終わった噺の祈るひと   作:唯のかえる

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素敵なお茶会/舞台の裏は黒い幕

 アクロニア平原から柔らかな風が届く昼下がりの時間。

 場所は、レミアの秘密の場所。

 そこには人影が一つ、場の主であるレミアがお茶会用のテーブルにカップをソーサーにセットしている。その時に、バサリと翼を大きく広げるような音が背中から聞こえてきた。

 

「ごきげんよう。もう少しでお茶の準備が終わるから待っていてね、ヒスイ、リーリエ」

「ええ、ゆっくり待たせてもらいますよ」

「お邪魔するでー。うちもお茶請けも買ってきたで!」

 

 羽ばたきの音とともにこの場に降り立ったのは二人の男女。

 男のほうは緑の短髪で眼鏡をかけている。淡い色の和服を纏い、片手に錫杖のような杖をもう片手にはキセルから紫煙をたなびかせる美丈夫。女のほうは浅葱色の長髪を高く一本にまとめており、背に新緑の色をした洋弓を背負っている尖った耳をした美女。二人とも背中には翼があり、頭には天輪を模したものが浮かび上がっている。

 タイタニア族。

 レミアなどのエミル族とは違った翼と天輪を身体的な特徴として持つ種族だ。

 

「ん? なんや、他に誰かくるん?」

 

 普段なら円卓に椅子を三つ並べているところ、四つ目の椅子が置かれている。

 リーリエ、と呼ばれた独特の口調をした女性が頬に手を当てながら首をかしげる。

 

「ふふ、楽しみにしておいてね」

「なんやなんや? 最近噂の若いツバメかー?」

「おや、少し年を考えた方がよいのでは?」

「……貴方たち、お茶は要らないみたいね」

「冗談や!」

「少しその話は気になりますが「そう、要らないのね」はは、要りますよ。貴方の御茶は美味しいですからね」

 

 軽口が飛び交う。だが、そこに険悪さはなく気兼ねなく言葉を交わせる友人のようなつながりがなんとなくわかる様子だ。

 お茶の用意を終え、各人が椅子に座ってお茶の香りをたしなむ。

 場の雰囲気も落ち着いたの感じ、お茶を楽しむためにキセルを仕舞ったヒスイが口火を切る。

 

「さて、こうして集まるのもずいぶんと久しぶりですね。前回はいつ頃でしたか、私が東の果てへ行商に行く前だったので……」

「ええ、十数年は」

「せやねぇ、時間の流れがあっという間で困るわ。資源戦争締結から、特になぁ」

「おや、耄碌しましたか? 私はまだまだ現役ですけどね」

「なんやと! うちもまだまだピチピチやわ!」

「「ピチピチ」」

「ぐっ! あんた等とおんなじくらいや……!」

 

 若々しい見た目をした者たちしかこの場には見えないが、全員が全員自分の年齢を思い出すのに数秒要する程度には長生きをしている。場が若干なごんだので、さてと呟いてヒスイがレミアに目を向ける。

 

「で、招集をかけた理由を聞いておきましょうか」

「せやなー。うちも気になってたんよ」

「そうね。……最近私が贔屓にしている少年の話はどこまで?」

「私はアクロニア大陸を離れていたのでさっぱり」

「うーん、うちは……。あまり良い話は聞いてないなぁ」 

 

 ヒスイは手をひらひらと振り、知らないことを示す。

 リーリエは少し困ったように眉を下げながら、言いづらそうに答える。

 

「あんたが特定の人物に干渉するってことが珍しいし? まぁそれはそれは下種な勘繰りが生まれてそうでねぇ」

「それが、先ほどの?」

「うん、さっきの反応からして違うのはわかる。それ以外だと運搬のお仕事を頑張ってるいい子だって聞いてるわぁ」

「混成騎士団ね。特に干渉はなかったのだけど、世代交代も進むとそんなモノかしら」

「せやね。今を生きてるエミル族なんかにはとっくに昔話やろうし、悪い話も御伽噺感覚なんやろうなぁ」

 

 政治的な話が浮上して、レミアが少し不快そうに眉を顰める。

 長く生きる者が強く干渉するのを良くないと思っていても、やはり力がある者を利用しようとするのは人間のサガと言ったところか。定期的に、レミアはしつこい要人を痛い目に合わせているのだが、懲りない輩はどこにでもいるようだ。

 当のプレイアは、混成騎士団からの誘いを冒険者にならないといけないと言う目的のために蹴り捲っているので騎士団的には利用しようがないというオチもつく。

 

「それで、少年についての詳細は?」

「名前はプレイア。彼は『ゆめみのたびびと』と呼ばれる存在ね」

「うーん? なんやったっけそれ」

 

 リーリエが首をかしげる。

 

「まぁ少し困難な道のりを歩む人の事、かしらね」

「困難ですか。何かその少年には目的が?」

「そう、ね。端的に言うと、世界救済かしら」

 

 レミアが面白そうに微笑みながら、そう告げる。

 ヒスイはふむ、と眼鏡を光らせながら顎に手を当て言葉を咀嚼し、リーリエは驚いたように目をぱちぱちと瞬かせる。

 

「せかいきゅーさい……。それまた、大きく出たなぁ」

「具体的には資源系のお話ですか?」

「さぁ、私も知らないわ」

「うーん? 要領を得んなぁ、子供の戯言じゃないん? 英雄願望とか、ほら子供ならあるしなぁ」

 

 ヒスイとリーリエが顔を見合わせる。その表情はどちらも、与太話程度だと思っている雰囲気を感じられた。

 

「まぁ信じる信じないは構わないわ。ただ、あの子には確実に何かがある。なんなら、未来のことを知っているような気配すら感じられたわ」

 

 レミアは半信半疑の表情の二人に伝える。

 

「そして、後ろに何かがいる。とても強大な何か、全てを包み込む翼をもつ大きな存在を見た」

「ほぉ、占いまでやったんですか」

「本当にお気に入りなんねぇ。そら、少しはその子の言い分を信じてもええかもな」

「ええ、とっても面白い子だわ。ぜひ、あなた達も見かけたら気に入ると思う」

 

 レミアは本当に気に入った人物にしか占いをしないのは周知の事実。なので、出会って時間も余りたたないその少年に占いをしたという事が、レミアの本気さをうかがわせる。

 話を続ける。その謎の存在に一時的にプレイアを通して会話をされたこと。何かその存在には目的があることなどだ。タイタニア種族、翼をもつ存在の長く生きる知り合いならばその存在にある程度のめどが立つのではないかと思っているのだ。レミアが感じた存在にについて意見が聞きたかった。

 

「で、貴方たちに心当たりは?」

「翼、ですか。タイタニア種族、それも上位種族の類では?」

「そうやねぇ。でも転生存在のアークタイタニアなら、ハイエミルのレミアなら分かるんじゃないん?」

「リーリエ、それ以上は」

「あ……、ごめんな。この話題嫌いやったな」

 

 ハイエミル。

 ただのエミル種族から転生し、強大な力を持った存在の事だ。かつて、ノーザン王国の女王が生み出した秘術。武神と呼ばれる存在を生み出した究極の技法。

 

「……いえ、かまわないわ。所詮私はなりそこないだもの、上位存在だったとしても気が付けない可能性もある」

 

 少し沈黙が満ちる。

 気軽な仲でも、やはり触れられたくないものも存在する。長く付き合っていると、当然そういうものが存在してくるものだ。

 

「んんっ、じゃあタイタニアドラゴンとかはどうや!」

 

 空気を換えるために、咳払いをして元気よく違う存在の名前を出す。

 しかし、レミアとヒスイからは呆れたようなため息。

 

「……リーリエ、ありえないことを出すのはやめましょうか」

「私も、可能性を考えなかったわけじゃないんだけどね。それはありえない」

「世界を守った守護竜やし、世界救済を目的とするならありえるんじゃない?」

「そうね。その存在が今でも確認できれば、ね。エミル界のエミルドラゴンすら帰ってきていない現状よ」

「資源戦争の真っただ中なので、あの出来事も数百年前の話ですからね」

「む、そっかぁ。……そうやねぇ、時間が過ぎるのは早いねぇ」

 

 ありえない。そう断言される。

 当然理由がある。

 存在が、確認できない。それが否定の一番の理由だった。

 

「巨大な次元を喰うクジラ。『クトゥルフ』を封印したのがタイタニアドラゴン」

「そして、それに協力したエミルドラゴンと共に姿を完全に消した」

「武器作りに協力した、アイツもなぁ。守護竜一人じゃ手も足も出ないやばいバケモンか……」

 

 戦闘、いや蹂躙だった。舞台はタイタニア次元の世界。

 その世界の守護竜であるタイタニアドラゴンは戦った。その世界で過ごす者たちを守るという守護竜の役割を果たすために懸命に戦った。

 だが、恐ろしいほどに相手が悪かった。とにかく相手が強かった。

 

「第一に次元を喰うってなんなん? そんなの空間ごと物質持っていくから防御無視のズルやズル!」

「巨大すぎて生命力も段違い、通常の兵器もほぼ意味を成しませんからね。一口で街を一飲みにする、攻撃ですらないただの食事」

「次元潜行で、すり抜けるように隠れる防御性能。二度と、現れないことを祈るしかないわ」

 

 興奮したようにリーリエが声を荒らげる。

 ここにいる数百年の時を過ごすメンバーは実際に見たことがあるのだ、その脅威を。恐ろしさを。だからこそ、全身全霊で戦い、プライドもかなぐり捨てて他の次元の守護竜エミルドラゴンに助けを求め、世界を守ったタイタニアドラゴンの事を尊敬している。 

 

 故に。

 

「封印で力を使い果たしたタイタニアドラゴンは、タイタニア世界も閉ざしてしまった。以降数百年、あちらの次元からは音沙汰無しですね」

「……エミル世界のタイタニアとドミニオンの人口推移は?」

「あかんみたい。だいぶ減ってきてるなぁ。ドミニオン族は特に顕著やね。まぁ彼らはタイタニア種族みたいに千年近く生きるわけじゃないから当然なんやけど」

「次元移動用の軌道エレベータ『天まで続く塔』の扉も閉じたまま、か」

「ですが、時折この世界に現れるドミニオン種族も存在します。でなければ、今でも街中で姿を見るなんてできません」

「大体が戦火から逃れるために、次元断層に飛び込んだっていう話やけどな」

「戦火……。つまり、ドミニオン世界はまだ戦争中かぁ。このエミル世界は女王ヴェルデガルドが裏技で守ったけど、あっちは機械人形たちの進行は収まらんかったみたいやしなぁ」

「……ええ」

「そうですね……」

「うん……」

 

 再び暗い話題に、静かな空気が満ちる。

 古くから生きる者たちにとって、この世界は実に終わりに満ちている。大事な人たちが身を犠牲にしながら守ってきた世界なのに、どうしてこうもままならないのか。憂鬱な感情が場を占めた。

 

 パンッ、とヒスイが手を叩いて空気を換える。

 

「話題を戻しましょうか。その少年について」

「ええ。でも、貴方たちも良く分からないとなると困ったわ」

「悪い気配はしなかったんやろ? じゃあ、今後大事に見守るでええ」

「我々も興味が湧いてきたので、姿を見てみますよ」

「でも、少し心配だわ」

 

 レミアは話の進展がなかったことに、少し肩を落とす。

 リーリエは大げさにため息をついて指摘する。

 

「大体、過保護すぎるんと違う? 子供なんて泥だらけになるまで外で遊んでたらいつの間にか立派な大人になってるもんやよ」

「おや、さすがに前線で泥だらけ傷だらけになっていた人が言うと言葉の重みが違いますね」

「泥だらけにはなっとらんわ! こちとらお淑やかな乙女!」

「「お淑やか……?」」

「なんなん!?」

 

 フフ、と全員に笑顔が戻る。

 

「そうね。自分で選んで、何度だって立ち上がれると言葉にして言える子だものね」

 

 ふわり、プレイアの言葉を思い出しながら微笑むレミア。

 案外、過保護になりすぎていたかもしれないと思いなおしたのだ。彼が、強大な壁に道をふさがれてしまったときに、先達である自分たちが前に進むのを手伝ってあげればいいのだ。個人に干渉するのが久しぶりで、忘れていた大事なことを思い出した気がするレミアだった。

 

「さて、お茶を入れなおしましょうか」

 

 そういって立ち上がるレミアを見送るヒスイとリーリエ。思わず顔を見合わせる。

 

「なんというか、本当に気にってるみたいですね」

「やなぁ。乙女の表情だったなぁ」

「ええ、お淑やかですね」

「まだいうか!」

 

 クスリと、二人でレミアと言う友人に大事なものが出来たことを喜び合うのだった。

 

 

 ◇

 

 

「うちのお茶請けのケーキも食べようか。最近できた美味しいところなんよ」

「へぇ、おいしそうですね」

「俺様はイチゴのある奴がいいぞ」

「全部にイチゴ乗ってるから待っていてね」

「分かった」

「紅茶の角砂糖はいくつがいいかしら?」

「うちは二つもらおうかな」

「私は一つで」

「俺様は五つだ」

 

 レミアは言われた通り、お茶に個数入れて配膳をする。

 円卓の一つ、空いていた席に座っていた何者かがイチゴのショートケーキと紅茶を受け取る。

 

「「!?」」

 

 ガタン! とリーリエが椅子を後ろに吹き飛ばして弓を構える。ヒスイも驚きで目を見開きながらも、錫杖のような片手杖を机の下で構えた。

 

「先ほどまで歓談をしていた場所に、突如として得体のしれない男が現れる。理解の及ばない光景を見てしまった貴様らはSAN値チェックだ」

「何者なん」

「何者ですか」

「おいおい、余裕を持てよ。……今の笑うところだぞ?」

 

 いつの間にか席を共にしていた存在。

 黄衣のフードをかぶり、リーパーフェイスと呼ばれる猛禽類を模した仮面をかぶった怪しげな男が冗句だよ冗句と両手を広げながら、怪しく口元を笑わせる。

 

「貴方のジョークは、良く分からなくて面白くないわ。『恥ずかしがり屋』さん」

「おい、その呼び方をやめろ。というか、嘘だろ? 俺様ドッカンドッカンなネタだと思ってるんだが」

「ソイツはレミアの知り合いなん?」

 

 リーリエがじりじりと円卓から離れながら自分の得物である洋弓を最大限生かせる距離を稼ごうとする。リーリエとヒスイの肌が粟立っている。この黄衣の男からは得体のしれない嫌悪感、邪悪さを感じるのだ。戦場で武闘派として鳴らした過去を持つリーリエの直感が過去にないほど警鐘を鳴らしている。ヒスイも黄衣仮面男の隠しきれない恐ろしい気配を感じて警戒をやめていない。

 

「おいおいおい、紅茶に砂糖五つも入れる甘い俺様に対して警戒しすぎだ」

「ほお、甘党ですか」

「それもそうかぁ、なるほどなぁ~! ってなるかぁ!」

 

 頷きながら、魔法の構成をして杖にまとわせるヒスイ。ノリ突っ込みをしながら、大きく射程を取るリーリエ。すると、敵対を解いてくれない二人に困ったように黄衣仮面男はレミアに顔を向ける。

 

「おい、占い女。お前のサプライズ企画を演じてやったんだ、この場の雰囲気を何とかしろ。そこの杖男も弓女の攻撃も掠りもしないという事実はあるが、俺様は貴様らに依頼があってきたんだぞ?」

「どうしようかしら。このままでも面白いと思うのだけど、実力は示さないと興味を持ってもらえないわよ?」

「む、目の前に突如現れるだけで十全であろう?」

「いいえ、不十分ね」

「なんだ、楽しませればいいのか? 踊るか? ククク、俺様のワイルドダンスが火を噴く時が来たか」

「……貴方達、埃が立つからやめてちょうだい」

 

 レミアから全員に静止が入った。

 妙なポーズのまま黄色い仮面男が固まる。ヒスイがソレを見て少し顔を背けて口に手を当てた。どうやら、少しだけ面白かったようだ。

 

「……んんっ、ずいぶんと身にまとう雰囲気と中身が違う方ですね」

「まぁいい。想定とは違ったが、どうだ面白かっただろう俺様のワイルドダンスは」

「え、ええ。まぁ見れてませんが、そういうことにフフ、しておきましょうか」

「ならばよし、杖男は見込みがあるな! 弓女も面白かったか?」

「いや、うん……。なんというか、色々残念という事は伝わってきたわ……」

「ふふ、面白い人でしょう?」

「まぁ、そうやな……。なんや、あほらしくなってきたね」

 

 気が抜けたのか、武器を下ろす二人。

 レミアが軽く提案するように、黄衣仮面に告げる。

 

「恥ずかしがり屋さんのお顔を見せてくれれば、みんな怪しまないで済んだんじゃない?」

「嫌だぞ。だってこのフードも仮面も格好いいじゃぁないか。顔なんてものより簡単に俺様だと区別がつく」

「つまり、印象に残らない顔って事ですか」

「まぁ、世間にはそういう人もおるよねぇ」

「……杖男と弓女、毒舌すぎないか?」

「あら、警戒を解いてくれただけよ」

「なるほどな! でも、もう少し優しいと俺様嬉しい!」

 

 邪悪な気配はする。だが、中身がなんというかはっちゃけすぎていて悪いやつに見えなくなってきたのだった。

 

「俺様はこの占い女の紹介で、今日貴様らとの顔合わせを行う予定だった者だ」

「普通に登場はできなかったん?」

「この占い師がこういうサプライズを好んでいるのは時に貴様らの知ることだろう?」

「……せやったわ」

「それに、貴方のような雰囲気の人が普通に表れても警戒し続けちゃうでしょ? 感謝される謂れはあっても非難はされたくないわね」

 

 確かに、とヒスイとリーリエは頷いた。先ほどのアホらしくなる様な会話があったせいでここまで気が抜けているのだ。

 

「そういえば、いつからそこにおったん?」

「貴様らがここに来た時にはすでに座っていたぞ。俺様はピチピチだからな」

「……なるほど、ピチピチな実力は高そうですね」

「……この二人に矢を打ち込んだろうかな!」

 

 茶化しているが、戦争を経験しているはずのヒスイとリーリエは気が付けなかった。洞察力の高い二人をして見破れなかった隠形の術で、黄衣の男の実力の高さが窺い知れるといったものだ。

 

「さて、ここに俺様が来た本題に移ろうか。受けるか受けないかは任せるが、世界の危機だと知れ」

「世界の危機……?」

「本日二回目の話題やなぁ。嫌になるわ」

「本当にそうね」

 

 依頼。先ほどこの男はそう言っていたか。そして世界の危機、ただの大言だとするにはこの男は邪悪な気配を漂合わせすぎている。とにかく、話だけは聞いてみるという気になってしまっていた。

 

「っと、その前に名乗らなければなるまいか……」

 

 ふむ、と少し考える仕草。頷き、芝居がかった仕草で手を広げる。

 

 

「俺様の名はオーロベルディ。今後ともよろしく」

 

 

 そこから、アクロニアでも有数の年を重ねた者たちを前に演説が進む。

 お茶会が終わったときには、とっぷりと日が傾き暮れていたのだった。

 




投稿頻度を上げたい。後イラストを描く時間がない……。
とりあえず文章優先して投稿しておきます。

次回から1章。

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