ポケットモンスター 侵食される現代世界 作:キヨ@ハーメルン
そういえばテロリスト、テロリストって言ってるけど……実際何なん? 連中は。
マジのテロリストではないんだろ?
658:名無しの犬
>>655
正確に答えるならワガママを暴力で押し通そうとしているクソガキ……になるんだが、連中のスポンサーが問題でなぁ。
脅威度評価的にはテロリストと呼ぶしかない。それも結構重装備な。
661:名無しの犬
ポケモン……というか、きのみに反応したんだろうな。ワンチャン不老長寿すら見えてくる代物だ。多少リスクを被ってでも欲しいだろうよ。特に新鮮な情報は木っ端を使い潰す価値があると見たんだろう。
スポンサー様は元シロ民や犯罪者、生活に困ってる奴らをかき集めて武器持たせて……って感じだな。後はその手の事を生業としてるプロ(笑)とかも雇ってるらしい。実際のところは分からんが。
662:名無しの犬
元シロ民の誰かがきのみをスポンサーに持ち込んで、協力を取り付けたんだろう。勿論、後日モンスターボールもくれてやってな。
んで、スポンサーもシロちゃんを誘拐出来れば得れる情報やアドバンテージはデカいと見た訳だ。元シロ民の狙い? 考えたくもないわ。
665:名無しの犬
でもさ、スポンサーとしても危険じゃね? バレたらどうするのさ。各国からフルボッコだろ。
667:名無しの犬
>>665
そりゃお前、テキトーな奴をスケープゴートにしてサヨナラバイバイよ。
それは我が国の犯罪組織が行った事であり、我が国が主導した訳ではないとかなんとか。一部の役員が暴走して行った事であり、我が社としては全く知らない話だとか。……多少の傷はつくだろうが、致命傷には程遠い。それで今後のポケモン関連を独占出来る可能性にベット出来るなら、まぁ、博打に出る奴は居るわな。そら。
668:名無しの犬
それにフルボッコって何するんだ? 核兵器を撃てば撃ち返されるし、全面戦争しようにも旨味が少ない。経済制裁? かゆいだけだろ。
こっちがロクに反撃しないのを分かっててやってるんだよ。連中。
670:名無しの犬
うわぁ。うわぁ……
673:名無しの犬
しかもスポンサーは一つだけじゃなく、複数の国家、ないし大企業の様でな。某国とか、某巨大コングロマリットとかが各々好き勝手やってる感じらしい。
勿論、テロリストグループやそれに乗じて動こうとしてるスパイもバラバラで横の連携なんか取れてないし、何なら牽制合戦して勝手に消耗してはいるんだが……全部が全部俺らの敵って事に変わりはないんだわ。
674:名無しの犬
ポケモンってのは夢がある。……いや、夢があり過ぎた。
シロちゃんやシロ民、元シロ民がどう動こうが、こういう大人のパワーゲームに突入するのは時間の問題だったろうな。……やれやれだ。
675:名無しの犬
何にせよ、先制攻撃で根本を断つ事が許されてない以上、俺らは受けて立つしかない。
相手が誰であろうと、な。
678:名無しの犬
これもポケモンとの未来の為に、か。
680:名無しの犬
あぁ。全てはポケモンとの未来の為に。
キャタピーがゲットされて暫く。現場は和やかな雰囲気に包まれていた。理由はカメラが回っていない事と、ポケモンとのふれあいだろう。
「キャタピー、“いとをはく”!」
「ポチ、かわして!」
キャタピーがシュッと吐き出した糸を、ポチは横に軽く飛ぶ事で避けてみせる。その動きに危なげは無く、流石といったところだった。
とはいえ……
「んー、やっぱりポチちゃん相手はキツイ気がします……やってもやらせ感が出てしまう気が」
「ん、そうですね。コラッタニキが居れば良かったのですが……」
「彼は総理達と食事中よ。難しいでしょうね」
「むむー、キャタちゃんやれそう? ━━うん、ダヨネ」
ポケモンバトル……とはいえない程度に“わざ”を撃ち、キャタピーとそのトレーナーは首を横に振る。キャタピーが弱いというより、ポチが強すぎるのだ。
私としては家族が強いのは嬉しいが、バトルの相手が居ないのは確かに問題だった。これではポケモンバトルの魅力と必要性を伝えられない。……どうしたものだろう?
「ポケモンバトルは無しで、“わざ”だけ見せて説明する……?」
「でも、それだとインパクトが足りないと思います」
「う、ん……」
私はポチの背中をゆっくりと撫でつつ、キャタピーを頭の上に乗せた少女と話し合う。といっても、あちらを立てればこちらが立たずで全く進展はないのだが。
「ユウカさんは……?」
「どうしたんですかー? ユウカさん」
「━━いえ、そうね。ちょっと問題発生よ」
「「?」」
ユウカさんの意見を聞こうと声を掛ければ、何事か問題が起こったと聞かされる。その表情は非常に険しく、起きた問題の大きさが伺い知れた。
「ここを守る様に展開していたシロ民の何人かと連絡が取れなくなったわ」
「え?」
「連絡が取れなくなったシロ民はここから北東方向の者ばかり……恐らく、何者かが強行突破を敢行しているのでしょう。……来るわよ。二人とも、備えて」
連絡の取れないシロ民。強行突破。何とも物騒なワードが並んでいる事に説明を求めようとしたのだが……ユウカさんはそれどころではないとスタッフの人達に指示を飛ばしている。カメラを何があっても回す様に、とか。関係のない者は直ちに退避、とか叫んでいる。
明らかに、普通ではない。
「し、シロちゃん……? いったい何が……」
「大丈夫です。ね、ポチ?」
「グルゥ……」
当たり前だ。そう言わんばかりのポチをキャタピー少女に見せ、私自身もポチを撫でて心を落ち着ける。大丈夫、ポチが居るから大丈夫。
……そういえば、昨日掲示板で元シロ民のテロリストが数名関東入りしたのを確認したとか何とか書いてあって、下手な冗談だと思ったものだが……まさかね。
「グルル━━」
「? ポチ?」
突然毛を逆立て、滅多に聞かない唸り声を上げるポチ。
何事かと驚き、ポチと同じ方向を見てみれば……人が居た。バクラバや覆面で顔を隠した黒ずくめの男達が三人。手には、モンスターボール。……まさか、本当に?
「……白髪赤目の子供、情報通りか?」
「間違いないだろう。他には無い容姿……ターゲットだ」
「おい、そんな分かりきった事は良いだろ? さっさとやろうぜ。マヌケのシロ民どもも、今頃三途の川の渡し賃金が無くて立ち往生してる頃だしなぁ」
「っ! 彼らに、何かしたんですか……!?」
「おうさ、コイツでチクッてな」
そう言った男を皮切りに、男達がモンスターボールからポケモンを出していく。
けむしポケモン、ビードル。
ことりポケモン、オニスズメ。
ぶたざるポケモン、マンキー。
いずれも今確保されていてもおかしくないポケモン達で、シロ民が発見出来なかったポケモン達。そして、三匹のポケモン達の目は一様に━━
「っ━━! ポケモンは! そんな事をするための存在では!」
「残念だが、それはキミが決める事ではない」
「そうそう。だいたいアイツらバカだよなぁ? ポケモンも持ってないのにイキって突っ掛かって来てさぁ……何だっけ? 『シロちゃんは俺らが守る!』だっけ? ははっワロス。守れてねぇし」
「“どくばり”が刺さってはな……さて、お喋りはそこまでだ」
「くっ……」
ビードルの“どくばり”。それは人を殺すには充分な威力を持っていて……そして、目の前の彼らならやってしまうだろうという確信があった。恐らく、彼らと相対したシロ民は、もう既に━━
「……許さない」
「ほう? では、どうする?」
「そうそう。守ってくれるジジイはお前を置いて故郷に帰り、シロ民は既に死んで、今は犬っころ一匹だけ。……なのにこっちは三匹も居る! 教えてやるよ、世間の厳しさをなぁ!」
「はぁ……まぁ、そういう事だ」
バクラバ二人はその手の事を生業とするプロのニンゲン。覆面の男は素人。
そんな事を脳の隅っこで判断しつつ、私の頭がスッと冷えていく。許さない。絶対に許さない。それは変わらない。けれど、思考はドンドンと冷えていく。そうして考えるのはどうやって目の前のポケモン達を鎮圧し、奴らを撃滅するか……薄汚い欲望をぶちまけている素人と、あくまで仕事に徹するプロが二人。そんな奴らを相手に幾つかプランを考える。そこから安易に実行可能な物を選び、それぞれ点数を付け、そして。
「キャタピーのトレーナーさん。手伝って下さい」
「え? わ、私?」
「はい。後ろからで良いので、援護を。嫌なら逃げてくれて良いです」
回されるカメラや、不安そうなユウカさんには視線を向けず、キャタピー少女にそう言って私は視線を奴らに戻す。
別に逃げてくれてもいいのだ。ただ居てくれると保険になる。それだけだから。
「や、やります。よく分からないけど、ここで逃げたくないです……!」
「そうですか。では、お願いします」
視線を向けず、それだけ言って後方を任せる。
「相談は終わったか?」
「そーそー待つのも飽きちまったぜ」
「よく言いますね。怖いくせに」
「……あ゛?」
覆面の男がガンを飛ばしてくるが不思議と怖くない。恐らく、怒りのせいだ。……あぁ、私はかつてなく怒っている。ポケモンが人を殺した事、それはいい。生物の生存競争だ。だが、人がポケモンに人殺しをさせた事は、許せない。悪事を押し付けた事は、許す訳がない。
私は、怒っているんだ。
「怖いんでしょう? ポチが。だから貴方達はポケモンを出して動かない。勝てる未来が見えないから」
「だ、誰がそんな犬っころ!」
「そうですか? ならなんで足を震わせて……えぇ、そうやって確認する辺り、語るに落ちてます」
「こ、このガキ……!」
「えぇ、私は子供です。ならそんな子供にいいように言われてる貴方達はそれ以下ですね。ポケモンを出せば怖がると思いましたか? 人を殺せば怖がると思いましたか? そんな訳、そんな訳ないでしょう! 許さない。貴方達は許さない。絶対に」
私の怒りを汲み取ったのか、ポチが一歩前に出た。
ジリッ、と。男達と相手のポケモンが後ろへと後退りする。もう一押し。
「なぜ後ろへ下がるんですか? そのポケモン達を使って私を襲えばいい。骨を砕き、肉を裂き、泣きわめく私を犯したいんでしょう? ……それとも、恐ろしいですか? この私が」
「だ、誰がお前のようなガキ……!」
「えぇ、そうでしょうね。何せ犬一匹に恐れをなして逃げ出す腰抜け達です。弱い者どうし集まってイキがる事しか出来ない子供ばかり。だから貴方達はその程度なんですよ……この、臆病者」
「ガキが言わせておけばァ! やれ! オニスズメ、“つつく”だ!」
「おいっ!?」
私の安い挑発に乗った男が一人、ポケモンを突っ込ませてくる。
突出による孤立……ありがちなミスだ。そして今の私はそれを見逃したりしない。
「ポチ、迎え撃って。オニスズメに“かみつく”」
「グルゥ!」
ポケモンに罪は無い。悪いのは人間。だから“わざ”は弱いものを選択し、指示を出す。
ポチは私の意思を読み取ってくれたのか、突っ込んでくるオニスズメを真っ向から迎え撃ち、“つつく”が当たるその瞬間。身体を滑らせて“つつく”の焦点を逸らし、逆にオニスズメの翼に噛みついた。
「そのまま放り投げて」
ブンッ、と。存外勢い良く放り投げられたオニスズメは体勢を立て直す間もなく飛んでいき、トレーナーへとブチ当たった。
ダメージは……手加減もしてたし、そこそこかな? そう思う私とは別に、奴らは大きな衝撃を受けているようだった。あるいは、逃げる算段でも立てているのか。……許さない。
「私、怒ってるんです」
「え、は?」
「絶対に、許しません」
逃がすものか。貴様らは逃がさない。ここで叩き潰す。
幸いにも戦術や戦い方は薩摩隼人の東郷お爺ちゃんに教えて貰った事がある。ついぞ実戦は出来なかったが……こういう形なら、生かせるはずだ。
「キャタピーのトレーナーさん」
「へ? あ、はい! キャタピー! “いとをはく”!」
「対象の指示」
「あ、えっと、オニスズメ目掛けて!」
多少もたついたが、キャタピーの放った糸がオニスズメ目掛けて飛んで行き……命中。
ポケモンバトルには不慣れなのだろう。奴らの対応は遅い。だからこそ、畳み掛ける。
「ポチ、マンキーへ“とっしん”」
「来るぞっ!」
マンキーはかくとうタイプ。あくタイプのグラエナであるポチとは相性が悪い。事故を防ぐ為にも、ここでノーマルタイプかつ強力な“とっしん”で落としておくべきだ。
幸いにもあちらは対応出来ていない……やれるだろう。
「マンキー! ……“けたぐり”だ!」
「遅い──」
指示が遅い。遅すぎる。さては迷ったな? それとも“わざ”の名前を忘れたか? 全く、何の為のトレーナーだ。その手の事を生業としている様子だが、それにしてはレベルが低いにも程がある。見ろ、オニスズメは糸を避けられず未だに飛び立てず、マンキーの“けたぐり”は不発気味。現にマンキーはポチの“とっしん”で吹き飛ばされ、ポチに大きなダメージは見えない。
まぁ、“とっしん”は反動ダメージもあるし、後でオボンの実を手配しないといけないだろうが。
「キャタピー! 更にオニスズメに“いとをはく”! グルグル巻きにしちゃえ!」
レベルの低い奴らとは打って変わって、勢い任せではあるがキャタピー少女はかなり優秀だ。“どくばり”を持つビードル相手や、タイプ相性の悪いオニスズメにキャタピーで接近戦はリスキーと捉えたのだろう。
“いとをはく”の連射でオニスズメを封殺している。勿論それではトドメはさせないが……そこは私とポチがすれば良いことで、ポチが手透きになるまでオニスズメを封殺出来れば事実上彼女の勝ちなのだ。そう考えれば彼女は優秀だろう。
「クソッ、オニスズメなにしてる!? ただの糸だぞ!? いつものパワーはどうした! さっさと振りほどけ!」
「キャタピー、あの煩いのにも一発入れちゃえ! “いとをはく”!」
「危っ!?」
訂正。多少エグい。そしてトリガーハッピーの気があるようだ。トレーナーにダイレクトアタックとは……キャタピーのトレーナーにしたの、失敗だったかなぁ?
「クソッ、ふざけやがって! ビードル“どくばり”だ! ぶっ殺せ!」
「殺すな! 目的を放棄する気か!? ……えぇい、マンキー“からてチョップ”! ビードルを掩護しろ!」
そうこうしているうちにこちらにも攻撃が飛んで来るが……赤点だ。対象の指示を忘れているし、何よりトレーナー同士で会話するんじゃない。
見ろ、そのせいでビードルとマンキーの初動が鈍い。迷ってしまっている。……おかげで、私はいくらでも挽回出来るが。
「ポチ、マンキーに“ふいうち”」
とはいえ、“すばやさ”とは関係ないところで先手を取られたのは事実。ならば今から先手を取り返せる“わざ”で先にマンキーを落とし、返す刀でビードルをやるしかない。
その目論みは━━上手くいった。ポチの“ふいうち”は成功し、歩法を乱して懐に入り込み……しかし、横合いから接近したポチはマンキーに対応させず、そのまま噛みついて放り投げる。相性は良くないが、“ふいうち”は見事に先手を奪ったのだ。後は。
「ポチ、“カウンター”」
間に合うかは微妙だ。もし奴らの指示がスムーズなら確実に間に合わなかっただろう。だが━━ビードルの“どくばり”がポチに刺さる……その瞬間。ポチの姿がブレ、どくばりがかん高い音を立ててアスファルトに突き刺さった。
ポチは、無傷だ。そして。
「グルゥアァ!」
決まった。ビードルは素早く地を駆けたポチの“カウンター”で地に叩きのめされ、そのまま噛みつかれて投げ飛ばされる。見たところ、既に落ちている様子だ。
「お、おい!? ビードル!? な、何が……!」
「口だけの素人が……っ! マンキー“ちきゅうなげ”!」
“カウンター”を出したというのに、相手は愚かしくも真っ向から物理わざで来た。“ふいうち”で落とされる可能性もあるのに……バカだろうか? バカなのだろう。あるいは“わざ”の暗記もしてないのか? どうやらその手の事を生業としている連中でも、ポケモンは手に余るらしい。
とはいえ、どちらで攻めるべきか━━ポチと視線が重なる。そうか。なら。
「ポチ、“カウンター”。思うようにやって」
「グルゥ」
思えばポチは東郷お爺ちゃんと何度も練習していた。特に『後の先』を取る練習を。“カウンター”は
だが、彼女ならば……
「いけや!」
「っ! ポチ!」
マンキーがポチを掴む━━その瞬間。再びポチがブレる。いや、高速で横に飛んだのだ。予備動作もなく、いつの間にか。東郷お爺ちゃんに教えて貰った事がある。あれは。
「無拍子……」
ポチの奥義によってマンキーの“ちきゅうなげ”は不発。見えるのは、無防備な側面か。
停滞はホンの一瞬。再びポチが動き出したときには、もう遅い。体当たりで初撃を入れ、すかさず鋭く噛みついて、地に叩き付け、投げ飛ばす。見るまでもない。マンキーは落ちているだろう。
「ま、マンキー!? バカな! 相性は良かったはず……!」
確かに相性はポチに不利だった。しかし挑発に乗って連携せず、マトモな指示も出せない……そんなレベルの低いトレーナーではタイプ相性も何もないだろう。
勝つべくしてポチは勝ち、負けるべくして貴様らは負けたのだ。現に……
「もう一度よ、キャタピー。“たいあたり”!」
「オニスズメ!? クソッ、こんな事が……!」
キャタピー少女は勝っていた。オニスズメを糸でグルグル巻きにし、動けないオニスズメに“たいあたり”を連発……エグい。実にエグい。しかし効果的だ。オニスズメは得意のひこうわざを撃てないまま封殺されている。タイプ相性は懸念事項だったので、やはりキャタピー少女は優秀だな。
いや、ああなるまでロクな指示を出せないトレーナーが無能なのか? 無能だな。あるいは慣れてないのか?
「“たいあたり”“たいあたり”“たいあたり”よキャタピー!」
ガスッドスッドコッと。そんな効果音が響く様な激しいタックルの連続は凄まじい。見ればオニスズメは既に目を回している様子……戦闘不能だ。
「よーし、もう一発「そこまでです」アッハイ」
恐慌状態の新兵でもあるまいし、オーバーキルは駄目だ。絶対に。
さて。
「これでそちらの手持ちは全滅……まだ、やりますか?」
ポチはマンキーとビードルを落とし、キャタピー少女もオニスズメを落として見せた。
私達の勝ちだ。ゲームならカツアゲの時間だが、彼らには警察が必要だろう。……そんな私の思考を読んだのか、覆面の男が胸元から何かを取り出す。財布か? いや、あれは━━拳銃!?
「このクソガキがっ! お、大人をなめるなよ!? 死ね! 今すぐ死ねよォォォ!!」
「お、おいっ!?」
向けられる銃口に思考が止まる。
死ぬのだろうか? 私は。
ここで? こんなところで? まだポケモン達との旅は始まったばかりなのに?
━━嫌だ。
まだだ。まだ死ねない。ポケモン達との旅が終わるまで、死ねない! だから、ポチ━━!
「グルゥアアア!」
「ヒッ!?」
私の思考を汲み取ったのか、ポチが男へと“ふいうち”し、拳銃を弾き飛ばす。
拳銃はやがて私の足元までたどり着き……私はそれを拾って構える。
「ポケモンをモンスターボールに戻し、手を上に上げて……ひざまづきなさい」
「そ、そんな風に脅したって……」
「撃てないとでも?」
「……クソッ」
そんなに私の脅迫は真に迫っていたのか、覆面の男は大人しくポケモンをモンスターボールに戻す。
後は手を上に上げて……いや、待て。バクラバの男達が動いてない。むしろ懐に手を伸ばしている……? まさか。
「そこっ、何を━━!」
「相棒、撤退だ!」
「了解!」
遅かった。私が銃口を向けるより、ポチが反応するよりも先に、男は懐から取り出した何かを地面に叩き付ける。
吹き出すのは煙。モクモクと広がるそれはこちらから視界を奪っていく。間違いなく、逃げるつもりだ。
「待て! くっ、ポチ━━」
私が指示を出そうとした瞬間、煙の中から何かが複数転がってくる。丸く、黒い何か。それらは1拍して、破裂。辺りに光と音を撒き散らした。
これは──スタングレネードだ。
「━━くぅ、み、耳が……」
やがて光が収まり、目を開くが……かなり霞んでいる。咄嗟に目をつむったつもりだったが、けっこう食らってしまったらしい。耳も酷く痛いし……私もオレンの実が欲しいかな、これは。
「……逃げられた、か」
ある程度良くなった視界で辺りを確認してみるが、三人の男の姿はどこにも無い。間違いなく逃げられた。
いや、それよりも周りが酷い。
「クゥン……」
「あ゛ー! イイッタイ目がァァァ!」
「耳痛、おぇぇぇ」
「目が! 目がぁぁぁ!」
「シロちゃんどこ? ここぉ? シロちゃぁぁぁん……」
「……追撃は、無理かな」
感覚が鋭いのがアダになったのかポチは完全にダウン。キャタピーはひっくり返り、キャタピー少女は目を押さえて叫び、感覚器官が弱いらしいスタッフがゲロを吐き、ムスカが現れ、ユウカさんは幽霊の如くフラついている。
どう考えても追撃どころではなく、警察より先に救急車が必要な状況で……初ポケモンバトルの結末は、酷い物に終わってしまったのだった。
人物ノート01
プロフィール
不知火白(シロちゃん)
年齢 ???
見た目 つるーんぺたーんすとーんなアルビノロリっ娘 ジト目 普段ハイライトはあまり入ってないが、ポケモンの事になると目が輝く
服装 基本的にジャージだったが、最近は清楚な可愛い系
種族 ???
特性 1 ??? 2 アルビノ幼女※1 3 SATUMA人の教え子
項目
1前世持ちアルビノ幼女
2ポケモン生みの親
3シロ民との関わり
4自分を着飾る
5最初のポケモントレーナー
6前線指揮官 New
普段のふわーとした有り様からは想像出来ないが、指揮官としての彼女は非常に冷静沈着で、いっそ冷徹でさえある。また師の影響なのか浸透強襲戦術を得意としており、敵の弱点を見抜く事に関してはかなりの腕前。
ちなみに、この形態のときは目のハイライトが完全に消え、底冷えするプレッシャーを放っている。コワイ。
※1 アルビノの儚さと、幼女の幼さが合わさり最強に見える。相手の庇護欲を掻き立て易いが、同時に邪な目にもつきやすい。