【本編完結】原作に関わりたくない系オリ主(笑) IN ダンまち   作:朧月夜

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色々仕込みの会なので話はそれほど動いていない


魔都にニンジャのスリケンを 破2

「…………シーッだぞシロ」

「うン」

 

 草木も眠るウシミツアワー。

 静寂に包まれる竃の館に赤きニンジャの影があった。

 いやライトである。

 

 いつものニンジャスーツにメンポ。

 だがホームであるのに周囲を気にしている。

 そんな彼の肩にはドラ娘シロがおり、目をキラキラさせてライトの頭にしがみ付いていた。

 

 シロはライトに拾われてそれほど経っていないが、すっかり懐いている。

 ご飯をくれるし、温かいお風呂で綺麗にしてくれた。

 さらに生まれ落ちてそれほど経っていない時に優しくされた事で、彼に対し親の様な感情を抱いている。

 インプリンティング────そう、刷り込み効果である。

 

 ドラ娘であるシロの本質はモンスターであるが、それがどういう訳か高い知性を持ってしまった。

 ただ普通の獣人とは違い、その行動規範は本能よりの物になる。

 さて自然界における野生動物の事を思い出して貰いたい。

 

 過酷な環境で生きる野生動物の生きる目的は何か。

 それは次世代に子孫を残すという事に尽きる。

 感情の有無は関係無い。無意識にそう言う行動をとる。

 だからこそ本能なのだ。

 

 だが彼らは子を持ってもほとんど死ぬ。

 主に産まれてすぐの時代に。

 抵抗力が低くて死ぬ。

 親がエサを集めきれずに死ぬ。或いは親が死んだことで餓死する。

 複数産まれた子らの中のヒエラルキーにより、数を減らす為に巣から蹴り落とされて死ぬ。

 強い個体が育つ事で育児放棄をされて死ぬ。

 外敵のエサになり死ぬ。

 

 ざっと挙げるだけでもこれだけの死因がある。

 他にも無数にあるだろう。

 故に彼らは産まれて直ぐに環境に適応しようと早熟する。

 短期間での学習能力が高いのだ。

 その中に刷り込み効果がある訳だ。

 そうする事で数%でも生存確率をあげるために。

 

 シロがそれに該当するかは分からないが、少なくともライトと言う強そうな個体にしがみ付く事を彼女は選んだのだ。

 そうしてシロを担いだままライトは抜き足差し足忍び足でリビングを横切り、見事表通りに出ることが成功したのである。

 流石ニンジャである。

 

「ウヒヒヒヒ、ちょろいもんだぜ。なあシロよ!」

「…………だゼ!」

 

 そうして彼らは闇夜に紛れて景色の中に消えていった。

 竃の館よりさらに西に向かって。

 妖しく光るバベルを背に。

 

 

 ☆

 

 

「ふわぁ……寝坊しちまった……」

「おはようライト君っ! 今日はボクが朝食を作ったんだぜ! 感謝してくれよなっ!」

 

 ライトが寝ぼけ眼で頭をボリボリ掻きながらリビングに昇ってくると、ライトをチラチラと見ながらヘスティアが空元気ですという雰囲気でやってきた。

 

「おー悪いな神様。っておまぁ……これ料理ちゃいますやん。じゃが丸くんと焼いたパンですやん……ほんま女子力低いなァ」

「なにお!? これはうちでも結構高い値段で出している小豆クリーム味だぞっ!」

「愛知県民かな?」

 

 ふとダイニングで既に食事中のリリルカと春姫を見る。

 

「ライト様? 好き嫌いはいけませんよ……」

「春姫もそう思います」

「お前らさ、思いっきりクリームと小豆を避けてるだろ。それただのじゃが丸くんプレーン味だろ。おい目を逸らすな! こっちを見ろ! オレの皿に載せるんじゃァない!」

 

 そうして和やかな朝食は始まった。

 しきりに小豆クリーム味のプレゼンをする恥知らずな神の声をBGMに。

 あの剣姫も買いに来るんだぜ! とドヤ顔だが、ライトに”味覚がおかしいだけだろ”とばっさり斬られ、”あ、なるほどね”と逆に納得するヘスティア。弱すぎる。

 

「そう言えばライト様、あのシロちゃんはどうしたんです? いないみたいですけど」

 

 その時リリルカが皆が聞きたくても聞けなかったセリフをブッ込んだ。

 この女、吹っ切れた事で強くなっている!

 パンをもぐもぐしながら無言のライトに一同の緊張感は高まる。

 

「ん? ああ、シロなら旅に出たぞ。なんだっけ、オれよリツよイやツにアイにイく! とか言ってたぞ」

「なんですかそれ。あの子の一人称が俺とかありえないですから。で、ホントの所は?」

「お前ほんまグイグイ来るのな。それでこそオレの愛した女だな」

「~~~っ!! いや、いやいや、リリは騙されませんよ、でも、えへへ……」

「弱すぎィ!」

「まあ旅に出たのは冗談だが、とりあえずは近場に置くのはやめた。ギルドに相談するのはやめないぞ? 今日早速行ってくる。ただまあ昨日の神様やリリの反応を見て、連れ歩くとロクな事にならんのは理解した。だからまあ、ベストではないがベターな落としどころが確定するまでは隠す事にした」

「あー、ライト様らしいですね」

 

 苦笑いをするリリルカ。

 

「メシ時にこんな話したかねえけど、神様的にはどう思っているんだ? 一晩経って落ち着いただろ」

 

 そうしてヘスティアに水を向けると、意外と落ち着いた顔で彼女は言う。

 

「それなんだけどさ、ボクにとって何が大切なのかって考えたんだ。正直に言うとモンスターを街に連れ込む事は良い事とは思えないんだ。シロ君が言葉を話すとしてもね。感情ではなくて、今のオラリオだと不幸な結末しか思い浮かべられないから。でもね、ボクはキミたちの主神で、何よりキミたちが大好きなんだ。だからボクはライト君を信じるよ。キミが何をするにしても、きっと悪い結果にはならないと思うから。うん、だからさ、ライト君の好きにやりなよ。キミはヘスティア・ファミリアの団長なんだから」

「「「………………」」」

 

 母性爆発!

 そんなバブあじ溢れるヘスティアの言葉に一同は沈黙する。

 だが、

 

「ん? いまボク結構いい事言ったよ? なんなのその胡乱気な顔は?」

「だってなぁ……」

「はい、ねえ春姫さん」

「はぁ~ヘスティア様が神様っぽい事言ってます。凄いですッ!」

((濁したのにハッキリ言った!))

「ぐぬぬ……キミ達がボクをどう思ってるかハッキリわかったね! つーん!」

 

 結果いつものグダグダになるヘスティア一家であった。

 その後ライトがヘスティアに壁ドンし、”神よそなたは美しい”と、どこの蝦夷の末裔よとばかりのキメ顔で言って有耶無耶にした。

 昨日の春姫への壁ドンを見てちょっとしてほしかったらしい。

 

 ついでにリリも! リリも! とねだったリリルカに仕方ねえなとやってみたライト。

 だが如何せん身長が185もあるライトと、110しかないリリルカだ。

 強面のニンジャが幼女を苛めてる様にしか見えないので、なんか微妙な感じになったのである。

 

 そして彼らは日常に戻った。

 シロの件はライトに一任する事になった。

 ただし何か変化があれば必ずヘスティア以下団員と情報共有するという条件で。

 リリルカはポーションビジネスと方々での御用聞きに出かけ、春姫は麦の館でスパイスの研究に。

 

 つまりはいつも通り、という所である。

 

 

 ☆

 

 

「冒険者がここに来るのは貴様が最初だろうな」

 

 荘厳な雰囲気の地下施設。

 ダンジョンの入り口とは別の区画で、ギルドの奥にある階段から下った先にここはある。

 その石室の中心で、ライトと老人が対峙していた。

 

「へえ、それは光栄なんでしょうな。オレもこのオラリオに来て、初めて神様らしい神様に出会った」

「ほう?」

 

 ライトの言葉にローブの中の老人は興味深そうに眉を上げた。

 

「前にも誰かに言ったが、オレは元々読書家でな。何かの戯れに神話なんかも読んだものさ。ギリシア神話。その和訳、まあオレの国の言葉に訳されたやつをな。それによるとウラノスって神様は、ギリシア神話では全ての神々の大元って言うかさ、宇宙全てを支配した原初の天空神だとさ。なのでネームバリューはゼウスだが、神様としてはトップなんだろう。まあその宇宙がどこを指すのかは知らんけど。なんでオレからすれば、変な言葉を話す糸目の女とか、あざといツインテールの巨乳ロリとかが神様って言われるより、アンタの方がよっぽど神様らしく見えるってこと」

 

 その言葉にウラノスは心底おかしそうに笑った。

 久しぶりに声を出して笑ったと言いながら。

 

「ま、例のミッションはエイナに提出した通り終った。と言ってもオレじゃなく、他の団員が倒したんだけどな。それはそれとして、オレがここにいるのは、報酬代わりに希望があるかって奴をアンタとの面会をと希望したからだ」

「ああ、だから許可をした。私も貴様に興味があったからな」

「そうかい。もしかして色々見てた?」

「然り」

 

 ふうん、とライトは納得した様に頷くと、大胆にも葉巻を咥えた。

 ウラノスは咎めない。

 

「なら早くていいわ。オレが保護したシロだが、あれはモンスターなんだろう? だとしても情が湧いちまった。ギルドのお偉いさんとして、これにどういう見解を示すか聞きたい」

 

 ウラノスは目を閉じると何事か考え込んだ。

 カチリと音が鳴り、ライトの葉巻に火が点く。

 煙は静かに天井に向かって行った。

 

「ギルドとしては容認できん。オラリオの秩序を乱す訳にはいかないからな。それは理解できるだろう?」

「まあね。無駄な混乱はオレも嫌だな。商売に支障をきたす」

「くっくっくっ……人の平和がとは言わぬか」

「どこの世界でも平和だった試しなんか無いだろうよ。オレが好きな作品で、一人の英雄がこう言っていた。恒久的な平和なんて歴史上無かったってな。その代わり、何十年かの平和な時代はあったとさ。結局それって戦争があるかないかだけでしかないだろ? だがオラリオはダンジョンだ外敵だといつも騒がしい。壁で囲った箱庭に、冒険者を閉じ込めてさ。なら平和をお題目にする奴の言葉は信用できんね。現実が見えていない」

「ほう? それが異なる世界の住人の価値観か」

 

 ライトの言葉にウラノスの表情が緩む。

 続けろと無言で促しながら。

 

「全部お見通しですなぁ……まあ無駄な説明が必要無いのはいいことだ。まあ、オレが求めているのは、秩序と言うより、バランスが保たれる事だな。秩序と似ているが一緒じゃない。要は今続いている日常が今後も続く事。その中では貧困に苦しむ奴も喰いっぱぐれる者もいるだろうよ。うちのリリルカみたいなのとかな? でもしゃあないわな。可哀想だとは思うけれど。全員が全員、幸せにはなれねえ」

 

 そこで一呼吸置くように頭を掻くライト。

 溜息をひとつ。

 

「けれど、そこにシロを加える事は出来ると思うんだよな。普通の連中から見ればモンスターと紙一重で怖いかもだけどよ。けどオラリオの中にもいるだろう? 人の姿をしたモンスター以下のゴミみたいな奴は。オレからすりゃ、害があるって部分だけで見ればどっちも一緒だよ。クズも、モンスターも。魔石を落として金になる分モンスターの方がマシかもしれんけど」

 

 それだけ話すとライトは座りこんだ。

 頭を掻きながら。

 何をガラにもない事で熱くなってんだと自嘲した様だ。

 そんなライトの青臭さにウラノスは眩しそうに見た。

 だが直ぐに表情を改めると、ライトに言った。

 

「あれらは異端者(ゼノス)と呼んでいる。知性のあるモンスターの事だ。つまり貴様が保護した娘もその一人と言う事だ。お前が睨んだ通り、その娘以外にも存在している────

 

 ウラノスは見ためとは裏腹に饒舌に語った。

 ダンジョンの成り立ち。

 モンスターがどこから来て、どこへ向かい、その後どうなるのか。

 その口調は推察の様で、断定的でもあった。

 

 異端者をどう扱うべきか、ウラノスは決めかねている。

 だが現実、知性を持った彼らには正しく自我がある。

 だがまずはダイダロス通りにあるとある場所に向かえとウラノスは言った。

 その上でこの事をどうするか決めろという。

 そして最後に、

 

「ギルドの裁定を伝える。貴様に二か月間の猶予を与える。その間に貴様の裁量で収めてみせろ。だが、二か月目に進展が無ければロキファミリア、およびフレイヤファミリアに強制任務を発し、オラリオの浄化作戦を行う。その際にヘスティアファミリアが異端者保護の関与が認められれば、当然主神が査問の対象となる。以上だ」

 

 そう言うとウラノスはこれ以上話す事は無いとばかりに沈黙した。

 ライトも踵を返し、地上への階段に向かう。

 だが曲がり角で足を止めたライトが振り返らずに言う。 

 

「アンタも大変だね。好きなように振舞えないとかさ。やーい社蓄の鑑~」

 

 返答はシンプルだった。

 結構な勢いで飛んで来たヴァリス金貨がライトの後頭部をヒットしたのである。

 

(結構気にしてるんだな。草生えるわ)

 

 オラリオ最古参の神相手でもマイペースなライトであった。

 

 

 ☆

 

 

「だからさー言ってやったんだよ。ここは臭いぞーってね」

「あははっ、たしかにアレは臭いですもんね~。ほらライトさん、もっと飲んで飲んで」

「でひゃひゃひゃ……シル店員、おめー何を企んでやがるっ、はっ!? オレ襲われちゃう?!」

「襲いますよぉ~ガオー! って」

 

 豊穣の女主人ではライトが飲んだくれていた。

 ホームにも帰らず。

 いつもの奥のテーブルで、シルに酌をさせながら。

 その姿は家に居場所のない亭主が場末のスナックのホステス相手にクダをまいているのに似ている。

 

「ライトさん、どうしたんですか? 貴方はそんな飲み方をする人じゃないでしょう?」

 

 客もまばらになった頃、手の空いたリュー店員がやってきて、ライトに水を飲ませながらそう言った。

 

「オレぁねえ、ただ可愛いなぁ思って、良かれと思って連れて来たんですよブフッフンハアァア!! 人がねェ獣人がねェウワッハッハーーン!! シロも一緒に笑ってらるならオンナジヤ、オンナジヤ思っでえ! ウーハッフッハーン!!」

 

 まるでどこかの汚職議員の様に凄い泣き上戸を炸裂させ始めたライトにリュー店員は苦笑い。

 言ってる事が支離滅裂過ぎる。

 どうやらウラノスに啖呵を切った物の、いいアイデアが浮かばずに酒に逃げたらしい。

 だがその時、女神が降臨した。

 

「大丈夫ですよぉ~シルがいますからねぇ~?」

 

 まさかのシル店員、神々しいまでのバブあじを発動させ、ライトの頭を撫で始めた。

 顔を上げるライト。涙で濡れる目でうるうるとシルを見た。

 

(まるで子犬……何? この気持ち……)

 

「よーしよーし、ライトはいい子だよね。いつも頑張ってるもんね?」

「……ママ?」

「はいママでちゅよ~ほら、ママの所においで?」

「ママっ……ママァ!!」

「キャッ、ほらママのおひざでネンネしましょうね?」

「ママ…………」

(え、なにこれ怖い)

 

 リュー店員は戦慄した。突如始まった謎の茶番に。

 一瞬で幼児退行した巨大なニンジャ。

 うわごとの様にママと言いながら、小柄なシルの膝に頭を載せている。

 まるで地獄絵図だ。

 

 だがそれよりも恐ろしいのはシルの手腕だった。

 かつて所属していたファミリアが壊滅し、その仇である闇派閥を皆殺しにした過去を持つリュー・リオン。

 復讐を終えても後に残ったのは虚無だった。

 

 当然だ。腹いせになっても、死んだ人間は二度と戻らないのだ。

 結果、行き倒れた彼女を救ったのはシルだった。

 生きる目的を失った彼女に、生きる意味を与えた。

 故に、リュー・リオンにとってシル・フローヴァという女性は、ただの親友と言うよりも、女神の様な存在なのかもしれない。

 

 だがそんな彼女が今、一瞬で大の男を子供にしているではないか!

 たしかに彼女は女神だが、これは流石に無いだろうとリューは戦慄する。

 

「ママ……おっぱい……」

「オッパイでちゅか~? じゃあ、ママ好きって言ったらいいよ?」

「ママちゅき♡」

「ライトはいい子でちゅね~じゃあ、ご褒美のおっぱいをあげりゅ」

「キャキャキャ」

 

 鼻息荒く、目を血走らせたシルがシャツを降ろそうとしたその瞬間、リューを筆頭にアーニャ、クロエ、ルノアが一斉に取り押さえ事無きを得た。

 因みにまばらに残っていた男性客は全員鼻を押さえて前かがみだったという。

 

 そしてその後、

 

「悪いな送って貰っちゃって」

「いいんですよ。ミア母さんにも怒られちゃったし!」

 

 夜道を並んで歩くライトとシルの姿であった。

 あのおぞましい時間がまるで無かったかのように爽やかな感じで歩いている。

 とは言えシルは、もういい時間の為、酔っぱらいを送りがてらアンタも帰んなとミアに言われたのだ。

 

「ねえライトさん? 何をそんなに悩んでいるんです?」

「んー……そうだなぁ。お前に言ってもしゃあないけど、変なガキを拾ったんだよ」

「子供、ですか?」

「うん。ただなんつーか、色々事情があってだな、大っぴらに出来ないんだ。けどよ、生まれたばっかのガキにそんな事情なんぞ理解できねーだろ?」

「そう、ですね」

 

 コツコツと二人の足音だけが路地に響く。

 ライトはシルの歩幅に合わせてのんびり歩きながら空を眺めている。

 

「それは孤児って事ですか?」

「んー孤児は孤児なんだけど……もっとややこしい事情も絡んでてな」

「じゃ諦めるんですか?」

「馬鹿やろうお前、オレはやるぞお前。いや、まあ、あのガキを見捨てる事はしねえ。それは決定事項なんだ。けどよ」

「けど?」

「ゴリ押しでどうにかするのは違うって思うんだ」

「はぁ……」

「なんつーか、オレらが笑う為に誰かが泣いたら、それは違うだろ?」

 

 そう言ってライトは笑った。

 それをポカンとした顔で見上げるシル。

 そして急に笑い始めた。

 

「あははっ、あははははっ! やっぱり面白いですねライトさんは」

「面白い? どこがさ」

「だってソーマファミリアの時とか、歓楽街の時とか、みんなびっくりしましたからね。オラリオの情報誌でいつも一面に載ってるんですよ? 街の人はライトさんが次は何をするんだろってみんな楽しみにしてるんです。だから、弱気になっているのを見て心配してたんですが、そんな心配はいらなそうですねっ」

「おまえ、結構まともな事話せるんだな」

「うー失礼ですっ! こう見えてシルはライトさんのファンなんですよっ!」

「ははっ、オレのファンかよ。んじゃ、ファンの期待にゃ応えなきゃな」

「ええっ! また貴方の突拍子もない何かを見せてください」

 

 そうしてライトは気合いを入れなおす様に自分の頬を叩いた。

 方向性はまだ見えないが、多分オレなら出来る。

 そんな根拠のない自信が沸々と沸いて来た。

 だがそれこそがオラリオに来て以降のライトの在り方である。

 そんなライトの背中をシルはじっと見つめていた。

 

 (……その輝く魂のままに)

 

 尚、午前様でホームに帰ったライトだが、ヘスティア以下メンバー全員に説教をされたのは余談である。

 なぜそうなったかと言えば、シルが帰り際に「ライト様、今度はちゃんとおっぱい飲ませてあげますね♡」と意味深な台詞を残して走り去ったからである。

 

 甚だ自業自得である。

 

 

 




春姫「朝か……今日は週末だからもう少し寝ようかな」
謎の鳥「ホーホホ ホホー ホーホホ ホホー」

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