聖王女と召喚士の歩む世界   作:かぴばらさん32号R

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タイトル考えるのってすごく悩むよね。だからこのタイトルはしかたないよ。


〜登場人物〜
『紅影 零』
Stヒルデ魔法学院在学中の初等科四年生。この物語の主人公。思い立ったら即行動をモットーに生きる。ヴィヴィオには過度なスキンシップをよくとる。


『高町ヴィヴィオ』
Stヒルデ魔法学院在学中の初等科四年生。零とは幼馴染であり親友。零に対して素直になれないことが多々あるのが悩みなツンデレ少女。


第三話 勝負下着は黒

後方支援!3

 

 午前七時五十分。高等科の生徒でもない限りほぼ全ての生徒が学校に到着して、人通りの少なくなった歩行者通路。老父が犬を散歩し、大学生ほどの女性がジョギングをし、サラリーマンが会社へと出勤する道。

 

 そこには遅刻しまいと全力疾走するヴィヴィオと零の姿が!

 

「あーーーーもうっ!ばかばかばかばか!なんでぐっすり寝ちゃうの!」

 

 二つのリボンからなる二本の触覚を揺らして走るヴィヴィオ。その後を零がなにやら端末を操作しながら追う。罵倒されても表情を曇らせることはなく、むしろ輝いていた。

 輝きが失われぬうちに零は走るスピードを上げてヴィヴィオと横並びになり、満面の笑みで端末からウィンドウを展開する。

 

「と、手を握りながら眠っていた可愛い可愛いヴィヴィオちゃんが申しております」

 

 ホロウィンドウに映っていたのは零の肩に頭をあずけ、右の手で左手の手をガッチリ握っているヴィヴィオ。色鮮やかな瞳はしっかり閉じられ、今にも寝息が伝わってきそうな写真だ。

 

「........ははっ。零くん、下手な写真加工はやめようか」

 

「加工写真なんぞに興味はない。写真は自然体こそが一番」

 

「私が無意識に君の手を握るなんて、どっかのキセキの世代が同じ学校に六人集まるくらいありえないことだから」

 

「あの確率ってプールの中に腕時計を部品単位でバラバラに入れて、かき混ぜたら完璧に組み上がるのより低いんだってさ」

 

「なにその無駄知識」

 

 後で削除しよう。そう心に決めたヴィヴィオはさらっと披露される豆知識に関心と呆れを抱きつつも、足を休めずひたすら歩道を駆ける。

 既に七時五十七分。全力疾走しているとはいえ学校までの道のりはかなり長く、このままでは間に合わないのは明白だ。

 

「これは厳しいねぇ..。しょうがない、小鳥さんを呼ぶしかないか」

 

「小鳥さん?....ああ、リトルバードのことね。---って、呼んじゃダメだから!?こらっ!その通信端末しまいなさい!」

 

「だってそうでもしないと遅刻だよー?」

 

「だからって局の高速輸送ヘリを呼ぶ必要性はないでしょ!そういうのって職権乱用って言うんだよっ!」

 

 通信端末を素早く取り上げ、電源を切る。零がブーブー文句を言うものの、ヴィヴィオが聞き入れる様子はない。

 要請されなかった小鳥さんこと、MH-6C-Rリトルバード。

 三年前に時空管理局が開発した小型の輸送ヘリで、最大速度、巡航速度共に二五○km/hを超える最新鋭機。お値段たったの高町家十軒分(土地代を含む)。

 そんなものを呼び出してしまえば大事になるのは必須となるため、ヴィヴィオは全力で阻止する。これも零のことを思ってのこと。ただし、常識でもある。

 

「はははっ、冗談だってば冗談。そんなことしたら議会から大目玉くらっちゃうのが目に見えるからね」

 

「君ならやりかねないから言ってるんだよ.....」

 

 そもそもなぜ一学生が局の最新鋭ヘリを呼べるのか?なんてことは二人の間で問題にならない。お互いがお互いの素性を裏の裏まで知り尽くしている間柄だからだろう。もはや、あれとってこれとってで互いの欲しいものがわかるくらいにはなっていた。

 揺れるスカートからチラリズムするパンツを凝視する零とそれに冷たい視線を送るヴィヴィオ。一般的に見てみれば、とても理解しあってるとは言い難い光景である。

 

「どこ見てるのかな、変態さん」

 

「パンツ見てるんだよ、性王様」

 

 直後、性(聖)王様の指先に虹色の光が集まり、最低出力に絞られた魔力弾が走る変態の額を直撃する。デバイスの補助が無く威力は低いが痛いものは痛いようで、魔力弾を受けた零は地面をゴロゴロ転がっていた。

 ヴィヴィオは半ば呆れながら、地面を転がる友人を見る。

 齢十歳にして魔導師ランク総合AAA+、一部を除き軒並み高い魔法適性と魔力、超人的身体能力、人間から幽霊までの幅広い人脈。性格以外は何をとってもほぼ完璧な人間と言っても過言ではないだろう。ほぼ完璧な人間---だからこそ、完璧でない部分はよく目立つ。完璧ゆえどこか抜けている紅影零を支えることは、既にヴィヴィオの使命のようなものになった。

 もちろん、好意に近いなにかを抱かなければ、自分にメリットのない人間のお世話など普通はしない。けれど、あえて好意を隠す。下手に見せれば調子に乗ることも理由の一つに上がるが、なにより素直になれないことが大きい。

 十歳ならもう花も恥じらう乙女でもいい年齢で、隣の席の気になる子にいたずらして困らせる同級生が大量に現れてもおかしくはない。

 大人なヴィヴィオはそれを避け、普段はクールに対応する考えに至った。その行動の結果が彼女がツンデレと称される原因になっていたと知るのは、数年後のことになる。

 

「ほら行くよ!はーやーくっ!」

 

「痛くて動けない。ヴィヴィオがホイミしてくれたら回復する、ほっぺにちゅーでもよし!」

 

「ザキ、アバダケタブラ」

 

 なんの躊躇いもなく死の魔法をかけられたことに、零は驚きを隠せない。

 

「死の魔法二連続とかオーバーキルもいいところなんですが!?」

 

「大丈夫、LUK(運)極振りしてる君なら耐えうるよ。それに万が一のことがあっても回復魔法にMP使うくらいなら、棺桶にして聖王教会で蘇生してもらった方が安上がりだから」

 

「ここにブラック勇者を見た」

 

「なにを言ってるの?わたしはバリアジャケットと同じ純白の心の持ち主だよ?」

 

「バリアジャケットが白くても勝負下着が黒いヴィヴィオを例に出してもねぇ....」

 

「いや、それ関係ないでしょ..........。ん?ちょっと待って!?君なんでそんなこと知って....あっ!こら逃げるなぁっ!」

 

「ヴィーヴィーオーの!勝負下着はーーーー!目ん玉飛び出るくらいのーーー「待たんかこらぁぁッ!」はやっ!?なんで百メートル十秒台の俺に追いつきそうなの!?てかヴィヴィオキャラ壊れてるっ!女の子はもっとおしとやかな言葉遣い---にしなくていいから!俺悪かったからその魔力付与した拳を握りしめないでくださいぃぃぃっ!」

 

 Stヒルデ魔法学院まであと三キロメートル。

 両者の大切なものを賭けた追いかけっこ始まる。

 

 




急いでたら短くなったの巻。目指せ3000字!

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次回→作者の頑張り次第
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