カードファイト!!ヴァンガードG IF 〜夜薔薇の先導者〜   作:バンドリーマーV

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何気にカムイがオリジナルデッキ使ってます。


第17話「羽島リン」

 

シユリ「何してるの?なんで貴方が、ユナサン支部のコーチに…」

 

 

カムイとシユリは、伊吹と向かい合っていた。

 

 

カムイ「あそこは最近、いい噂を聞かねぇ。俺の後輩も嫌な目にあったしな…」

 

伊吹「……」

 

カムイ「何が目的だ、伊吹。もしヴァンガードに仇をなすようなら…許さねえぞ」

 

伊吹「…お前達が心配するような事は何もない」

 

シユリ「…ッ…」

 

 

シユリの脳裏に浮かぶのは、3年前のメサイア・スクランブル準決勝。

 

 

シユリ『──イズルくんッ!』

 

 

彼女の大切な人が倒れる光景と、それを見下ろす伊吹の姿。

 

 

カムイ「──ファイトしろ。お前のヴァンガードを見せてみろ。俺が見極めてやる!」

 

シユリ「あぁ、先に言われちゃったね…」

 

伊吹「……」

 

 

伊吹もデッキを取り出す。

 

 

「「スタンドアップ、ヴァンガード!」」

 

 

カムイFV【《メチャバトラー ランボール》】

 

伊吹FV【《ネオンメサイア》】

 

 

カムイ「…!」

 

シユリ「…ネオン、メサイア…」

 

 

 

 

 

トコハ「あんな奴には、絶対負けないんだから!」

 

 

トコハは休憩時間、次の対戦相手、ディマイズの羽島リンに散々挑発され、完全にブチ切れていた。そんな中、その羽島リンはというと…

 

 

リン「安城マモル、ごきげんよう」

 

マモル「ん…?」

 

 

大会スタッフとして来ていたマモルに声をかけていた。

 

 

マモル「君は…トコハの対戦相手の、羽島リンさんだね。妹とのファイト、楽しんでね」

 

リン「…覚えてないのね」

 

マモル「…?」

 

 

そうして試合の時間になる。

 

 

リン「うふふ…楽しもうね?」

 

トコハ「えっ…?」

 

 

態度の違いに困惑しながらも、試合開始だ。

 

 

「「スタンドアップ、ヴァンガード!」」

 

トコハ「《春待ちの乙女 オズ》!」

 

リン「《黒衣の燭光 アズライール》」

 

アン「エンジェルフェザー…」

 

 

 

 

 

一方。

 

 

シユリ「……」

 

カムイV【《永劫不敗 アシュラ・カイザー》】

 

伊吹V【《オルターエゴ・メサイア》】

 

 

お互いグレード3だ。

 

 

カムイ「ストライドジェネレーションッ!《闘神 アシュラ・カイザー》ッ!!」

 

 

カムイがストライドする。

 

 

カムイ「スキル発動!ドロップゾーンのビクトールを山札に戻して、スキル獲得!更にコールだ!」

 

 

リアガードを展開し、連続アタックを仕掛ける。続けてヴァンガードのアタックとなる。

 

 

カムイ「アシュラ・カイザーのアタックだッ!」

 

伊吹「完全ガード」

 

カムイ「トリプルドライブッ!グレード3が出たことで、アシュラ・カイザーのスキル発動!リアガード4体をスタンドだ!

 

《メチャバトラー ザザンダー》2体は、スタンドした時にパワー+5000!更に《ファイナル・レンチ》のスキルで、右のザザンダーにパワー+4000!ランボールのブースト、左のザザンダーでアタック!」

 

伊吹「ノーガード」

 

 

伊吹のダメージが5になる。

 

 

カムイ「行くぜ!ファイナル・レンチのブースト、右のザザンダーでアタック!」

 

伊吹「《震脚のパルスモンク》2体でガード」

 

カムイ「ターンエンド…!」

 

 

伊吹のターン。

 

 

伊吹「──ジェネレーションゾーン、解放!」

 

伊吹「混沌を切り裂き、白き翼で描け未来!ストライド…ジェネレーションッ!《創世竜 アムネスティ・メサイア》…!」

 

 

伊吹もストライドする。

 

 

シユリ「メサイアの、Gユニット…」

 

伊吹「超越スキル…!呪縛(ロック)。傷みを我が力に…!タスクブレードでアタック。スキルで呪縛」

 

カムイ「連続で2体呪縛か。相変わらず、嫌らしい攻撃だぜ…!ガード!」

 

伊吹「アムネスティでアタック。スキル発動。アローザルを解呪(アンロック)!アムネスティをパワーアップ…!」

 

カムイ「解呪…!?お前が…」

 

 

シユリ(やっぱり、あの時とは全く違う…今の彼は…)

 

 

伊吹「アローザルのスキル、タスクブレードをスタンド、パワーアップ」

 

カムイ「ノーガード…!」

 

伊吹「トリプルドライブ…!クリティカルトリガー」

 

 

2ダメージ。

 

 

伊吹「タスクブレードでアタック」

 

カムイ「ガード!──へっ、だんだん分かってきたぜ。お前のファイトからは、邪なものは感じない。曲がった道を行こうとしてるわけじゃ無いようだな…」

 

シユリ「──うん。だからこそ、改めて聞かせて。貴方は一体、何をしようとしているの?」

 

伊吹「──普及協会の…延いては、ヴァンガードの未来のため。俺は、俺の使命を果たすだけだ」

 

シユリ「…?」

 

カムイ「ヴァンガードの、未来…使命って…?」

 

伊吹「──アローザルでアタック」

 

 

メサイアの光が、アシュラ・カイザーを飲み込んだ…。

 

 

 

 

 

一方。

 

 

トコハ【《ラナンキュラスの花乙女 アーシャ》】

 

リン【《黒衣の戦慄 ガウリール》】

 

 

クロノ「これでお互いグレード3か」

 

トコハ「ストライドジェネレーションッ!」

 

アン(ここからが勝負…)

 

 

『──警戒しろ』

 

 

アン(ッ!?)

 

 

─────

 

金色の槍を構えた天使が、アーシャに迫る。

 

その攻撃から、多くのユニットがアーシャを守る。しかし、続く一撃を防ぐことはできず、アーシャは光に飲み込まれた…。

 

 

─────

 

 

アン「──ッ!」

 

アン(また見えた…!今のイメージは…それに、今の声は…?)

 

クロノ「どうした?」

 

アン「あ、いえ…」

 

トコハ「《春色の花乙姫 アルボレア》で、ヴァンガードにアタック!」

 

 

ストライドしたトコハは、連続アタックでリンをダメージ4まで追い詰めた。

 

 

リン「…明るくて真っ直ぐなファイト。びっくりする程そっくり」

 

トコハ「えっ?」

 

リン「…安城マモルに」

 

トコハ「ッ!」

 

リン「……」

 

 

リンは幼少期を思い出す。

 

 

リン『ほらぁ、まだヴァンガードには攻撃しないであげるからぁ、頑張って~?』

 

 

当時から強く、性格も問題ありだったリンが、カードショップでファイトをしていた時…

 

 

マモル『そんな意地の悪いファイトは、やめたほうがいいよ』

 

 

たまたま居合わせたのが、マモルだった。

 

 

『はぁ?弱っちいのがいけないんじゃん』

 

『そういう言い方はよくないよ。キミだって、同じことされたら辛いだろう?』

 

『うるさいなぁ…お説教したいんなら、私とファイトして勝ちなさいよ!』

 

『…仕方ないな』

 

 

マモルも戸惑いつつファイトを受けたが、勝者はマモルだった。

 

 

『惜しかったね…でも、勝ち負けがすべてじゃないんだよ?一緒に楽しむのが、ヴァンガードなんだ。キミとのファイト、楽しかったよ』

 

 

マモルは手を差し伸べるが…

 

 

『…綺麗事だね』

 

 

リンが手を取ることはなかった。そして現在…

 

 

リン(…アイツは、何も覚えていなかった…)

 

 

リンのターン。

 

 

リン「ストライドジェネレーション!《聖霊熾天使 ウリエル》!」

 

アン(あのユニットは、さっきのイメージの…!)

 

リン「ふふっ、楽しもうねぇ。安城マモルの妹ちゃん」

 

トコハ「兄さんは関係ない!」

 

リン「怒っちゃダメだよぉ♪ヴァンガードは楽しくやるものだよぉ~?お兄ちゃんも、言ってるでしょ~?」

 

トコハ「関係ないって、言ってるでしょ!」

 

アン「…ッ!」

 

 

以前トコハの悩みを聞き、自分も姉と比べられてきたアンは、トコハの心中を察し、拳を握り締める。

 

 

リン「ウリエルでアタック」

 

 

リンのアタックを、トコハはなんとか凌いだが、冷静でいられるはずもなく。

 

 

トコハ「このターンで一気に、決めてやる!ストライドジェネレーション!《立春の花乙姫 プリマヴェーラ》!」

 

 

トコハはストライドして一気に攻めるが、防ぎ切られてしまう。

 

 

シオン「前のターンで手札に加えた完全ガードに加え、ドロートリガーも出てるんだ…!決められるわけないのに…!」

 

クロノ「落ち着け安城…!」

 

 

更には次のターン。

 

 

アン「今のターンで決められてもおかしくなかったのに、リアガードを攻撃してた…これ、多分わざと…」

 

クロノ「勝てるのにトドメを刺さなかったってのか、アイツ…!」

 

リン「こんなに楽しいファイト…簡単には終わらせないから…!」

 

 

更に…

 

 

リン「そんな顔しないで?笑顔、笑顔~。ヴァンガードは楽しくやらないとね。おにーちゃんに叱られちゃうぞっ?」

 

トコハ「──アタックッ!」

 

リン「完全ガード」

 

 

攻めきれない。

 

 

「え~っ?もーおしまぁい?もっと楽しめると思ったのになぁ…弱いんだねぇ、安城マモルの妹なのに…泣かないで?」

 

「泣いてないッ!」

 

「はいはい、終わりにしましょうね」

 

 

再びウリエルにストライド。

 

 

アン(この盤面…!さっきのイメージの…!)

 

リン「ばいばい、妹ちゃん?」

 

 

ウリエルのアタックが決まり、トコハのダメージは6になった。

 

 

リン「アイツ、見てくれたかしら…?」

 

 

リンは控え室に戻る。

 

 

東雲「随分楽しんだみたいだな。君があんなに感情をあらわにするのは珍しいだろう」

 

リン「だって、ヴァンガードって…楽しいものでしょう?」

 

 

一方。

 

 

トコハ「…ごめん、負けちゃって」

 

クロノ「まぁ…しゃーねえだろ」

 

アン「あれだけ煽られたら…」

 

シオン「気にすることはないよ、次で、僕が必ず勝つから」

 

トコハ「何それ!私のファイトなんて意味がないって言うわけ!?」

 

シオン「そういう意味じゃ…」

 

トコハ「ッ…ごめん」

 

アン「あ…!」

 

 

トコハは控え室から出て行き、アンが追いかける。

 

 

アン「あ…」

 

 

会場の外に出たアンは、遠くで佇むトコハを見つける。

 

 

トコハ(なんにも変わってない…煽られて、熱くなって、負けて。結局、私…)

 

トコハ「──チクショーォオオッ!」

 

 

泣きながら叫ぶトコハに…

 

 

アン「…ッ!」

 

 

アンが思わず、持っていたデッキケースを固く握りしめた、その時。

 

 

『──怒りが伝わってくる。気に入らないな』

 

アン「──ッ!?」

 

 

突然頭に響いた声に、アンはハッと顔を上げる。

 

 

アン(え…今の、誰…?)

 

 

アンは辺りを見回すが、遠くにいるトコハ以外誰もいない。

 

 

アン「……」

 

 

思わずデッキに視線を落とす。一番上にあったカードは、彼女の分身たるナイトローゼだった。

 

 

アン「…?」

 

 

同じ頃。

 

 

カムイ「お前の覚悟は分かった。けどな…もし、仲間達が危険な目に会うような事があれば…その時は、黙ってないからな」

 

伊吹「…好きにしろ」

 

 

伊吹は、カムイとシユリの前から歩き去っていた…。

 

 

 

《続く》

 

 

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