物語の主人公である、西野《にしの》 真之《さねゆき》は横須賀鎮守府に着任してから、一年過ぎが経ったある日のこと、鎮守府近くの病院の病室に居た。誰かに階段から突き落とされた結果、骨折してしまったのだ。犯人は依然として見つかっていないものの、艦娘の誰かというのは明らか。
 といっても一年間もの間、暴虐の限りをつくした前任のせいもあり、艦娘達からは、前任と同じ『軍人』だからと酷い風評被害を受け、無視や陰口、暴力等が日常的に行われていた。いつかエスカレートして、こうなることは西野提督も分かってはいたものの、流石に一年間、それらのことを耐え忍び、心のうちに溜まり溜まっていた不満が爆発する。
 実は大本営からは数々の不正を犯した前任の尻拭いのために、捨て駒として、『仮初の提督』として着任させられた真相を知っていながらも、それでも彼女たちのために尽力してきた彼は、この仕打ちを受けて、ついに入院先の病院のベッドの上で、「……辞めたい」と呟いてしまうほどに追い詰められていた。

一方、提督が入院したその頃。艦娘たちはとあるものを見つけた。提督の『日記』である。当時の心境もさることながら、鎮守府のために力の限りを尽くしてきたことを生々しく、そして細やかに綴られたその手帳を見た彼女たちは、自らがしでかしたことを初めて後悔したのだった。


これは互いにすれ違いすぎた、西野提督と艦娘の、横須賀鎮守府で繰り広げられる、『やり直し』の物語である。

※台本形式から、小説形式へ改稿致しました。
2019年 6月8日 (土)9:52 水源+α

※『辞めたい』から『仮初提督のやり直し』にタイトル変更しました。2020年 9月7日(月)13:02 水源+α
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