カードファイト!!ヴァンガードG IF 〜夜薔薇の先導者〜   作:バンドリーマーV

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第9話「カードキャピタルの夜」

 

「「「「「グレードアップ、おめでと〜っ!!」」」」」

 

クロノ「…へ?」

 

カムイ「よし、始めるか!」

 

 

いきなりクラッカーの紙を浴びて、クロノはキョトンとしていた。

 

今日はクロノのグレードアップ兼ハイメ戦のサプライズ祝勝会である。

 

カードキャピタル2号店の店内には、アン、カムイ、シン、トリニティドラゴンがいた。

 

 

クロノ「お祝いだなんて、そんな大げさな…俺いいですよ!」

 

カムイ「ば〜か、何遠慮してんだよ!シンさんだって店早く閉めて使わせてくれてんだぞ?」

 

 

クロノは本日の主役と書かれたタスキをかけられる。

 

とりあえず乾杯して、食事をしながら盛り上がる。

 

 

シン「クロノ君、この短期間でグレード2になるなんて、なかなかのものですよ」

 

 

ちなみに、グレード3にアップすれば、ヴァンガード普及協会が主催する大会に出られる。

 

 

カムイ「それも、あのハイメ・アルカラスに勝ってポイントゲットだもんな!すげぇファイトだったよな。今思い出してもゾクゾクするぜ!」

 

カル「ホントすごいです!4枚すべて違うグレードのカードを引き当てるなんてまさに奇跡!いや、最早神秘です!」

 

アン「…………」

 

 

カルのその言葉を聞いて、アンはクロノとハイメのファイト時に、自身が体験した不思議なことを思い出していた。

 

 

──現実のようなイメージ。

 

まるで、その後のファイトの展開を予言するように動いていた、ユニット達の姿。

 

ミステリーフレアのスキルで公開されたユニットまで、1枚も違わず一致していた。

 

 

アン(あれは、なんだったんでしょうか…?)

 

 

 

その後、トコハやクミ、シオンも合流したのだが……

 

 

シン「鍋って…カムイ君、これはどうゆうことですか…!?」

 

カムイ「大丈夫です!全部俺のおごりですから、シンさんは気にせずに!」

 

シン「いや、そうじゃなくて店で鍋っていうのはちょっと…!」

 

 

湿気でカードが反ったりする危険が。

 

そんなシンの心配をよそに、鍋パーティーが始まってしまったのだが……

 

 

アン「…?」

 

 

アンが何だかよくわからない具材を取った。

 

 

アン「…?なんでしょう、おもち?」

 

ツネト「それは俺様がコッソリ入れておいたイチゴ大福だ!戻しちゃいけないのが鍋のルールだぜ!」

 

 

バァンッ!!

 

 

「「「!?」」」

 

 

机に手を叩きつける音がした。

 

 

トコハ「イチゴ大福ぅ?なぁにが鍋のルールよ、不作法働いといて、鍋語らないで……」

 

アン「あ、あの、トコハちゃん…?」

 

トコハ「いい?鍋っていうのはね…ダシと食材が渾然一体となって奏でる、美しいハーモニーを味わうものなの!それをウケとか狙って妙な食材入れて、言っとくけどそーゆうの、全然おもしろくないからね?寧ろ寒いから!!まったく、鍋に対する冒涜よ!──ホント、止めてほしいわァッ!!!」

 

アン「ひいっ!?」

 

トリドラ「「「す、すみませぇんッ!!」」」

 

 

いちご大福は怯えきったトリドラが全部食べることになった。

 

 

トコハ「そのお肉、まだ早い。隣の白菜を取って、食べごろだから。そのしいたけはOKです!」

 

クロノ「いちいちうるせぇなぁ…」

 

シオン「いわゆる鍋奉行ってやつだね」

 

アン「にぎやかで楽しいです!」

 

シン「あぁ…店で鍋パーティーしたなんてことが、もしミサキにバレたら何て言われるか…!!」

 

 

 

トコハ「そういえば、クミちゃんもグレードアップしたんだよね?」

 

クミ「うんっ!やっとクエスト達成して、グレード1になったの~」

 

クロノ「じゃあ主役交代っと…」

 

 

クロノは恥ずかしがっていた『今日の主役』のタスキをクミに渡そうとするが……

 

 

アン「せっかくだからもうちょっとつけてましょうよ!」

 

クロノ「勘弁してくれ…」

 

クミ「しんどうく~ん」

 

クロノ「ん?」

 

 

パシャ。

 

 

クロノ「お前!?なにとってんだよ!」

 

クミ「なんとなく、記念にー♪」

 

アン「じゃ、じゃあ私も…」

 

 

パシャ。

 

 

クロノ「おい!?」

 

「「「あはは!!」」」

 

 

 

更に、腹ごなしに卓球が始まる始末。

 

 

シン「あぁ…絶対怒る、絶対怒る…!店内で卓球なんて、ミサキが知ったら絶対怒ります…!」

 

 

怯えるシンの近くで、電話が鳴った。

 

 

シン「はい、カードキャピタ…」

 

ミサキ『もしもし、シンさん?』

 

シン「うわっ、ミサキっ!」

 

 

姪っ子にしてオーナー・戸倉ミサキの声にビクリとするシン。

 

 

ミサキ『シンさんまだ帰ってこないの?』

 

シン「あっ…あぁ…在庫の整理にちょ〜っと手間取ってねぇ…!」

 

ミサキ『なんか騒がしいけど、どうしたの?』

 

シン「あっ、いや、その…!気のせいですよ気のせい!忙しいから切りますよ!」

 

 

ひとまず電話が終わって一安心と思いきや……

 

 

クロノ「おおおおおりゃああああっ!!!」

 

シン「ひぃっ!?スマッシュはやめてください!禁止ですッ!!」

 

 

ショーケース直撃により、卓球は中止となった。

 

 

 

その後も色々あって、『朝までヴァンガード』なんて企画が始まった。

 

みんなノリノリ過ぎである。

 

 

カムイ「シンさん、悪いんですけど皆の家に電話して、事情を説明してください!あいつら、中学生なんで…」

 

クロノ「あ、俺は大丈夫です」

 

アン「私も大丈夫ですので…」

 

 

クロノは忙しくなかなか帰って来れない叔母が今日も仕事で不在、アンは両親の海外勤務と姉の多忙でほぼ1人暮らしのため、連絡を断った。

 

 

 

 

 

「「「……zzz……」」」

 

 

『朝までヴァンガード』なんて言っていたが、数時間後には、半分以上が眠気に負けて寝落ちしていた。

 

起きているのはアン、クロノ、シオン、トコハだけである。

 

 

トコハ「ちょっと…!…ふふっ、あははは!」

 

アン「?えっ、ちょっと新導くん!?」

 

クロノ「フフ…!」

 

 

クロノは寝ているツネトの顔に落書きしていた。

 

 

トコハ「私も〜♪」

 

アン「えぇっ!?」

 

 

トコハまで落書きを始める。

 

 

アン「えっ、えっと…?…………」

 

 

……ゴクリ……

 

 

アン「…………」

 

シオン「えぇえっ!?」

 

 

深夜テンションか、楽しそうに見えてしまったアンは、誘惑に負けて落書きに参加した。

 

 

シオン「ちょ、ちょっと!3人ともやめなよ!……!?」

 

「「ふふ~ん♪」」

 

 

クロノ&トコハ、満面の笑み。

 

 

シオン「ぼ、僕はそんな事…しない…!」

 

 

クロノ&トコハ、満面の笑み(2回目)で迫る。

 

アンは横からスッとペンを差し出した。

 

 

シオン「や、やめろおぉ〜!?」

 

 

 

数分後。

 

 

シオン「…………」

 

 

シオンはハイライトが消えた目で、カムイの顔に落書きしていた。

 

 

「「おぉ…!」」

 

アン「あの〜、綺場くん?目が…」

 

カムイ「……ん……」

 

「「「「!!!!?」」」」

 

 

四人は慌てて店の外に逃げ出した。

 

 

 

トコハ「ふー、驚いたあ。私達、共犯ね!」

 

シオン「ハッ!?何故だ…何故僕はあんな事を…!?」

 

アン「あ、正気に戻った…」

 

クロノ「フッ…」

 

「「「「あははははっ!!」」」」

 

 

四人は笑い合った。

 

こうして、四人の絆は深まったのだった。

 

 

 

翌朝。

 

 

「起きて。シンさん起きて」

 

シン「ん…?あれ…?いつのまに、寝ちゃったんでしょう…?」

 

ミサキ「おはよう、シンさん」

 

 

戸倉ミサキ、満面の笑み。

 

 

シン「どうわぁああ!?ミサキっ!?」

 

ミサキ「これ、ど〜ゆうこと?」

 

 

散らかりに散らかった店内で全員寝落ちしている。

 

結局、クロノ達四人も落書きされていた。

 

 

カムイ「うぅん…あれ、ミサキさん!?」

 

ミサキ「まったく、何やってんだか…」

 

 

毒気を抜かれたミサキは思わず笑う。

 

 

ミサキ「事情は後でしっかり聞かせてもらいます」

 

シン「は…はい…!ひぃっ…!」

 

ミサキ「はい、皆で掃除!その前に、全員顔を洗いなさいッ!」

 

 

揃って落書きだらけで起き出したクロノ達に、笑いが堪えられないミサキであった。

 

 

 

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