カードファイト!!ヴァンガードG IF 〜夜薔薇の先導者〜   作:バンドリーマーV

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大っ変お待たせいたしましたぁ!

いやぁpixivのほうがクライマックスでそっちばっか集中してたらいつの間にか。

では、一途な愛のエピソードをどうぞ!





OP「BREAK IT!」宮野真守




第5話「麗しのナギサ」

アン「〜〜♪」

 

 

アンは今日もカードキャピタル2号店に向かっていた。

 

 

クロノ「お…日下部」

 

アン「あ、新導くん!新導くんもカードキャピタルですか?」

 

クロノ「おう。お前もか」

 

アン「はいっ!」

 

 

 

少し前までは、忙しい家族に会えない寂しさから、無気力な生活を送っていたアン。

 

物腰は丁寧ながら暗い雰囲気が目立った為、クラスでも浮き気味だった。

 

そんな以前の自分と比べてみれば、学校の友人…しかも男の子と明るく話しているなんて、信じられない…しかし嬉しい変化だ。

 

 

 

それは目の前の彼もそうだろう。

 

目付きは悪いし、態度もぶっきら棒だしで不良のような噂が広まっている彼だが、こうして親しくなってみれば、ぶっきら棒な言動の裏から時折垣間見える、彼本来の優しさがよく分かる。

 

 

アン(……ほんとはいい人なのに……学校のみんなにも、なんとか分かってもらえたらな……)

 

 

クロノ「なんだよ、人の顔じっと見て」

 

アン「あっ…い、いえ、何も!」

 

クロノ「?」

 

 

気がつけば、彼を目で追っている自分がいた。

 

 

クロノ「おっ…着いたな」

 

アン「あっ…そうですね」

 

いつの間にかカードキャピタルの前に着いていた二人は、階段を上がって店内へ。

 

 

すると……

 

 

「いらっしゃいませ〜」

 

 

「「?」」

 

 

聞き慣れない声を聞いてそちらを見ると、首にバンダナを巻いた、薄茶色の髪をツインテールにした美少女が掃除をしていた。

 

 

アン「……新しいバイトの人ですかね?」

 

クロノ「さぁ…?」

 

 

とりあえず二人でクエストをチェックしていると……

 

 

「ねぇ、あなたたち」

 

「「?」」

 

 

その少女に声を掛けられた。

 

 

「もしかして、新導クロノ君に日下部アンちゃん?」

 

クロノ「えっ、あ、はい」

 

「この店よく来てるでしょう。それに貴女、日下部リンさんの妹さんでしょ?」

 

アン「えっ?は、はい。姉さんをご存知で?」

 

「うん。お姉さんにはお世話になってね〜。ちゃんと挨拶をしておきたくて」

 

アン「挨拶って…わざわざそんな。」

 

「だって、お世話になってるんだし、迷惑だってかけてるかも…」

 

アン「は、はぁ……」

 

 

 

 

 

カムイ「シンさ〜ん、1号店から補充するパック取ってきましたよー」

 

 

そこに、バイトのカムイが入って来た。

 

 

クロノ「あ、カムイさん」

 

アン「こんにちは!」

 

カムイ「おう、クロノにアンちゃん、来てたのか……な゛っ!?」

 

 

 

 

「おかえりなさい、葛木先輩♪」

 

カムイ「ナ、ナギサぁっ!?」

 

 

少女を見て、カムイは顔をひきつらせる。

 

 

クロノ/アン「「?」」

 

 

カムイ「どうしてお前が!?ここで何をしているッ!」

 

ナギサ「お手伝いです。葛木先輩の♪」

 

カムイ「何故だ!?どうして俺がここでバイトしてるってわかった?誰にも言ってなかったのに…!!」

 

ナギサ「それはぁ〜…」

 

 

ナギサは可愛らしく人差し指を唇に当て…

 

 

ナギサ「ヒ・ミ・ツ♥️」

 

カムイ「何だよそれ!」

 

ナギサ「うふふ…ないしょ〜」

 

カムイ「何故だッ!」

 

ナギサ「教えてあ〜げな〜い♪」

 

 

 

 

アン「えっと…?」

 

クロノ「あの子は…?」

 

シン「大文字ナギサちゃん。カムイくんとは、小さな頃から仲が良くて。ヴァンガードファイターとしても、かなりの実力者なんですよ」

 

 

 

ナギサ「心配したのよ?この3ヶ月連絡もなくて……」

 

カムイ「なんで俺がお前に連絡しなきゃならないんだよ!!」

 

ナギサ「…………」

 

アン(!?)

 

 

アンは見た。…ナギサが後ろ手に持っていた鉛筆がへし折られたのを。

 

 

アン「……ぇ……」

 

クロノ「日下部?」

 

シン「どうかしましたか?」

 

アン「……あ、いえ……」

 

 

どうやら気づいたのはアンだけらしい。

 

 

ナギサ「……葛木先輩、ファイトしましょう?」

 

カムイ「な゛っ…!……い、今はバイト中だからな…!仕事仕事…!」

 

クロノ「いつも仕事中でもおかまいなしにやってるのに…」

 

カムイ「ッ!」ギロリ

 

クロノ「おっ…!?」

 

 

おもいっきり睨まれるクロノ。

 

 

ナギサ「じゃあ終わるまで待ってる」

 

カムイ「き、今日は夜までだからなぁ」

 

シン「12時になったらお昼休みだから、その時にファイトすれば…」

 

カムイ「ッ!!」ギロリ

 

シン「お゛っ…!」

 

ナギサ「はい、そうします〜♪」

 

 

 

それから、ナギサはカード雑誌を読んだり、子供達と優しくファイトしたりしながら、大人しくカムイを待っている。

 

 

シン「久しぶりにナギサちゃんと会いましたけど、大人になったのかな。落ち着きましたね。」

 

クロノ「あんな子がカムイさんを慕ってるなんて…なんか、意外だな」

 

アン「新導くん、それ遠回しにカムイさんを馬鹿にしてますよ…」

 

クロノ「えっ」

 

カムイ「…はぁ…クロノもシンさんもわかってねぇなぁ…」

 

 

 

カムイ「──ファイトなんて…絶対するもんか!!」

 

 

 

 

 

 

 

なんだかんだあって、昼休みの時間。

 

 

アン「もうお昼ですか…。えっと…お昼ごはん、よかったらご一緒にどうですか?」

 

クロノ「ん?まぁ、いいけど…ん?」

 

 

二人は、こっそり逃げようとしているカムイを見つける。しかし……

 

 

 

ツネト「逃がしませんよ、カムイさん!」

 

カムイ「なにぃっ!?」

 

 

 

カムイの前に、チームトリニティドラゴンが立ち塞がった。

 

 

カムイ「なんのつもりだ!?」

 

ツネト「大文字からクエストを受けたんですよ。葛城カムイとファイトしたいから協力してくれってね」

 

カル「カムイさんが逃げようとするのは想定済みだったようですね」

 

ケイ「うん、うん」

 

ナギサ「うふふ…♪」

 

 

 

カムイ「グッ…!ナギサと同級生のお前らなら分かるはずだ!これがどんなことになるのかッ!!」

 

ツネト「勿論。ですがこれもポイントのため、あきらめてくださーい」

 

カムイ「クソッ…!」

 

 

膝をつくカムイ。

 

 

クロノ「どうしてそんなにファイトしたくないんですか?カムイさんらしくないですよ?」

 

カムイ「うぅ…」

 

 

 

カムイ「──よし、俺も男だ!もう逃げるような真似はしねぇ!ナギサ、お前とのファイト受けて立ってやるぜ!!」

 

ナギサ「わぁ…!」

 

 

ナギサの表情が一気に明るくなる。

 

 

カムイ「………だが、その前に…ションベンだ」

 

 

そう言って、カムイはトイレに向かった。

 

 

クロノ「あの子、そんなに強いのか?」

 

ツネト「あぁ、まぁな。だけど、カムイさんが嫌がってるのはそーゆう事じゃあないんだよなぁ…」

 

アン「へ…?」

 

 

その時。

 

 

カル「大変だっ!カムイさんがトイレの窓から逃げたっ!!」

 

アン「えっ、ここ2階…」

 

ナギサ「…………」

 

アン(ひぃっ!?)

 

 

またもへし折られる鉛筆にアンだけが気づく。

 

 

ナギサ「ッ!」

アン「えっ、ちょっと!?」

 

ツネト「よぉしクエスト続行だ!」

 

 

カムイを追い、ナギサとトリドラは店から駆け出した。

 

 

アン「な、なんなんでしょう…?」

 

クロノ「さ、さぁ…?」

 

 

シン「クロノく〜ん、アンちゃ〜ん」

 

「「?」」

 

シン「──面白いクエストが入ってますよ?」

 

 

 

 

 

 

高架下。

 

 

カムイ「はぁ、はぁ……なんとか巻いたか…?」

 

 

 

「ざんね〜ん♪」

 

カムイ「な゛っ!?」

 

 

そこに、トリドラを引き連れたナギサが。

 

 

ナギサ「うふふ…知ってる?孫悟空がどんなに飛び回っても、それはお釈迦様の手の上だっていう話…」

 

カムイ「くっ、俺の行動をすべて読みきって…!」

 

ナギサ「さぁ、ファイトしましょう…?」

 

カムイ「グッ…!」

 

 

追い詰められるカムイ。しかし……

 

 

クロノ「ちょっと待った!」

 

ナギサ「!?」

 

 

クロノが割って入る。

 

 

カムイ「クロノ…!」

 

クロノ「助けに来ましたよ、カムイさん。クエスト受領しました!」

 

 

 

─────────────

 

K.カムイ グレードEX ノヴァグラップラー

 

【超・緊急クエスト!!】

 

怖いヴァンガードファイターに追われてます!

 

誰か守ってくれ!!

 

─────────────

 

 

 

ナギサ「チイッ…!」

 

カムイ「クロノ、ツネト達はどうでもいい!ナギサの足止めを!」

 

クロノ「分かりました!」

 

 

走り出すカムイ。追おうとするナギサをクロノが止める。

 

 

クロノ「行かせない、ポイントのため…いや、カムイさんのため。どうしても行くって言うなら、俺を倒すんだな!」

 

ナギサ「…………」

 

 

しかし……

 

 

 

クロノ「なっ…!」

 

 

ナギサの涙を見て、クロノは思わず動きを止めた…。

 

 

 

 

 

 

アン「はぁ…どこだろ、ナギサさん達…」

 

 

一方、クロノと手分けしてクエストを受けたアンは、カムイもナギサ達も見つからずに困っていた。

 

今日は気温も高めで、歩き回っていたアンは汗だくであった。下着がはりついて気持ち悪い。

 

 

アン「あっつい…」

 

 

ベンチに腰かけて思わずぼやいていると……

 

 

アン「ひゃうっ!?」

 

 

突然頬に冷たいものが押し付けられ、アンは思わず飛び退いた。

 

そちらを見ると……

 

 

アン「え…ルナ、さん?」

 

「久しぶり…アン」

 

 

水色の髪に黒いヘアバンド。

 

大学生程に見えるその女性が、コーヒーの缶を持って立っていた。

 

 

ルナ「…飲む?」

 

アン「あ…はい、ありがとうございます!」

 

 

女性はアンの隣に腰を降ろす。

 

 

月城ルナ。

 

姉である日下部リンの幼なじみで、アンも度々顔を合わせていた彼女を慕っている。

 

マイペースで、どことなくミステリアスな雰囲気で…あと、滅多に笑わない。

 

常にハキハキとして、明るく社交的なリンとは性格がまるで違うのだが、昔から不思議と息が合っていたのを覚えている。

 

 

……ちなみに、以前トコハに語った、姉へのコンプレックスを解消する切欠をくれた人というのは彼女だったりする。

 

 

アン「お久しぶりです…!今日は何かご用事でしょうか?」

 

ルナ「……迷った」

 

アン「あ、あはは…」

 

 

……極度の方向音痴は相変わらずらしい。

 

 

ルナ「アンこそ、何してるの?」

 

アン「あ、実は…」

 

 

 

〜事情説明中〜

 

 

 

ルナ「あぁ…それならほっとけばいいよ」

 

アン「え?」

 

ルナ「カムイがナギサから逃げ回ってるのは、今に始まったことじゃないし。…あの子、愛が重めだから」

 

アン「は、はぁ…お二人のこと、ご存知なんですね」

 

ルナ「まぁね。ナギサか…身長と胸ばっかり成長して、中身は相変わらず…いや、悪知恵がついた分悪化してるか…。それより……ヴァンガード、始めたんだ」

 

アン「あ…はい!」

 

ルナ「そ…あ、そろそろ時間だ…」

 

アン「迷ったんじゃ…」

 

ルナ「……あ」

 

アン「あ、あはは…」

 

 

とりあえずルナを目当ての駅まで案内したアン。

 

 

ルナ「…ありがと」

 

アン「いえ!今度はもうちょっとゆっくりお話しましょうね!」

 

ルナ「うん。……ヴァンガード、やってるなら…近いうちに、会うかもよ?」

 

アン「え…?えっと…?」

 

ルナ「……お楽しみ。あと1つ忠告…ナギサの執念舐めないで。……あの子、外堀埋めるのだけは滅茶苦茶得意だから」

 

 

ルナはふっと笑ってから、改札の向こうに歩いて行った。

 

 

アン「…?」

 

 

 

 

 

カムイ「ふぅ……」

 

アン「あ…いた、カムイさ〜ん!」

 

カムイ「お、アンちゃん!アンちゃんもクエスト受けてくれたのか?」

 

アン「はい。ナギサさん達は?」

 

カムイ「クロノが足止めしてくれてるよ。やっぱり俺が見込んだだけの事はあるなー!」

 

アン「え?新導くんならあそこに…」

 

カムイ「へ?」

 

 

アンが指差した方を見ると、何故か息を切らしたクロノの姿が…。

 

 

カムイ「クロノ…?えっ、お前もうナギサを…?」

 

クロノ「酷いじゃないですかカムイさん…」

 

アン/カムイ「「え?」」

 

 

 

クロノ「聞きましたよ…。カムイさんと彼女の愛のメモリー…」

 

カムイ「はぁ?愛のメモリーだぁ?」

 

クロノ「残された1枚のカードを手に、彼女はカムイさんを捜し続けた…!もう一度カムイさんとファイトして、2人の愛を取り戻すために!!」

 

 

カムイ「ハッ!しまった!ナギサの奴、いつものあの手を!」

 

アン「???」

 

 

クロノ「そう、全てはあの日から始まった…!」

 

 

 

 

 

【カムイとナギサ 愛の劇場(嘘)】

 

 

 

ナギサ『えぇん…!』

 

カムイ『フッ!ハッ!』

 

 

野良犬に吠えられ、泣いていた幼いナギサを、幼いカムイが野良犬を追っ払って救出。

 

 

カムイ『もう大丈夫だ。……!』

 

ナギサ『……!』

 

 

 

クロノ「出合いは偶然だった。そして二人は…一瞬で恋に落ちた!」

 

カムイ「そんな事実はねぇッ!!」

 

アン「あ、あはは…」

 

 

 

クロノ「だが2人の関係を許さなかった…!大文字財閥の令嬢である彼女と、庶民丸出しのあんたとでは、あまりにも身分が違いすぎたからだ…!」

 

カムイ「そんな財閥はねぇッ!!」

 

アン「いや庶民丸出して…」

 

 

クロノ「そして2人が選んだのは…駆け落ち!二人は全てを失った…!だが愛さえあれば!何も!いらなかった…!」

 

アン「小中学生で駆け落ちは無理があるんじゃあ…」

 

 

どこかの町のボロアパート。

 

 

クロノ「知らない土地での貧乏生活…それでも2人は幸せだった。二人には…愛があったからだ!なのに…あんたは!」

 

 

ナギサ『…うそ…』

 

クロノ「ある日突然、姿を消した…。たった1枚のカードを残して!!」

 

 

ちゃぶ台の上に1枚だけ残された、《叫んで踊れる実況 シャウト》…。

 

……何故この場面で実況シャウト……。

 

 

 

クロノ「あんたは一方的に彼女を捨てた!最低だ!!俺はあんたを軽蔑する!」

 

カムイ「ナギサめ…無いこと無いこと無いことを…!」

 

 

 

ナギサ「ふふっ…」

 

物陰でニヤリと笑うナギサ。

 

 

 

アン「新導くんって純粋…意外とかわいいところあるなぁ…」

 

カムイ「悪くいや単純だ!ほっこりしてる場合じゃねぇ!クロノ、お前もお前だ!そんなホラ話、本気で信じてんのか!」

 

クロノ「彼女の涙に嘘はないっ!」

 

 

嘘しかない。

 

 

クロノ「大文字ナギサの為…!あんたを倒すッ!!」

 

カムイ「簡単に騙されやがって…!…フッ、こうなったら、奥の手だ。──来い、トリニティ・ドラゴン!!」

 

「「「シャキーンっ!!」」」

 

 

なんと、ナギサ側だったはずのトリドラがカムイを守るように見参した!

 

 

クロノ「何っ!?」

 

アン「えぇっ!?」

 

ナギサ「どういうこと…!?」

 

 

カムイ「緊急クエストを発動させたのさ…俺を守れってな!」

 

クロノ「だが、クエストはショップじゃないと受けられないはず…!いつのまに…!?」

 

カムイ「フッ…ハハハハ!ポイントは…“肉まん一週間分”という、普及協会非公認のクエストだ!!」

 

 

クロノ「それクエストじゃなくて買収っすよ」

 

ツネト「黙れ!裏切り者!!」

 

 

ナギサ「お前が言うな」スパッ

 

 

お互いにデッキを構えるクロノとトリドラ。

 

 

クロノ「オォオオオオッ!!」

 

「「「うぉおおおおっ!!」」」

 

 

激突!そして……

 

「「「……ぐはぁっ!!」」」

 

 

倒れるトリドラ。立っているのは…クロノだ。

 

 

カムイ「な、なんかよく分かんねぇが、強え…!」

 

アン「あはは、もうツッコミが追い付かない…」

 

クロノ「次はアンタだ…!」

 

 

クロノは主人公とは思えない悪い笑みでカムイに迫る。

 

 

カムイ「クッ…!完全にナギサの手先になりやがったか…!」

 

 

ナギサ「うん、うん〜♪」

 

アン「外堀埋めるのだけは上手いってこういうことですか…」

 

 

 

カムイ「目を覚ませ!情けねぇぜ!お前の魂はそんなもんだったのか!?」

 

クロノ「クヘヘ…!カムイぃ…!」

 

カムイ「思いだせ、クロノ!俺との熱きヴァンガードの日々を!思い出すんだ…!俺との出会いをッ!!」

 

 

 

 

 

【カムイとクロノ 熱血劇場(嘘)】

 

 

 

コート姿のカムイとクロノ。

 

すれ違いざまに肩がぶつかり、そして……

 

 

カムイ『ラァアアアアアッ!!』

 

クロノ『オォオオオオッ!!』

 

カムイ/クロノ『『──グハァッ!!』』

 

 

互いの顔面に拳がヒット!

 

殴り合いの中、二人の中には熱い絆が…!

 

 

カムイ「俺にはすぐわかった。お前の中に熱いヴァンガード魂が眠ってるってな…!俺は探してたんだ、お前のような奴を…!」

 

 

そして修行の日々。

 

養成ギプス、逆さ吊り状態での腹筋、更に鉄下駄ランニング…。

 

そして夜空を指差せば、そこには輝く星が…。

 

 

 

 

 

アン「やってることがナギサさんと同レベル…」

 

カムイ「共に目指すと誓った、ヴァンガードの星!それを、ナギサごときにあっさり丸め込まれやがって…!俺は!お前をそんな子に!育てた覚えはッ、ねぇえええええッ!!!」

 

クロノ「グハァアアッ!!」

 

アン「えぇえええっ!?」

 

 

イメージでビクトールにライドしたカムイの拳が、クロノの顔面にクリティカルヒット!

 

吹き飛び、なんとか起き上がったクロノはハッとする。

 

 

 

クロノ「ハッ……、俺…いったい何を…?」

 

カムイ「ようやくお目覚めか…!」

 

アン「洗脳が解けた…」

 

ナギサ「チィッ…!」

 

 

 

 

 

 

カル「もう付き合いきれませんよ…」

 

ケイ「つかれたぁ…」

 

カムイ「ったく、昼飯食い損ねたじゃねぇか…」

 

 

ナギサ「はい♪」

 

カムイ「おっ…!──ハッ!?」

 

 

横から差し出されたナギサの手作り弁当を自然な流れで手にとり、箸を伸ばしたところでハッとするカムイ。

 

 

クロノ「……なんか、今しっくり来てましたね」

 

アン「すごい自然な流れでしたね」

 

ツネト「カムイさぁん、もういいんじゃないですかぁ?お似合いですよ?」

 

ケイ「美味しい〜」

 

ツネト「あっケイ何食っ……おお!カムイさんのキャラ弁だ!一口も〜らいっと!」

 

 

ツネトも一口つまむが……

 

 

ツネト「ッ!!? か、辛ええぇぇ!!!」

 

 

火を噴いた。

 

 

ナギサ「時に愛には刺激も必要よ♥️」

 

カムイ「お前ら勝手なこと言ってんじゃねぇぞ!何が『もういい』だ…!」

 

クロノ「だって…」

 

ツネト「もう面倒っす」

 

アン「同じくです」

 

カル「うん」

 

ケイ「うん」

 

 

 

カムイ「ふざけんなっ。それにな…俺には心に決めた人がいるんだ。俺だけの女神がな」

 

 

クロノ「二股っすか」

 

ツネト「サイテーっすね」

 

 

カムイ「……なんでそうなる…!だぁあああもうお前ら帰れッ!!」

 

 

クロノ/アン「「はーい」」

 

トリドラ「「「おつかれっしたー」」」

 

 

カムイ「ま、待てッ!帰るな!ナギサと二人きりにすんなぁっ!」

 

クロノ「もうなんなんすか…」

 

ツネト「支離滅裂〜」

 

 

カムイ(クッ…!このままじゃあバイトもできねぇじゃねぇか…!……こうなったら仕方ねぇ…!)

 

 

カムイ「ナギサッ!」

 

ナギサ「なぁに?」

 

カムイ「……ファイトだナギサ!俺が勝ったら、二度とバイト先には来るな!」

 

ナギサ「……!」

 

 

ナギサは目を見開くが、やがて笑みを浮かべ……

 

 

ナギサ「ふふっ…いいわよ。そのかわり私が勝ったら……」

 

カムイ「ぐっ…!」

 

次に来る言葉を察してうぐっとなるカムイ。

 

そして……

 

 

ナギサ「──あははっ、結婚ね♪」

 

 

 

クロノ/アン「「け、結婚…!?」」

 

 

 

 

 

 

カードキャピタル2号店。

 

 

クロノ「勝ったら結婚って…あの子正気か?」

 

ツネト「よくわかんねぇけど、あの二人の間じゃ、昔からそういうことになってんだよ」

 

アン「あぁ、だからあんなに嫌がってたんですね」

 

 

ルナ『カムイがナギサから逃げ回ってるのは、今に始まったことじゃないし。…あの子、愛が重めだから』

 

 

アン(あはは……あれはそういう……)

 

 

 

「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」

 

 

カムイ「《メチャバトラー ランボール》!」

 

ナギサ「《獣神 ライオット・ホーン》♪」

 

 

【《メチャバトラー ランボール》G0 5000】

 

【《獣神 ライオット・ホーン》G0 5000】

 

 

カムイ「俺からだ!《メチャバトラー ケンドール》に、俺様ライドッ!」

 

 

【《メチャバトラー ケンドール》G1 8000】

 

 

ナギサ「次は私ね…!《獣神 マックスビート》に、ナギサちゃんライド〜♪《獣神 フロッグマスター》をコール!」

 

【《獣神 マックスビート》G1 7000】

【《獣神 フロッグマスター》G1 7000】

 

ナギサ「フロッグマスターのブースト、マックスビートでアタック〜♪」

 

 

 

アン「二人ともノヴァグラップラーですか…」

 

クロノ「しかし、いくらあの子が強いって言ってもカムイさんには…」

 

ツネト「確かに実力そのものはカムイさんが圧倒的に上だろうな。だが…」

 

「「?」」

 

 

ナギサ「クリティカルトリガーゲットー!」

 

【《獣神 デススティンガー》☆】

 

カムイ「げえっ…!」

 

 

その後も…

 

 

カムイ「《メチャバトラー ケンビーム》に、俺様ライドッ!《デアデビル・サムラーイ》、《ベアダウン・サムラーイ》をコールだ!」

 

【G2 10000】

【G2 9000】

【G1 7000】

 

 

カムイ「アタック!」

 

ナギサ「ノーガード!」

 

カムイ「ドライブチェック!…と、トリガーなし」

 

 

次のターンも…

 

 

ナギサ「《獣神 ダムンドレオ》でアタッ〜ク♪」

 

【G2 10000】

 

カムイ「の、ノーガード…」

 

ナギサ「ドライブチェック!」

 

 

【《獣神 デススティンガー》☆】

 

 

ナギサ「クリティカルトリガーゲットー!」

 

カムイ「またトリガーを引き当てやがった…!クソ、なんで俺とのファイトの時だけそんなに引きがいいんだ…!」

 

ナギサ「愛の力に決まってるじゃない…♥️あぁ、聞こえる…!祝福のウェディングベルが♥️」

 

 

カムイはあっという間に4ダメージである。

 

 

ツネト「勝負には相性ってもんがある。それはヴァンガードも同じだ。カムイさん、大文字とは驚くほど相性が悪いんだ…」

 

カル「実際、過去に大きな大会で負けてますしね…」

 

アン「な、なるほど…」

 

 

 

カムイ「クソッ…!やられっぱなしでいられっか!──百撃必殺、永劫不敗!王者の凱旋に震えやがれ!《永劫不敗(イモータル) アシュラ・カイザー》に、超俺様ライドッ!!」

 

 

【《永劫不敗(イモータル) アシュラ・カイザー》G3 11000】

 

 

 

しかし…

 

 

 

カムイ「ぐっ…!た、ターンエンド…」

 

 

反撃を狙って総攻撃を仕掛けたものの、ドライブチェックではトリガーもG3も出なかったためせっかくのリミットブレイクも発動せず…。

 

 

ナギサ「じゃあ私ね!──あたしの本能が叫んでいる…!恋する思いは止まらない! ラブラブライドっ! 《最凶獣神 エシックス・バスター “Я”》!」

 

 

【《最凶獣神 エシックス・バスター “Я”》G3 11000】

 

 

カムイ「くっ…!Яユニットも一般発売されたと分かってはいるが、何故かナギサが使うと異様に似合って滅茶苦茶こぇえ…!」

 

ナギサ「ジェネレーションゾーン・解放♪」

 

 

【コスト《最凶獣神 エシックス・バスター “Я”》】

 

 

ナギサ「聞こえる…ウェディングベル…!聞こえる…!愛する二人の輝ける未来!ストライドジェネレーション!《究極獣神 エシックス・バスター・カタストロフ》ッ!!」

 

 

【G4 11000+15000→26000】

 

 

カムイ「げぇえっ!?」

ナギサ「病めるときも、健やかなる時も〜!ヴァンガードにっ、ラブラブアタ〜ック!!」

 

カムイ「ぎゃあアアアアっ!!」

 

 

カタストロフの効果とスタンドトリガーの連続発動による5連続アタックで、カムイはギリギリ凌いだものの追い詰められてしまう。

 

 

ナギサ「ナギサもう中学2年生だから、親の承諾なしで結婚できるんだよ!」

 

 

 

※中学2年生では結婚できません!!

 

 

 

カムイ「俺はヴァンガードの道を突き進む…!結婚なんかしてられっか!!」

 

クロノ「そうですカムイさん!!一緒にヴァンガードの星を掴みましょう!!」

 

アン「えっ、そのネタ続いてたんですか…」

 

 

カムイ「あぁ!だがそれより何より、俺は普通にバイトがしてえんだ…!」

 

ナギサ「!」

 

カムイ「ナギサに邪魔されてたまるかぁっ!ジェネレーションゾーン、解放ッ!」

 

 

【コスト《アシュラ・カイザー》】

 

 

カムイ「今こそ示せ…!我が、真に望む世界を!ストライドジェネレーションッ!《闘神 アシュラ・カイザー》ッ!!」

 

 

【G4 11000+15000→26000】

 

 

カムイ「いっくぜぇえええッ!!」

 

 

戦場(リング)の王者と呼ばれた王者の拳が、エシックス・バスター “Я”を叩き潰した…!

 

 

ダメージ6、カムイの大逆転勝利である。

 

 

カムイ「よし…!」

 

クロノ「おおっ!」

 

ナギサ「…そんなにバイトがしたいなんて…」

 

 

 

しかし、タダでは起きないのがナギサである。

 

 

 

ナギサ「──あ…! そっか、2人の未来のためね!!」

 

カムイ「はぁ!?」

 

ナギサ「さっきまでのナギサは子供だった…。愛さえあれば、他に何もいらないっと思ってた…でも違う。結婚生活はお金が必要!!そーゆうことね、カムイちゃん!」

 

カムイ「全然違う!!」

 

 

クロノ「か、カムイちゃん…!?」

 

 

ナギサ「ありがとう!カムイちゃ〜んっ!──ひゃうっ!」

 

カムイ「いい加減それはやめろ」

 

 

カムイに抱き付こうと突撃したところを回避され、ナギサは床に撃沈した。

 

 

クロノ「こんな子だったのか…」

 

アン「あ、あはは…」

 

 

 

 

 

 

カムイ「ともかく、俺の勝ちだ。もうバイト先には来るなよ?」

 

ナギサ「指輪は給料の3ヶ月分、新婚旅行はワイハーね!」

 

カムイ「ホントに解ってんのか…!?」

 

ナギサ「あ~楽しかった!じゃあまたねー!」

 

 

ナギサは店を去った。

 

 

ツネト「…しまった!大文字にクエスト完了のサイン、もらってねえ!!」

 

 

トリドラも出ていった後、残された3人。

 

 

アン「…なんか、大変でしたね、色々…」

 

カムイ「そうだな…」

 

 

 

アン「けど、恋、かぁ…。ナギサさんはちょっと重めだけど…一途なんですね」

 

カムイ「い、一途ってなぁ…」

 

アン「……私にもいつか、そんな相手が……」

 

 

 

 

クロノ「あの…」

 

カムイ「ん?」

 

クロノ「……ホントに特訓とかしちゃいます?」

 

カムイ「あ?」

 

クロノ「ヴァンガードの星、目指して」

 

アン「……えっ」(゜Д゜)

 

 

 

カムイ「……フッ」

 

クロノ「えっ?」

 

カムイ「よし、お前ら鉄下駄履け。んでもって、逆さ吊りな!」

 

クロノ「ま、まじっすか」

 

アン「え、私もですか!?」

 

カムイ「よぉしクロノは服脱げ!ギブス付けてやるから」

 

アン「…あるんですか?養成ギブス…」

 

カムイ「ある!」

 

アン「…うそ」

 

 

 

 

 

 

……その夜、どこかのマンションにて。

 

 

ルナ「……うん。大丈夫。アン、元気そうだった」

 

 

月城ルナは、湯船に浸かりながら、スマホで誰かと通話していた。

 

 

ルナ「……そう。うん。ヴァンガード、始めたんだって。……嬉しい?……ふふ。だよね」

 

 

ルナ「そっちは?忙しそうだけど……うん。……うん。無理、しないで。……うん。それじゃ……」

 

 

 

 

ルナ「おやすみ……リン」

 

 

 

 

 

《続く》

 

ED「Hi×Touch大丈夫!」戸倉ミサキ〈橘田いずみ〉・新田シン〈森嶋秀太〉

 

 

 

 




クロノ「ナギサさん半端ないっすね…」

カムイ「アイツは人間ではない、化け物だ!」

アン「あ、あはは…そもそもどんな人だったんですか?」

カムイ「強豪、大文字ゴウキの妹で、そのゴウキ率いるチーム男前の一員だったんだ…!」

クロノ「それでファイトも強かったんですね…」

カムイ「あぁ。得意とするのは、期を見たら一気に畳み掛ける戦法で、スキを見せたら一瞬でやられちまう…!」

アン「……カムイさん、嫌い嫌いといいながら、けっこうナギサさんのこと語りますね……」

カムイ「……アンちゃぁんんん…!」

アン「……恋かぁ……」



次回『ハイメ・アルカラス』

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