ヒロアカ好き女子、明日奈がゆく!何故か次元越えちゃった私のヒーローアカデミア 作:弱虫あくび
希望抱きすぎてるかもしれないけど、もうなんか国より持ってそう。国の財政危うくなったら援助してあげてそう。
そして書き終わって気付いた。ダ、ダジャレになってる…!!!寒すぎて風邪引きそうですね。
少し中途半端なとこから始まってます。前回の最後を忘れた方は見直してみても良いかと。一ヶ月経ってますしね。
圧倒的脅威。それを目の前にした人間の行動は正直だ。
そうだぁぁぁ!!0Pヴィラン!!自分のポイント稼ぐことばっかり集中してて忘れてた!!
にしても!デカすぎるでしょ!こんなにデカかったっけ!?思ってたのと全然ちゃうんですが!?!?
0Pヴィランが大きすぎる腕を振り下ろし、建物を破壊する。たったの片腕一振りで突風が吹き荒れ、土埃が舞い、窓ガラスが一斉に割れる。
うっわ、ちょっとこれは流石にヤバいでしょ!ふ、普通に逃げないと危険だ、よ……
私は今度こそ足を強く踏み込み、前に飛んでいった。
「危ない!!」
逃げ遅れた男子に降りかかりそうな建物とガラスの破片を、人がいない方へ吹き飛ばした。あのまま降り落ちてたらどうなってたか…そう考えたら助けざるを得ないじゃんかもう。
「だ、大丈夫?」
助けたツンツン頭の男子を抱え、元いた場所より0Pヴィランに離れた道の曲がり角まで飛ぶ。
「サンキュー、すまねえ。…!お、お前、目が赤くなってるぞ?」
「これは私の個性なの。気にしないで…うっ」
今のでだいぶ頭が… 限界来てるかも…
「おい、大丈夫なのか?辛そうにして… あ、あれは!?」
男子の視線の先を見ると、そこには空高く飛び上がったデク君が。
あっ、デク君…!凄い、本当にブッ飛んじゃってる。でも、あのままだと落っこちちゃうんじゃ…いや違う。本編通りなら麗日さんが助けてくれる筈。大丈夫、心配いらない。
「いや!」
デク君がブッ飛んでいる方向の正反対を見ると、足首を押さえ道端でうずくまっている手の長い女子に、2Pヴィランが迫っていた。
あの人…!動けなくなってるんだ。うっ、助けたいけど私も素早く動ける状態じゃない。動けなくても助けられる方法を…!
「あと1分5秒〜」
もうあと1分しかなかったの!?そんな!ポイントまだ全然足りない…けど…
1分あるなら頑張れば、まだ数ポイントは稼げるだろう。ここはあの女子を見捨ててポイント稼ぎを優先するべきだ。27Pしか取っていないんだから。絶対に合格するって決めたんだから。
––––––それでも。それでもやっぱり私は。
「–––––あの人を、助けたい」
自分の事の為に、困っている人を見捨てるような人間にはなりたくない。否、そうなる筈もない。散々苦しい思いをしてきて、悲しい思いをしてきて………
沢山の人に助けられ、救われ、今ここにいる私が、困っている人を見て助けない方がおかしい。
そう決めるまでに、1秒もかからなかったと思う。
さっき助けた男子が、呟いた言葉を聞き目を見開いた。しかし私の目を見て、その決心した強い眼差しを見て、言った。
「…そうか。おい、あそこにあるやつ、お前使えるんじゃねえか?」
「…!ありがと」
メリットは一切無い。だからこそ色濃く、浮かび上がる時がある。ヒーローの大前提–––––
「やあああ!!」
自己犠牲の精神ってやつが–––––
ツンツン男子が指差してくれたおかげで、すぐに自分の攻撃武器を見つける。そして今にも手長女子を襲おうとしている2Pヴィランを、建物の大きな破片で殴りつけた。今出せる最大威力で。
仮想ヴィランが砕ける。その砕けた機体もしっかり個性で浮かせ、女子に当たらないように配慮しながら地面に置いた。
「お前、凄えのな。自分のポイントより赤の他人の危機を優先する。…ヒーローそのものじゃねえか」
「ゔ、ぐ、ううう…」
「なっ、大丈夫かよ!?しっかりしろ!」
道端でうずくまるのは、今度は私だった。痛すぎて痛すぎて、助けた子が足を引きずりながら近寄ってきてくれたことにすら、気づけなかった。しかし。
「終了〜〜!!!」
マイクの声とけたたましいブザー音。2つの実技試験終了の合図だけは、とても鮮明に私の耳に届いたのだった。
10分間の試験が終わった演習場Bには、主に2つの円が出来ていた。1つは、右手と両足の骨が粉砕しボロボロになっているデク君を、遠回しに囲む大きな円。
「あいつ、何だったんだ…?いきなりギミックに飛び出したりして…」
「増強型の個性だろうけど…規格外だ」
「けどあんな個性持っておいて、どういう生き方すりゃあんなビクビク出来るんだ?」
「他を出し抜くための演技じゃね?」
「出し抜いて得られる恩恵があったようには見えねえけど…」
「取り敢えず、凄え奴だってのは間違いねえよ」
もう1つは、試験終了直前よりちょっとだけ調子が戻った私を数人が囲む、小さな円。
「ゔー痛い…」
「さっきよりは良さそうだけどまだ痛そうね。ごめんなさい、私の為に」
「俺だって助けられた1人だ。こんなのにさせちまって、すまん」
「ぼっ、僕も… 君があの時助けてくれなかったら、どうなってたか… ごめんね」
試験前半に助けた眼鏡男子も駆けつけてくれて、助けた3人が座って頭を押さえている私に謝る。
「…違います。元々、すぐ頭が痛くなってしまう個性で… だから、あなた方の所為じゃないです。調整しきれない私の弱さが招いた結果です。…それに謝られるより、ありがとうの方が嬉しい…」
優しい3人で良かったと思いながら言うと、私をじっと見ていた知らない男子が突然言った。
「話聞いてたけどさ。いくらヒーロー気取ってたって、ポイント取れてなけりゃ意味無いんだよな」
…悔しいけど、ごもっともだ。本当にその通り。心の奥で分かってはいるんだよ。でも、仕方ないじゃない。
とっくに認めてるくせに認めたくなくて認めていないフリをして。結局、建前の外っつらだけの言い訳しか思いつかなくて、 無意味な反論をしようとしたが。
「はいお疲れ様〜」
雄英の“屋台骨”である妙齢ヒロイン、リカバリーガールが来て言うタイミングを失ってしまった。
「お疲れ様〜〜お疲れ様〜〜。ハイハイ、ハリボーだよ、ハリボーをお食べ」
道の中央をとことこ歩いてくるリカバリーガールは、すれ違う受験生にハリボーグミを数粒ずつあげている。
まだ痛みの治らない頭で欲しいなぁ、なんてぼんやりと考えていると、リカバリーガールは倒れているデク君に近づき立ち止まった。そして呟く。
「おやまあ、自身の個性でこうも傷つくかい… まるで身体と個性が馴染んでないみたいじゃないか」
そう言うと、口がぐーーっと伸びて
「チユ〜〜〜〜〜〜」
「「「「!?!?」」」」
「ちゃっちゃといくよ。他に怪我した子は?」
リカバリーガールの個性“治癒”のおかげで、デク君の手足は元通りになった。しかしそれを見た受験生一同は、治癒の仕方に結構引き気味。
そして今度は、私の方へ向かってきた。少し辛い顔をしていたのが見えたのだろう。
「お前さんは頭押さえているけど、血ぃ出てるのかい?」
「い、いえっ…頭痛が酷くて…怪我ではないです」
「頭痛薬は?持っていないならあげるよ」
あっ、忘れてた… ミニポーチに入れてるんだった。
「そういえば持ってました… すみません、飲んでおきます。それより足首と膝を怪我した人が…」
「ぼ僕は出血も止まってますし、全然酷くないので大丈夫です」
膝を怪我していた眼鏡君が慌てたように言う。続けて手長女子も
「私も軽く捻ってしまっただけで歩くのに支障はありませんので、問題ないです」
と言い、2人とも治癒を断った。やっぱりあれ見ればそうなっちゃうんだろうな。
「そうかい。でも、無理はしちゃいけないからね」
リカバリーガールは「他には〜?」と言いながら離れていった。
私は腰に巻いたミニポーチから薬と、とても小さい水のペットボトルを取り出す。
「今飲むのか?」
「うん。折角ポーチに入れてたから」
「そうか。…さっきはマジでサンキューな」
「あ、ありがとうっ。筆記も頑張ろうね」
「ありがとうございました」
「…うん、こちらこそ。あなた方が優しい人達で良かった」
3人はそれぞれ、別々に出口に向かっていった。私は立ち上がり、薬を口に含んで水をぐいっと飲み干す。
あの時は助けるべきだった、だからこれで良かった。
助けてる暇なんてなかったじゃないか、あんなの、ただの無駄なお人好しだ。
「……」
凄く凄く複雑な気持ちだった。少しずつ少しずつ引いてくる頭の痛みに耐えながら私は、無言で演習場を後にした。
とりあえず入試は次回で終わりそうです。…とりあえずは。
[追記](前話の前書き見てない人用です)
受験しに来てすぐ実技始まりそうですが、よくよく考えれば筆記のが先じゃね?(感想より、指摘され気づきました)
だがもう遅い!!いろいろ編集!めんどい!やあ!
ってことで変えるつもりは毛頭ございません。もう終わったし。だからスルーして?お・ね・が・い♡(きもい)