カードファイト!!ヴァンガードG IF 〜夜薔薇の先導者〜 作:バンドリーマーV
ルナ「…で、新導クロノはポイント剥奪、と」
伊吹『落としどころとしては妥当だろう』
ルナ「まぁね…」
伊吹『それだけなら切るぞ。今忙しい』
ルナ「はいはい、分かってる」
月城ルナは通話を終え、ため息をついた。
ルナ「本人もだけど…アンも気にしてるだろうな…」
翌日、カードキャピタル2号店。
カムイ「ヴァンガードをやめる!?」
クロノ「……」
カムイ「聞いたと思うが、あの後シオン達が、お前が正しかったと証明してくれたんだぞ。お前は無罪なんだ。ポイント剥奪は残念だが…俺もユナサン支部にかけあってやる。結論はそれからでも…」
クロノ「もういいんです。…お世話になりました」
カムイ「えっ、いや、だから…!」
クロノはデッキが入ったファイカを起き、店を出た。その後、クロノはシオン、トコハ、アンにも、ヴァンガードをやめることを告げ、止めるのも聞かずに去っていった。
アン「……」
アンは一人俯き、公園のベンチに座っていた。
アン(私だって、あの時もっと冷静に対処していれば…新導くん…)
その時。
アン「ひゃうっ!?」
突然頬に冷たいものが押し付けられ、覚えのある展開に振り返る。
ルナ「また成功…」
アン「ルナさん…!」
ルナ「はい、これ」
アン「あ…どうも…」
ルナはアンに缶コーヒーを渡し、アンの隣に座る。
ルナ「コーヒーより苦い顔してるね」
アン「…そうですか?」
ルナ「…お友達の話は聞いてる」
アン「…っ」
アン「…私、何もできなかった…」
ルナ「そうかな?」
アン「そうですよ…新導くんは、ヴァンガードやめるって…私には、何も…」
ルナ「……」
ルナ「…アン、ファイトしよ」
アン「え?でも…」
ルナ「いいから。…こういう時はこうするもんなの」
アン「…は、はい…」
ファイカを変形、テーブルとして、アンとルナは向かい合う。
「「スタンドアップ、ヴァンガード!」」
アン「《お化けのぴーたー》…」
ルナ「《ジャッジバウ・撃退者》」
ルナの先攻だ。
ルナ「ライド、《誘いの撃退者 フィネガス》。ジャッジバウを移動。ターンエンド」
アン「私のターン…《パーティング・シェイド》にライド。ぴーたーは移動。ぴーたーのブースト、パーティング・シェイドでアタック」
ノーガード、ノートリガーで1ダメージ。ルナのターンとなる。
ルナ「ライド、《撃退者 ダークブレス・エンジェル》。ジャッジバウのブースト、アタック」
アン「ノーガード…」
ノートリガーで1ダメージ。アンのターンだ。
アン(新導くんが大変な時に…なんで私、ファイトなんてしてるんだろう…)
アン「《大幹部 ブルーブラッド》にライド。ぴーたーのブースト、ブルーブラッドでアタック」
ルナ「ノーガード」
アン「ドライブチェック…クリティカルトリガー」
ルナ「ダメージチェック…ドロートリガー、1枚ドロー」
ルナはダメージ3。ルナのターンだ。
ルナ「心ここに在らずだね。そりゃそうか」
アン「…っ」
ルナ「──来て、私の分身。その激情を、力に変えよ…!ライド!《撃退者 レイジングフォーム・ドラゴン》!」
ルナはキーカードにライドする。その時。
アン「…!」
アンの視界を光が満たした。
─────
アン『…!』
ナイトローゼにライドした自分に、レイジングフォーム・ドラゴンの攻撃が、三回に渡って直撃する。更に、レイジングフォームの姿は闇に飲まれ、巨大な漆黒の竜が…
─────
アン「!」
アンはハッと我に返る。
ルナ「どうかした?」
アン「あ、いえ…」
アン(前にも、こんなこと…あれは、クロノとハイメがファイトした時…あ…)
あの時の楽しそうなクロノと、今の塞ぎ込んだクロノの姿が浮かび、アンの表情は再び曇る。
ルナ「……」
ルナ「──余所見してると…このターンで消し飛ぶよ」
アン「!」
ルナ「ダークブレス・エンジェル、フィネガス、《詭計の撃退者 マナ》をコール。マナのスキルで、山札から《血気の撃退者 マウル》をコール。マウルのスキルで、山札からレイジングフォームを手札に加える」
一気に盤面が埋まる。
ルナ「マナでアタック」
アン「ガード…!」
ルナ「ダークブレスでアタック」
アン「ガードです…!」
ルナ「レイジングフォーム・ドラゴンでアタック」
アン「ノーガード…!」
お互いトリガーはない。アンはダメージ2。
ルナ「フィネガスのスキルで、レイジングフォームのリミットブレイク発動…!マナ、マウル、ダークブレスを退却。手札から、スペリオルペルソナライド…!パワー+10000!」
アン「!?」
ルナ「ダークブレスのスキル、山札からマウルをコール。マウルのスキルで、山札からレイジングフォームを手札に加える。レイジングフォーム、再びアタック!」
アン「の、ノーガード…!」
ルナ「ツインドライブ…!クリティカルトリガー!」
アン「!ダメージチェック…ドロートリガー、1枚ドロー…!」
アンはダメージ4。
ルナ「さて…次の手は、分かるよね?」
アン「…!また…!」
ルナ「限界を斬り捨てろ…リミットブレイク!スペリオルペルソナライド・アゲイン!」
再び新たな肉体を得たレイジングフォームが咆哮を上げる。
ルナ「レイジングフォーム、三度目のアタック!」
アン「…!完全ガード!」
アンは先程ドロートリガーで引いた完全ガードを出す。
ルナ「ツインドライブ…ノートリガー。ターンエンド」
アンはほっと息をつく。
ルナ「…うん、やっとファイトに意識がいったいかな」
アン「…!」
ルナ「ヴァンガード、楽しい?好き?」
アン「…はい」
ルナ「新導クロノも、同じじゃないかな」
アン「え?」
ルナ「…ほら、アンのターン」
アン「は、はい…」
アン「ストライドジェネレーション…!《暗躍する海賊王 バンデッドラム》!」
アンはストライドする。
アン「ナイトローゼのスキルで、ドロップゾーンから《海中散歩のバンシー》をコール、パワー+2000。スキルで1枚ドロー」
先程完全ガードのコストに使ったカードだ。
アン「ぴーたーのスキル、山札の上2枚をドロップゾーンに、ぴーたーをソウルに置いて、1枚ドロー。更に《海賊剣士 コロンバール》《パーティング・シェイド》をコール。
コロンバールでアタック!スキルで、ドロップの《不死竜 ボーンドラゴン》をコール!」
ルナ「ガード」
アン「バンデッドラムでアタック!」
ルナ「ノーガード」
アン「トリプルドライブ!ノートリガー…」
しかしアタックはヒット。ルナはダメージ4。
アン「バンデッドラムのスキル、ドロップのパーティング・シェイドをコール!そのブーストで、ボーンドラゴンのアタック…!」
ルナ「ガード」
アン「ターンエンド…」
ルナ「ストライドジェネレーション…!《真・撃退者 ドラグルーラー・レブナント》!」
ハイメとの試合でも使ったGユニットだ。
ルナ「《幽幻の撃退者 モルドレッド・ファントム》、《氷結の撃退者》をコール。
レブナントのスキル。《氷結の撃退者》を退却させて、山札から《撃退者 ダークボンド・トランペッター》をスペリオルコール。自身とダークボンドにパワー+3000。
更にダークボンドのスキルで、山札から《恐慌の撃退者 フリッツ》をスペリオルコール。
レブナントでアタック…!」
パワー29000のアタックだ。
アン「…!ガード!」
ルナ「トリプルドライブ…クリティカルトリガー。効果は全てモルドレッドに。モルドレッドでアタック」
アン「ガード、コロンバールでインターセプト…!」
ルナ「ターンエンド」
ルナ「──イメージ」
アン「え?」
ルナ「アンにとって、新導クロノはどんな子なのか、イメージ」
アン「イメージ…」
ルナ「ヴァンガードと同じ。イメージすれば分かる」
ルナ「──アンの友達は、そこで終わるほど弱い人だったの?」
アン「…!」
アン(…私にとっての、新導くん…)
同じ日にヴァンガードを始めて、共に過ごした時間。
ぶっきらぼうだけど、本当は優しくて。
素直てないせいで、なかなか本当の自分を人に見せられくて。
でも…ファイトしている時は、普段からは想像もつかないぐらい、本当に楽しそうで。
ルナ「…すぐに立ち直れるんて言わない。けど、新導クロノはヴァンガードが大好きなんでしょ?」
アン「あ…」
ルナ『新導クロノも、同じじゃないかな』
アン「…はい」
ルナ「だから捨てない。きっと戻ってくる。ヴァンガードが好きなら」
アン「ヴァンガードが、好きなら…」
アン(新導くんは、ヴァンガードが大好きなんだ…私と同じで…。だから私は…新導くんが戻ってくることを信じて…!)
アン「──行きます!」
ルナ「来なよ、アン」
ルナは笑みを浮かべる。
アン「ストライドジェネレーション…!《深淵の海賊王 ブルーハート》!」
アンはストライドする。
アン「ナイトローゼのスキルで、ドロップのコロンバールをコール!
更にブルーハートのスキル!ボーンドラゴン、海中散歩のバンシーと入れ替えで、ドロップから《腐蝕竜 コラプトドラゴン》《お化けのとみー兄弟》をコール!
コラプトドラゴンでアタック!」
ルナ「ノーガード」
ルナはダメージ5。
アン「ブルーハートでアタック!」
ルナ「完全ガード」
アン「トリプルドライブ!ファーストチェック…セカンドチェック…クリティカルトリガー!効果は全てコロンバールに!サードチェック…クリティカルトリガー!効果は全てコロンバールに!
コロンバールでアタック!スキルでドロップのボーンドラゴンをコール!」
ルナ「完全ガード。《カルマ・コレクター》のスキルでカウンターチャージ」
アン「…!ボーンドラゴンでアタック!」
ルナ「ガード」
アン「ターンエンド…!」
ルナ「いい目になった。けど…まだまだそう簡単に勝たせないよ」
アン「!」
ルナ「ルナ「黒き刃で、未来を阻むもの全てを斬り払え…!ストライドジェネレーション!」
現れたのは、アンが先程のイメージで見た黒き竜。
ルナ「《暗黒竜 ファントム・ブラスター “Diablo”》…!」
アン「…!」
ルナ「Gペルソナブラスト。パワー+10000、クリティカル+1、更にスキル獲得。マナをコール。スキルでフィネガスをコール。マナでコロンバールにアタック!」
アン「ノーガード…!」
ルナ「《ファントム・ブラスター “Diablo”》で、ヴァンガードにアタック!スキル発動。リアガード3体を退却。このアタックは、リアガード2体を退却させなければガードできない…!」
アン(クリティカル2…このアタックを通したら負け…けど、手札のガードはかなりギリギリ…!クリティカルが出ないことに懸けるしか…!)
アン「ボーンドラゴンととみー兄弟を退却…!ガード!」
ルナ「ドライブチェック…クリティカルトリガー。効果は全てモルドレッドに。クリティカルトリガー。こっちも全てモルドレッドに」
アン「…!」
ルナ「モルドレッドでアタック…!」
そのアタックを防げず、アンのダメージは6となった。
アン「負けました…」
ルナ「悩みは晴れた?」
アン「私は…新導くんを信じます!」
ルナ「そっか」
ルナは笑みを浮かべ、デッキを片付け、歩き出す。
ルナ「それじゃあ」
アン「──ありがとうございました!」
そして…
クロノ「ファイカのポイントが消えた事が、あんなに悲しかったのは、楽しんでいた記憶を、消された気がしたからだ…溜まったポイントは、これまであいつらと積み重ねてきた歴史だったから…」
伊吹コウジとファイトすることになったクロノは、ファイトの中で吹っ切れていた。
クロノ「けど、全然消えてなかった。俺の中では…!もう、迷わねえ。俺は行く!ギアクロニクル、お前達と一緒に!」
ファイトには敗れたが、クロノは笑顔を取り戻していた。
伊吹「次に会うまでに、精々腕を磨いておくんだな」
クロノ「今度は必ず、お前を倒す!そして、お前の名前を言わせてやる!」
その夜。
ルナ「ふ~ん、伊吹も案外優しいんだね」
伊吹「別に心配したわけじゃない。ここで折れられては困るというだけの話だ」
ルナ「へ~」
伊吹「なんだその目は」
ルナと伊吹は、喫茶店で話していた。
ルナ「伊吹」
伊吹「……」
ルナ「色々動いてるみたいだけどさ…あんまり、1人で無理しないで。私も、同じ本部の人間。手伝えることはあるよ」
伊吹「…すまないな、月城」
ルナ「こういう時は、謝るより"ありがとう"」
伊吹「フッ…そうだな。…お前と二人で動いていたら、日田の奴に睨まれそうだが」
ルナ「…べ、別にリョータとはまだそんなんじゃないし…」(///)
伊吹「『まだ』、か。全く、お前達は二人揃ってうじうじと…」
ルナ「うっさい…」(///)
《~続く~》
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