【本編完結】原作に関わりたくない系オリ主(笑) IN ダンまち   作:朧月夜
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とりあえず春姫編書き終わりましたので投稿します。
小分けにしたので少々時間を置きながら急まで投稿となります。


原作に関わりたくない系オリ主、まさかの覚醒? 破の2

「あ~……チミ達は主神に売られぇ~このオレのぉ~下僕となったァ~」

「ライト君、どうして初手から煽りにいくのかな!?」

 

 元廃墟、現ヘスティアファミリアホーム、その名も”竃の館”にはタケミカヅチの眷属たちが集まっていた。

 ライトが約束を守り、ロキへの賠償金を立て替えたので、その対価として彼らはここにいる。

 

 とは言えスーツに赤いメンポ姿で現れたライトは、タケミカヅチに金を渡すと邪魔だからとっととロキに払って来いと追い出し、直ぐに眷属たちを正座させた。

 その上でのこのセリフである。

 

「ま、偉大なる女神様は少し黙ってて。ん゛ん゛っ、では改め。んじゃ団長のチミ、えーカシマ君」

「なんだ」

「今回の問題点はどこにあったのだろう? 答えて?」

「それはっ、やむを得ずパス・パレードをした事だ。それでもあの時の判断────

「はい、ダメー」

「グッ……」

 

 正座に不満気なカシマの脳天にどこから取りだしたのか、トンファーで頭をひっぱたかれるカシマ。

 

「はい次。ヤマト、答えて」

「いや、あのっ、ロキ様がタケミカ――ぐあっ!?」

「はい、ダメー」

 

 トンファー(ry

 

「お前らさ、荷物纏めて故郷に帰れよ。ダンジョンにあんまり潜らないオレでもこの位わかるぜ? つか主神が可哀想だわ。あのな、ヒタチってのが怪我をして動けなくなって云々は理解できるよ。そら大変だったんでしょ。けどね、擦った相手がロキのところだったから大事になってないの。これが零細ファミリアの駆け出し相手だったらどうなの? 死んでてもおかしくないよね? それに対しての危機感がお前らには無いの。結果、ゼニ金の問題で済んでるの。ロキがそれで収めてくれてんだよ? それに対して主神が愚弄されたから怒鳴り返した? なんのためにお前らの主神がロキに土下座まがいな事してんだよ。全部お前らを守るためだろうが。それをお前らの感情だけで全部ブチ壊したんだぜ? だから危機感ねえなって呆れてんの」

 

 シーン……である。

 ぐう正論過ぎて何も言えない状態である。

 

 ライトはここへやってきたカシマ達を見て、あ、こいつらダメだと即行見切りをつけた。

 タケミカヅチに連れられてやってきた彼らだが、明らかに何故自分たちがライトの手足にならないといけないのか、それを納得していない態度だったのだ。

 

 それでも最低限やる事やってくれたなら別にいいやと最初は考えていた。

 それに転生オリ主のSEKKYOはあまり褒められたもんじゃねえしなんて考えつつ。

 だが、金儲けと金を手にして笑顔になる人々の顔が大好きなビジネスメン・ライト・ニンジャとしてはこれは許されなかった。

 

 彼は日本のビジネスメンである。

 つまり、お客様は神様ですの信奉者である。

 たしかに仕事絡みで外資系企業との営業などを行うと、とにかく自分利益が第一で、契約を結べば後はドライなのは理解している。

 ここもある種の外国と考えれば、自己主張全一な風潮もあるのかもしれない。

 だがっ、自分が関わるビジネスにおいては、基本売る方も買う方も笑顔でいて欲しいとライトは考えている。

 

 そこでこいつらである。

 お前らは不良学生か。怒られて不貞腐れるガキか。

 いまファミリア離散のピンチやぞ。

 その危機感が無い彼らの態度が一番ライトには不満だったのだ。

 

 ジュージュー苑でタケミカヅチと色々話したライトだったが、彼の話のほとんどが眷属の自慢だった。

 そも神々は己の眷属を心から愛する。

 けれどタケミカヅチは襤褸は着てても心は錦ではないが、誇り高い武人の無骨な愛情表現や、たどたどしくも垣間見える子らへの愛情に、ライトは非常に共感したのだ。

 何故か? 自分の主神がそうだからだ。

 

 今回の件は自分たちの命を救うために他人を殺す選択を彼らがしたと言う事。

 故にもっと重く受け止めなければならない。

 本人達は重く受け止めているつもりなのだろうが、ライトから見れば謝罪をするのも全て自分たちの罪悪感の為にとしか見えない。

 そんなものロキに煽られて逆ギレしている時点で明白なのだ。

 

「あのさ、謝罪ってのは誠意なんだよ。自己満足じゃないの。自分がやらかした事への罪悪感? んなもん相手には関係ねーんだよ。謝罪ってのはね、迷惑を被った相手のやりきれない気持ちに対して慮るって事なんだわ。相手は怒ってんの。これで死んでたらもう帰ってこないの。そう言う類いの事柄に謝罪してもね、普通感情は言葉だけじゃ収まる訳ないの。収まらないけど誠意を見せる為には自分の都合は押し殺すモンなの。ロキの性格が悪いとか関係ねえんだよ。けどお前ら、ロキと話したことあるか? 酒を一緒に呑んだ事は? ねえだろ。んじゃお前らのロキへのイメージなんて他人さまの噂レベルで作った固定観念だよね? で、カシマ君よ。主神が作ったチャンスをブチ壊した気分はどうだ? お前らの誇り(笑)とどっちが尊いと思う?」

「うっ……俺はなんてことを……」

「タケミカヅチ様ぁ…………」

 

 床に五体投地で号泣する二人を見て、うむうむと頷くライト。

 その横顔を眺めていたヘスティアは嫌な予感を覚えた。

 

 ────あっ(察し)

 

 そしてカシマとヤマトを優しく起き上がらせると、ライトはこう言った。

 

「なら、愛するタケミカヅチ様を救ってやらねえとなあ?」

「おうっ!」

「はいっ!」

 

 改心した二人の目は輝いている!

 

「なら、その為には?」

「「何でもしますっ!!」」

「ん? いまなんでもするって言ったよね?」

「「はいっ!」」

「いい~返事だ。なら(馬車馬の様に)働いてもらうよ? まずは、ほれ、出せ」

「へっ? 何を、ですか?」

 

 ライトの言葉を理解できず首を傾げるヤマト。

 

「だからお前ら、武器防具、その他道具類全部そこの倉庫に入れろ。丸腰になれ。そしてあそこの部屋にチミ達の着替えを用意してるから、着替えろ、いいね?」

「「アッハイ」」

 

 いつの間にかニンジャスーツになっていたライトの不気味な眼光、つまりニンジャソウルの宿った瞳にNRSを発症した二人は反射的に肯定していた。

 逆らってはいけない、そんなアトモスフィアを感じたらしい。

 そして、

 

「あーライト殿、この姿は何だろうか?」

「んっ、顔はいいから似あうじゃないの。お前は今夜から毎日、歓楽街で遊んでもらう。なので周囲から浮く着流し風なお前らの服は没収したの。それはアレだな、商家の金持ち若旦那風だな。せいぜい下品に遊んでくれ」

「歓楽街で遊ぶ?」

「そうだよ。金はオレが出すから、指示した店で女を買え。んで、■■■■■■の連中を一人でも見かけたら、直ぐに店の小者なんかにチップを握らせてここに繋ぎをつけろ。それがお前の仕事」

「お、女を買う……」

「純情か! ただ一緒に呑んだフリしているだけでもいい。とにかく女好きの若旦那が入り浸ってる体であればなんでもいい。ただ毎日別の店にしてくれ。いいな?」

「あ、ああ……」

 

 着替えが終わったカシマ。

 その姿は高級な服に着られているという感じだ。

 成金の若旦那、つまり金に物を言わせてあれこれ買い漁るが、中身がそれに追いついていないというイメージである。

 地球で言うなら全身をグッチで決めたニーチャンがホストにしか見えないという感じか?

 そして、

 

「あ、あのぉ……こ、これは本気なのでしょうか……?」

「声震え過ぎだろ。それであってる」

 

 産まれたての小鹿の様にプルプルしながら黒髪ポニーテールが出て来た。

 さもありなん。彼女の今の姿は派手な蝶の模様が染めてある黒い着物風の衣装。

 それも胸元がガッバーと開いている下品な色気の感じる物だ。

 お姉さん、いくら? って思わず聞いてしまいそうな。

 

「いくらなんでも大胆すぎませんか……?」

「それでもまだ春姫よかマシなんだよなぁ……あいつ乳半分見えてたもの。あれで純情とか頭おかしいだろ……ああ、お前らにゃ関係ねえ。あーヤマトよ、お前さんはとある娼館に娼婦として潜入してもらう。別に客を取れとは言わん。ただちっと訳アリの娼婦の護衛をしてくれ。ナイフくらいは渡すから、何かあった際は身を挺してそいつを護れ。というか、■■■■■■してくれてもいい。いやむしろそうしろ。いいな?」

「はい、一応は理解しましたが、ライト殿、いま春姫っていいました?」

「言ったゾ」

「あの、その、春姫ってあの春姫でしょうか……?」

「いや、あの春姫とか知らんけど、知り合いなの? サンジョウノ春姫って名前だが」

「「ファッ!?」」

 

 その後彼らに詰め寄られたライトだったが、トンファーの一撃で鎮圧。

 どうやら同じ故郷で顔見知りらしい。

 その結果、彼らはやる気を出したのである。

 とは言え、知り合いムーブで仕事をおろそかにしたら”殺すから”と真顔で言われ、彼らは心を入れ替え晴れやかな顔でホームから飛び出して行ったのである。

 

 ふう、漸く動けるな、そう思いながらライトはソファーに身を投げ出した。

 

 ────やる事多すぎなんだよなぁ……あのクソ猪め……

 

 内心でそう悪態をつく。

 そんな時、ふと頭の上が暖かく感じた。

 

「ライト君、キミは偉いね。いっつも誰かの為に頑張ってる。ボクはそんなキミが誇らしいよ」

「あんたの子供だからねオレは」

「おっ、今日は軽口で流さないんだね?」

「そんな余裕ないっす」

「ふふっ、ライト君も可愛げがある時もあるんだねっ! でも、疲れたらボクを頼るんだよ? キミは何でも一人でやってしまおうとするからね。だからこんなボクにも出来る事があるなら、何でも言ってくれいいんだぜ?」

「ほう、なるほど、じゃあ乳を揉ませろォ!!!」

「やめ、ヤメロォ!! ちょ、そこは、やめろォ!」

 

 イイハナシカナー? からのいつもの流れである。

 ヘスティアを羽交い絞めにして揉みしだくライト。

 

 しかしお気づきだろうか?

 いつもなら乱入してくるあの娘がいない事を。

 そう、副団長リリルカ・アーデは既に動いているッ!

 そして金が絡んだ後ろ暗い系のヤマでは、彼女より頼りになる者はいないのだ!

 

   

 

 ★

 

 その男がライトに接触してきたのはある日の夜の事だった。

 いつもの様にソーマの店で晩酌をしていたライトの横にテンガロンハットを被った小柄な男が座っていた。

 その男はどんな場所にも荷を届けるビジネスをやっており、ライトのビジネスにも協力できるかもしれないと言った。

 

「ザニス」

「どうされましたライト殿」

「この客がどうも深酒し過ぎた様だ。奥の部屋借りてもいいかい?」

「ええ、では鍵を開けておきましょう」

 

 すっかりとバーテンが板についたソーマファミリア団長のザニス。

 ライトの言葉に阿吽の呼吸でバックヤードに続くカーテンを開く。

 ソーマファミリアの団員にとってライトとは特別な友人である。

 故に彼の言葉を疑う事は無い。

 

 そんなライトはテンガロンハットを軽々と担ぐとカーテンの奥に消えた。

 

「起きろ」

 

 そんな声が聞こえ、テンガロンハットことヘルメスは目を覚ました。

 実際はゴーレムの杖を装備したライトに脇腹を突かれて石化のバッドステータスを喰らっただけだが。

 そして金の針で回復させられたという流れだ。

 

「こ、ここは────」

「アンタ神様だろ」

「おっと、物騒だねえ? そうさ神だよ。ヘルメスと言うんだ、よろしくねライト君」

「ここはソーマの店の地下にある。神なら知ってるだろ? オラリオの地下には広大な下水があるのを。そこのドアの先はくっせえ下水に続いている」

 

 ヘルメスは昼行燈を装った神であり、人の虚をつく事を得意としている。

 だが今回は相手が悪かった。

 何故なら軽口が一切通じないのだ。

 ヘルメスの言葉に一切耳を貸さず、むしろ心を覗いてくる様にじっと見ている。

 

「そ、それがどうかしたのかな?」

「別に。ただ酔った神がトイレと間違って下水に降り、たまたま足を滑らせて落ちたなら、誰も気付かないだろうなァと思っただけさ」

 

 そしてライトは息を飲むヘルメスを尻目に、どこからか妖精の爪を取りだして装備をした。

 

「因みにそれ、なんだい?」

「ああ、これ? これは妖精の爪って言ってな、これで攻撃をすると割と高い確率で相手が混乱する。まあ、酷い酩酊状態に似てるかな?」

 

 ヘルメスは息を飲んだ。

 こいつは本気だ、と。

 

「気分悪いんだよね正直。どこぞの猪野郎は好き勝手な事を言いやがる。可愛い耳をした娼婦に出会えば胸糞の悪い話が聞こえてくる。その上オレの故郷の神様がピンチと来た。ムカつく事にだ、平穏に金儲けをしていたいだけのオレに、原作からすり寄って来やがる。今回の件も結局は全部繋がってるんだわ。そこにヘルメス、アンタがシャシャって来た。外でも無いヘルメスがだ。こう見えてオレ、昔は読書家だったんだ。活字中毒って言うのかな? ジャンルは問わず何でも読んだ。純文学、哲学書、当然官能小説もな。因みに人妻の不倫モノが大好物だ。で、中には神話もあってなァ。ヘルメス神はゼウスの伝令で、巨人も殺した凄い神だが、こういうエピソードもあった。産まれて直ぐにアポロンの牛を盗んで、その後口先だけで有耶無耶にした挙句、結局はアポロンから杖までせしめた。それで商売の神って呼ばれたんだっけ? お前はどうか知らないが、オレが動きだしたタイミングで接触してきたんだ、言葉通りに話を受け取る訳にはいかないな」

「あは、アハハハハハッ! 君は凄いね! ちゃらんぽらんに見えて抜け目がなっ────」

「誰が喋っていいって言った?」

 

 ライトはヘルメスの顔面に前蹴りをいれる。

 レベルが文字化けしている程のステイタスで、身体能力が人間並の神に攻撃。

 結果はゴロゴロと床を転がり、壁にぶつかると口から血を吐き咳込む事になる。

 余りの痛みとまさか人間が神を攻撃すまいと言う常識に裏切られたショックに、ヘルメスはライトのセリフに感じた違和感を頭の隅に追いやってしまう。

 

「よ、容赦が、ないね……本気かい?」

「邪魔するならな。いよいよとなれば家族を担いでこの街からとんずらすればいい話だしな。別にオラリオに拘る理由は無い」

「ああ、そうきたかぁ……」

 

 苦悶の表情と呆れが混じった表情のヘルメス。

 そんな彼にライトは無表情のままエリクサーを振りかける。

 たちどころに痛みは引き、傷は消える。

 

「治してくれたのかい? どういう意味だろうか?」

「別に。話をするのに邪魔くさいからな。でも分るだろう? これはエリクサー。死んでなきゃ大概どうにかなるチートアイテムだ。そしてオレはこれを山ほど持っている。ならまたいらない事を囀ったら半殺しにして、その都度回復すればいい。さて神々の精神は、何回まで耐えられる?」

 

 ニヤリと笑うライトに思わず後ずさりをするヘルメス。

 もっとも、そこには壁があり、それ以上下がる事は出来なかったが。

 

「ま、いいや。なんで急に関わってきた? ゼウスが関わっているのか? 答えは10秒以内に。腹芸を弄した気配がしたらさっき以上の苦痛を与える。10・9・8……」

「その通りだっ! 俺達は英雄を求めている。いずれ訪れる危機、その為に英雄が。ゼウスが元々考えていた英雄の候補が使えなくなった。故に次点。それが君って訳だ。雇い主は君にもっと派手に踊ってほしいと考えていたが、残念な事に君はいつも炎が燃え上がる前に鎮火させてしまう。だから俺が君を派手に動かそうとやってきたって訳だ」

「ふうん……まあそうか。そうなんだろうな。そこにはそこはかとない責任を感じ無くも無いが、悪いが協力する気も無い。英雄? ガキに頼る神様とか笑えるな。お前のとこの神の末席にヘラクレスがいるだろうが。その逸話を考えれば、神々が造った英雄なんてものにロクな奴はいねえのはアンタらが一番知ってるんじゃないのか?」

「まっ、そうだね。ただ俺は中間管理職で使い走りなんだ。拒否権なんかある訳ないだろう?」

「そりゃそうだろうな。それはオレに関係ねえけど。とは言えだ、種が割れた以上、アンタには落とし前をつけてもらうぞ?」

「……お手柔らかに頼むよ?」

 

 その後いくつかライトとヘルメスの間で話し合いが交わされた。

 まず落とし前としては、今回の件でライトが動く際に、諜報に該当する部分をヘルメスが担当しろと言うのが一点。それとヘルメスの逸話にある空飛ぶサンダル、それを寄越せというのが二点目。

 こちらは問題無くクリアされた。

 

 もっともサンダルに関しては彼のファミリアの団長であるアスフィ・アンドロメダに後ほどボコられると青い顔をしていたが。

 因みにこのアイテムを欲しがったのは、ライトが原作アニメで見たシーンを思い出し、オレも欲しいと個人的な欲求から求めた。

 ちなみに神秘のスキルを持つアスフィが作るアイテムは軒並み高価である。

 それをロハで寄越せと宣うライト、流石きたない忍者であった。

 

 だがこのライトはビジネスメンとしての矜持は忘れていない。

 つまり奪うだけでは駄目だと言う事だ。

 なので英雄云々はクッソどうでもいいが、もしオラリオヤバイ案件が将来的にやってきたなら、その際は手を貸すと約束したのである。

 ただしその時は矢面に立たせる誰かを前面にアピールしてだけどねと念を押したうえで。

 

 何故そこに拘るか。

 それはよくある能力隠し系転生者ムーブではない。

 単純に目立った所で商売になんの得にもならない、むしろ弊害しかないと考えただけだ。

 そう、彼は上場しない系経営者思想なのだ。

 

 彼が尊敬している経営者、或いは創業者は林檎のジョ〇ズでも窓のビルゲ〇ツでもない。

 ましてや日本の松下〇之助なんかでもなく、世界的廉価家具メーカーIK〇Aの創業者、スウェーデン人のイン〇ヴァル・カン〇ラードであるッ!

 

 こうして話が纏まった結果、ヘルメスは無事帰宅出来たのである。

 だが帰宅し、事の顛末を団長に話した結果、絶対零度の蔑みの目で見られた挙句、サンダルの件では案の定ネチネチと長い長い小言で責められたのである。

 

「もう暗躍なんてこりごりだーーー!」

 

 そう叫んだとか叫ばなかったとか。

 それは彼の名誉のためにぼかしておこう。

 それと共に、暗躍系神々の間でライトの悪名が刻まれた。

 主に”こいつに冗談は通じないからいつものノリでいくとヤベー”的なニュアンスで。

 

 その副次効果か、実はこの頃ライトに接触を考えていたいくつかの闇派閥が手を引いたという。

 そして、

 

「ほら、可愛い副団長君。君の愛しい団長様が欲した情報だよ。せいぜい上手く使ってくれ」

「その不快な軽口は止めてくれませんかね? 口を縫い合わせますよ。では有り難く頂戴しますねヘルメス様。くふっ……ああ、楽しくなってきました」

「そうかい、なら良かった。んじゃ俺はこの辺で(この主従やべー)」

 

 とある日の夕暮れ時、オラリオ南の城壁の上で、そんな会話があったとか。

 

 

 


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