時は世紀末――を遙か昔に通り越して二0XX年、技術革新とその浸透により、全人類の集合的無意識に『デジタル世界』という概念が植え付けられた頃。それらはひっそりと産声を上げた。

 デジタル・モンスター。人類が普遍的に抱いていた神魔ないし怪物を象った生命。デジタル・モンスターは着実にその数を増殖させていった。その方法は不明。その総数も不明。その能力も不明。何一つデジタル・モンスターについての理解を深められていない人類の中に潜みながら、彼らは着実に世界に浸透し始めていた。

 先輩である高原彩里と半ば親公認で親しい付き合いを続けていた大学生、真原針斗はこのところ毎晩同じ夢を見ていた。二万四千と一の乱立する十字架の中心で、獰猛な怪物に右腕を奪われる夢だ。

 ある日突然、夢の内容が変わる。見覚えのある、街の美術館、そのベルフェゴールの絵画の前で、針斗は奪われた右腕の代わりに生えていた怪物の剛腕で人を殺していた。目覚めれば、その殺人は現実になっている。
現場に急行すれば死骸は既になく、代わりに針斗は闇の娘・リリスモンの襲撃を受ける。現場を訪れ狙われた彩利を護るため、針斗は現実にベルフェゴールの力を覚醒させ、リリスモンを撃退する。

 自身が怪物となりながらも、怯える彩利を護ろうと決意を新たにした針斗の前に、ルイ・サイファーを名乗る艶やかな黄金が現れる。

 黄金――ルーチェモンの口より語られる神魔再臨・復活の真実と、デジタル・モンスターによる〝戦争〟の事実。針斗と彩利は否応なく天使型デジモンと魔王型デジモンによる〝戦争〟に巻き込まれていく。

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 この小説を投稿していた『オリジナルデジモンストーリー掲示板NEXT』が掲示板サービス終了に伴い閉鎖の憂き目に遭ったこと、および2019年の春コミで頒布された『デジモン小説非公式大図鑑』にこの小説のあらすじ、作品紹介を寄稿したことから別所にも投稿してみようという試みです。

 完結済み、全九話。前作『ロード』の最終話が投稿され次第一日ごとに投稿します。

  ChapterⅠ-The Lust-
  ChapterⅡ -The Power-
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