライドした。

 

 

ツネト「目覚めよ、荒ぶる神の剣よ!必殺!爆雷稲妻斬りッ!」

 

 

タケミカヅチの一撃がクロノジェットにヒットし、ダメージ6となった。

 

 

ツネト「やったあああ!」

 

カル「見事なフィニッシュです!」

 

ケイ「流石ツネトさん!」

 

ツネト「お前らがお膳立てしてくれたお陰だよ!俺はただ決めただけで、チームの主役じゃない。このチームの主役は…俺達、3人だ!俺達3人、チームトリニティドラゴンの勝利だ!」

 

 

 

クロノ「なんだよ…!チーム、チームって…」

 

カムイ「…ないな。このチームは無い」

 

クロノ「無いってなんですか!俺達がてっぺん取るって」

 

シオン「旋風を巻き起こすとも言ってましたよ!」

 

カムイ「フンッ、笑させるな!何がてっぺんだ!何が旋風だ!ケミストリー?ハーモニー?ふざけるのも大概にしておけ!!」

 

アン「全部カムイさんが言ったんじゃないですか!特に後半!」

 

カムイ「自分勝手で独り善がりのファイト。傲慢で、自信過剰で、誰1人チームの事を思いやらねぇ!チームワークの欠片もねぇ!俺が見たのは幻だった。お前らは、終わっている」

 

 

四人は全く否定できない。

 

 

カムイ「あ~時間の無駄だったぜ!とっとと帰れ!で、歯磨いて便所いって寝ろ!」

 

 

カムイは歩き去ろうとするが…

 

 

「「「「やってやる!」」」」

 

カムイ「ん?」

 

「「「「このチームで、やってやる!」」」」

 

 

意地になった負けず嫌いの四人は、そう宣言した。

 

 

カムイ「…好きにしろよ」

 

 

カムイはカウンターに向かう。

 

 

トコハ「だいたいアンタ達が自己中すぎんのよ!」

 

クロノ「お前だってワガママじゃねえかよ!」

 

トコハ「アンタに言われたくないんですけど!」

 

シオン「2人とも、冷静さが足りない。すぐに熱くなる。よくないね」

 

クロノ「何ぃ!?」

 

トコハ「なんですって!?」

 

アン「三人とも似たようなものでしょう!短気過ぎますし!」

 

クロノ「他人事みたいに言うな!」

 

アン「私は止めようとしたのに聞いてくれなかったのはそっちでしょう!」

 

クロノ「一人だけ責任逃れか!?」

 

 

 

シオン「一応、反省会ですかね?」

 

カムイ「さぁ、どうなんすかね」

 

 

カムイは笑みを浮かべる。

 

 

クロノ「やっぱお前ら気に入らねぇ!」

 

アン「私だって気に入らないです!」

 

シオン「気に入らない」

 

トコハ「気に入らない!」

 

「「「気にいらない!!!」」」

 

 

 

 

 

なんやかんやでチームを組むことになった四人。喧嘩もありつつ、しばらくして多少は打ち解けた四人は、まだグレード3になっていないクロノとアンが大会出場資格を得るため、ユナイテッドサンクチュアリ支部主催のミニ大会に参加したのだが…事件は起こった。

 

 

 

大会中、クロノは偶然にも、イカサマをしている悪辣なチームを発見した。

 

罪を認めないイカサマチームにキレたクロノは詰め寄るが、チームリーダーは振り払われたのをチャンスと捉え、悲鳴を上げてわざと大げさに転び、他のファイトテーブルを巻き込んで倒れた。

 

まんまとクロノが暴力を振るったかのような状況が捏造されてしまい、クロノは暴力行為とファイト妨害の濡れ衣を着せられ、アン達の制止も聞かず、一人会場を去る。

 

後にシオンの活躍で、クロノの無実は証明された。イカサマチームの罪も白日の元にさらされ、ファイター資格の停止と、公式大会への5年間出場禁止という処分を受けた。しかし…

 

 

「理由はどうあれ、暴力行為は許しがたい事実です。トリックトリックと同様の処分でよろしいのでは?」

 

「厳しすぎませんか?情状酌量の余地は十分にあると思います」

 

 

クロノは昔から誤解されがちの経験から、どうせ話しても信じてくれないと、相手がわざと大げさに転げたことを説明せずに去ってしまった。故にスタッフの会議の場は割れていた。

 

 

「伊吹さんはどう思われますか?」

 

伊吹「…無罪というわけにはいかないでしょう。ですが、彼がイカサマを告発しようとした思いを汲めば、ファイターの資格を奪うまでには当たらない。ポイントの剥奪程度に留めておくのが、妥当ではないでしょうか」

 

 

会議を仕切っていた伊吹コウジ…アンがヴァンガードに出会う切欠となった、あの白い長髪の青年は、落としどころを提案した。

 

 

トコハ「じゃあ、新導が今持ってるポイントは、全部剥奪…!?」

 

 

クロノはグレード0に戻ることに…。

 

 

トコハ「正しいことを言ったのに、何で新導が罰せられなきゃならないのよ!私が話をつけてくる!」

 

シオン「…安城さん、もういい」

 

トコハ「何言ってんの!?アンタまで!」

 

シオン「そんなふうにして、乗り込んでいったら、君も新導と同じことになってしまう」

 

トコハ「っ!」

 

アン「…っ…」

 

 

アンは拳を握り締めた…。

 

 

 

《~続く~》

 

 

 

次回 第12話「レイジング」

 

 

 

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