カードファイト!!ヴァンガードG IF 〜夜薔薇の先導者〜   作:バンドリーマーV

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第13話「ダークな奴ら」

 

ヴァンガードをやめることをやめたクロノは、アン達に頭を下げた。

 

 

クロノ「迷惑かけた」

 

アン「いいんですよ、信じてましたから!」

 

シオン「もう気にしないで欲しいな」

 

トコハ「一番割りを食ったのは新導でしょ」

 

クロノ「俺は、チームを抜ける」

 

「「「え?」」」

 

クロノ「これ以上、迷惑をかけたくない」

 

 

クロノは大会までにグレード3になるべく、独力で次々とクエストに挑んでいった。トコハは学校でも手伝いを申し出たが…

 

 

クロノ「ほっとけってば。日下部ももうすぐグレード3だろ?大会はお前達三人で出ろよ。特訓とかしたらどうだ?おせっかいも程々にして、自分達の心配をしろよ」

 

トコハ「む~!この分からず屋!」

 

 

トコハはキレてクロノの席から離れた。

 

 

クロノ「…これ以上迷惑かけたら、カッコつかねえだろ」

 

 

しばらくして、2号店。

 

 

トコハ「もう知りませんよあんな奴!人の気も知らないで!ほんとにこの三人で出ようかなッ!」

 

アン「まぁまぁトコハちゃん、もう少し待ってみましょうよ」

 

トコハ「だって…!」

 

カムイ「昔、俺癇癪起こして、仲間から離れた事があってさ…その時、待っててくれた人がいたんだ。俺はガキだったから、なかなか素直になれなくて…でも嬉しかった。その人がいたから戻れたんだ」

 

 

カムイが見つめるショーケースには、ロイヤルパラディンのカード達。

 

 

シオン「フッ…どうする?」

 

トコハ「…なんで私に聞くの」

 

シオン「この三人でって言い出したのキミだろ?」

 

トコハ「だって、新導がグレ3なるの待ってたら、大会出られないし」

 

カムイ「頑張り次第じゃわからないぞ?クロノが今行ってるクエスト、すっげぇ高ポイントで、今日で一気にグレ2まで上がるかもしれないし」

 

アン「え、そんなに一気に?」

 

カムイ「ただ、難攻不落って言われてるからな~。あ、そーいえば、チームで挑戦もできたんだっけ?」

 

アン「…カムイさん、謀りましたね?」

 

 

アンは半目で苦笑する。

 

 

カムイ「なんのことやら」

 

アン「でも、ありがとうございます」

 

 

 

 

しばらくして。

 

 

クロノ「な、なんてクエストだ…」

 

 

とある屋敷の前で、クロノが膝をついていると…

 

 

アン「大丈夫ですか?」

 

トコハ「1人じゃ無理無理」

 

シオン「チームで行くべきだね」

 

 

アン達が到着した。

 

 

クロノ「お前ら…!?俺の事は気にするなって…」

 

アン「新導くんはいつもそうですね」

 

 

アンはしゃがんでクロノと視線を合わせる。

 

 

アン「『自立』でしたっけ。自分のことは自分でって、人に迷惑かけたくないって…それで、全部一人で抱え込んで…」

 

クロノ「それは…」

 

アン「前にも言ったでしょ?あんまり急いで大人にならなくてもいいって」

 

クロノ「…っ…」

 

 

シオン「いいかげん、意地を張るのはやめなよ」

 

トコハ「1人で勝手に決めないで!迷惑だとか、そういうのは私達が決める事だから。私達、仲間でしょう!」

 

クロノ「…っ…」

 

 

クロノ「ありがとう──なんて、ゼッタイ言わねえからな…!」

 

シオン「フッ、期待してない」

 

トコハ「新導だからね~」

 

アン「素直じゃないですから」

 

クロノ「行くぞ!」

 

 

四人は屋敷に入った。

 

 

 

 

 

アン「…うぅ、暗い…」

 

クロノ「ちょっ、おい…」

 

 

アンはクロノの腕にしがみついている。

 

 

トコハ「アンちゃん、暗いの苦手?」

 

アン「え、えぇ、まぁ…」

 

シオン「大丈夫かい?」

 

クロノ「言った傍からお前が無茶すんなよ」

 

アン「新導くんに言われたくない…」

 

クロノ「ぐっ…」

 

 

その時、声が響いた。

 

 

『人は何故闇を恐れる。それは闇の心地よさに、身も心も奪われる事を、心の何処かで感じているかるりゃだ』

 

トコハ「噛んだ」

 

シオン「噛んだね」

 

アン「噛みましたね」

 

『ンンッ…!ようこそ、ダークイレギュラーズの館へ!私と戦いたければ闇を愛せよ、闇に身を委ねよ!』

 

 

三つの関門をクリアしなければならないらしい。

 

 

『第一関門!積み重なりし魂の宴!』

 

アン「え、座布団?」

 

『違う違う!ソウル!ヴァンガード!魂の宴!』

 

アン「あ、はい」

 

『ソウルチャージ!己の足元に魂を積み上げよ!15枚のソウルをチャージしたとき、お前は

キング・オブ・フィフスエレメントを手にするだろう』

 

 

ようするに、座布団を15枚積み上げて、上に乗って天井の電球に触れろということらしい。なんとかクリアすると、そこから色とりどりのライトが光り、ロウソクを模した置物を照らし、5色の炎のように演出した。

 

 

アン「無駄に凝ってますね…」

 

シオン「これ、一人じゃ絶対無理だよね」

 

トコハ「あんた、どうやってクリアするつもりだったの?」

 

クロノ「…こ、根性」

 

 

次の階に進む。

 

 

『第二関門!我が待つ最上階へ来たければ、孤独な怒りを身に纏え!』

 

 

部屋には、様々なダークイレギュラーズのユニットのコスプレ衣裳。モニターに『ブレイドウイング・レジー』と『エーデル・ローゼ』が表示され、消えた。

 

 

アン「…つまり、今表示されてた二枚のコスプレすればいいんですかね?」

 

シオン「だろうね…」

 

 

とりあえず衣裳を探す。ブレイドウイングは今回の張本人ということでクロノが着ることになり、コスプレしたクロノはなんとも言えない顔で立っていた。エーデル・ローゼの方は…

 

 

トコハ「…あ、アンちゃん、着てみない?」

 

アン「え、えっと、トコハちゃん似合いそうです!」

 

トコハ「ほ、ほら!アンちゃんのナイトローゼとローゼ繋がりでさ!」

 

アン「いやいやトコハちゃんのユニットだって殆どお花でしょう!」

 

「「……」」

 

「「最初はグー、ジャンケンぽんッ!」」

 

 

アン←チョキ

 

トコハ←グー

 

 

アン「……」(汗)

 

トコハ「さぁアンちゃん、向こうでお着換えよ♪」

 

アン「うぅ…!」

 

 

数分後。

 

 

アン「うぅう…!」(///)

 

 

水色のヴィッグでツインテールを作り、両手には付け爪、そしてピンクのドレス、チョーカー、紫と水色のストライプのタイツを身につけたアンは、顔を真っ赤にして震えていた。

 

 

アン「こんな、破廉恥な…!」(///)

 

 

肩を露出して胸元が開いたドレス姿のアンに、クロノとシオンは目のやり場に困って目を逸らしていた。

 

 

『──怒りが足りぬ。怒りがたりぬぅうううぅッ!!』

 

「「「?」」」

 

トコハ「…もしかして、ポーズじゃない?」

 

 

カード通りのポーズと表情。クロノは怒り、アンは舌を出してぎこちなく笑みを浮かべる。

 

 

『おぉ~ッ!感じるぞ!お前達の孤独を!お前達の闇を!』

 

 

クリアである。

 

 

クロノ「なんで俺が、こんな…」

 

アン「うぅううう…!」(///)

 

 

 

 

 

『最終関門!さぁ、迷宮を越え、我もとへ来るがよい!!』

 

 

次の階は迷路だった。

 

 

シオン「こんなものまで…」

 

クロノ「もっと他にやることあんだろ…」

 

 

しばらく進むが、なかなかクリアできない。

 

 

アン「また行き止まり…」

 

クロノ「戻るぞ」

 

シオン「待つんだ。この迷路、抜けられない」

 

「「「え?」」」

 

シオン「僕達はもう全てのルートを辿った。上から見た時、構造は把握したからね」

 

トコハ「…ふざけんじゃないわよッ!」ドガッ!

 

アン「えぇっ!?」

 

 

トコハが壁に蹴りを入れると、壁はあっさり壊れた。

 

 

アン「発泡スチロール…?」

 

トコハ「なら…フンッ!」

 

アン「えぇえっ!?」

 

 

トコハは目の前の壁を殴り壊した!

 

 

トコハ「こうすればゴールまで最短距離!」

 

 

結局、壁を壊してゴールまで着いた。

 

 

トコハ「やった~!ゴール!」

 

クロノ「強引だな…」

 

シオン「ルール違反じゃない…?」

 

『そのとおおおおりっ!!まさにダークかつイレギュラー!常識からの逸脱こそ、ダークイレギュラーズに相応しい精神!』

 

シオン「えっ」

 

アン「正解だったんですか…」

 

 

 

 

 

そして、最上階に到着すると…

 

 

「ようこそ…我は闇を統べる魔王、ブラドⅢ世!」

 

 

玉座には魔王のコスプレしたおっさん。

 

 

クロノ「うわぁ~…」

 

トコハ「暑苦しい…」

 

 

ドン引き。

 

 

「お前の忌み嫌う闇はここにたどり着くまでに肥大し、その心と身体を染め上げた!我と戦うに相応しい闇を手に入れたのだ!」

 

 

同じくコスプレした付き人二人が拍手する。

 

 

クロノ「勘弁してくれ…」

 

アン「でも、確かに心に闇が湧き上がってる気はします…」

 

「「「えっ」」」(汗)

 

「おぉ!分かるか少女よ!」

 

アン「そのことで一つ」

 

「なんだ?」

 

 

 

アン「第二関門のコスプレッ!いい年して女子中学生にあんな破廉恥な格好させて楽しいですか!?この変態ッ!スケベッ!」

 

「す、スケッ…!?」

 

トコハ「根に持ってたんだ…」

 

「う、うるさい!通販で買ったダークイレギュラーズコスプレセットに入ってたのを全部置いといただけだ!カードも手元に裏で置いたのからランダムに引いて選んだ!他意はない!」

 

アン「急に現実的になりましたね…」

 

「…ンンッ!──戦いの時は来た!このファイトが終わった時、お前は新たな闇の力を手に入れる。さぁ、今こそ闇を統べる魔王、ブラドⅢ世とファイトを!!」

 

アン「都合悪いからって話を進めないでくださいよッ!」

 

 

 

 

 

とにかく、クロノとブラドⅢ世のファイトが始まった。

 

 

「あぁ、感じる!いい闇だ!」

 

トコハ「あんなのに負けたら、一生この事言ってやる…!」

 

 

お互いグレード3。

 

 

「ブラド様~!」

 

「素晴らしい闇です!」

 

アン「付き人さん達も痛い人ッ…!」

 

クロノ「まだまだ行くぜ…!クロノスコマンド・ドラゴンで、シャルハロートにアタック!」

 

「完全ガード!」

 

 

クロノの攻撃は防がれ、ブラド三世のターン。

 

 

「光をも飲み込む闇があると知れ!ストライドジェネレーション!《忌まわしき者 ジル・ド・レイ》!」

 

 

ブラドの切り札だ。

 

 

ブラド「シャルハロートのスキルでソウルチャージ!」

 

 

リアガードの展開、ソウルチャージを続ける旅人、付き人達がブラドの足元にソウル(座布団)を積み上げていく。更にアタック開始。

 

 

「ジル・ド・レイの真の力を見せてやる!アタック!」

 

シオン「まずい!スキルでグレード1以上でガードできない!」

 

アン「新導くん…!」

 

 

攻撃がヒットする。

 

 

「抵抗するから辛いのだ…受け入れろ、負けを!」

 

クロノ「冗談じゃねぇ!楽しいのはここからだろ!ジェネレーションゾーン、解放!」

 

 

クロノのターン、反撃開始だ。

 

 

クロノ「今こそ示せ、我が真に望む世界を!ストライドジェネレーション!《時空竜 エポックメイカー・ドラゴン》!」

 

 

クロノは新たなカードに超越する。

 

 

クロノ「アタック!」

 

 

エポックメイカーの攻撃がヒットする。

 

 

クロノ「スキル発動!リアガードを1枚バインド!山札からクロノジェットをコール!」

 

「何!?」

 

クロノ「いっけぇええッ!」

 

「グァアアッ!」

 

「「ブラド様!」」

 

 

ダメージ6。敗北したブラドは、座布団が崩れて落っこちた。

 

 

アン「やった…!」

 

 

クエストをクリアしたクロノのファイカに、ブラドがサインする。『山田一郎』と書いていたが気にしてはいけない。

 

 

「新導クロノ。今は光に包まれようとも、お前には闇の才能がある。私に勝った事で、それを証明したのだ。今から、この砦の主は汝に譲ろう!今この時より闇を統べる魔王、ブラドⅣ世を名乗るがいい!」

 

クロノ「!?」

 

「「「お仕えします!闇を統べる魔王、ブラドⅣ世様!」」」

 

 

ブラドと付き人達が跪く。

 

 

「さぁ、このマントを纏い、魔王の玉座に!」

 

「「「「うわぁあああっ!」」」」

 

 

四人はたまらず屋敷から逃げ出した。

 

 

「Ⅳ世様~!お待ちくださ~い!──ぎゃあああッ!光が、光が我を苛むぅううッ!」

 

 

追いかけてきたブラドだが、外に出て夕日の光を浴びた瞬間苦しみだした。

 

 

トコハ「どこまでも本気ね…」

 

 

そして四人は帰路につく。

 

 

クロノ「何なんだよ、あのおっさんは…」

 

アン「とんでもない人でしたね…」

 

シオン「ブラドⅢ世でしょ?」

 

クロノ「そーゆう事じゃねよ…」

 

トコハ「良かったじゃない。グレード2になれたし、ブラドⅣ世にもなれたし」

 

クロノ「ふざけんな~」

 

「「「アハハハハハッ!」」」

 

 

その後、アンは無事グレード3になり、クロノもグレード3になるべくクエストに励んでいたのだが、ある日…

 

 

アン「えぇっ!?」

 

トコハ「嘘でしょ!?」

 

シオン「迷子の相手をして、クエスト全部飛ばしたなんて…!」

 

クロノ「すまない!」

 

 

このままでは大会に間に合わない…頭を抱えていたその時。

 

 

緊急クエスト

 

大オリエンテーリング!サバイバルヴァンガード!

 

ドラゴンエンパイア支部主催

 

里山で繰り広げられる、前代未聞、空前絶後、抱腹絶倒の大ファイト!生き残れるのは誰だ!

 

 

「「「「いける!!」」」」

 

シオン「ここでポイントがゲットできれば、グレ3に届く!」

 

アン「地区予選のエントリーにも間に合いますね!」

 

カムイ「予選前にグレードアップを目指すファイター達への、緊急クエストってわけか。しかもあんなふざけたイベントなんてな。ドラエン支部らしいぜ」

 

トコハ(もう…兄さん、やってくれるな…絶対予選に出てみせるからね…!)

 

 

トコハの予想通り、マモル考案のクエストだ。そしてイベント当日、会場の山には多くの人が集まっていた。

 

 

支部長「あー、本日はお日柄もよく、まことに青天で、まさに大オリエンテーリング、サバイバルヴァンガード日和です!お日さまの元、皆で楽しく、ヴァンガりましょう!それでは皆さんご一緒に!スタンドアップ!」

 

『『『ヴァンガード!!』』』

 

 

 

《続く》

 

 

 

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