【本編完結】原作に関わりたくない系オリ主(笑) IN ダンまち   作:朧月夜

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のんびり進行でおなしゃす


魔都にニンジャのスリケンを 破1

「リリが受けますので春姫さんは魔法で牽制をっ!」

 

 そう叫んだリリルカが小柄な体躯を生かして突進し、ホブゴブリンの腹部にトールハンマーをフルスイングする。

 するとさしものホブゴブリンが怯んだ。

 分厚い皮に覆われた肌が波打ち、苦悶の悲鳴をあげる。

 

「了解ですっ! ええい、ブリザガッ!」

 

 既に春姫は準備を終えていた。

 彼女の腰からは発光する半透明の尾が3尾。

 つまり3発のブリザガをチャージ済みなのだ。

 そしてワンフレーズの詠唱とも言えない号令により、氷の濁流が唸りをあげてそこに集まっているホブゴブリン達を全て巻き込んだ。

 見れば下半身が凍っている。

 

「くうっ、危なかったです。フレンドリーファイヤが一番怖いってどういうことですか……でも、これで終わりです。うりゃー!」

 

 リリルカはホブゴブリンの身体を三角跳びの様に駆け上がり、既に上空にいた。

 眼下には春姫が展開した氷河が見える。

 彼女は身体を捻じる様に動かしてトールハンマーを構え、そして重さで落下する力を利用したまま、氷河に向かって一撃。

 それと共に「サンダラ」が解放され、結果氷を伝った雷がホブゴブリンを一網打尽した。

 

「やりましたっ! 春姫さんもタイミングが完璧でしたねっ!」

「えへへ、結構気持ちよかったですっ!」

 

 乙女二人が満面の笑みでハイタッチ。

 そしてそのまま魔石やドロップ品の回収に走る。

 そんな二人を微笑ましく見守るのは我らが汚い忍者ことライトである。

 

 18階層で一夜を明かした一行は、キャンプを撤収すると中央部へと向かい、19階層へと進んだ。

 ここから大樹の迷宮と呼ばれ、毒等の状態異常を与えてくる難所と言われている。

 ただライトは彼女たちに【リボン】を与えており、その辺は完封できる。

 

 だがバグベアーやマンモス・フールと言った大型モンスターは、体格的に不利であるからして、中々にてこずった。

 というのも昨日のゴライアスに続き、基本的にライトは見に徹していたからだ。

 出来れば二人をレベルアップとまではいかなくとも、ステイタスの大幅な上昇をさせたい。

 それ故の判断である。

 

 ステイタスの伸びは、本人の資質もあるが、前提としてそれに見合った行動を取らねば伸びない。

 つまり魔法系の後衛が、延々と魔法を撃っていても魔力などは伸びても耐久や敏捷は伸びないのだ。

 基礎アビリティ、或いは発展アビリティはそれにちなんだ行動をして伸ばし、レベルアップする際も、限界まで研鑽してからの方が強い。

 

 アビリティの数値はレベルアップでリセットされるが、それはあくまでもレベルごとに表記されているからでしかなく、実際は前のレベルで積み重なったアビリティの値は存在し、そこに上乗せされているという表現が一番近いだろう。

 

 ただ資質の問題とはつまり、上限値があるという意味である。

 なので序盤の伸びはよくとも、いずれそれはゆっくりとなり、上限を迎えた数値はそこで止まる。

 故に1から2に上がっただけでも凄いのだ。

 レベル1のまま数年経っても変わらない者もいるのだ。

 

 レベルアップ自体はアビリティの等級がひとつでもDになれば出来る。

 ただ上記の意味で考えれば、リセットした段階で、まだ伸びる余地のあった部分が切り捨てられる事を思えば、かなりデリケートな判断が必要だろう。

 

 ただライトとしては常に皆と居れる保証はない為、せめて自衛が出来る程度の基礎能力を彼女たちに与えたいのだ。

 リリルカも前衛のみにならず、春姫も後衛だけの固定砲台にならず、二人で考え色々な立ち回りをする。

 そうなれば伸び辛い数値も多少はマシだろうとライトは思ったのだ。

 その結果、少々スパルタにならざるを得ず、そこは心苦しく────なんて事はなく、彼は嬉々として彼女達を追いこんでいた。とんだクソ外道である。

 別にテルモピュライで大軍と戦う訳でもないというのに。

 

 ただリリルカも春姫も割とノリノリである。

 春姫は単純に外の世界をあまり知らなかった事で、どんな事も新鮮に思えるのだ。

 リリルカの場合は、ソーマファミリア時代、自分は役立たずだと繰り返し刷り込まれ、結果冒険者を憎んできたが、ライトが別の方向性を与えた事で、戦える様になった。

 よって彼女は今、歓喜の渦に包まれている。

 

 憎むと言う事は、嫉妬をしているのと同義だ。

 本当に興味が無いなら無関心でいられるのだから。

 つまり自分が出来ないふがいなさがそこにある訳で、そのハードルを越えられた今、彼女は漸く過去の呪縛から解き放たれた。

 なのでいま彼女が思うのは、ライトの武器があってこそではあるが、冒険者リリルカアーデとしてどこまでやれるのか? その事である。

 

 面白いのは彼女には参謀役としての素質があるという事だ。

 それもまた彼女の生い立ちに関わる事だろうが、要は自分の身の安全を確保する為に、狡猾な相手の中で立ちまわる術を素早く判断し、それを実行する事で彼女は自分を守ってきた。

 これをダンジョンに置き換えるなら、自分らの生命の確保と、敵の殲滅を同時にやるという事であり、今までは出来なかった敵から身を守るための手段に、攻撃を加えるというオプションが取れる事で、要はフィンの様な役割が彼女に出来ると言う事だ。

 

 ライトはそんな二人を見てて思う。

 これあれだな……リリに任せてオレが言う通り動いた方が効率よくね? と。

 団長の威厳ガーとか彼にはどうでもいいのだ正直。

 極論、楽しければ満足なのがライトである。

 

「しっかし出てこねえなあ……ヴィーヴルよ」

 

 ライトがぼやきつつ肉を焼いている。

 携帯用ヘスティアちゃんはとても便利なのだ。

 と言ってもサボりつつも視線は戦闘を繰り返すリリルカ達に向いている。

 

 彼女らが戦っているのは食糧庫にほど近い広場だ。

 このエリアはまるで巨大な樹木の中の様な景色が続くが、退避用の柱がある位置をリリルカが選んだ。

 食糧庫に群がるモンスターを確認し、ライトが別に渡した【与一の弓】と【与一の矢】で背後に撃ちこみ、数匹ずつ釣りだして安全に倒しているのだ。

 

 ヴィーヴルが現れる、または手に負えない程のモンスターが沸いた時、ライトが加勢に入る手はずになっている。

 ライトとリリルカの昨日の逢瀬以降、リリルカは強い意思を持って力をつける事を選んだ。

 互いの胸の内を明かした事で楽になったのだろう。

 

 リリルカは春姫が起きてくると同じように自分の事情と今の心持ちを話し、ライトの為でもあるが、自分の為に強くなりたいので協力してほしいと告白する。

 それを聞いていた春姫もまた、己の流され続けて来た人生を思えば、貴方が羨ましいと告白し、自分も自分の意思で強くなりたい。だから協力します。でも貴方には負けませんと宣言し、二人でギラギラした笑みを浮かべながらギウウウウウウウっと凄い音がしそうなシェイクハンドをしていた。

 ついでにライトの胃がギウウウウウウウウってなった。

 これによりリリ&ハルのペアが産まれたのだ!

 

「まあ、それもまたよしってか。おっ、そろそろタンがいい感じだな。うほっ、キンッキンに冷えたビール欲しいなあ……ってなんだお前」

「………………」

 

 ライトが美味そうに肉汁豊富なタンをパクリとやったその時、彼の視界に変な物が映った。

 白っぽい髪に白い肌。目は黄色というか金色。額に角の様な物がある。

 それがライトの横にいたのだ。

 

「なに? 腹減ってんの?」

「………………うン」

「お前、ボロッボロやんけ。痛くないの?」

「………………痛イ」

「あ、そう。って全裸やん。うーん、取りあえずメシの前にこれ飲んどけ」

「…………ナに?」

「飲めばわかるから飲め」

「………………ウん」

 

 ライトからするとDVを受けた幼女にしか見えなかった。

 なので持ち物からエリクサーを取り出すと飲ませた。

 初めはきょとんとしていたが、幼女は結局は飲んだ。

 

「…………痛クなイ」

「ええやん。んじゃメシ食うか。箸はつかえんか……んじゃこっちこい」

「………………」

「ええから、痛い事しないからこっちこい」

「…………うン」

 

 事案発生である。

 全裸の幼女を近寄らせると予備の白のローブを着せ、ライトはあぐらをかいた自分の膝の上に幼女を座らせる。

 ローブのみ、つまりぱんつはいてない幼女をだ。

 

「ほら、あーん」

「あーン……オイしイ」

「せやろ? いい肉だからな。ほら好きなだけ喰え」

「……食ベル」

 

 こうして謎の幼女の餌付けが開始された。

 ライトが焼いて口元に持っていくとパクリと食べる。

 基本は無表情なのだが、肉を食べると少しだけ笑う。

 いつしかライトの中に言い知れぬ気持ちが沸いて来た。

 

「…………はぁ。いやーヴィーヴルが出るとは思いませんでしたよ! ま、どうにか倒しましたけどね!」

「ですね。ただ素晴らしい連携だったと思います。それよりお腹がすきました」

「リリもペコペコです。ライト様、涙と爪がとれました……よ?」

「ライト様?」

 

 ひと段落したのかリリルカ達が戻ってきた。

 それもヴィーヴルを仕留めたという。

 そう誇らしげに語りながらやってきた二人の目に飛び込んできたのはまさかの光景だった。

 

「お、やったやん。ならもう帰ってもいいな。なーシロ!」

「…………うン」

「帰ったら一緒にお風呂はいろな? シロの身体くちゃいくちゃいだからな」

「……痛クなイ?」

「バカヤロウ、オレが可愛いシロに痛い事するかよ! ってリリ達も帰って来たか。聞いてくれお前ら、今日からオレ、この子のパパになるからっ!」

 

 無表情の白い幼女を抱き上げ、プラーンプラーンと前に掲げながら満面の笑みでライトはそう言った。

 

「「えええええええええええええええええええええええええッ!!!?」」

 

 二人の絶叫が24階層に響いたのである。

 

 

 ☆

 

 

「ライト君、元の場所にかえしてくるんだよっ!」

「えー……可哀想やん」

「ライト様、でもその子、多分ヴィーヴルですよ」

「何だか可哀想ですね……」

 

 無事レアアイテムをゲットしたヘスティア一家だが、ホームに帰ってきたライト達をニコニコと出迎えたヘスティアが急にキレだした。

 それはライトが肩車をしている幼女の存在のせいだ。

 

「神様よー、それでいいのか! こいつはモンスターかもだけど幼女だぞ?」

「むむむっ、でもみんな怖がると思うよ?」

「まあそれはそうだな」

 

 とは言え言葉程深刻そうな風でも無いライト。

 リリルカ達は困ったような顔をしているが。

 

 実はライトが安直にシロと飼い犬の様な名前を与えた幼女だが、24階層の帰り道にライト達が歩いているのを見て、「…………モっとハやくするヨ」と言い、ヴィーヴルに変身したのだ。

 ライトは「おー凄いやん。ほな背中乗るわ」と普通に受け入れていたが、これにはリリルカが慌てた。

 これ見られたらヤバいやつですって的な。

 

 そっかーと一応は納得したライトはシロに向かって「人に見られたらめっちゃヤバいから、お前幼女のままでいろ。できるか?」と言い放った。

 するとシロは「ラいト……ごハンクれルいいヒト」と言う事を聞いた。

 結果、肩車をして帰ってきたのだ。

 

「神様よ」

 

 そしてライトはズイっとヘスティアに詰め寄る。

 ライトのメンポの中の目が光る。

 

「な、なんだいっ、ぼ、ボクはファミリアの主神として屈しないぞ!」

「これからシロがセーフって事を証明してやる」

「出来るのかい!」

「ああ」

 

 ライトはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

 そして部屋着であるメイド服に着替えた春姫をズビシッ! と指をさして叫ぶ!

 

「ハル、オレにお前の素敵なおしりを見せてくれっ!!」

「「「えっ」」」

 

 唖然とする一同。

 その反応は正しい。

 まだ昼間である。なのに尻を見せろとは正気とは思えない。

 だが、

 

「…………ハル」

「あっ、ライト様……ち、近いですけど……は、破廉恥ではないでしょうか……はわぁ」

 

 ライト、まさかの壁ドンである。

 因みにここはホームで一番広いだろう場所、リビングである。

 日本風に言うならおよそ30畳ほどになるだろうか?

 中央にある巨大な応接セットがあろうが、それでも充分に広い。

 

 ライトは皆に向かってちょっと待てと言い、春姫の手を引くと壁際までのそのそと歩き、よいしょと春姫を壁に触れさせると、ちょいちょいとヘスティア達を手招きした。

 皆が集まった所で改めて壁ドンである。

 酷い茶番だ。

 

「可愛い可愛い春姫よ」

「はわぁ……」

「ちょっとライト様ッ!」

「可愛い春姫および可愛いリリルカ、閑話休題、春姫よ、オレは今、お前の尻が見たいんだ、いいな?」

「わ、わかりましたっ。は、恥ずかしいけど頑張りますっ」

((えっ、それでいいの?!))

 

 更に茶番を挟みつつ春姫は堕ちた。

 顔を真っ赤に染め、耳をピーンとさせつつ、彼女は後ろを向くと、チラチラとライトを見ながら、ゆっくりと下着をおろし、そしてギューっと目を瞑ったまま、メイド服のスカートをたくし上げた。

 

「おらお前ら見ろ、何が見える!!」

「いや、綺麗なおしりだけど……」

 

 ヘスティアまさかのマジレスである。

 

「カーッ! これだからチミはポンコツ神って言われるんだよ……」

「な、なにをー!!」

 

 やれやれだぜとライトはアメリカ人みたいなゼスチャーで溜息をつく。

 ハットオフって感じの身振りがイラっとする。

 

「違う。ぜーんぜん違う。たしかにハルの尻は綺麗だ。ほらこことか!」

「ひゃんっ!?」

「え、ライト様、何故撫でたんです?!」

「まあ、ノリだ。いやそうじゃなくて、ここを見ろぉ!! ココッ!」

 

 ココッ! マダガスカルッ!! とでも言いそうな勢いでライトはとある一点を指さした。

 

「尻尾ですか?」

「正解だリリ。ポンコツ神と違って目の付け所がリリだな」

「えへへ……」

 

 改めて整理して見てみよう。

 春姫が目を瞑り、壁に片手をつき、もう片方の手でスカートを自ら捲り上げている。

 ふんだんにレースがあしらわれたピンク色の下着は膝で止まっており、つまり尻尾も尻も丸出し。

 当の本人は恥辱に頬を染めながらプルプル震えている。

 

「ボクがポンコツかどうかはさておき、だからどういう事なんだい?」

「はぁ……まだ分らぬかこのたわけめ。ここにこんな見事な尻尾はえとるやんけ」

「んんっ? まあそうだけどさ。だからなんだい?」

「いや、なんつーか。オレからすればこのシロと春姫、あとはロキんとこのベートとかの区別つかねーんだが」

「「「はぁ!?」」」

 

 ライトがあんまりな暴言を吐いた。

 さしもの春姫も若干怒りをにじませる。

 

「まー落ち着け。オレって言う人間、ヒューマンだっけ? から見りゃハルみたいに尻尾や耳が生えてるだけで普通とは違うって思える訳。で、もしだぞ? ハルみたいなのじゃ無くて、耳生やした奴が問答無用で襲ってきたらどうする? 普通は怖いし躊躇なくやり返すだろう? いやー逆に獣人から見りゃヒューマンもエルフも別の生き物やんけ。さらに言えば神様なんつーのも普通に闊歩してるんだ。んじゃ聞くが、言葉も何とか話せて、オレの言う事を聞く、ヴィーヴルらしい幼女が明らかに友好的な場合、オレはどんな風に振舞うのが正解なんだろうな?」

 

 この時のライトは真顔だった。

 むしろ心底不思議そうな、略してSF顔で皆を見ている。

 

「さらに言うとさ、こんだけ深いダンジョンに、アホみたいな種類のモンスターがいてだ。幼女化するヒトモドキのモンスターって他にいない訳? このシロだけが特別なのか?」

「……今までそう言った話は聞いた事が無いですね。あくまでリリの知っている範囲では」

「そっか。神様は新参神だし、その辺の事情は疎いだろうし、ハルはまあもっと知らんよな。するってーとリリの意見を参考にすればシロは異常な訳だ。でもだぞ? こいつ一人しかいないって方がおかしくね? そんな生命の奇跡みたいな瞬間が都合よくオレらが見かける? そっちのがありえんだろ。あ、ハルはもうパンツ履いていいぞ。ありがとな? 綺麗だったぜおしり」

「うううっ……」

 

 ただライトの意見は皆を無言にさせた。

 それぞれ考え込んでいる様だ。

 

 ライトの考えは別に突飛でも無い。

 ここが自分の読んだ事のある小説に準拠した世界だとは知っている。

 けどライトはもうその事をあまり重要視していない。というか出来ない。

 いくら前に読んだ事があるとして、そこまで正確に覚えていられるはずもないのだ。

 時系列を把握し、この時こんな事が起こる。なら原因はここだからこう立ちまわる。

 そんな事が出来るなら楽だろう。

 

 だが実際はどうか。

 ライトからすればここはただの異世界だ。

 そう思うようになったのは、ここで生活する住人となったからだ。

 例の神様に押し付けられた能力は確かにアドバンテージだろう。

 だからと言って日々戦いに明け暮れる必要はないし、時間の殆どは地球と変わらない日常があるのだ。

 

 生活をするには金が要る。

 どうせなら多い方が色々できて嬉しい。

 だから稼ぐ。そこまではいい。

 だが物語として描写をするにたえない行動。

 例えば睡眠。顔を洗い歯を磨き、身支度をし、仕事をする。

 仕事中には様々な相手と会話もする。

 

 仕事が終わり家族と飯を食い、晩酌をする。

 その時の会話は盛り上がったり、淡々としていたり。

 そしてまたベッドに入り眠る。

 また次の朝がやってくる。

 

 一年のうち、ほとんどがこれに該当する。

 これは地球でもオラリオでも変わらない。

 確かに非日常な出来事はおき、それらは印象深いだろう。

 けれど割合とすればほんの5%にも満たない時間でしかない。

 

 となれば日々の当たり前の生活に意識は埋没していく。

 それが住人になるという事だ。

 だからこそ原作云々なんてものは、実際起きてみて初めて”あ、アレか”と気付く程度だ。

 ましてこのシロの事が原作に関わっているなどつゆほど思ってもいないライトだ。

 

 そんな意識で改めてオラリオを考えてみる。

 獣人、ドワーフ、エルフ。それに神様。

 ライトにとっての地球での常識は、肌の色が違っても結局は人間だった。

 ならここで出会ったヒト以外の種族たち。

 ここではそれが当然だとしても、獣人と友好的なモンスターの違いは何かは理解できないのだ。

 

 シロはヴィーヴルだ。

 ライトが倒した事もあり、リリルカ達も倒した。

 だがシロを殺そうとは思わない。

 何故なら友好的だからだ。

 

 ライトは理解している。

 おそらくこれはオラリオの秩序から反しているのだろう。

 けれど自身が納得できないなら、殺せる気はしない。

 シロに角が生えている。

 春姫には尻尾と耳が生えている。

 じゃどこに差があるのか。

 それが分らない。

 

「悪いけどオレ、こいつの事を返す気も殺す気もねーぞ。ミッションの報告と提出があるから明日ギルドに行くが、この事をそのまま叩きつけるつもりだ」

「それでキミが思う結果にならなかったら?」

「……そうなってみないと何とも言えないが、オレ個人としては、このオラリオという集団に失望するだけだ」

 

 そう言ってライトはシロを連れて地下の自室に戻った。

 後に残ったのは何とも言えない苦味だけである。

 ヘスティアもリリルカも、何かを考えるように黙り込み、静かにソファーに背中を預けた。

 

 一人立ち尽くす春姫。

 希少だと言われる狐人。

 故に自分は父親に売られた。

 だからこそ春姫の中でライトの言葉が妙に気になった。

 

「そう言えば……」

「どうしたんだい春姫君」

「いえ、あの、獣人である事を確かめるなら、別に耳でも良かったんじゃ」

「「………………」」

 

 後に残ったのは何とも言えない苦(ry




・春姫にインタビュー


ライト「緊張してる?」
春姫「は、はいっ……えっと、この部屋綺麗ですね」
ライト「せっかくの撮影だからね。キミ可愛いし奮発したよ」
春姫「えーwww ホントかなぁwww」
ライト「えっと何歳?」
春姫「16歳です」
ライト「うっそだーwww すげえ大人っぽいじゃん。スタイルもいいし」
春姫「ホントですよーwww スタイルとか良くないですってっ!」
ライト「いやいやいやwww オレもう結構アレな感じだし。それでスタイル良くないとかありえないから」
春姫「ほ、ホントかなーwwお兄さんイケメンだし誰にでも言ってそう」
ライト「そんな事無いよ。あ、そろそろ違う絵が欲しいし、ベッドで続きしよっか?」
春姫「えー、ベッドでー? どうしよっかな……」
ライト「あらー? 小悪魔発動しちゃってるんだけど」
みたいな

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